公式 1×1=LOVE

Hiiho

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一玖架市太=堕落 4

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つばさの手を握ったままフロントに個室の番号が書かれたプレートを返しカラオケ店を出て、駅の裏手のホテルが数軒ある通りを歩く市太。

「なあ、離せよっ!さっきからめっちゃ見られてっし恥ずかしーんだけど!」

市太の手を振り解こうとするつばさ。

「つばさくんはいつも見られてるだろ。美人税だと思ってありがたく視線受け取っときなよ」

「そっか、さんきゅ・・・ってなんねーから!」

「うるさいな」

立ち止まり、市太は握っていたつばさの手を高く引き上げる。
踵が浮いたつばさの顔に近付き、彼の尾てい骨を下から上へボトムス越しに撫でるとビクンと腰を一瞬浮かせた。

「服着て男と手繋いでるの見られて恥ずかしいのに、裸でケツの穴弄られてアヘ顔すんのは平気で見せれるんだ?・・・変態」

ボッと火が点くようにつばさの顔が赤くなる。

「て・・・め、・・・やっぱいい!お前になんかもう頼まねー!離せ、クソガキっ」

「嫌です。そのクソガキに今からケツ掻き回されてひんひん泣かされるんだよ、つばさくんは」

「な・・・っ、」

市太は有無を言わさずつばさの手を引き、入口に部屋のパネルが並ぶホテルへ入り、内装を確認もせず下段右角の部屋のパネルのボタンを押してエレベーターに乗る。


「・・・イチ、なんか、機嫌悪い?」

顔色を窺うつばさ。市太はエレベーターの天井に向け溜息を逃がした。


  イラつく。つばさくんも、架も。
  けど一番腹が立つのは自分にだ。自分を棚に上げて、架にもつばさくんにも呆れてるのに結局その厭らしさに煽られて・・・


最上階のフロアでエレベーターを降り、右角奥の鍵が空いた部屋へ入る。




「風呂、どうする?」

手を離しベッドに腰掛けた市太がつばさに聞く。

「え・・・っと、俺はいちお、準備はして来たけど・・・」

最初から俺が断る選択肢は無かったってことか。だったら

「脱いで自分で弄ってみて。できたら俺もやってあげる」

「は、はあっ!? お前にアナニー見せんの!?」

「だって俺 まだ初心者じゃん。また下手くそって言われんのもムカつくしさ。自分で拡げて俺の指 強請ってみてよ」

「・・・くっそ」


服を全て脱いで床に落とし、つばさはベッドに上がる。四つん這いになってから頭を下げ枕に顔を埋めたつばさは、後ろ手にボトルを軽く潰し、自分の窄まりにローションを垂らす。

つばさが前から手を伸ばし、窄まりに指の先をそっと挿入し浅く抽挿を繰り返すと、次第に硬くなる陰茎がピク、と頭を上げてくる。

「ふ・・・、ぅ・・・」

つばさの細い指が窄まりに抜き差しされる画が手フェチの市太の目には堪らなく淫靡に映り、欲情が掻き立てられてしまう。

「第一関節しか入ってないよ?もっと挿れないと」

「うるっせ!俺は体がカタイんだよ!そんな奥まで届かねんだよ!」

いつもどうやってアナニーとやらをしてるんだよ、と思う市太。


「しょうがねーな」

つばさの手を除けて、市太はローションでぬめった彼の窄まりへ慎重に指を挿入する。

「は・・・    はっ・・・    ぁ」

狭く深いつばさの中が、きゅうっと市太の指に絡まりつく。

「あ・・・イチの、ゆびっ、太くて長・・・っ」

挿入された市太の指が円を描き、自分では届かない部分の内壁を擦られ、ムズムズとした感覚につばさの背中が粟立つ。

指の腹で前立腺を押しながら市太が引き抜くと、ビクン、とつばさの臀部が跳ねる。

「んぁ・・・、もっとぉ」

ベッドに両肘を着き、頭を下げ自分の脇の間から市太に強請るつばさ。


  どいつもこいつも女みたいに甘えて・・・恥ずかしくないのかよ。

市太はどこか冷めた気持ちにもなる。


「もっと弄って欲しいなら、俺をその気にさせてみてよ」

  俺は望む側じゃない。つばさくんが乞う側だろ。


市太の首に両手を掛け、仰向けになった自分に被せる様につばさが引き倒す。

「イチ、触って。もっと深いとこ・・・お願い」

つばさは市太の首筋に舌を這わせ、Tシャツの裾を捲り上げ脇腹や背中を撫でる。

「キスは・・・しない方がいいか」

少し残念そうに呟き、Tシャツを市太の頭から引き抜き脱がせると、自分より幾分か逞しい上半身が露わになりつばさは思わず目を逸らす。

その様子を間近で見ていた市太は

「つばさくんって、恥ずかしがるとこおかしくね?」

  自分のことは羞恥の欠片も見せないのに、俺の体見て照れるってなんだよ。

つばさの美貌も相まってか、やけに彼が可愛らしく見えてくる。


「イチ、勃ってる」

「・・・つばさくんの手がスケベなせいだろ」

「なんだよそれ。 俺の手、好きなの?」

「まあ、綺麗だしね」


  架の手が一番好きだった。だけど・・・あいつの手は、俺を求めてない。


「イチが好きだって思ってくれるとこ、俺にもあるんだ。なんか嬉しいかも」

自分の手をかざし、つばさは まじまじと見つめる。

「つばさくんを嫌いなんて言ったことなんか無いだろ」

「無いけど。好きだとも言ったこと無いだろ」

男なんだから当たり前だ、と思いながら市太は つばさの手を取り基節骨に口付ける。


「な、イチが嫌じゃなかったら・・・挿れて欲しいんだけど」

「は?あんなに突っ込まれんの怖がってたのに?」

「そ  なん、だけど。ちょっと突っ込まれてみたいかな~、なんて。嫌なら無理にとは!」

「いいよ」


  もうどうでも、なんでもいい。架に対する想いが全部消えてくれるなら、なんでも。


「いい、の?」

「フッ、自分で言ってそれ?」

「イヤ、だってメス顔くんが・・・」

「つばさくんだって十分メス顔してんだろ。そこらの女よりも美人なんだし、女だと思ってヤる」

「おまっ、ひっど!」

「もう黙ろっか?」

市太は性急につばさの窄まりに指を差し入れ、恥骨の裏を撫でるように内壁を摩る。

「ふあっ、・・・っ、・・・あッ」

「つばさくん処女だから、優しくしてあげるよ」

つばさの額に ちゅ、と唇を落とす市太。
その仕草につばさの胸が痛いくらいに軋む。


  ・・・イチ、好きだよ。


言えない言葉を更に飲み込んで、つばさは市太の背中に手を回した。








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