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エピローグ(幼体編エンド)――エンシェントドラゴンは隠れ住むのをやめる
アンフェールと魔道具とグレンへのプレゼント
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物語は少しだけ過去に遡る。
晩餐会の一年前だ。
「出来た!」
アンフェールは離宮を整えて一年目、念願の『フェロモン受容体を縛る』魔道具を完成させた。
精霊に出来てアンフェールに出来ない事は無いのだ、と術式をこねくり回した甲斐があった。
フェロモンの放出も抑えられるようになっている。着ければ幼体の頃と変わりない生活が出来るだろう。
これでグレンと例え接触しても、お互い心地良い匂いだな、位にしか感じないはずだ。
魔道具はチョーカー型だ。
他に指輪型、ブレスレット型、アンクレット型も開発予定だ。
何があるか分からないのでフレキシブルに対応出来るよう、アンフェールは手を抜かない。
(一番効果があるのがチョーカー型になるだろう。基本はこれだな)
アンフェールは自室を出て居間に行く。
普通なら側仕えが側に控えているものなのだろうが、側でじっと見られていては研究が捗らない。
なので居間で待機して貰っている。
待機中は他の仕事をするなり何なり自由で、と言っているので、みんなそこで事務仕事をして過ごしている事が多い。
「殿下、休憩ですか?」
「うん。お茶を頂こうかな」
「はい」
アンフェールは側仕えが淹れてくれるお茶が好きだ。
寮長エドワードが淹れてくれるお茶と味が似ている。
きっと、こちらに対する親愛の情があるからなのだ。そう言うスパイスなのだ、とアンフェールは思っている。
エックハルトが市井に撒かれた悪意の風説を駆逐してしばらく。
グレンと対面してみないか、という魅惑的な提案をしてきた。
風説のカウンターとして『第一王子は第二王子を宝物のように大事にしている』という情報を使ったからには、交流が全く無いのも困るという事だろう。
しかし、そんな都合知った事じゃないのだ。
アンフェールにはフェロモン問題があった。
これを何とかしない事には恐ろしくて対面など出来ない。
なので「誰が何を仕組むか分かりません。兄上がきちんと王位につくまでは、私を秘した存在のままにしてください」としおらしく伝えた。
エックハルトはアンフェールが賢く、慎ましやかに育ってくれたと感動していた。
代わりに少し許してもらった事もある。
「あ、来てる」
窓の外を見れば、いつもより早い時間だというのにグレンが来ていた。
居間のコンソールテーブルの引き出しにはレターセットが仕舞ってある。グレンが来たと気づいたときにすぐ手紙を書き上げるためだ。
アンフェールは慌てて筆記具と便箋を取り出した。
許してもらった事というのはグレンとのちょっとした文通だ。
名乗らずのショートメールでやり取りしている。名を記した手紙を盗まれでもしたら、何に利用されるか分からない。
アンフェールはグレンの安全が第一、という方針で物事を決めている。
アンフェールはソファーに座り、サラサラ筆を走らせる。
『丘の上のあなたへ
いつもよりお早いですね。今日は最近制作していたチョーカーが完成しました。いつかあなたにも似合うものをお贈りしたいです』
言いたい事があり過ぎて、何を書こうかいつも悩むけれど、結局ちょっとした日常を書いてしまう。
今日は魔道具が完成してほくほくした件を書いた。魔道具だ、とは書かないけれど。
十三歳の子供がソロで魔道具開発しているのは、あまりに不自然過ぎる。ちゃんと年相応に可愛い弟でいないといけない。
アンフェールは庭に出てタンジェントを呼んだ。
「クピ?」
「グレンが来たんだ。今日もお手紙お願いできる?」
「クピィ!」
タンジェントの足に手紙を括りつける。
フェレット型の飛竜はよく伝書に使われるだけあって、こういったお使いごとを頼むとご機嫌で引き受けてくれる。
最近は数往復するお手紙も、遊び感覚で手伝ってくれるので有難い。
タンジェントは飛び立ち、丘の上のグレンの元へ真っ直ぐ向かう。
アンフェールは縄張りを通してごく近くでグレンの姿を眺める。
タンジェントの頭を撫で、手紙を受け取るグレン。
彼は大切そうに手紙を開き、目で文字を追い、綻ぶように柔らかな笑顔を浮かべている。
幸せそうだ。
あんなに弟を欲していたんだから、短文であっても手紙は嬉しいだろう。
一度、手紙でやり取りする件も諦めていたから余計に。
グレンは荷物から紙と筆記具を取り出し、サラサラと手紙を書き上げた。
それをタンジェントの足に結び、「よろしく頼む」とお願いしている。
縄張りで彼の手元までよく見えるが、手紙の内容は見ないようにしている。届く前に読んでしまうのは無粋だ。
ワクワクしながらタンジェントが戻ってくるのを待つ。
戻ってきたタンジェントの足から手紙を外して、はやる気持ちを抑えつつ、読んだ。
『優しいきみへ
早く会いたくて来てしまった。嬉しいな。私もきみに似合うものを作って贈りたい。以前、親友の為にペンダントを作った事があるんだ。懐かしいな。思い出しながら挑戦したい』
アンフェールも胸が温かくなった。
グレンが弟宛の手紙に精霊アンフェールの事を書いてくれたのだ。親友だといってくれている。
あのペンダントは、アンフェールの尻から出た竜石を使った微妙なプレゼントだったけれど、贈りたいと思ってくれた気持ちは本当に嬉しかった。
ペンダントは離宮の私室に持ち込んでいる。身に着けないけど時々眺めているのだ。
グレンの中では精霊アンフェールの存在はきちんと過去に出来たろうか。
別れて一年。心の整理をするには十分な時間だ。
『縄張り』で様子は見れるけれど、心の中までは覗けない。
アンフェールは精霊の事を忘れて欲しいという気持ちと、忘れないで欲しいという気持ちが鬩ぎ合い、胸が軋んだ。
いけない、と慌てて首をぷるぷると振る。
アンフェールは弟なのだ。グレンに家族以上の気持ちを持ってはいけない。
一年後の対面の場では、グレンの可愛い弟を完璧に演じなければならないのだ。
『丘の上のあなたへ
嬉しいです。対面出来る約束の日に、あなたに似合う装飾品をお祝いとして持って行きますね』
『優しいきみへ
ありがとう。それは最高のプレゼントだ。最高の返礼品で応じないといけないな』
◇◇◇
そして現在。時間は即位晩餐会前の夕刻だ。
アンフェールは机の引き出しから綺麗に装飾を施した小箱を取り出した。
これがグレンの即位祝いの装飾品だ。
物はカフスボタンを作った。
何を作ろうか、と色々グルグル悩んでそこに落ち着いた。これなら普段使いも出来るだろう。
まあるい金色ボタンが二つ。表面に刻んだ図柄は鳥だ。
グレンとお揃いのカップに双満月と二羽の鳥を絵付けした事があった。それをちょっとだけ意識してしまった。
(別に言わなければ気づかないだろう。私が……そういった思い出をグレンに身につけて貰って自己満足するための物だ)
アンフェールはグレンに対する気持ちがさっぱり昇華出来ていなかった。未練たらたらだ。
しかし本人は気づいていない。
二年も離れて大丈夫だったのだから、『弟』になりきれていると思っている。しょっちゅう『縄張り』でグレンを眺めていたくせに。
「殿下、そろそろお時間です」
「はい」
ギュンターが呼びに来た。時間だ。
夕刻。
晩餐会の前にグレンと会う時間を設けて貰っている。
市井に出回っている――出回らせた噂は『第一王子は第二王子を宝物のように大事にしている』というものだ。
お披露目晩餐会で初対面っぽさが出てしまっては不味いという事で、事前に対面出来る事になったのだ。
アンフェールは緊張している。
久しぶりに生のグレンの側に近づくのだ。
『フェロモン受容体を縛る』魔道具はチョーカー型は勿論、指輪型、ブレスレット型、アンクレット型とフル装備している。
万一どれかを外す必要性が出ても、他で補えるようにだ。抜かりはない。
「殿下、緊張されていますか?」
「ええ、ギュンター。離宮から出るのは七年ぶりですので」
「大丈夫です。何が来てもお守りいたします。命に代えても」
ギュンターはそう言ってアンフェールの手をぎゅっと握った。
アンフェールは心の中で一歩後ずさった。命とか掛けられると後味が悪いから止めて欲しい。
彼の忠誠心は割と重い。
グレンに対しても激しかったけれど、アンフェールに対しても同じように激しい。
アンフェールの場合、見た目が弱そうだから特に庇護欲が強く出ているのかもしれない。
「城までは馬車で向かいます。城に着いたら、決して他人と目を合わせないでください。笑いかけたりするのは論外です。基本、私が周囲を威圧いたしますので」
ギュンターの過保護が激しい。
晩餐会の一年前だ。
「出来た!」
アンフェールは離宮を整えて一年目、念願の『フェロモン受容体を縛る』魔道具を完成させた。
精霊に出来てアンフェールに出来ない事は無いのだ、と術式をこねくり回した甲斐があった。
フェロモンの放出も抑えられるようになっている。着ければ幼体の頃と変わりない生活が出来るだろう。
これでグレンと例え接触しても、お互い心地良い匂いだな、位にしか感じないはずだ。
魔道具はチョーカー型だ。
他に指輪型、ブレスレット型、アンクレット型も開発予定だ。
何があるか分からないのでフレキシブルに対応出来るよう、アンフェールは手を抜かない。
(一番効果があるのがチョーカー型になるだろう。基本はこれだな)
アンフェールは自室を出て居間に行く。
普通なら側仕えが側に控えているものなのだろうが、側でじっと見られていては研究が捗らない。
なので居間で待機して貰っている。
待機中は他の仕事をするなり何なり自由で、と言っているので、みんなそこで事務仕事をして過ごしている事が多い。
「殿下、休憩ですか?」
「うん。お茶を頂こうかな」
「はい」
アンフェールは側仕えが淹れてくれるお茶が好きだ。
寮長エドワードが淹れてくれるお茶と味が似ている。
きっと、こちらに対する親愛の情があるからなのだ。そう言うスパイスなのだ、とアンフェールは思っている。
エックハルトが市井に撒かれた悪意の風説を駆逐してしばらく。
グレンと対面してみないか、という魅惑的な提案をしてきた。
風説のカウンターとして『第一王子は第二王子を宝物のように大事にしている』という情報を使ったからには、交流が全く無いのも困るという事だろう。
しかし、そんな都合知った事じゃないのだ。
アンフェールにはフェロモン問題があった。
これを何とかしない事には恐ろしくて対面など出来ない。
なので「誰が何を仕組むか分かりません。兄上がきちんと王位につくまでは、私を秘した存在のままにしてください」としおらしく伝えた。
エックハルトはアンフェールが賢く、慎ましやかに育ってくれたと感動していた。
代わりに少し許してもらった事もある。
「あ、来てる」
窓の外を見れば、いつもより早い時間だというのにグレンが来ていた。
居間のコンソールテーブルの引き出しにはレターセットが仕舞ってある。グレンが来たと気づいたときにすぐ手紙を書き上げるためだ。
アンフェールは慌てて筆記具と便箋を取り出した。
許してもらった事というのはグレンとのちょっとした文通だ。
名乗らずのショートメールでやり取りしている。名を記した手紙を盗まれでもしたら、何に利用されるか分からない。
アンフェールはグレンの安全が第一、という方針で物事を決めている。
アンフェールはソファーに座り、サラサラ筆を走らせる。
『丘の上のあなたへ
いつもよりお早いですね。今日は最近制作していたチョーカーが完成しました。いつかあなたにも似合うものをお贈りしたいです』
言いたい事があり過ぎて、何を書こうかいつも悩むけれど、結局ちょっとした日常を書いてしまう。
今日は魔道具が完成してほくほくした件を書いた。魔道具だ、とは書かないけれど。
十三歳の子供がソロで魔道具開発しているのは、あまりに不自然過ぎる。ちゃんと年相応に可愛い弟でいないといけない。
アンフェールは庭に出てタンジェントを呼んだ。
「クピ?」
「グレンが来たんだ。今日もお手紙お願いできる?」
「クピィ!」
タンジェントの足に手紙を括りつける。
フェレット型の飛竜はよく伝書に使われるだけあって、こういったお使いごとを頼むとご機嫌で引き受けてくれる。
最近は数往復するお手紙も、遊び感覚で手伝ってくれるので有難い。
タンジェントは飛び立ち、丘の上のグレンの元へ真っ直ぐ向かう。
アンフェールは縄張りを通してごく近くでグレンの姿を眺める。
タンジェントの頭を撫で、手紙を受け取るグレン。
彼は大切そうに手紙を開き、目で文字を追い、綻ぶように柔らかな笑顔を浮かべている。
幸せそうだ。
あんなに弟を欲していたんだから、短文であっても手紙は嬉しいだろう。
一度、手紙でやり取りする件も諦めていたから余計に。
グレンは荷物から紙と筆記具を取り出し、サラサラと手紙を書き上げた。
それをタンジェントの足に結び、「よろしく頼む」とお願いしている。
縄張りで彼の手元までよく見えるが、手紙の内容は見ないようにしている。届く前に読んでしまうのは無粋だ。
ワクワクしながらタンジェントが戻ってくるのを待つ。
戻ってきたタンジェントの足から手紙を外して、はやる気持ちを抑えつつ、読んだ。
『優しいきみへ
早く会いたくて来てしまった。嬉しいな。私もきみに似合うものを作って贈りたい。以前、親友の為にペンダントを作った事があるんだ。懐かしいな。思い出しながら挑戦したい』
アンフェールも胸が温かくなった。
グレンが弟宛の手紙に精霊アンフェールの事を書いてくれたのだ。親友だといってくれている。
あのペンダントは、アンフェールの尻から出た竜石を使った微妙なプレゼントだったけれど、贈りたいと思ってくれた気持ちは本当に嬉しかった。
ペンダントは離宮の私室に持ち込んでいる。身に着けないけど時々眺めているのだ。
グレンの中では精霊アンフェールの存在はきちんと過去に出来たろうか。
別れて一年。心の整理をするには十分な時間だ。
『縄張り』で様子は見れるけれど、心の中までは覗けない。
アンフェールは精霊の事を忘れて欲しいという気持ちと、忘れないで欲しいという気持ちが鬩ぎ合い、胸が軋んだ。
いけない、と慌てて首をぷるぷると振る。
アンフェールは弟なのだ。グレンに家族以上の気持ちを持ってはいけない。
一年後の対面の場では、グレンの可愛い弟を完璧に演じなければならないのだ。
『丘の上のあなたへ
嬉しいです。対面出来る約束の日に、あなたに似合う装飾品をお祝いとして持って行きますね』
『優しいきみへ
ありがとう。それは最高のプレゼントだ。最高の返礼品で応じないといけないな』
◇◇◇
そして現在。時間は即位晩餐会前の夕刻だ。
アンフェールは机の引き出しから綺麗に装飾を施した小箱を取り出した。
これがグレンの即位祝いの装飾品だ。
物はカフスボタンを作った。
何を作ろうか、と色々グルグル悩んでそこに落ち着いた。これなら普段使いも出来るだろう。
まあるい金色ボタンが二つ。表面に刻んだ図柄は鳥だ。
グレンとお揃いのカップに双満月と二羽の鳥を絵付けした事があった。それをちょっとだけ意識してしまった。
(別に言わなければ気づかないだろう。私が……そういった思い出をグレンに身につけて貰って自己満足するための物だ)
アンフェールはグレンに対する気持ちがさっぱり昇華出来ていなかった。未練たらたらだ。
しかし本人は気づいていない。
二年も離れて大丈夫だったのだから、『弟』になりきれていると思っている。しょっちゅう『縄張り』でグレンを眺めていたくせに。
「殿下、そろそろお時間です」
「はい」
ギュンターが呼びに来た。時間だ。
夕刻。
晩餐会の前にグレンと会う時間を設けて貰っている。
市井に出回っている――出回らせた噂は『第一王子は第二王子を宝物のように大事にしている』というものだ。
お披露目晩餐会で初対面っぽさが出てしまっては不味いという事で、事前に対面出来る事になったのだ。
アンフェールは緊張している。
久しぶりに生のグレンの側に近づくのだ。
『フェロモン受容体を縛る』魔道具はチョーカー型は勿論、指輪型、ブレスレット型、アンクレット型とフル装備している。
万一どれかを外す必要性が出ても、他で補えるようにだ。抜かりはない。
「殿下、緊張されていますか?」
「ええ、ギュンター。離宮から出るのは七年ぶりですので」
「大丈夫です。何が来てもお守りいたします。命に代えても」
ギュンターはそう言ってアンフェールの手をぎゅっと握った。
アンフェールは心の中で一歩後ずさった。命とか掛けられると後味が悪いから止めて欲しい。
彼の忠誠心は割と重い。
グレンに対しても激しかったけれど、アンフェールに対しても同じように激しい。
アンフェールの場合、見た目が弱そうだから特に庇護欲が強く出ているのかもしれない。
「城までは馬車で向かいます。城に着いたら、決して他人と目を合わせないでください。笑いかけたりするのは論外です。基本、私が周囲を威圧いたしますので」
ギュンターの過保護が激しい。
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