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後日談(後編)※
しおりを挟むランプの火を消すと、グレイドは透の腰に触れながら、ゆっくりと服を脱がしていく。
「あっ……グレイドさ……」
言葉を遮るように唇を重ねられ、透もそれに応じた。互いの吐息が絡まり、体温が溶け合っていく。グレイドの手が背を撫でると、身体が微かに震えた。
「透……大丈夫か?」
グレイドの声は低くかすれ、欲望と愛情が交錯していた。透は彼を見つめながら微笑んだ。
「はい……グレイドさん、愛しています」
その言葉にグレイドの理性は崩れた。彼はゆっくりと透に覆いかぶさり、優しく唇を塞ぐ。舌が絡み合い、互いを確かめるようなキスに夢中になった。
「ん……はぁ……」
透の小さな吐息がこぼれた。グレイドの鍛えられた体躯に包まれ、さらに体温が上がるのを感じた。
グレイドの手が透の鎖骨をなぞり、徐々に下りていく。指先で胸の突起をつねられ、甘い声が漏れた。
「あぁ……! んっ……グレイドさん……」
グレイドが舌先で優しく乳首を舐め始めると、透はたまらず身をよじった。
「やっ……だめ……」
抵抗するように言ったものの、声には明らかに快感が滲んでいた。グレイドはベッドサイドのテーブルに手を伸ばして潤滑油を取り、手のひらで温めてから透の後孔に塗りこんでいく。
「ああ!ん……っ」
透の脚が反射的に閉じかけたが、グレイドは優しくそれを制した。彼の長い指が、透の最も敏感な場所を探る。
「……平気か? 痛くないか?」
「は、い……ああっ……!」
グレイドの長い指が動くと、透は快感で喘いだ。その反応に満足したようにグレイドは目を細め、同じ場所を何度も刺激し続けた。
「本当に可愛いな……」
「んんっ……あ……ぁっ!」
指が一本から二本に増え、透は思わずシーツを掴んだ。彼の中はすでに熱く潤んでいて、グレイドの指を容易く受け入れていく。
透の呼吸が荒くなるにつれて、グレイドも我慢できなくなっていた。彼は自身の熱くなった肉茎を取り出して透の控えめなそれに押し当てた。
(グレイドさんの……いつ見ても大きい……)
グレイドは両方をそっと包み込むように握り、ゆっくりと上下させ始めた。異なる太さを持つものが擦れ合い、快感で透の腰が無意識に動き始める。
「あっ……うっ……グレイドさ……ああ!」
「……っ……気持ちいいか……?」
先走りが混ざり合い、グチュグチュといやらしい音が部屋に響く。透は声を抑えきれなくなっていた。
「あっ……あ、ダメです……もう……イッ……!」
グレイドの手の動きが速まると、透は身をのけ反らせた。白濁した液が身体中に飛び散る。しかし、グレイドの肉茎はまだ硬く張り詰めたままだった。
「……挿れるぞ……透……」
「お願い……早く、中に……!」
透の頬は紅潮し、瞳は切なげに潤んでいた。その表情を見てグレイドは息を呑み、胸が熱くなるのを感じた。
彼はゆっくりと腰を進め始めた。慎重に奥へ挿れていく。透の内側は温かく、グレイドの大きな肉茎を締め付けた。
「はぁ……透……っ」
「あぁっ!グレ……イド……さ…んっ」
透は息を切らしながら震えた。グレイドは動くのを止めてしっかりと抱きしめる。心と身体が一つになったような幸せを噛みしめた。
「透……愛してる……」
グレイドの動きが次第に力強くなっていく。透は腰をしっかりと押さえつけられ、何度も貫かれた。
「あぁっ!……う……っ! グレ……イド……さん……」
透の瞳から涙がこぼれ落ちる。苦悶と快楽が入り混じったその表情は、グレイドにとって媚薬のようだった。動きがさらに激しくなる。
「……っ 透……!」
限界を迎えようとする瞬間、グレイドは最後の突きを深く刻み込んだ。透の内側を満たすように何度も突き入れる。
「ああっ……ぁ……! グレイドさん……」
「透……好きだ……」
透は恍惚とした表情で全身を震わせて絶頂した。グレイドは繋がったまま透の身体を強く抱きしめる。まだ脈打つ肉茎を動かしながら、精液を中に塗り込むように掻き回した。
「や……んっ……」
敏感になっている体内を刺激され、透は新たな快感に溺れていた。二人はさらに絡み合い、卑猥な水音が静かな部屋に響いた。
どれほどの時が過ぎたのか分からないほど、二人は何度も互いを求め合った。透の白い肌には、グレイドの愛の痕がいくつも残り、月明かりが寄り添い合う二人を静かに照らしている。
「透……」
グレイドの逞しい腕が、透を優しく抱き寄せた。愛おしそうに透の髪をそっと梳いていく。
「身体は辛くないか? 無理をさせてすまない……」
「大丈夫ですよ……」
透は呟きながら、グレイドの胸板に顔を埋めた。二人の間に満ち足りた時間が流れる中、透は意を決したように口を開いた。
「グレイドさん……僕は、ずっと遠い場所から来たんです」
グレイドの指の動きが一瞬止まった。彼は透を抱きしめる腕の力を緩めずに、低くかすれた声で問う。
「……帰りたいのか?」
透は小さく息を吸い込み、そっと身体を寄せた。その仕草だけで、彼の想いが伝わってくるようだった。
「帰りたかったです……でも今は、グレイドさんと離れたくないです」
グレイドの心の奥深くに熱が広がった。彼は嬉しそうに透に唇を寄せる。それは言葉よりも確かな感謝と愛情で溢れていた。
汗ばんだ肌が触れ合い、互いの鼓動がゆっくりと重なっていく。至福感の中でグレイドは、透の黒髪を撫でて言った。
「透、一緒に暮らさないか? 君と住むために、邸宅を用意した」
透は驚きに目を見開いて顔を上げた。黒い瞳が輝き、みるみるうちに潤んでいく。
「本当……ですか?」
「ああ、ずっと考えていたんだ……毎日君と朝を迎えたい。昼も夜も一緒に過ごしたい」
透はすぐに花が開くように満面の笑顔になった。
「僕も、グレイドさんと暮らしたいと思っていました!」
その純粋な言葉に、グレイドの心臓は歓喜に震えた。安堵と愛おしさがいっぺんに溢れ出て、思わず透を抱きしめる腕に力がこもる。
「透……約束だ。ずっと一緒にいよう」
「はい……グレイドさん」
透が微笑みながら身を寄せた。唇が触れた瞬間、穏やかな幸福がグレイドを満たしていった。
それは、永遠の誓いのような優しいキスだった。二人はもう二度と離れることはないだろう。
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