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第十二章 弥生(三月)
345.三月十九日 午後 体育館での諍い
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今週末、三月二十二日は中等部の卒業式が行われる。そのため今週は火曜木曜の二日間が午後の授業の代わりに予行練習へと充てられていた。なぜ隔日なのかと言えば理由は明確で、当日の感動が薄まらないよう九遠学園の予行練習は卒業生と一、二年生が別々で練習すると決まっているからである。
すなわち本日と明後日は一、二年生、明日と明明後日は三年生が練習する日と言うことだ。
「そもそも練習をすること自体が興ざめの原因ではないのかしら。
まあ授業が無くなるのは歓迎だから文句は言わずやるけれどね」
「いやいや八早月ちゃん、すでに文句言ってるってば。
それにしても四宮先輩が卒業しちゃうなんて部活の楽しみがほぼゼロだよ。
誰でもいいから眺めるのにちょうどいい部員が入ってくるといいけど無理かあ」
「夢一人になるから部長になるんでしょ? 二年生で部長なんて凄いよね。
四宮先輩はどうだったのかな、高等部に書道部の一年生いたっけ?」
「いるいる、四人くらいいたから去年までは多かったんだろうね。
でも一年生がいなかったから今二年生がいないってことだけどさ」
「来年になったら新入生が入ってくるわよ、先日の植田さんという子ね。
書道好きだと言っていたから体験入部くらいはすると思うわ」
八早月はあえて植田南の本性については黙っていた。同様に南へ夢路の嗜好についても伝えていない。あまり先入観を持たせるのもどうかと思ったと言うこともあるが、綾乃に口止めされていることが一番の理由である。
似たもの同士だからと言って気が合うとは限らないわけで、体験入部だけして入らないかもしれない。それを考えたらあまり期待を持たせすぎない方がいいと言うのが綾乃の言い分である。
そして南へもあまり吹き込んでおくと、体験入部すら来てくれない可能性が出て来てしまう。きっと自然体で出会えた方がどちらにとっても良いだろう。これも綾乃の受け売りだ。
「それにしても部員一人で部活動が成立するのかしら、廃部にはならないの?
以前夢路さんから借りた漫画では、人数が足りないと人集めをしていたわ。
最後は幽霊部員と言う物騒な展開にもなっていたでしょう?」
「そう言えばそんなこと誰からも聞いてなかったかも。
よくよく考えると顧問の先生すら知らないよ! えっ、ビックリなんだけど」
夢路は新たな気付きに驚いているが、外野からしてみれば今の今まで気づかなかったことに驚きである。
「でもきっと大丈夫だよ、四宮先輩だって勧誘活動してたことないもん。
だから部員数に決まりなんて無いんだと思う、うん、きっとそうだよね」
「書道部ってすごいね…… そりゃ夢でもやっていかれるわけだよ。
でも今後は放課後にカギ取りに行ったり返しに行ったりもあるじゃない。
やっぱ顧問の先生くらいは早めに知っておいた方が良くない?」
もっともすぎる意見が美晴から出されると、八早月も頷いて同意した。だが夢路はテンでやる気無さそうに力なく笑い返している。直臣が卒業してしまうことでやる気を失ったというのは本音なのだろう。
「でも確かに一人になってしまったらやる気も出なくなって当然よ。
直臣の観賞については賛同しかねるのだけれど、意欲を持てないのは問題ね。
いっそのこと辞めてしまったらよいのでは?」
「でも四宮先輩から託されたから放り出すわけにはいかないよ。
こう見えても私って責任感強い方だからさ」
「じゃあその責任感の強さを活かして予行練習を真面目にやってくれない?
いつまでも集中しないでおしゃべりされてたら進められないでしょうに。
もう時間になったんだから早く並んでよね」
そう言って叱り口調で割り込んできたのは井口真帆だった。クラスをまとめる委員長と言う立場からすればその強い口調にもなろうと言うものなのだが、当然夢路は反発する。
「まほちんってなんでそんなうるさく言うわけ? 普通に言えば通じるよ?
それに回り見てみなってば、まだ二年生もそろってないし平気平気」
「そう言う問題じゃないでしょ! うちのクラスが真っ先に整列すればいいの。
なんで夢ちゃんはいつもいつもひねくれた事するわけ? 信じらんない!」
「そっちこそいつも食って掛かって来てさ、私が何か気に障ることした?
どちらかと言えば協力的だしめちゃ気遣いしてると思うんだけど?」
この夢路の台詞を聞いて周囲はやや騒めいた。さらに言えば、二人の小学校時代を知らない八早月ですら呆れ顔である。この一年間見てきたことで判断する限り、夢路が真帆に協力的だったことなど一度もない。どちらかと言えば夢路は、成績以外では問題児とも言えるほど協調性がないのだから。
クラス運営と言う点に関して言えば八早月は真帆を評価している。確かに気が強く命令口調で指示してくる嫌いはあるが、事あるごとに意見が対立する小さなコミュニティをうまくまとめてきた実績もあり教師からの信頼も厚い。
だが先日の大泣き騒ぎ以降、立場が悪くなり始めているのもまた事実。決してそんなことは無かったのだが、周囲からは感情的で困ったら泣く女子といったレッテルを貼られつつあった。
裏を返せばそれくらいクラスの中はくっきりと二分、いや三分されており、すでに進級後の主導権争いが始まっている。井口真帆と対立する群れでもクラス委員長を擁立する動きがあるらしい。しかし数で勝る真帆陣営をひっくり返すには中立層の取り込みが必要不可欠と言った状況にあるようだ。
中学校の、しかも全部で二十人しかいないクラスで政治的争いが勃発しているのもなんだか面白いと見る向きもあり、八早月もその一人である。物珍しさからどちらにも加担せず周囲から見ている方が楽しめると考えていた。
政治的争いと言えば、八畑村にも村長がおり任期満了の際には当然のように選挙が行われるのだが、近代になって選挙制度が確立されてから一度も投票が行われたことがない。遥か昔の放擲された村だった時代より同じ家から選出されており、村人からも世襲や利権などと羨まれてはおらず跡を継ぐ義務があるとさえ考えられている節がある。
それだけに、本来は戸籍上の大人たちにだけ与えられた権利、群れの長を自分たちで選出するための『投票』を楽しみにしている。小さな中学生のクラス委員と言えど、八家筆頭とは異なり世襲でも実力主義でもない、まさに個人の能力と人脈を合わせた政治力が問われる戦いなのだ。
だがこうしていつものように諍いを起こしていることが、いつまでも許容されるわけではない。
「こらっ、お前たち、まーた言い争っているのか? ちゃんと委員長の指示をだな――」
結局一年一組『村』の面々は、クラスをまとめる村長よりも上位の存在である担任に、全員一緒くたで叱られてしまったのである。
すなわち本日と明後日は一、二年生、明日と明明後日は三年生が練習する日と言うことだ。
「そもそも練習をすること自体が興ざめの原因ではないのかしら。
まあ授業が無くなるのは歓迎だから文句は言わずやるけれどね」
「いやいや八早月ちゃん、すでに文句言ってるってば。
それにしても四宮先輩が卒業しちゃうなんて部活の楽しみがほぼゼロだよ。
誰でもいいから眺めるのにちょうどいい部員が入ってくるといいけど無理かあ」
「夢一人になるから部長になるんでしょ? 二年生で部長なんて凄いよね。
四宮先輩はどうだったのかな、高等部に書道部の一年生いたっけ?」
「いるいる、四人くらいいたから去年までは多かったんだろうね。
でも一年生がいなかったから今二年生がいないってことだけどさ」
「来年になったら新入生が入ってくるわよ、先日の植田さんという子ね。
書道好きだと言っていたから体験入部くらいはすると思うわ」
八早月はあえて植田南の本性については黙っていた。同様に南へ夢路の嗜好についても伝えていない。あまり先入観を持たせるのもどうかと思ったと言うこともあるが、綾乃に口止めされていることが一番の理由である。
似たもの同士だからと言って気が合うとは限らないわけで、体験入部だけして入らないかもしれない。それを考えたらあまり期待を持たせすぎない方がいいと言うのが綾乃の言い分である。
そして南へもあまり吹き込んでおくと、体験入部すら来てくれない可能性が出て来てしまう。きっと自然体で出会えた方がどちらにとっても良いだろう。これも綾乃の受け売りだ。
「それにしても部員一人で部活動が成立するのかしら、廃部にはならないの?
以前夢路さんから借りた漫画では、人数が足りないと人集めをしていたわ。
最後は幽霊部員と言う物騒な展開にもなっていたでしょう?」
「そう言えばそんなこと誰からも聞いてなかったかも。
よくよく考えると顧問の先生すら知らないよ! えっ、ビックリなんだけど」
夢路は新たな気付きに驚いているが、外野からしてみれば今の今まで気づかなかったことに驚きである。
「でもきっと大丈夫だよ、四宮先輩だって勧誘活動してたことないもん。
だから部員数に決まりなんて無いんだと思う、うん、きっとそうだよね」
「書道部ってすごいね…… そりゃ夢でもやっていかれるわけだよ。
でも今後は放課後にカギ取りに行ったり返しに行ったりもあるじゃない。
やっぱ顧問の先生くらいは早めに知っておいた方が良くない?」
もっともすぎる意見が美晴から出されると、八早月も頷いて同意した。だが夢路はテンでやる気無さそうに力なく笑い返している。直臣が卒業してしまうことでやる気を失ったというのは本音なのだろう。
「でも確かに一人になってしまったらやる気も出なくなって当然よ。
直臣の観賞については賛同しかねるのだけれど、意欲を持てないのは問題ね。
いっそのこと辞めてしまったらよいのでは?」
「でも四宮先輩から託されたから放り出すわけにはいかないよ。
こう見えても私って責任感強い方だからさ」
「じゃあその責任感の強さを活かして予行練習を真面目にやってくれない?
いつまでも集中しないでおしゃべりされてたら進められないでしょうに。
もう時間になったんだから早く並んでよね」
そう言って叱り口調で割り込んできたのは井口真帆だった。クラスをまとめる委員長と言う立場からすればその強い口調にもなろうと言うものなのだが、当然夢路は反発する。
「まほちんってなんでそんなうるさく言うわけ? 普通に言えば通じるよ?
それに回り見てみなってば、まだ二年生もそろってないし平気平気」
「そう言う問題じゃないでしょ! うちのクラスが真っ先に整列すればいいの。
なんで夢ちゃんはいつもいつもひねくれた事するわけ? 信じらんない!」
「そっちこそいつも食って掛かって来てさ、私が何か気に障ることした?
どちらかと言えば協力的だしめちゃ気遣いしてると思うんだけど?」
この夢路の台詞を聞いて周囲はやや騒めいた。さらに言えば、二人の小学校時代を知らない八早月ですら呆れ顔である。この一年間見てきたことで判断する限り、夢路が真帆に協力的だったことなど一度もない。どちらかと言えば夢路は、成績以外では問題児とも言えるほど協調性がないのだから。
クラス運営と言う点に関して言えば八早月は真帆を評価している。確かに気が強く命令口調で指示してくる嫌いはあるが、事あるごとに意見が対立する小さなコミュニティをうまくまとめてきた実績もあり教師からの信頼も厚い。
だが先日の大泣き騒ぎ以降、立場が悪くなり始めているのもまた事実。決してそんなことは無かったのだが、周囲からは感情的で困ったら泣く女子といったレッテルを貼られつつあった。
裏を返せばそれくらいクラスの中はくっきりと二分、いや三分されており、すでに進級後の主導権争いが始まっている。井口真帆と対立する群れでもクラス委員長を擁立する動きがあるらしい。しかし数で勝る真帆陣営をひっくり返すには中立層の取り込みが必要不可欠と言った状況にあるようだ。
中学校の、しかも全部で二十人しかいないクラスで政治的争いが勃発しているのもなんだか面白いと見る向きもあり、八早月もその一人である。物珍しさからどちらにも加担せず周囲から見ている方が楽しめると考えていた。
政治的争いと言えば、八畑村にも村長がおり任期満了の際には当然のように選挙が行われるのだが、近代になって選挙制度が確立されてから一度も投票が行われたことがない。遥か昔の放擲された村だった時代より同じ家から選出されており、村人からも世襲や利権などと羨まれてはおらず跡を継ぐ義務があるとさえ考えられている節がある。
それだけに、本来は戸籍上の大人たちにだけ与えられた権利、群れの長を自分たちで選出するための『投票』を楽しみにしている。小さな中学生のクラス委員と言えど、八家筆頭とは異なり世襲でも実力主義でもない、まさに個人の能力と人脈を合わせた政治力が問われる戦いなのだ。
だがこうしていつものように諍いを起こしていることが、いつまでも許容されるわけではない。
「こらっ、お前たち、まーた言い争っているのか? ちゃんと委員長の指示をだな――」
結局一年一組『村』の面々は、クラスをまとめる村長よりも上位の存在である担任に、全員一緒くたで叱られてしまったのである。
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