公式 1×1=LOVE

Hiiho

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過去×現在=荒療治 3

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架のスウェットパンツの色が変わっているのを見た一玖は、濡れたその部分を指で撫でる。

「だめっ!さ・・・わん、な」

「どうして?」

「だから!・・・き、きたな・・・」

「架のカウパーが汚いの? それとも、感じてんのが汚いことなの? だったら   」

一玖は震える架の手を掴んで、自分の股間へと導く。
張りのあるチノクロス越しに一玖の男性器が硬くなっているのを手の平で感じた架は、ボトムスの染みをまた少し広げる。

「俺も汚い。架が泣いてんの見てこうなってる。同じ男なのに、可愛いな、ヤラシイなって思ってる」

「俺の、顔が・・・女みたいだから、だろ」

「顔は確かに好きだよ。でもそうじゃないよ」

頬を伝い顎から滴り落ちそうな架の涙を、一玖は舌で掬う。少し塩っぱいその味が、一玖の興奮を増幅させる。

「架の涙はこんな味なんだ、って思っただけでイキそう。もっと泣いて欲しい、なんなら目ん玉ごと舐めたいくらいだよ」

架の顎から頬に、涙を逆上るように一玖は舌を這わせる。

「や・・・っ」

下瞼まで這い上がって来た一玖の舌に驚き、架は思わず顔を背ける。

「ね? 俺の方がどうかしてるでしょ? 嫌われたくないから全部は言わないけど、架のこと、めちゃくちゃにしたいって思ってる。俺の中身は汚くて醜くて・・・架が汚いって言うなら、俺もおんなじだよ」

「おん、な・・・じ?」


  本当に? 汚いのは俺だけじゃない?


「架はどうして欲しいの?」

「・・・え?」

一玖の真っ直ぐな瞳の中に映る自分の顔を、架は見つめる。


  俺は、どうしたいんだ。

  できる事なら過去を消したい。だけどそれはどう足掻いても無理で・・・
  こんな風になってしまった体をどうにかしたい。普通になりたい。女の子に興奮して勃起する体が欲しい。

  だけど・・・歳下のくせに俺より大きな一玖の体や手の平、無遠慮に掻き乱してくる舌や唇に、胸がザワついてしまう。

  もし叶うのなら・・・俺がどんなに汚くても、一玖が我儘を聞いてくれるのなら・・・


「・・・けて」

「なに?聞こえない。躊躇わないで。架の望みなら、なんでも叶えてあげるから」


  本当に・・・? どんな望みでも・・・?


「おれ  に、  かけて・・・。        一玖の、    ・・・せーし・・・」

一玖の瞳が一瞬泳ぐ。けれどすぐにまた俯いた架の微かに揺れる髪の先を見つめ弧を描いた。

「いいよ」


畳の上に腰を落としたままの架が顔を上げると、立ち上がった一玖がボトムスをずらし下着を下げる。

自身の腹につきそうなほどの一玖の屹立を見上げ、息を飲む架。
血管が破裂しそうなほど大きな自分の鼓動が頭の中で鳴り響く。


  女のアソコなんかよりずっといやらしくて、自分のものには感じない色気がある。
  市太や一玖を『ホモだ』と心で罵っておきながら、俺は・・・


架は、自分の興奮する対象が女では無く男だと自覚する。



一玖の手が自身の屹立を包んで上下に動く。架はそれを見ているだけで息が荒くなり、無意識に口を開け舌を出していた。

「はぁ・・・、はぁっ」


  濃い、雄の匂い・・・。頭が痺れておかしくなりそうだ。射精されたら、きっともっと・・・


「だす・・・よ、架・・・いいっ?」

「は・・・、はぁ・・・っ」

反り立つ男性器をぐっと下に倒し、亀頭を架の方へ向ける一玖。
架は小さく頷き、屹立の先端を見詰める。

「っ!」

音もなく吐き出された一玖の精液が、架の前髪と眉間を汚す。
一玖の亀頭の先から、余韻を残して滴る少量の白濁がポタポタと架の舌に落ちる。


  舌がヒリつくような粘液と独特の苦味。生臭いのに嫌じゃない。一玖の体内で生成されたものが、今俺の舌に・・・


「あ・・・、な、    なんか、で・・・っ」

張り詰めていた中心が急激に膨張し一気に弾ける感覚に、架は全身が震えた。

「ぁ──・・・、あ・・・んぅ・・・」

ビクビクと腰が揺れ、震える両手を畳に着いて上半身が崩れ落ちないようになんとか支える。

「触ってないのに、イッちゃったの? 凄いね架」

頭上から降ってくる一玖の言葉に、架は恥ずかしさが込み上げる。


  これが、イクって感覚・・・。何にも考えられなくなるほど気持ちいい。
  だけど・・・顔射されただけでイクなんて、やっぱり俺はおかしいんだ。


俯いた顔から落ちた架の涙と一玖の白濁が、畳の上にいくつもの歪な丸を作る。

「可愛い。架」

一玖は跪き、項垂れる架を覆うように抱きしめた。


  かわいい・・・? こんな、俺の醜態を見ても?


「       ・・・一玖」

「ごめん、綺麗な顔 汚しちゃったね。お風呂入ろっか。洗ってあげる」


精液と涙でドロドロになった架の頬をそっと撫でる一玖。


  こんな汚い俺でも、一玖は・・・


自分の唾液と共に、一玖の白濁を飲み込む。
部屋を漂う白檀の香りが、架に絶頂の感覚を反芻させ、萎えかけた中心がヒクヒクと反応する。

目を閉じると、架の記憶の中の曖昧な太一の顔が一玖の顔にすり替わる。


  これでいいのかもしれない。どうにもできない過去なら、上書きするしか無いんだ。
  一玖が・・・一玖なら俺を救ってくれるかもしれない。


そう思い、架は自分を包んでくれる一玖の背中に手を伸ばす。

けれど瞼の裏に市太の顔がふと浮かんで、一玖の背中には触れず、その手を下ろした。


  いち・・・ごめん。俺も一玖が・・・

  でもこれ以上は好きにならない。向こうに帰ったら絶対に諦める。市太の気持ちを優先する。
  そう誓うから、ここにいる間だけは許して欲しい。




抵抗も見せず、自分に全てを委ねる架を抱きしめる一玖の口角が上がる。

まるで、仕留めた獲物を どう食してやろうか、と言わんばかりに。




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