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第十二章 弥生(三月)
355.三月二十三日 午後 無茶修行
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日中には八畑神社への参拝へ行き、その後は山道の散歩や山菜取りと健やかなる時間を過ごし、およそ現代の『てぃいんず』とは思えないような時の流れの中に身を置いている二人の少女である。
どうも八畑村には緩やか過ぎる空気が流れているとも言える。これもひとえに世俗と隔絶した装いを保ち続けている八家の存在が大きい。いくらこの村が山奥の田舎だと言っても裾野の集落まで行けばバス停があるし普通に電気も通っている。
山頂近くの八家と八岐神社に電力が供給されていないのは、私有地である八岐山への工事を許していないからである。すなわち自分たちの都合で自ら不便を強いているに他ならない。
これは自然の中に生きる土着信仰の民であること、さらには神職としての神通力を弱めないことへも関連しているのだ。生きる上で便利に越したことはないが、自然の摂理から離れれば離れるほど力は弱まる。これは信仰心で補いきれるものではないのだ。
逆に言えば、個人の素養と信仰心が同じであれば、より自然に近しい生活をするほうが力は強まると言うことになる。そのことをふまえて今櫛田家の庭ではいささか無謀な取り組みが行われていた。
「やはりまだ寒いのではないかしら? やせ我慢は体に毒だわ。
第一そんな付け焼刃では意味がないと思うのよね、やはり継続こそ力の源よ」
「でもできるだけ力を弱めないようにしたいじゃない?
八畑村に住んでいるわけじゃ無いからこう言う機会は活かさないとね」
八早月が言うように綾乃の取り組み自体、発想は悪くないとしても少々やり過ぎである。なんせまだまだ日中でも寒さを感じる陽気だと言うのに裸足で庭に出ているのだから。
かと言って八早月のように木刀を振り回したりはせず、縄跳びをしたりストレッチをしたりしながら呼吸を整え森林浴気分を味わっている程度だ。この辺りはごく普通の女子中学生と言える。
そんな綾乃の当面の目標は藻孤を通じてなにか術を習得することである。今は命を出しての妖退治が多少できる程度だが、もし何かできることが増えたなら何かの役に立つかもしれない。そんな漠然過ぎる願望と言うこともあり、具体的な修行方法も思い浮かばず、とりあえずは自然と戯れるという基本から始めているつもりだ。
「ねえねえ、モコを通じて私の行動が筒抜けなのはもう諦めてるんだけどさ。
私がいるところに八早月ちゃんが瞬時に出てくるのはどういう仕組みなの?
怠惰坊の時も突然来てくれたでしょう? 説明聞いても仕組みはわからなくて気になってたんだよね」
「なるほど、以前の説明では言葉が足りなかったかもしれないわね。
先ず前提として藻さんは眷属と同一の存在だと考えるの。
すなわち藻さんのいる場所には眷属を呼び寄せられるし逆も然りと言うこと。
そして藻さんのいる場所と私は常世で繋がっているの、概念上はだけれど。
常世で距離は無いと同じだから私も真宵さんも藻さんの側にいることになるわ。
だから真宵さんが常世を通って藻さんの側に現れると言う仕組みね。
これでわかり易い説明になったかしら?」
「ううん、ぜんぜんわかんない。
だって来てくれた藻様も真宵さんも実体があるんだから現世にいるでしょ?
だからここまで乗せて来ていただけたんだもんね。
じゃあモコだっていつでも藻様のところへ行けるってことにならない?」
「ええその通りよ、でも藻孤にその力が備わっているのかどうか。
常世現と呼んでいるこの技は今のところ藻さんしかできていないわ。
でも真宵さんは姿引ができますからお相子と言ったところでしょう」
「つまり私と言うかモコのところに藻様はいつでも来られる。
でも八早月ちゃんの姿を出すには真宵さんにも来てもらわないとダメなのね。
わかったけどそれって原理はわからないままじゃない?」
「そう言われてしまうと困るのだけれど、学問のように正答はない事象なのよ。
つまり世の中すべてが数字や理論で構成されているのではないと言うことね」
わかったようでわからない、理論的に見えるが抽象的、そんな回答が八早月から返ってきたため綾乃は余計に混乱している。ようは八早月にもわからないから煙に巻いているだけなのだが、元来生真面目な綾乃は何とか自分が納得できる答えを見つけたいらしい。
「理論や方法はとりあえず後回しにするしかないかな、全然ワカンナイし。
とにかく離れたところに現れて、そこから人や物を移動させるって凄いよね。
往復の復路しかないのと同じだもん、こんなの物流革命だよ」
「でも誰でも出来るわけではないし、距離も無尽蔵ではないはずよ?
少なくとも気配が感じ取れるくらいでないと無理ではないかしら、ねえ?」
『左様でございますね、ここからですと綾乃の自宅であれば感知は容易い。
ですが鳶の君がおわす場所からだと気配が掠れてしまい精度は下がりそうでございます』
「それでも気配自体を気取ることは出来るんですね、藻様はすごいなあ。
モコも何か覚えてみんなに凄いと思われて欲しいよ」
どうやら自分が何かを身に着け力を振るってみたいのではなく、藻孤が優秀な遣いだと評価が高まることが綾乃の希望であり、それは彼女らしい慈愛と献身に満ちた考え方と言える。
そんな風に言われてしまうと、未熟さを指摘されているように感じるのがこのひねくれ者の藻孤である。どうにも黙っていられなくなりとうとう飛び出してきた。
『俺だって常世現にに近いことは出来るけど主を乗せられねえからな。
そんなこと出来るのは一部だけだと思うぜ? 藻様くらいのさ』
藻孤は出来もしないのに見栄を張りつつ藻を持ち上げる。このひねくれ子狐と言ったら綾乃へはやたらと悪ぶるくせに、藻へは誠実で忠誠心が高い。
「そうね、例えば巳さんは宙を飛ぶことは出来ないもの。
でも地中に潜ることは出来ると言っていたから得手不得手はそれぞれなのね。
例えばモコは匂いに敏感で耳が良かったりするじゃない?」
「へえ、そうなんだ、意外とすごいところあるんじゃないの。
得意なことがあるならもっと自慢するかと思ったのに随分控えめなのね」
『むやみにひけらかさないところがいい男の証明なんだよ。
まったくそんなこともわからねえんじゃそこらの女児と変わらねえぜ』
本当はその力を使って寒鳴家周辺に現れる妖退治に励んでいるのだが、相変わらず綾乃には秘密のまま内緒の行動である。主である綾乃が追求すれば黙っていることは出来ないのだが、綾乃はモコが夜中に行動していること自体に気付いていない。
そもそも藻孤が倒せるような妖は、寒鳴家の中心に打ちこまれた神杭の効果で侵入することは出来ないため放っておけばいいのだが、それでも彼は少しでも主のために働きたいのだ。
そんな健気な藻孤が今一番懸念していることは、この藻よりも上位の存在、主の守護神の主と言う三段階上に位置する八早月であった。とにかく口が軽いのかわざとなのか、日頃からついうっかりと言ってギリギリの発言が多すぎる。
藻孤がせっせと励んでいる影ながらの活動がいつか主にばらされそうで、会うたびにハラハラさせられるのが気に食わない。しかし仕返しでも考えようものなら藻に筒抜けなので、行動に移す前に粛清されてしまうに違いない。
それほど強大なあの生き神にはなるべく近寄りたくない藻孤であった。
どうも八畑村には緩やか過ぎる空気が流れているとも言える。これもひとえに世俗と隔絶した装いを保ち続けている八家の存在が大きい。いくらこの村が山奥の田舎だと言っても裾野の集落まで行けばバス停があるし普通に電気も通っている。
山頂近くの八家と八岐神社に電力が供給されていないのは、私有地である八岐山への工事を許していないからである。すなわち自分たちの都合で自ら不便を強いているに他ならない。
これは自然の中に生きる土着信仰の民であること、さらには神職としての神通力を弱めないことへも関連しているのだ。生きる上で便利に越したことはないが、自然の摂理から離れれば離れるほど力は弱まる。これは信仰心で補いきれるものではないのだ。
逆に言えば、個人の素養と信仰心が同じであれば、より自然に近しい生活をするほうが力は強まると言うことになる。そのことをふまえて今櫛田家の庭ではいささか無謀な取り組みが行われていた。
「やはりまだ寒いのではないかしら? やせ我慢は体に毒だわ。
第一そんな付け焼刃では意味がないと思うのよね、やはり継続こそ力の源よ」
「でもできるだけ力を弱めないようにしたいじゃない?
八畑村に住んでいるわけじゃ無いからこう言う機会は活かさないとね」
八早月が言うように綾乃の取り組み自体、発想は悪くないとしても少々やり過ぎである。なんせまだまだ日中でも寒さを感じる陽気だと言うのに裸足で庭に出ているのだから。
かと言って八早月のように木刀を振り回したりはせず、縄跳びをしたりストレッチをしたりしながら呼吸を整え森林浴気分を味わっている程度だ。この辺りはごく普通の女子中学生と言える。
そんな綾乃の当面の目標は藻孤を通じてなにか術を習得することである。今は命を出しての妖退治が多少できる程度だが、もし何かできることが増えたなら何かの役に立つかもしれない。そんな漠然過ぎる願望と言うこともあり、具体的な修行方法も思い浮かばず、とりあえずは自然と戯れるという基本から始めているつもりだ。
「ねえねえ、モコを通じて私の行動が筒抜けなのはもう諦めてるんだけどさ。
私がいるところに八早月ちゃんが瞬時に出てくるのはどういう仕組みなの?
怠惰坊の時も突然来てくれたでしょう? 説明聞いても仕組みはわからなくて気になってたんだよね」
「なるほど、以前の説明では言葉が足りなかったかもしれないわね。
先ず前提として藻さんは眷属と同一の存在だと考えるの。
すなわち藻さんのいる場所には眷属を呼び寄せられるし逆も然りと言うこと。
そして藻さんのいる場所と私は常世で繋がっているの、概念上はだけれど。
常世で距離は無いと同じだから私も真宵さんも藻さんの側にいることになるわ。
だから真宵さんが常世を通って藻さんの側に現れると言う仕組みね。
これでわかり易い説明になったかしら?」
「ううん、ぜんぜんわかんない。
だって来てくれた藻様も真宵さんも実体があるんだから現世にいるでしょ?
だからここまで乗せて来ていただけたんだもんね。
じゃあモコだっていつでも藻様のところへ行けるってことにならない?」
「ええその通りよ、でも藻孤にその力が備わっているのかどうか。
常世現と呼んでいるこの技は今のところ藻さんしかできていないわ。
でも真宵さんは姿引ができますからお相子と言ったところでしょう」
「つまり私と言うかモコのところに藻様はいつでも来られる。
でも八早月ちゃんの姿を出すには真宵さんにも来てもらわないとダメなのね。
わかったけどそれって原理はわからないままじゃない?」
「そう言われてしまうと困るのだけれど、学問のように正答はない事象なのよ。
つまり世の中すべてが数字や理論で構成されているのではないと言うことね」
わかったようでわからない、理論的に見えるが抽象的、そんな回答が八早月から返ってきたため綾乃は余計に混乱している。ようは八早月にもわからないから煙に巻いているだけなのだが、元来生真面目な綾乃は何とか自分が納得できる答えを見つけたいらしい。
「理論や方法はとりあえず後回しにするしかないかな、全然ワカンナイし。
とにかく離れたところに現れて、そこから人や物を移動させるって凄いよね。
往復の復路しかないのと同じだもん、こんなの物流革命だよ」
「でも誰でも出来るわけではないし、距離も無尽蔵ではないはずよ?
少なくとも気配が感じ取れるくらいでないと無理ではないかしら、ねえ?」
『左様でございますね、ここからですと綾乃の自宅であれば感知は容易い。
ですが鳶の君がおわす場所からだと気配が掠れてしまい精度は下がりそうでございます』
「それでも気配自体を気取ることは出来るんですね、藻様はすごいなあ。
モコも何か覚えてみんなに凄いと思われて欲しいよ」
どうやら自分が何かを身に着け力を振るってみたいのではなく、藻孤が優秀な遣いだと評価が高まることが綾乃の希望であり、それは彼女らしい慈愛と献身に満ちた考え方と言える。
そんな風に言われてしまうと、未熟さを指摘されているように感じるのがこのひねくれ者の藻孤である。どうにも黙っていられなくなりとうとう飛び出してきた。
『俺だって常世現にに近いことは出来るけど主を乗せられねえからな。
そんなこと出来るのは一部だけだと思うぜ? 藻様くらいのさ』
藻孤は出来もしないのに見栄を張りつつ藻を持ち上げる。このひねくれ子狐と言ったら綾乃へはやたらと悪ぶるくせに、藻へは誠実で忠誠心が高い。
「そうね、例えば巳さんは宙を飛ぶことは出来ないもの。
でも地中に潜ることは出来ると言っていたから得手不得手はそれぞれなのね。
例えばモコは匂いに敏感で耳が良かったりするじゃない?」
「へえ、そうなんだ、意外とすごいところあるんじゃないの。
得意なことがあるならもっと自慢するかと思ったのに随分控えめなのね」
『むやみにひけらかさないところがいい男の証明なんだよ。
まったくそんなこともわからねえんじゃそこらの女児と変わらねえぜ』
本当はその力を使って寒鳴家周辺に現れる妖退治に励んでいるのだが、相変わらず綾乃には秘密のまま内緒の行動である。主である綾乃が追求すれば黙っていることは出来ないのだが、綾乃はモコが夜中に行動していること自体に気付いていない。
そもそも藻孤が倒せるような妖は、寒鳴家の中心に打ちこまれた神杭の効果で侵入することは出来ないため放っておけばいいのだが、それでも彼は少しでも主のために働きたいのだ。
そんな健気な藻孤が今一番懸念していることは、この藻よりも上位の存在、主の守護神の主と言う三段階上に位置する八早月であった。とにかく口が軽いのかわざとなのか、日頃からついうっかりと言ってギリギリの発言が多すぎる。
藻孤がせっせと励んでいる影ながらの活動がいつか主にばらされそうで、会うたびにハラハラさせられるのが気に食わない。しかし仕返しでも考えようものなら藻に筒抜けなので、行動に移す前に粛清されてしまうに違いない。
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