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第5章 ◇怒涛の 1st WEEK
◆26 ユキSide:感情のエラー
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…………触れてみたい。
もっと近くで観察して、飽きるまで眺めてみたい。
このキラキラした生き物を。
先輩に、初めて出逢った時。
そんな風に思ったあの瞬間の、記憶――
僕がそんなことを思い出しているうちに、気付けば先輩は、もう自然に笑っていた。
ああ……良かった。
いや、僕的には良くない、のかも。この状況。
はぁ、と荒い息を吐く。
自分の身体に異変を感じていた。
僕は――
僕は…………先輩に欲情したらしい。
誰かとの身体の接触で、興奮したことなんて――初めてだった。
僕はこれまで、女にも男にも性的な欲求を感じたことが無かったから、そういう部分が抜け落ちた人間なんだと思っていた。
神様のちょっとした気まぐれで。
そういう人は、僕の他にも世の中に案外いるみたいだったし。
だからもちろん、こんな……
“押し倒してキスしたい”
なんて、そんな気持ちを誰かに抱くなんて。
全くもってあり得なくて。
戸惑いと混乱が僕を襲う。
心と身体の両方に、耳を塞ぎたくなるようなエラー音がずっと鳴り響いているようだった。
――どうしよう?
この先、まだまだ一緒に頑張らないとダメなのに……
こんな不純な感情を抱いて、勝手にドキドキしている場合じゃないのに――
僕はただ、シャンデリアの灯りが目に入って、眩しいだけ。そんなふりをしながら、瞬きを繰り返し――先輩だけを見詰めた。
この人の隣りで過ごす、いつも通りの夜。
それなのに。
今夜は、とてもとても長く感じてしまったのだった。
もっと近くで観察して、飽きるまで眺めてみたい。
このキラキラした生き物を。
先輩に、初めて出逢った時。
そんな風に思ったあの瞬間の、記憶――
僕がそんなことを思い出しているうちに、気付けば先輩は、もう自然に笑っていた。
ああ……良かった。
いや、僕的には良くない、のかも。この状況。
はぁ、と荒い息を吐く。
自分の身体に異変を感じていた。
僕は――
僕は…………先輩に欲情したらしい。
誰かとの身体の接触で、興奮したことなんて――初めてだった。
僕はこれまで、女にも男にも性的な欲求を感じたことが無かったから、そういう部分が抜け落ちた人間なんだと思っていた。
神様のちょっとした気まぐれで。
そういう人は、僕の他にも世の中に案外いるみたいだったし。
だからもちろん、こんな……
“押し倒してキスしたい”
なんて、そんな気持ちを誰かに抱くなんて。
全くもってあり得なくて。
戸惑いと混乱が僕を襲う。
心と身体の両方に、耳を塞ぎたくなるようなエラー音がずっと鳴り響いているようだった。
――どうしよう?
この先、まだまだ一緒に頑張らないとダメなのに……
こんな不純な感情を抱いて、勝手にドキドキしている場合じゃないのに――
僕はただ、シャンデリアの灯りが目に入って、眩しいだけ。そんなふりをしながら、瞬きを繰り返し――先輩だけを見詰めた。
この人の隣りで過ごす、いつも通りの夜。
それなのに。
今夜は、とてもとても長く感じてしまったのだった。
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