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高校生×恋=ノンストップ 1
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夏休みが終わりいつもの日常に戻る。
結局夏休みの間ずっと愛知にいた市太は、その間 架が一玖と一緒にいたことをようやく知り苛立ちと不安でいっぱいだった。
「ほんっとにバイトしてただけなんだな!? 何も無かったんだな!?」
「な・・・んも、ねぇって!しっつけぇな!」
飽きもせず何度も架に問い詰める市太。「何かあった」とは到底言えない架。
一玖には一応口止めしてあるけど・・・こう何度も いちに責められると、罪悪感通り越して死にたいレベルだ。
「何も無いならいいけど・・・。つーか、新学期なのにアイツ見かけないな」
「一玖?そういえばそうだな」
同じ時間に電車に乗るはずの一玖の姿が見えない。
絡んで来ないに越したことはないけど、アイツに直接確認する必要がある。架が何か隠してるのは確実だ。何年一緒にいると思ってんだ。ずっと架を見てきた俺に隠し事ができると思うなよ!
悶々とする市太は人混みの中に一玖の姿を探すが、やはり見当たらなかった。
その頃
「おねーさん、盗撮は犯罪ですよ。警察行くならお供しましょうか?」
駅構内でスマホを構えている女性の背後から声を掛ける一玖。
「きゃあぁっ!ととと盗撮なんて、やややってません!・・・あっ、あなた夏前くらいから架くんと一緒にいる・・・」
慌ててスマホをバッグにしまおうとする女性の手首を捕まえ、一玖はそれを取り上げる。
女性のスマホのデータフォルダの中には、架が写った数え切れないくらいの写真。
「これのどこが盗撮じゃないって?立派なストーカーじゃん」
「ちち違いますよ!私、架くんのファンクラブ代表なんです!本人と話したことは無いけど、写真撮ってSNSにあげるの黙認してくれてるのは佐野くんから聞いてるんです!だから、犯罪じゃないですっ!」
「・・・ああ!あんたがあの」
目の前の女性が、以前 架を探していた時に自分が見ていたSNSのアカウント主だと分かり、一玖は女性にスマホを渡す。
「まあそういうことなら、今回は見逃してあげるよ。その代わりおねーさんの名前と連絡先教えて?」
「ナンパですか?悪いけど私、架くん以外に興味無いので」
「誰があんたみたいなブス。いいから教えろよ。それともそのスマホごと警察突き出す?罪にはなんないかもだけど、架に迷惑かけることにはなるんじゃない?」
「だっ、誰がブスよ!?失礼な!」
腹を立てて立ち去ろうとする女性。
「すいませーん、この人とうさ・・・」
「待って待って待って。言うから!」
大きな声を出す一玖の口を慌てて塞ぐ。
「・・・中田 カナ。架くんと同じ大学の理学部1年。ストーカー歴・・・じゃなくてファン歴は2年半。高校生の時に見かけてそれからずっと追っかけてるの♡」
「ふーん。リケジョのナカタカナ、名前回文じゃん。覚えた。スマホ貸して」
一玖はカナの手から再びスマホを奪い取り、自分のスマホと同時に振る。
「ハイ。これが俺の連絡先ね。あんたを架の見張り役に任命してあげる。大学で架に近付く奴がいたらすぐ報告して。ところで市太さんはどんな感じ?」
有無を言わさない圧でカナにスマホを突き返す。
「佐野くんは・・・、架くんの保護者って感じかな。付き合ってるんじゃないかって噂もあるけど、それは無い。ストーカーの私が保証するわ」
謎の自信に満ちたカナは、架のことを饒舌に話す。
「ふーん・・・。ま、あんたを頼りにしてるから。ちゃんと仕事こなせるようなら、報酬として架のカワイイ寝顔の画像送ってやるよ」
スマホの画面をこれみよがしにチラつかせる一玖。
「やります!任せてくださぁい!」
「じゃ、よろしく」
背筋を張って敬礼のポーズをするカナに背を向け、一玖はホームへ向かう。
今朝は架に会えなかったけど、収穫はあった。チョロい女だったな、なかなか使えそうだし。
架と一緒にいる間に、どんどん架を独占して自分の思い通りにしたい気持ちが膨らんだ。恋、なんだと思う。思うけど、何かで読んだ『ふわふわした気持ち』や『きゅんきゅん』とは なんか違うんだよな・・・。
架を泣かせたくなったり壊してしまいたくなったり、かと思えば優しくしたくなったり。四六時中、架のことが頭から離れない。『ふわふわきゅんきゅん』より『ムラムラ悶々』の方がしっくりくる。
市太さんに言わない条件を飲んで、向こうにいる間は毎日 架に好き放題してきたけど、こっちに来たらそういう訳にもいかないだろうし。
架にも俺のことだけ考えてて欲しい。
どうしたら架の心まで独占できるのかな・・・
結局夏休みの間ずっと愛知にいた市太は、その間 架が一玖と一緒にいたことをようやく知り苛立ちと不安でいっぱいだった。
「ほんっとにバイトしてただけなんだな!? 何も無かったんだな!?」
「な・・・んも、ねぇって!しっつけぇな!」
飽きもせず何度も架に問い詰める市太。「何かあった」とは到底言えない架。
一玖には一応口止めしてあるけど・・・こう何度も いちに責められると、罪悪感通り越して死にたいレベルだ。
「何も無いならいいけど・・・。つーか、新学期なのにアイツ見かけないな」
「一玖?そういえばそうだな」
同じ時間に電車に乗るはずの一玖の姿が見えない。
絡んで来ないに越したことはないけど、アイツに直接確認する必要がある。架が何か隠してるのは確実だ。何年一緒にいると思ってんだ。ずっと架を見てきた俺に隠し事ができると思うなよ!
悶々とする市太は人混みの中に一玖の姿を探すが、やはり見当たらなかった。
その頃
「おねーさん、盗撮は犯罪ですよ。警察行くならお供しましょうか?」
駅構内でスマホを構えている女性の背後から声を掛ける一玖。
「きゃあぁっ!ととと盗撮なんて、やややってません!・・・あっ、あなた夏前くらいから架くんと一緒にいる・・・」
慌ててスマホをバッグにしまおうとする女性の手首を捕まえ、一玖はそれを取り上げる。
女性のスマホのデータフォルダの中には、架が写った数え切れないくらいの写真。
「これのどこが盗撮じゃないって?立派なストーカーじゃん」
「ちち違いますよ!私、架くんのファンクラブ代表なんです!本人と話したことは無いけど、写真撮ってSNSにあげるの黙認してくれてるのは佐野くんから聞いてるんです!だから、犯罪じゃないですっ!」
「・・・ああ!あんたがあの」
目の前の女性が、以前 架を探していた時に自分が見ていたSNSのアカウント主だと分かり、一玖は女性にスマホを渡す。
「まあそういうことなら、今回は見逃してあげるよ。その代わりおねーさんの名前と連絡先教えて?」
「ナンパですか?悪いけど私、架くん以外に興味無いので」
「誰があんたみたいなブス。いいから教えろよ。それともそのスマホごと警察突き出す?罪にはなんないかもだけど、架に迷惑かけることにはなるんじゃない?」
「だっ、誰がブスよ!?失礼な!」
腹を立てて立ち去ろうとする女性。
「すいませーん、この人とうさ・・・」
「待って待って待って。言うから!」
大きな声を出す一玖の口を慌てて塞ぐ。
「・・・中田 カナ。架くんと同じ大学の理学部1年。ストーカー歴・・・じゃなくてファン歴は2年半。高校生の時に見かけてそれからずっと追っかけてるの♡」
「ふーん。リケジョのナカタカナ、名前回文じゃん。覚えた。スマホ貸して」
一玖はカナの手から再びスマホを奪い取り、自分のスマホと同時に振る。
「ハイ。これが俺の連絡先ね。あんたを架の見張り役に任命してあげる。大学で架に近付く奴がいたらすぐ報告して。ところで市太さんはどんな感じ?」
有無を言わさない圧でカナにスマホを突き返す。
「佐野くんは・・・、架くんの保護者って感じかな。付き合ってるんじゃないかって噂もあるけど、それは無い。ストーカーの私が保証するわ」
謎の自信に満ちたカナは、架のことを饒舌に話す。
「ふーん・・・。ま、あんたを頼りにしてるから。ちゃんと仕事こなせるようなら、報酬として架のカワイイ寝顔の画像送ってやるよ」
スマホの画面をこれみよがしにチラつかせる一玖。
「やります!任せてくださぁい!」
「じゃ、よろしく」
背筋を張って敬礼のポーズをするカナに背を向け、一玖はホームへ向かう。
今朝は架に会えなかったけど、収穫はあった。チョロい女だったな、なかなか使えそうだし。
架と一緒にいる間に、どんどん架を独占して自分の思い通りにしたい気持ちが膨らんだ。恋、なんだと思う。思うけど、何かで読んだ『ふわふわした気持ち』や『きゅんきゅん』とは なんか違うんだよな・・・。
架を泣かせたくなったり壊してしまいたくなったり、かと思えば優しくしたくなったり。四六時中、架のことが頭から離れない。『ふわふわきゅんきゅん』より『ムラムラ悶々』の方がしっくりくる。
市太さんに言わない条件を飲んで、向こうにいる間は毎日 架に好き放題してきたけど、こっちに来たらそういう訳にもいかないだろうし。
架にも俺のことだけ考えてて欲しい。
どうしたら架の心まで独占できるのかな・・・
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