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第十二章 弥生(三月)
348.三月二十二日 午前 卒業式
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こうして体育館に生徒教職員含めた全員が集まるのは入学式以来だろう。毎週月曜の朝礼もあるにはあるが、やはりどこか眠そうな雰囲気が漂っているのが当たり前だし、担任以外の教師はあまり顔を出さない。
だがさすがに今日は小奇麗なスーツを着て胸にはリボン、まさに馬子にも衣装といった風体である。生徒たちも胸にリボンをつけ特別感はあるのだが、結局いつもの制服なので代わり映えがないと言ってしまうと見も蓋もないか。
開会が宣言されて入ってきた卒業生を拍手で迎え、校長からは一人一人に卒業証書が授与されていく。見送る側の生徒にしてみれば他人事とも言えるため、あくびをしている生徒がいないわけではないが、それでも在校生代表による送辞と卒業生代表による答辞の際には皆真剣に壇上を見つめていた。
とは言え来賓の祝辞ではやはり弛みが見られるし、校長のスピーチなどは言うまでもない。これは毎年繰り返される悪しき風習である、などという生意気な生徒もいる。
だがこれら式典のすべてをしっかりと目に焼き付けるかの如く、真剣に見つめる少女がいた。普段は何事にも達観したように大人びた態度を取るのだが、それはごくごく当たり前のことに対してのみ。今回のように物珍しい式典ならば興味深く観察するのも当然なのだ。
「いやあ、この卒業式の短さ、これだけでも私立へ入った甲斐があったね。
去年は当事者だったからまだ平気だったけど、金井小なんて卒業生百二十人以上だよ?」
「そうだよね、アタシは貧血の振りして途中抜けようかと考えたことあるもん。
しかも全員の分読み上げていくんだから聞かされてる方はたまんないよ。
それに引き替え卒業生が四十人しか居ないなんてもう最高!」
「なんだか驚きだわ、あのすばらしい式典をそんな目で見るものなのね。
慣れということなのかしら、私には到底理解できない感想よ?
ああ、あれ程大勢の生徒が次々に名を呼ばれ卒業証書を受け取るなんて。
素晴らしい光景だったわ、入学式も良かったけれど卒業式は格別ね!」
興奮気味に感想を述べる八早月へ友人たちは苦笑いを返すのみである。当人にしてみれば入学式で初めて分校以外の式典を見たわけで、その時でさえ相当に感銘を受けていたのだ。本日は卒業式のため当然卒業証書の授与があり、それがこの田舎娘には相当特別なものと映ったのだ。
「それにしても大げさすぎだよ、これから毎年そのリアクションなの?
来年もあるし再来年は自分たちが卒業して隣の校舎へ移るんだよ?
その後は高校でだって同じ事の繰り返し、どこにそんな感動する要素があるかなぁ」
「夢はちょっと達観しすぎー アタシは自分の卒業式の時は感動したよ。
小学校は六年間だったからなんか達成感みたいなのもあったしね。
他の子だって結構泣いたりしてたし、今日だって泣いてる卒業生いたじゃないの」
「美晴さんの言う通りだわ、確かに慣れてしまえばなんてことないかもしれない。
でも当事者になればきっと感動するに違いないわ、私も泣くかもしれない!」
「「ないない」」
式が終わって教室へ戻ってくると結局いつものように騒いでしまう少女たち、余韻や情緒などと言う物とは無縁らしい。
さてこれからなにかあるわけでもなく、ホームルームが行われたら下校となりそうだ。時間はまだ昼にも早いし大人しく帰ることになるかもしれない。もう授業も給食もなく週明けの修了式を待つばかりである。
今日は当番でもないし思い切り遊び呆けてもいいのだが、近隣の中学校でも卒業式が行われていることもあり、少々警戒を強めている八家の面々だった。去年の同時期もそうだが、この時期はどうにも妖に呼ばれてしまう者が多い。人生の節目と言うものはどうしても人の精神状態を不安定にさせるからである。
『八早月様、どうやら――』
『仕方ないですね、せっかく卒業式に参列したと言うのにこんな目に合うとは。
縁丸を手伝いに行ってください、臣人さんは父母会へ残るようにと』
『かしこまりました、そのようにお伝えいたします』
どうやら金北小学校方面で妖が発生したらしく、当番である臣人が対処へ向かうと連絡が入ったのだ。あの腰の重い臣人がせっかく直臣のために学園まで来たのだからもう少しゆっくりさせてやろうと、八早月は真宵を助に出したのだった。
この緊急事態はホームルームが終わるころには片が付いた程度の小規模なものだった。それでも同時多発的に発生すれば対処は面倒になる。すなわちこれは今しばらく金井町に留まるべきなのではないかと考えた。そう、あくまでお役目のためにである。
そんなことを考えながら時間をどう潰そうかと考えていたところへ、なんとも都合のいい客人が現れた。
「八早月ちゃん、もう帰っちゃうとこ? 時間が半端で困っちゃうよね。
夢ちゃんたちはどうしたの?」
「どうやら彼女たちは金井中の面々に誘われているようだわ。
向こうも今日が卒業式だったらしいし、きっと皆時間を持て余しているのよ」
「そっかぁ、それじゃ良かったら話を聞いてあげて欲しいんだけど……
私はちょっと今日は予定があって帰らないといけなくてね。
押し付けるみたいになっちゃってホントゴメン!」
そう言って両手を合わせた綾乃の後ろから、新庄がひょっこりと顔を出した。
「師匠! この後時間あるんだったら道場へ来てくれよ。
小中高の卒業生をお祝いする芋煮会をするから昼飯の心配もないぜ?
別に立ち合いに参加してくれとは言わないって、見学だけでいいんだからさ」
「そうね、確かに暇を持て余していてどうしようと考えていたところよ。
私もたまにはすぐに帰りたくないと思う日もあるし、先輩について行ってみましょうか」
「マジで!? やった、んじゃ昇降口でまってるから頼むよー!」
新庄は大喜びで去っていったのだが、連れてきた綾乃はなんとなく気まずそうにモジモジしている。先に帰ってしまうことが申し訳ないのか、何か事情があるのかわからないが、八早月は昼食を確保し時間も潰せるのだから渡りに船で綾乃へ文句など言うはずもない。
「あのね、実はこの後うちで食事会なのよ、誘えないのが残念なんだけど……
しかもそれだけじゃなく新庄君を押し付けちゃったし、この穴埋めはきっと」
「何を気にする必要があるのかしら、全く問題ないし私はむしろありがたいわ。
今日は不穏な空気が漂っているからこの辺りで待機していたかったのよ。
本当は臣人さんが当番なのだけれど直臣の卒業式で来ているのだしね」
臣人の名が出た瞬間、綾乃がピクリと反応したのだが、八早月はあえて見て見ぬふりをして心の中だけで微笑んだ。
『なるほど、そういうことなのね、順調でなによりだわ』
「それでは綾乃さん、食事会を楽しんでね。私も道場破りを楽しんでくるわ。
―― いいえ違ったわ、道場見学と言っていたはず、あと芋煮会ね」
「うん、気を付けて行ってきてね、くれぐれもやらかさないようにだよ?」
相変わらず八早月の周りには心配の方向性がおかしいものしかいない。だがそれも友人たちにとっては最大限の気遣いなのだ。誰も友人が犯罪者になぞなって欲しくないと言うことである。
こうして時間が有り余っている放課後にしては珍しく、それぞれが別行動でそれぞれの目的地へと向かうのだった。
だがさすがに今日は小奇麗なスーツを着て胸にはリボン、まさに馬子にも衣装といった風体である。生徒たちも胸にリボンをつけ特別感はあるのだが、結局いつもの制服なので代わり映えがないと言ってしまうと見も蓋もないか。
開会が宣言されて入ってきた卒業生を拍手で迎え、校長からは一人一人に卒業証書が授与されていく。見送る側の生徒にしてみれば他人事とも言えるため、あくびをしている生徒がいないわけではないが、それでも在校生代表による送辞と卒業生代表による答辞の際には皆真剣に壇上を見つめていた。
とは言え来賓の祝辞ではやはり弛みが見られるし、校長のスピーチなどは言うまでもない。これは毎年繰り返される悪しき風習である、などという生意気な生徒もいる。
だがこれら式典のすべてをしっかりと目に焼き付けるかの如く、真剣に見つめる少女がいた。普段は何事にも達観したように大人びた態度を取るのだが、それはごくごく当たり前のことに対してのみ。今回のように物珍しい式典ならば興味深く観察するのも当然なのだ。
「いやあ、この卒業式の短さ、これだけでも私立へ入った甲斐があったね。
去年は当事者だったからまだ平気だったけど、金井小なんて卒業生百二十人以上だよ?」
「そうだよね、アタシは貧血の振りして途中抜けようかと考えたことあるもん。
しかも全員の分読み上げていくんだから聞かされてる方はたまんないよ。
それに引き替え卒業生が四十人しか居ないなんてもう最高!」
「なんだか驚きだわ、あのすばらしい式典をそんな目で見るものなのね。
慣れということなのかしら、私には到底理解できない感想よ?
ああ、あれ程大勢の生徒が次々に名を呼ばれ卒業証書を受け取るなんて。
素晴らしい光景だったわ、入学式も良かったけれど卒業式は格別ね!」
興奮気味に感想を述べる八早月へ友人たちは苦笑いを返すのみである。当人にしてみれば入学式で初めて分校以外の式典を見たわけで、その時でさえ相当に感銘を受けていたのだ。本日は卒業式のため当然卒業証書の授与があり、それがこの田舎娘には相当特別なものと映ったのだ。
「それにしても大げさすぎだよ、これから毎年そのリアクションなの?
来年もあるし再来年は自分たちが卒業して隣の校舎へ移るんだよ?
その後は高校でだって同じ事の繰り返し、どこにそんな感動する要素があるかなぁ」
「夢はちょっと達観しすぎー アタシは自分の卒業式の時は感動したよ。
小学校は六年間だったからなんか達成感みたいなのもあったしね。
他の子だって結構泣いたりしてたし、今日だって泣いてる卒業生いたじゃないの」
「美晴さんの言う通りだわ、確かに慣れてしまえばなんてことないかもしれない。
でも当事者になればきっと感動するに違いないわ、私も泣くかもしれない!」
「「ないない」」
式が終わって教室へ戻ってくると結局いつものように騒いでしまう少女たち、余韻や情緒などと言う物とは無縁らしい。
さてこれからなにかあるわけでもなく、ホームルームが行われたら下校となりそうだ。時間はまだ昼にも早いし大人しく帰ることになるかもしれない。もう授業も給食もなく週明けの修了式を待つばかりである。
今日は当番でもないし思い切り遊び呆けてもいいのだが、近隣の中学校でも卒業式が行われていることもあり、少々警戒を強めている八家の面々だった。去年の同時期もそうだが、この時期はどうにも妖に呼ばれてしまう者が多い。人生の節目と言うものはどうしても人の精神状態を不安定にさせるからである。
『八早月様、どうやら――』
『仕方ないですね、せっかく卒業式に参列したと言うのにこんな目に合うとは。
縁丸を手伝いに行ってください、臣人さんは父母会へ残るようにと』
『かしこまりました、そのようにお伝えいたします』
どうやら金北小学校方面で妖が発生したらしく、当番である臣人が対処へ向かうと連絡が入ったのだ。あの腰の重い臣人がせっかく直臣のために学園まで来たのだからもう少しゆっくりさせてやろうと、八早月は真宵を助に出したのだった。
この緊急事態はホームルームが終わるころには片が付いた程度の小規模なものだった。それでも同時多発的に発生すれば対処は面倒になる。すなわちこれは今しばらく金井町に留まるべきなのではないかと考えた。そう、あくまでお役目のためにである。
そんなことを考えながら時間をどう潰そうかと考えていたところへ、なんとも都合のいい客人が現れた。
「八早月ちゃん、もう帰っちゃうとこ? 時間が半端で困っちゃうよね。
夢ちゃんたちはどうしたの?」
「どうやら彼女たちは金井中の面々に誘われているようだわ。
向こうも今日が卒業式だったらしいし、きっと皆時間を持て余しているのよ」
「そっかぁ、それじゃ良かったら話を聞いてあげて欲しいんだけど……
私はちょっと今日は予定があって帰らないといけなくてね。
押し付けるみたいになっちゃってホントゴメン!」
そう言って両手を合わせた綾乃の後ろから、新庄がひょっこりと顔を出した。
「師匠! この後時間あるんだったら道場へ来てくれよ。
小中高の卒業生をお祝いする芋煮会をするから昼飯の心配もないぜ?
別に立ち合いに参加してくれとは言わないって、見学だけでいいんだからさ」
「そうね、確かに暇を持て余していてどうしようと考えていたところよ。
私もたまにはすぐに帰りたくないと思う日もあるし、先輩について行ってみましょうか」
「マジで!? やった、んじゃ昇降口でまってるから頼むよー!」
新庄は大喜びで去っていったのだが、連れてきた綾乃はなんとなく気まずそうにモジモジしている。先に帰ってしまうことが申し訳ないのか、何か事情があるのかわからないが、八早月は昼食を確保し時間も潰せるのだから渡りに船で綾乃へ文句など言うはずもない。
「あのね、実はこの後うちで食事会なのよ、誘えないのが残念なんだけど……
しかもそれだけじゃなく新庄君を押し付けちゃったし、この穴埋めはきっと」
「何を気にする必要があるのかしら、全く問題ないし私はむしろありがたいわ。
今日は不穏な空気が漂っているからこの辺りで待機していたかったのよ。
本当は臣人さんが当番なのだけれど直臣の卒業式で来ているのだしね」
臣人の名が出た瞬間、綾乃がピクリと反応したのだが、八早月はあえて見て見ぬふりをして心の中だけで微笑んだ。
『なるほど、そういうことなのね、順調でなによりだわ』
「それでは綾乃さん、食事会を楽しんでね。私も道場破りを楽しんでくるわ。
―― いいえ違ったわ、道場見学と言っていたはず、あと芋煮会ね」
「うん、気を付けて行ってきてね、くれぐれもやらかさないようにだよ?」
相変わらず八早月の周りには心配の方向性がおかしいものしかいない。だがそれも友人たちにとっては最大限の気遣いなのだ。誰も友人が犯罪者になぞなって欲しくないと言うことである。
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