【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる

ざっしゅ

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50話 皇太子の誕生日

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 貴族派の残党を無事拘束し、ソウタとルースは、一足先に皇宮へと帰ることとなった。

 馬車の中、ルースは目を瞑り、沈黙を守っていた。

 話しかけてほしくなさそうなその横顔を見て、ソウタは黙って彼を見つめることしかできなかった。

(ルースの両親が死んだのは、ルースのせいじゃないのに……)

 何度もそう言いたかったが、そんなありきたりな言葉で、ルースの心が慰められるとは到底思えなかった。

 自分の無力さに、ソウタは打ちのめされるような気持ちになった。

 深夜。皇宮に到着すると、ルースはソウタに、

「今日は良い働きをしてくれた。ゆっくり休んでくれ」

 とだけ言い残し、足早に自分の部屋へと戻ってしまった。

「はい、殿下……」

 ソウタは、彼の背中を見送ると、深いため息をつきながら自分の私室に戻った。

 机の上に置かれた、ルースの誕生日プレゼントであるブレスレットの箱を見つめる。

 ソウタは、どうすればルースを元気づけられるか、その方法を必死で考え続けた。



 翌日。皇宮、皇太子ルースの執務室。

 ユノ・セリウスが、貴族派の残党を無事全員拘束できたことをルースに報告した。

「殿下、残党の身柄を確保いたしました」

 ルースは、手元の書類から視線を上げることなく、

「分かった」

 とだけ言って、再び無言で仕事に没頭した。

 彼の顔色は優れず、昨夜の憔悴がそのまま残っているかのようだった。

 レオ・ロウは、そんなルースの様子に、心配そうに呟いた。

「昨日はあんなに元気だったのに……」

 ユノ・セリウスも、静かに答えた。

「……そうですね」

(ソウタ様がいれば……)

 ユノ・セリウスは、心の中でそう思った。
 しかし、この日はソウタが休暇を取っていたため、執務室には彼の姿はなかった。

 ――

 帝国皇宮、皇太子ルースの執務室。

 いつもならば、ルースのソウタへの惚気話で賑やかな執務室は、今日ばかりは、やけに静まり返っていた。

 今日は、皇太子殿下の誕生日。

 しかし、帝国中の人々は、前皇帝と前皇后に追悼の意を表する日でもあった。

 ルースは、自分の部屋に籠もっていた。

 毎年、彼は自分の誕生日にはこうして部屋に閉じこもり、皆が寝静まった深夜に両親の墓参りをするのが常だった。

 今年もそうするつもりで、ただ時間が過ぎるのをじっと待っていた。

 すると、コンコン、とドアがノックされた。

「殿下!」

 ソウタの声だ。

 ルースは反応せず、聞こえなかったかのように目を瞑ろうとした。

 だが、ソウタの声は再び響いた。
 今度は、もっと親しみを込めた、彼の名を呼ぶ声だった。

「ルース……!」

 ルースは、ゆっくりと目を開け、まるで何かに引き寄せられるように、ドアに近づいた。

 ソウタは、ドア越しに、友達に話しかけるように明るい声で言った。

「ルース、一緒に行きたい場所があるから、行かないか?」

 ルースは、ソウタの誘いに心が揺れたが、いつもの習慣と、今日という日の重みが彼を躊躇させた。

「すまない、ソウタ。今日は行けない。
 また後日、一緒に行こう」

 しかし、ソウタは引き下がらない。

「今日じゃなきゃ意味がないんだ!ドアを開けてくれ!」

 ソウタの声と共に、ドアが再びノックされた。

 ルースは少し考えた後、ゆっくりと、ほんのわずかだけドアを開けた。

 その隙を見逃さず、ソウタは勢いよくドアをこじ開けた。

 そして、ルースの手を掴むと、そのまま彼の愛馬であるノワールがいる厩舎へと走り出した。


 ソウタは、ルースの手をしっかりと掴み、厩舎へ急いだ。すると、そこには既にオリオンがノワールの手綱を持って待っていてくれた。

 ソウタは、オリオンに軽くお礼を言って、急いでノワールに跨った。

 そして、躊躇するルースを急かす。

「ルース! 早く乗って!」

 ルースは一瞬ためらったが、自分に向かって一生懸命に手を伸ばすソウタの瞳と、その温かい手に引き寄せられるように、ノワールに乗り込んだ。

 走り去っていく二人の後ろ姿を、オリオンはただ静かに見つめていた。


 --

 しばらく無言だったルースが、ソウタの背中に問いかけた。


「どこに行くんだ?」

 ソウタは、少しだけ後ろを振り返り、優しく答えた。

「以前、一緒に行ったことがある場所だよ」

 それを聞いてルースは、「……覚えていない」と小さく呟いた。

 だが、ソウタの背中に寄り添い、その温もりを感じていると、不思議と心が安らいだ。

 ノワールが駆け抜けた先に到着した場所は、平民だった頃のルースの誕生日を祝った、あの景色が綺麗な丘だった。

 そこには、夜空の下で美しく飾り付けられたテーブルに、色とりどりの料理や花が並んでいた。

 朝早くからソウタがこっそり用意していたものだ。

「去年もここで、お祝いしたんだよ」

 ソウタは、まだ困惑と驚きに満ちた表情のルースに、にこやかに笑いかけた。

 そして、ルースの手を取り、手首に誕生日プレゼントのブレスレットをそっとつけてあげる。

「誕生日おめでとう、ルース」

 じっとブレスレットを見つめていたルースが、突然ソウタに抱きついた。

 その腕には、ソウタへの感謝と、過去への様々な感情が込められているようだった。

 ソウタは、優しくルースの背中を叩きながら尋ねた。

「嬉しい?」

「ありがとう、ソウタ」

 ルースは、そう言ってさらに強くソウタを抱き締めた。

 その声は、少し震えているようだった。

「来年はもっと豪華に祝ってあげるから!」

 ソウタは、得意げな声で言った。

「来年も祝ってくれるのか?」

 ルースの問いに、ソウタは屈託のない笑顔で答えた。

「もちろん! ダメだって言っても、勝手に祝うから!」

 ソウタのいたずらっぽい顔を見て、ルースは心底楽しそうに大声で笑った。

 その瞬間、満点の夜空に、いくつもの光の筋が流れた。

「流星群だ! 去年は見れなかった!」

 ソウタは、喜びの声を上げた。

 ルースもまた、煌めく星空を見上げ、ソウタの隣で幸せそうに微笑んでいた。

 失われた記憶は戻らなくとも、今、ここにある温かい光景こそが、かけがえのない宝物なのだと、二人は静かに感じていた。


 満点の星空の下、ソウタとルースは、用意していた料理を楽しく食べた。

 温かい食事と、ソウタの隣で過ごす時間は、ルースの心を深く癒やしていく。

 皇宮に帰る準備をしていたその時、ルースは思い切ったようにソウタに語りかけた。

「皇宮に帰る前に……両親の墓参りに行きたい。一緒に来てくれないか?」

 ソウタは、その申し出に少し遠慮がちに尋ねた。

「僕も一緒に行っていいの?」

 ルースは、優しく微笑んで頷いた。

 彼の心の中では、ソウタを両親に紹介したいという、温かい願いが芽生えていた。


 皇宮から少し離れた場所にある、壮麗な建物。

 そこが、前皇帝と前皇后のお墓がある場所だった。

 ソウタとルースが建物の中に入ると、そこには美しい白い花が惜しみなく飾られ、月の光を受けてきらきらと輝いていた。

 その幻想的な光景は、厳かながらも清らかな雰囲気を醸し出している。

 奥にあるお墓の前で、ルースはゆっくりと膝まづき、墓石に優しく触れた。

 ソウタは、その様子を少し離れた後ろから見つめていたが、やがてゆっくりと膝まづき、声を出さずに丁寧に挨拶をした。

 ルースは、胸の内をソウタに語り始めた。

 その声は、静かで、しかし深い悲しみを帯びていた。

「ソウタ……私は、ずっと生まれてくるべきではなかったと思っていたんだ」

 ルースの言葉に、ソウタは息を呑んだ。

「私のせいで母上が死んだから……父上も、后を失った悲しみで、薬を飲みすぎて亡くなったんだ」

 ルース自身から聞かされる、重すぎる真実に、ソウタは目を伏せた。

「だけど、ソウタ……」

 ルースは、ゆっくりと立ち上がり、ソウタの方へ歩いていく。

「君が、『自分を大切にしろ』と怒ってくれた時、すごく嬉しかった」

 ルースは、ソウタの前に立つと、無邪気な笑顔で笑った。その笑顔は、まるで幼い子供のように純粋だった。

「そして今日は、誕生日を祝ってくれて嬉しかった。君に会えてよかった」

 ソウタは、ルースの言葉に、胸が熱くなるのを感じた。

「僕も、ルースに会えてよかった」

 ソウタは、心からの微笑みを返した。



 皇宮に帰ると、レオ・ロウとユノ・セリウスが、二人の帰りを心配そうに待っていた。

 ルースは、彼らの元へ歩み寄り、微笑んで言った。

「レオ・ロウ、ユノ・セリウス、ありがとう。もう大丈夫だ」

 その言葉を聞いて、レオ・ロウとユノ・セリウスは、心から安堵し、喜びの表情を浮かべた。

 ソウタは、ノワールの首筋を優しく撫でながら、ルースが元気になったことに、心の中で深く安堵していた。

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