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第十二章 弥生(三月)
342.三月十七日 午後 なめくじ娘
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「なーんだ、四宮先輩はもう売約済みなんですね、残念。
まあ三つ上は好みじゃないからいいんですけど! 他にイイ男子いませんか?」
「植田さんって随分積極的なのね、私はそう言うの得意じゃないから圧倒されちゃうよ」
「なんでそんなウブな先輩に許嫁がいるのかって、学園七不思議の一つですか?
そっか、ということは先輩たちは義理のいとこってことになるわけですね。
だから仲がいい以上の関係に見えたのかもしれないなー」
すでに午後の部が始まり、再び校舎内を回り始めているところだ。しかし南のおしゃべりは止まらない。綾乃にしてみれば、下手をすると夢路よりも厄介な存在になるのではないかと戦々恐々である。
そしてこちらは八早月と一二三の組み合わせ。どうにも会話が進まずポツリポツリと言葉を交わす程度である。大体が他人に深く興味を抱かない八早月である。いわゆる塩対応なのだが、それでも社交的な一二三はどうしても話しかけたくて仕方がないらしい。
「そうだ櫛田先輩、なんで八早月と書いてやよいと読むのか教えてくださいよ。
このままじゃ気になって夜しか眠れないじゃないですか」
「そうね、夜に眠れるならそれに越したことはないわ、ああ、また眠気が……
ごめんなさい、朝が早すぎたもので寝不足なの、それで名前の由来?
人の名前を聞いたところで面白くも何の参考にもならないでしょう?」
「いいじゃないですか、こういうのもコミュニケーションですって。
カワイイ後輩がもっと仲良くなりたいって言ってるんですから」
「聞いても面白くないのだけれど、後になって苦情は受け付けませんからね?
私の家では代々子供に八の字を含めるの、それに生まれた時間が宵の口なの。
だから八宵で決まるはずが、母が好きな月の文字を入れたいとなってね。
結局当て字にすると言う折衷案となったわけなの、面白くないでしょう?」
「面白さよりも学があるって言うか、情緒? 侘び寂びかな?
話し方もですけど由緒正しい家柄ってのが伝わってきますね、ステキです!」
「褒められるほどの話ではないと思うのだけれど、素直にお礼をしておくわ。
では私も一つよろしいかしら? 同じく名前について伺ってもよろしくて?」
「それこそつまらないと思いますけど、ドンとこいです!
いつみの家も本家はそれなりの旧家なんですけどね?
親戚全て繋がりのある範囲で百二十三番目の子供にはひふみと付けるんです。
でも決められてるのは書物に残された漢字のみで一二三じゃないですか。
いつみの父さんはひねくれ者なんで何とか別の読み方にしたかったらしく……
だからって『いち』『ツー』『み』はちょっとなあって今でも思ってるんですよ」
「なるほど、真ん中だけ英語のトゥーから取ったと言うわけね。
随分ハイカラなお父上じゃないの、個性を与える工夫に親の愛を感じるわ。
でもそもそもなぜ一族で百二十三にこだわっているのかと言うことが重要ね。
きっと先ほどおっしゃっていたお婆さまのお話と関連があるのだわ」
「それって例のナメクジのことですよね? あれホントに驚いちゃった。
だって本家の大婆っぱ」に同じこと言われてるんだもん。
お前はナメクジの生まれ変わり、とうとうこの時が来たのだってね。
んでなんか本家に取り上げられそうになったからって引っ越してきたんです。
旧家で地元の名士でも村を離れれば大しこと無いらしいからって」
一二三は少しうつむきながら身の上を語りだした。この様子だと自分に特殊な力が宿っている事には、本当に気づいていないようである。綾乃とは違い生きていく上で支障をきたすような影響が出ていないのが救いだろう。
本家とやらは地元の越奧村では権力のある家柄らしく、そこへ一二三を迎え入れる、つまり本家の養子にすることが一族の中で決まりかけていたと言う。だが小学校を卒業するこのタイミングで父親が一念発起し、本家へ反旗を翻したと言うわけだ。
「そのせいで仕事変えたり家も借家になったりしちゃったけどね。
両親がいつみのこと大切にしてくれてるのがわかってうれしかったなあ」
「それであなた達の一族、愛甲家かしらね、なにか特別な儀式はしていないの?
村のものだけでひっそり行うような祭りだとか使う言ったものよ?
私の見立てではなめくじに関連する奇祭があるのではと睨んでいるわ。
ああ、別に気にしなくてもいいのよ、うちの村だって似たようなものだから」
「う、うん…… あるにはあるんだけど口にも出したくない……
察してもらえるかわかんないけど、すごく気持ち悪い儀式だとだけ……」
さすがの八早月も想像しただけで身震いしてしまった。もともと蛇とナメクジは相性が悪いとされている。実際はそんなこともないのだが長年伝えられてきた民間伝承の力は相当で、現代においても『蛇』『蛙』『蛞蝓』の三すくみは誰でも知っているほど有名だ。
ここで八早月はようやく気付いた。おそらくこの愛甲一二三にはなめくじが憑いているのだろう。もしかしたら本当に生まれ変わりの可能性もある。神道には輪廻転生の概念は無いが、魂としての存在は真宵たちのようにいつでもすぐ近くにいるのだから、何かのはずみで現世へ産まれ出てしまってもおかしくは無い。
百二十三と言う数字が何を意味しているのかは分からないが、猫が二千回生まれ変わると霊猫になるように、百二十三年か百二十三代、もしくはその掛け合わせでなにかが起きると言う伝承であれば合点がいく。
つまり一二三は蛞蝓が人の肉体を得た姿と言うのが八早月の推察である。もちろん雨の後その辺に出てくるナメクジではない。すでに天寿を全うし他界してから常世で長く暮らし神になった、もしくは神の予備軍となっている者たちのことだ。
そう考えれば一二三から金鵄と同じ気配を感じるのも不思議ではないのだが、これが八早月にとっては飛雄を思い浮かべてしまう要因になっていた。これは別に彼女が悪いわけでもなんでもない。
ではなぜ八岐大蛇は八早月を遣わすほどに警戒したのだろうか。いや、別に警戒したわけではないかもしれない。どちらにせよ早々に知っておくべき存在だと考えたとみるべきか。八早月と一二三の邂逅が早いにこしたことはないと言うことだ。
八早月がそんな深い考察を行っている間、当然黙っていることになる。それがどうも一二三が責任を感じることに繋がってしまったらしく、バツが悪そうに後ろをついていく。
だがここで運よく助け舟が現れた。
「ほら二人ともぼーっとしてると行きすぎちゃうよ、ここで最後だからね。
と言っても特に何することもないけど、頻繁に使うから忘れないように。
自分の教室からここまで来て校庭や体育館へ移動するから時間かかるのよね」
綾乃が愚痴っぽいことを言いながら女子更衣室のドアを開けると、そこには先客がいた。だがそれはどう見ても生徒にも教師にも見えない若い男性であり、次々にロッカーを開けている最中だった。
「うわー! 泥棒! 誰かー!」
南が真っ先に叫んだため男は入口へ向かって走ってきた。そこにはもちろん綾乃がいて道を塞いでいるが躊躇う様子はない。このままでは綾乃に害が及んでしまうため、仕方ないなと八早月は取り押さえるつもりで前に出ようとした。
しかしそれよりも早く一二三が飛び出していって不審者の足元をすくう。当然あっけなく転んだ男は開き直って一二三へと飛びかかる。
「コイツめ、邪魔するな!」
そう叫んだ男が次の瞬間目にした光景は留置場の天井だった。
まあ三つ上は好みじゃないからいいんですけど! 他にイイ男子いませんか?」
「植田さんって随分積極的なのね、私はそう言うの得意じゃないから圧倒されちゃうよ」
「なんでそんなウブな先輩に許嫁がいるのかって、学園七不思議の一つですか?
そっか、ということは先輩たちは義理のいとこってことになるわけですね。
だから仲がいい以上の関係に見えたのかもしれないなー」
すでに午後の部が始まり、再び校舎内を回り始めているところだ。しかし南のおしゃべりは止まらない。綾乃にしてみれば、下手をすると夢路よりも厄介な存在になるのではないかと戦々恐々である。
そしてこちらは八早月と一二三の組み合わせ。どうにも会話が進まずポツリポツリと言葉を交わす程度である。大体が他人に深く興味を抱かない八早月である。いわゆる塩対応なのだが、それでも社交的な一二三はどうしても話しかけたくて仕方がないらしい。
「そうだ櫛田先輩、なんで八早月と書いてやよいと読むのか教えてくださいよ。
このままじゃ気になって夜しか眠れないじゃないですか」
「そうね、夜に眠れるならそれに越したことはないわ、ああ、また眠気が……
ごめんなさい、朝が早すぎたもので寝不足なの、それで名前の由来?
人の名前を聞いたところで面白くも何の参考にもならないでしょう?」
「いいじゃないですか、こういうのもコミュニケーションですって。
カワイイ後輩がもっと仲良くなりたいって言ってるんですから」
「聞いても面白くないのだけれど、後になって苦情は受け付けませんからね?
私の家では代々子供に八の字を含めるの、それに生まれた時間が宵の口なの。
だから八宵で決まるはずが、母が好きな月の文字を入れたいとなってね。
結局当て字にすると言う折衷案となったわけなの、面白くないでしょう?」
「面白さよりも学があるって言うか、情緒? 侘び寂びかな?
話し方もですけど由緒正しい家柄ってのが伝わってきますね、ステキです!」
「褒められるほどの話ではないと思うのだけれど、素直にお礼をしておくわ。
では私も一つよろしいかしら? 同じく名前について伺ってもよろしくて?」
「それこそつまらないと思いますけど、ドンとこいです!
いつみの家も本家はそれなりの旧家なんですけどね?
親戚全て繋がりのある範囲で百二十三番目の子供にはひふみと付けるんです。
でも決められてるのは書物に残された漢字のみで一二三じゃないですか。
いつみの父さんはひねくれ者なんで何とか別の読み方にしたかったらしく……
だからって『いち』『ツー』『み』はちょっとなあって今でも思ってるんですよ」
「なるほど、真ん中だけ英語のトゥーから取ったと言うわけね。
随分ハイカラなお父上じゃないの、個性を与える工夫に親の愛を感じるわ。
でもそもそもなぜ一族で百二十三にこだわっているのかと言うことが重要ね。
きっと先ほどおっしゃっていたお婆さまのお話と関連があるのだわ」
「それって例のナメクジのことですよね? あれホントに驚いちゃった。
だって本家の大婆っぱ」に同じこと言われてるんだもん。
お前はナメクジの生まれ変わり、とうとうこの時が来たのだってね。
んでなんか本家に取り上げられそうになったからって引っ越してきたんです。
旧家で地元の名士でも村を離れれば大しこと無いらしいからって」
一二三は少しうつむきながら身の上を語りだした。この様子だと自分に特殊な力が宿っている事には、本当に気づいていないようである。綾乃とは違い生きていく上で支障をきたすような影響が出ていないのが救いだろう。
本家とやらは地元の越奧村では権力のある家柄らしく、そこへ一二三を迎え入れる、つまり本家の養子にすることが一族の中で決まりかけていたと言う。だが小学校を卒業するこのタイミングで父親が一念発起し、本家へ反旗を翻したと言うわけだ。
「そのせいで仕事変えたり家も借家になったりしちゃったけどね。
両親がいつみのこと大切にしてくれてるのがわかってうれしかったなあ」
「それであなた達の一族、愛甲家かしらね、なにか特別な儀式はしていないの?
村のものだけでひっそり行うような祭りだとか使う言ったものよ?
私の見立てではなめくじに関連する奇祭があるのではと睨んでいるわ。
ああ、別に気にしなくてもいいのよ、うちの村だって似たようなものだから」
「う、うん…… あるにはあるんだけど口にも出したくない……
察してもらえるかわかんないけど、すごく気持ち悪い儀式だとだけ……」
さすがの八早月も想像しただけで身震いしてしまった。もともと蛇とナメクジは相性が悪いとされている。実際はそんなこともないのだが長年伝えられてきた民間伝承の力は相当で、現代においても『蛇』『蛙』『蛞蝓』の三すくみは誰でも知っているほど有名だ。
ここで八早月はようやく気付いた。おそらくこの愛甲一二三にはなめくじが憑いているのだろう。もしかしたら本当に生まれ変わりの可能性もある。神道には輪廻転生の概念は無いが、魂としての存在は真宵たちのようにいつでもすぐ近くにいるのだから、何かのはずみで現世へ産まれ出てしまってもおかしくは無い。
百二十三と言う数字が何を意味しているのかは分からないが、猫が二千回生まれ変わると霊猫になるように、百二十三年か百二十三代、もしくはその掛け合わせでなにかが起きると言う伝承であれば合点がいく。
つまり一二三は蛞蝓が人の肉体を得た姿と言うのが八早月の推察である。もちろん雨の後その辺に出てくるナメクジではない。すでに天寿を全うし他界してから常世で長く暮らし神になった、もしくは神の予備軍となっている者たちのことだ。
そう考えれば一二三から金鵄と同じ気配を感じるのも不思議ではないのだが、これが八早月にとっては飛雄を思い浮かべてしまう要因になっていた。これは別に彼女が悪いわけでもなんでもない。
ではなぜ八岐大蛇は八早月を遣わすほどに警戒したのだろうか。いや、別に警戒したわけではないかもしれない。どちらにせよ早々に知っておくべき存在だと考えたとみるべきか。八早月と一二三の邂逅が早いにこしたことはないと言うことだ。
八早月がそんな深い考察を行っている間、当然黙っていることになる。それがどうも一二三が責任を感じることに繋がってしまったらしく、バツが悪そうに後ろをついていく。
だがここで運よく助け舟が現れた。
「ほら二人ともぼーっとしてると行きすぎちゃうよ、ここで最後だからね。
と言っても特に何することもないけど、頻繁に使うから忘れないように。
自分の教室からここまで来て校庭や体育館へ移動するから時間かかるのよね」
綾乃が愚痴っぽいことを言いながら女子更衣室のドアを開けると、そこには先客がいた。だがそれはどう見ても生徒にも教師にも見えない若い男性であり、次々にロッカーを開けている最中だった。
「うわー! 泥棒! 誰かー!」
南が真っ先に叫んだため男は入口へ向かって走ってきた。そこにはもちろん綾乃がいて道を塞いでいるが躊躇う様子はない。このままでは綾乃に害が及んでしまうため、仕方ないなと八早月は取り押さえるつもりで前に出ようとした。
しかしそれよりも早く一二三が飛び出していって不審者の足元をすくう。当然あっけなく転んだ男は開き直って一二三へと飛びかかる。
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そう叫んだ男が次の瞬間目にした光景は留置場の天井だった。
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