135 / 209
第弐部-Ⅲ:自覚
133.紫鷹 日向の変化
しおりを挟む
ぅあー、と遠くで泣く声がした。
ああ、日向が泣いている。
今の今まで幸せそうにふにゃふにゃと笑っていただろう。
怖い夢を見たか?できない、とまた何か不安になったか?
ぼんやりとした頭で、早く日向を甘やかしてやらないと、と思った。
思って、急激に背中が冷えて、覚醒する。
「日向!?」
跳ね起きて、瞬時に水色を探した。
隣にいるはずの水色がいない。
それなのに、泣き声は確かにした。
ベッドの脇。
布団の塊が小さく丸まって落ちていた。
その下から、か細く赤ん坊のような泣き声がする。
「日向、」
心臓がバクバクと脈打つのがうるさい。
俺に縋るでもなく、隠れ家に籠るでもなく、ただ布団に包まって泣いているのが、意味がわからなかった。具合が悪くてベッドから起き上がれなかった時以外に、こんな泣き方をしたことはないだろう。
ベッドから落ち怪我をして動けなくなったか、と血の気が引いた。
「日向、どうした。布団を取るぞ、」
言うより早く、布団に手はかかる。
けれど、それを拒むように布団は内側へと巻き込まれていった。
その内側で、今も日向は声をあげて泣いている。
「日向。頼む、顔を見せて。」
焦る気持ちを押し込めて、できるだけ優しく声をかけた。ーーつもりだったが、上擦ってうまくいかない。
代わりに、小さな布団の山を覆うように抱きしめて、少しでも日向の近くで声をかけた。
「怖かったら出て来なくていい。ただ、怪我をしていないか、教えてほしい、」
「…し、ない、」
泣き声の合間に、小さく声がして少しだけ安堵する。
それでも何がなんだかわからなくて、また腹の底がそわそわと落ち着かなくなる。
「どこか痛むか?」
「な、い、」
「怖い夢を見た?」
「なぃ、」
「…なんで泣いてるか、話せるか、」
そう尋ねた瞬間、泣き声が激しくなって、思わず強く布団を抱きしめる。
扉の外に気配が増えたから、従僕と侍女と護衛にも異様な状態だとわかるのだろう。俺に任せるべきか逡巡しているに違いなかった。
なあ、日向。どうした。
しばらく、ただ布団を抱きしめて、日向が落ち着くのを待った。
ひとしきり泣くと、力尽きたように布団を巻き込む力が弱くなっていく。
本当は待つべきだったかもしれない。日向が自分から布団を開いて顔を見せるまで、辛抱強く。
でもなあ、お前の泣き声で目覚めた頭は堪え性がなかったよ。
日向を暗い場所で1人で泣かせたくなくて、日向の意思を確かめもせずに布団を剥いだ。
びくりと大きく震えて、そのまま、体が固まったな。
俺が丸まった小さな体を抱き上げると、奥底から込み上げた震えが全身に広がって、頭も肩も手も足も小刻みに震えた。
何が怖い、日向。
「ここが離宮だってのは、わかるか、」
「わか、る、」
「怖いのは、俺?」
「ちが、ぅ」
「なら、俺はここにいるよ。日向を抱いてるから、ゆっくりでいい、」
「ごめ、ん、」
手も足も小さく折りたたんで、ギュッと丸くなっているせいで、顔が見えない。
隠れ家の中でもこんな風に丸くなっているんだろうな。小栗ができるだけ手足を伸ばしてやりたいと言っていたのにな、と働かない頭で考えて切なくなった。
寝巻きから覗いた手足に怪我はない。
頭を胸の方に縮こめているせいで剥き出しになった首にも、古傷以外にはなかった。頭も寝癖の外は昨晩と変わらない。服の上から触れた背中もこれと言って何か異常があるわけではなかった。
ふと、日向の小さな手が、大腿の当たりを握っているのに気づく。
寝巻きの下衣を強く引いて、そこに体を丸めている気がした。
足か、と焦る。
未だに長く歩く術を持たない日向の足は、簡単に腫れて痛むから、それかと。
だが、その足を撫でた時、下衣が汚れているのに気づいた。
濡れて、乾いて、白くなっている。
それが何か、俺は男だから、すぐに分かった。
「ひな、た、もしかして、」
喉が酷く乾いて、声が割れる。初めからうるさかった鼓動は、さらにうるさくなって、頭が沸騰する気がした。目が熱い。
無意識に手が伸びる。気がつくと、俺の手は、日向が強く握りしめた拳を捕まえていた。
「ゃ、だ、しぉ、」
固まっていたはずの体が、ぶるぶる震えながら、ぎゅうとさらに小さく縮こまっていく。
声が、ほとんど悲鳴のようになって行くのが、苦しかった。
血の気を失うほど強く握られた小さな拳。
多分、服の下の皮膚に爪を立てている。
それを解きたくて、冷たくなった甲を撫でた。
「……日向、大丈夫だから。これは悪いものじゃない、」
「や、だ、」
「日向が成長した証だよ。大丈夫、」
「ぃら、なぃ、」
「怖かったら、俺にしがみついて、お願い、」
おそらく、眠っている間か、起きがけに吐精したのだと思う。
昨晩、俺が散々に甘やかして、日向を溶かしたせいかもしれない。
多分、日向にとって、初めてだ。
成長するための栄養も環境も無かった体が、ようやく大人へと育つことを始めた。
そのことは、間違いなく喜ばしいことで、俺の胸の内にあるやましい心は、それを喜んでいる。
だけど、それだけじゃないことを俺は知っている。
「日向、」
今度は、俺の頭は辛抱強く耐えてくれた。
日向の肩から手までゆっくり撫でて、小さな体が自分から力を抜いていくのを待つ。
「大丈夫、俺がいる。大丈夫だよ、」
喉の奥から泣き声とともに、嫌だ、と繰り返す日向をただひたすら待った。
大丈夫だよ、日向。
ここには、お前を傷つける者は誰もいない。
小さかったお前に、無理矢理、欲をぶつけた男も、誰もいない。
「草」が記した報告書の中に、日向が受けた仕打ちがあった。
いかに草が優秀であっても日向の15年の全てを知れるわけではないから、ほんの一部だろうけれど。
その中に、性的な暴力が含まれていたのを俺は知っている。
日向の風呂の世話が、宇継(うつぎ)以外に許されないのは、そのためだ。日向の身の回りの世話を従僕でなく、侍女に任せるのも、日向に刻み込まれた恐怖に配慮してのことだった。
大人たちが、俺に暴走するなと言うのも。
「大丈夫、大丈夫、」
何度も繰り返して、日向の腕を撫でる。
長い時間をかけて、日向の爪を細い大腿から、俺の腕に移した。ぴりっと痛みが走るが、そのことがむしろ俺を安堵させる。
それでいい。
怖いのは、俺にちょうだい。
頼むから、1人で泣くな。
腕から少しずつ、日向の体を解いた。
起きてからどれだけの時間が経ったかはわからない。それくらい長い時間をかけて、ようやく上半身を腕の中に抱くことができた。
「…ぃら、ない、」
もう体を強張らせる力もないのかもしれない。
腕の中で、ガクンと力が抜ける感覚があり、焦った。
同時に聞こえた声が、あまりに弱々しい。
覗き込んだ水色が虚ろだった。
「日向、」
「いら、ない、大きく、なら、なぃ、」
身長が3センチ伸びたと、あんなに喜んだのにな。
できないことだらけでも、できることが増えて、確かに成長しているのが、あんなに嬉しかったのにな。
なぜ日向から、その喜びを奪うんだ。
「こぁい、」
「うん、」
「ぃゃだぁ、しぉ、こぁい、」
「側にいるよ、日向、」
「こわ、い、」
「たす、けて、」
ぎゅうと、強く腕を握られた。
鋭い痛みを感じたその直後に、虚ろながらも俺を見ていた水色が光を失って、頭を落とす。
意識を失くしてようやく足が解け、日向の恐怖を晒した。
ほんの小さな染み。
たったそれだけのものに、こんなにも怯えるのか。
一体、どれだけの恐怖を、植え付けられたんだ。
「殿下、」
扉のところで、萩花(はぎな)が俺を呼ぶ。
日向を抱いたまま、いつの間にか泣いていたことに、その時になって初めて気がついた。
「日向様は、」
「…夢精したらしい、それで混乱した、」
「そうですか、」
「宇継を呼んでくれ、」
「ええ、」
宇継が来るまで、青白い顔を眺めた。
ずっと、この小さな王子を俺のものにしたかった。
口づけだけじゃ足りなくて、肌を重ねて、一つになりたいと、何度も何度も邪な思いを抱いた。
だけど、日向の中に巣食う恐怖を思うと、いつも尻込みした。
なあ、日向。
どうしたらいい。
どうしたら、お前をその恐怖から救ってやれる。
日向は多分、俺が触れるのは嫌がらないと思う。
俺のすることと、尼嶺の従兄弟がしたことは違うと分かっていると思う。
でも、日向にとって、やはり、それは恐怖の対象だ。
俺は、お前を幸せにしたいんだよ。
繋がることが許されるなら、そんな恐怖もなく、ただただ気持ちよく幸福の中に浸からせたい。
大きくなりたくないなんて、言わせたくない。
成長することを恐れさせたくない。
日向自身の精を、お前を傷つけた者たちと同じだと思わせたくない。
宇継が来て、深い眠りに落ちた日向を風呂に連れて行った後も、頭の中ではずっと日向の青い顔を見ていた。
お前が、本当に笑えるようになるには、どうしたらいい。
ああ、日向が泣いている。
今の今まで幸せそうにふにゃふにゃと笑っていただろう。
怖い夢を見たか?できない、とまた何か不安になったか?
ぼんやりとした頭で、早く日向を甘やかしてやらないと、と思った。
思って、急激に背中が冷えて、覚醒する。
「日向!?」
跳ね起きて、瞬時に水色を探した。
隣にいるはずの水色がいない。
それなのに、泣き声は確かにした。
ベッドの脇。
布団の塊が小さく丸まって落ちていた。
その下から、か細く赤ん坊のような泣き声がする。
「日向、」
心臓がバクバクと脈打つのがうるさい。
俺に縋るでもなく、隠れ家に籠るでもなく、ただ布団に包まって泣いているのが、意味がわからなかった。具合が悪くてベッドから起き上がれなかった時以外に、こんな泣き方をしたことはないだろう。
ベッドから落ち怪我をして動けなくなったか、と血の気が引いた。
「日向、どうした。布団を取るぞ、」
言うより早く、布団に手はかかる。
けれど、それを拒むように布団は内側へと巻き込まれていった。
その内側で、今も日向は声をあげて泣いている。
「日向。頼む、顔を見せて。」
焦る気持ちを押し込めて、できるだけ優しく声をかけた。ーーつもりだったが、上擦ってうまくいかない。
代わりに、小さな布団の山を覆うように抱きしめて、少しでも日向の近くで声をかけた。
「怖かったら出て来なくていい。ただ、怪我をしていないか、教えてほしい、」
「…し、ない、」
泣き声の合間に、小さく声がして少しだけ安堵する。
それでも何がなんだかわからなくて、また腹の底がそわそわと落ち着かなくなる。
「どこか痛むか?」
「な、い、」
「怖い夢を見た?」
「なぃ、」
「…なんで泣いてるか、話せるか、」
そう尋ねた瞬間、泣き声が激しくなって、思わず強く布団を抱きしめる。
扉の外に気配が増えたから、従僕と侍女と護衛にも異様な状態だとわかるのだろう。俺に任せるべきか逡巡しているに違いなかった。
なあ、日向。どうした。
しばらく、ただ布団を抱きしめて、日向が落ち着くのを待った。
ひとしきり泣くと、力尽きたように布団を巻き込む力が弱くなっていく。
本当は待つべきだったかもしれない。日向が自分から布団を開いて顔を見せるまで、辛抱強く。
でもなあ、お前の泣き声で目覚めた頭は堪え性がなかったよ。
日向を暗い場所で1人で泣かせたくなくて、日向の意思を確かめもせずに布団を剥いだ。
びくりと大きく震えて、そのまま、体が固まったな。
俺が丸まった小さな体を抱き上げると、奥底から込み上げた震えが全身に広がって、頭も肩も手も足も小刻みに震えた。
何が怖い、日向。
「ここが離宮だってのは、わかるか、」
「わか、る、」
「怖いのは、俺?」
「ちが、ぅ」
「なら、俺はここにいるよ。日向を抱いてるから、ゆっくりでいい、」
「ごめ、ん、」
手も足も小さく折りたたんで、ギュッと丸くなっているせいで、顔が見えない。
隠れ家の中でもこんな風に丸くなっているんだろうな。小栗ができるだけ手足を伸ばしてやりたいと言っていたのにな、と働かない頭で考えて切なくなった。
寝巻きから覗いた手足に怪我はない。
頭を胸の方に縮こめているせいで剥き出しになった首にも、古傷以外にはなかった。頭も寝癖の外は昨晩と変わらない。服の上から触れた背中もこれと言って何か異常があるわけではなかった。
ふと、日向の小さな手が、大腿の当たりを握っているのに気づく。
寝巻きの下衣を強く引いて、そこに体を丸めている気がした。
足か、と焦る。
未だに長く歩く術を持たない日向の足は、簡単に腫れて痛むから、それかと。
だが、その足を撫でた時、下衣が汚れているのに気づいた。
濡れて、乾いて、白くなっている。
それが何か、俺は男だから、すぐに分かった。
「ひな、た、もしかして、」
喉が酷く乾いて、声が割れる。初めからうるさかった鼓動は、さらにうるさくなって、頭が沸騰する気がした。目が熱い。
無意識に手が伸びる。気がつくと、俺の手は、日向が強く握りしめた拳を捕まえていた。
「ゃ、だ、しぉ、」
固まっていたはずの体が、ぶるぶる震えながら、ぎゅうとさらに小さく縮こまっていく。
声が、ほとんど悲鳴のようになって行くのが、苦しかった。
血の気を失うほど強く握られた小さな拳。
多分、服の下の皮膚に爪を立てている。
それを解きたくて、冷たくなった甲を撫でた。
「……日向、大丈夫だから。これは悪いものじゃない、」
「や、だ、」
「日向が成長した証だよ。大丈夫、」
「ぃら、なぃ、」
「怖かったら、俺にしがみついて、お願い、」
おそらく、眠っている間か、起きがけに吐精したのだと思う。
昨晩、俺が散々に甘やかして、日向を溶かしたせいかもしれない。
多分、日向にとって、初めてだ。
成長するための栄養も環境も無かった体が、ようやく大人へと育つことを始めた。
そのことは、間違いなく喜ばしいことで、俺の胸の内にあるやましい心は、それを喜んでいる。
だけど、それだけじゃないことを俺は知っている。
「日向、」
今度は、俺の頭は辛抱強く耐えてくれた。
日向の肩から手までゆっくり撫でて、小さな体が自分から力を抜いていくのを待つ。
「大丈夫、俺がいる。大丈夫だよ、」
喉の奥から泣き声とともに、嫌だ、と繰り返す日向をただひたすら待った。
大丈夫だよ、日向。
ここには、お前を傷つける者は誰もいない。
小さかったお前に、無理矢理、欲をぶつけた男も、誰もいない。
「草」が記した報告書の中に、日向が受けた仕打ちがあった。
いかに草が優秀であっても日向の15年の全てを知れるわけではないから、ほんの一部だろうけれど。
その中に、性的な暴力が含まれていたのを俺は知っている。
日向の風呂の世話が、宇継(うつぎ)以外に許されないのは、そのためだ。日向の身の回りの世話を従僕でなく、侍女に任せるのも、日向に刻み込まれた恐怖に配慮してのことだった。
大人たちが、俺に暴走するなと言うのも。
「大丈夫、大丈夫、」
何度も繰り返して、日向の腕を撫でる。
長い時間をかけて、日向の爪を細い大腿から、俺の腕に移した。ぴりっと痛みが走るが、そのことがむしろ俺を安堵させる。
それでいい。
怖いのは、俺にちょうだい。
頼むから、1人で泣くな。
腕から少しずつ、日向の体を解いた。
起きてからどれだけの時間が経ったかはわからない。それくらい長い時間をかけて、ようやく上半身を腕の中に抱くことができた。
「…ぃら、ない、」
もう体を強張らせる力もないのかもしれない。
腕の中で、ガクンと力が抜ける感覚があり、焦った。
同時に聞こえた声が、あまりに弱々しい。
覗き込んだ水色が虚ろだった。
「日向、」
「いら、ない、大きく、なら、なぃ、」
身長が3センチ伸びたと、あんなに喜んだのにな。
できないことだらけでも、できることが増えて、確かに成長しているのが、あんなに嬉しかったのにな。
なぜ日向から、その喜びを奪うんだ。
「こぁい、」
「うん、」
「ぃゃだぁ、しぉ、こぁい、」
「側にいるよ、日向、」
「こわ、い、」
「たす、けて、」
ぎゅうと、強く腕を握られた。
鋭い痛みを感じたその直後に、虚ろながらも俺を見ていた水色が光を失って、頭を落とす。
意識を失くしてようやく足が解け、日向の恐怖を晒した。
ほんの小さな染み。
たったそれだけのものに、こんなにも怯えるのか。
一体、どれだけの恐怖を、植え付けられたんだ。
「殿下、」
扉のところで、萩花(はぎな)が俺を呼ぶ。
日向を抱いたまま、いつの間にか泣いていたことに、その時になって初めて気がついた。
「日向様は、」
「…夢精したらしい、それで混乱した、」
「そうですか、」
「宇継を呼んでくれ、」
「ええ、」
宇継が来るまで、青白い顔を眺めた。
ずっと、この小さな王子を俺のものにしたかった。
口づけだけじゃ足りなくて、肌を重ねて、一つになりたいと、何度も何度も邪な思いを抱いた。
だけど、日向の中に巣食う恐怖を思うと、いつも尻込みした。
なあ、日向。
どうしたらいい。
どうしたら、お前をその恐怖から救ってやれる。
日向は多分、俺が触れるのは嫌がらないと思う。
俺のすることと、尼嶺の従兄弟がしたことは違うと分かっていると思う。
でも、日向にとって、やはり、それは恐怖の対象だ。
俺は、お前を幸せにしたいんだよ。
繋がることが許されるなら、そんな恐怖もなく、ただただ気持ちよく幸福の中に浸からせたい。
大きくなりたくないなんて、言わせたくない。
成長することを恐れさせたくない。
日向自身の精を、お前を傷つけた者たちと同じだと思わせたくない。
宇継が来て、深い眠りに落ちた日向を風呂に連れて行った後も、頭の中ではずっと日向の青い顔を見ていた。
お前が、本当に笑えるようになるには、どうしたらいい。
644
あなたにおすすめの小説
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる