[完結]想ってもいいでしょうか?

仲 奈華 (nakanaka)

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背中が焼けるように痛い。
手足が冷たく、体中が痛い。
無数の針と炎に責められ続けているようだ。

チュンチュンチュン

鳥の声が聞こえて、ルミアは重たい瞼を何とか開けた。

牢の小窓から朝日が差し込んできている。

夜が明けた。約束をしていたのに行けなかった。
連れて行ってくれるって言っていたのに。
この冷たい場所から離れる事ができるはずだったのに。
寒くて、痛くて仕方がない。

ルミアは蹲ったままただ涙を流す事しかできなかった。




バタバタバタバタ。
ガヤガヤガヤ。

なんだか地上が騒がしい。
たくさんの人が集まってきているようだ。

(もしかしたらロイが探しにきてくれたのかもしれない。まだ出発していなかったのかも)

ガチャリ

地下牢のドアが開き、薄暗い部屋に沢山の光が差し込んできた。
ドアの向こうに立っている大柄な人物は、影になってよく見えない。

ルミアは、なんとか手を伸ばし、伝えようとした。

(私を一緒に連れて行って。)

声は出ず、ルミアの伸ばした手はバタリと冷たい地面に落ちた。

もう目を開く事ができず、ルミアは、もうろうとする意識の中で遠くの声を聞いた。

「ルミア。しっかりしろ。ルミア。私が悪かった。おい。早くしろ。医者を呼べ」
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