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第24話「とんでもない役を引き受けてしまった」
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どっからどうみても、質素。むしろ化け物よ。と、かなり残念な王太子様だと、私は抱きしめられた腕からそっと逃れる。
「アリアッ」
「無礼を承知で申し上げますが、眼鏡を調達した方がよろしいかと?」
ちょこっと頭を下げて私はアシュレイに、それを提言する。
「視力は周りよりも良い方だが?」
(なら、ご趣味が……)
そこまで考えた私だったが、さすがに頭の方を医者に診ていただいた方がいいなんて言えるはずもなく、にこやかに笑顔を作ってみた。
「王太子様から外交辞令をいただけるとは、有難き幸せでございます」
引きつく口元を精一杯抑えて、服を少しだけ摘まみ上げて、丁寧にお辞儀をすれば、アシュレイにまた手を掴まれた。
(なんなのこの人! 何でも掴めばいいってものじゃないのよッ)
王太子様じゃなかったら、殴っていたわ。きっと。
「本心だ」
「そのようにお気遣いしていただかなくとも」
「どうすれば、君に近づける?」
グイッと腕を引かれ、アシュレイが真剣な眼差しを向けてくる。
(何をそんなに焦っているの?)
馬車の中でもそうだったけど、アシュレイは何かを焦っている。しかも早急に相手が欲しいような素振り。
そして私は盛大な勘違いをした。
「好きでもない方とご結婚でもなさるのですか?」
適当な相手が欲しいというのなら、それしか考えられず、うっかり口にすれば、アシュレイは一瞬驚いた表情をしたが、すぐに両手で私の手を包んできた。
その顔はとても明るく、どこか吹っ切れたような姿だった。
「そうだ。俺は無理やり結婚させられそうなんだ」
「王太子様に選択の余地はないのでしょうか?」
「ない。父上が勝手に取り決めてしまい、俺は好きでもない女性と生涯をともにせねばならない」
だから力を貸してほしいと、なぜか物凄く元気になったアシュレイの瞳がキラキラと輝いていた。まるで水を得た魚。
「そんなに嫌なら、お断りすればいいではありませんか」
次期国王でもある王太子殿下にはその権利はあるでしょうと、目を細めれば、アシュレイは縋るような視線を向けてくる。
「両親を丸め込み、卑怯な手で俺との結婚を結んだ女だ」
さすがに国王からの命令には逆らえないと、アシュレイは助けて欲しいと求めてくる。このままでは猫を被った悪女と結婚させられてしまうのだと、アリアを婚約者に見立て、この結婚を破棄するとさえ言い出す。
「別に私じゃなくても……」
「俺に惚れてしまうような女性には頼めない」
変な勘違いをされたら困ると、アシュレイは私の手を強く強く握る。地位も金も、ましてやアシュレイにさえ興味のないアリアならば、全く問題ないと言い張る。
確かに、アシュレイに興味が持てなかった。あと腐れなく別れることが出来るということなら、適任? そこまで考えた私の脳裏に、素敵なスローライフのビジョンが描かれる。
(もしかしてこれって、ビジネスチャンス?!)
アシュレイに協力して、大金を貰えれば、隠居生活のための家が手に入りそう。小さくてもいいとはいえ、家を建てるとなれば、それなりの資金は必要で、引きこもり生活を送りたいなら、お金も必要で。
(おまけに土地ももらえたら、もう言うことなしじゃない)
夢にまで見た隠居生活目前?!
私の瞳は輝きに満ちて、王太子殿下だということなんかすっかり飛んじゃって、アシュレイの手をガシッと握り返す。
「つまり、私が偽の恋人になればよいのですね」
「ああ、仮の婚約者になってくれないか?」
「報酬は高いですよ」
「いくらでも構わないが、引き受けてくれるのか?」
「王太子様のためですもの、一肌脱ぎましょう」
夢の隠居生活のため、私はアシュレイに協力することを選び、アシュレイは高額報酬とアラステア国の土地を譲ってくれることを約束してくれた。
(これで隠居生活に、大きく進んだわ)
ぱぁぁ~と目の前が明るくなったような気がして、私はアシュレイの手をとってめちゃくちゃ浮かれる。
その様子は、今まで見てきた令嬢にはない浮かれようで、無邪気にはしゃぐアリアの姿は、素直に可愛いとさえ見えた。子供のようにはしゃぐ女性は、こんなにも可愛らしいのかと、アシュレイは戸惑いながらアリアを見るが、同時に罪悪感も生まれる。
アラステア国に縛り付けるために、偽装結婚を申し出てしまった。アリアが聖女であると決めつけた自分の身勝手な判断だと知りながらも、国を守るためにはこれしかないのだと、アシュレイはそっと奥歯を噛み締める。
自分の命を救ってくれたアリアを騙すようなことをして、本当に良かったのか? 勘違いしてくれたおかげで当初の計画通りにはなったが、このまま結婚まで持っていけるのか、互いの気持ちが添わないままでいいのか、アシュレイは締め付けられる心を抱えたまま、ふと、奇妙なものが視界に入り、まじまじと見つめてしまう。
「ローレンは、なぜあのような恰好で寝ている?」
甲冑を着たまま、上半身だけベッドに乗り、足は床すれすれで浮いている状態。どんなに疲れていたとしても、ローレンがあのような姿で寝るなどありえないと、アシュレイは驚きとともになぜ? と、疑問が浮かぶ。
「あ、……あれは、魔物討伐でかなりお疲れだったみたいで、いきなり倒れ込んだと思ったら、そのまま眠ってしまったみたいなの」
「寝ているのか?」
「え、ええ……、少し寝るとおっしゃっていたわ」
師団長ともあろうお方があんな姿で寝ていたら、当然不自然よね。と、私の口元は引き攣る。どうしよう、魔法をかけたなんて言い出せないし、そもそも魔法を使いすぎているのだから、さすがにもう魔力は残っていないと思わせないといけない。
朝になってしまったので、魔力は全回復してるけど。
村を救うための水魔法に、アシュレイを助けた治癒魔法、おまけに結界魔法まで……。もう空っぽだと思ってほしいから、これ以上の魔法使用は絶対に言えない。
「……生きているのか?」
どうしようかと、大量の汗をかいていたら、唐突にアシュレイが生死の確認をしてきた。騎士ともあろう人が、あんな状態で眠っていたら、確かに不安になる。しかも、アシュレイはローレンたちに何があったのか知らないわけで、あの魔物と対峙しただろうと推測しかできないわけで、確実に討伐できたかどうかも知らない状態だ。
変な汗まで出てきて、私は「大丈夫、生きてはいます」と返事を返す。すると、アシュレイは突然辺りを見回し始める。
「アレフはどうした?」
ローレンの姿しか見えないことに不信感を持ったアシュレイは、まさか魔物にと、顔色を青くする。
「医者を呼びに行っています」
「医者?」
「アシュレイ王太子殿下の治療のためです」
アリアの魔法のおかげで今はすっかり元気になったが、確かに負傷していたことを思い出し、アレフの行動は正当だろうと、アシュレイはホッとした。
「アリアッ」
「無礼を承知で申し上げますが、眼鏡を調達した方がよろしいかと?」
ちょこっと頭を下げて私はアシュレイに、それを提言する。
「視力は周りよりも良い方だが?」
(なら、ご趣味が……)
そこまで考えた私だったが、さすがに頭の方を医者に診ていただいた方がいいなんて言えるはずもなく、にこやかに笑顔を作ってみた。
「王太子様から外交辞令をいただけるとは、有難き幸せでございます」
引きつく口元を精一杯抑えて、服を少しだけ摘まみ上げて、丁寧にお辞儀をすれば、アシュレイにまた手を掴まれた。
(なんなのこの人! 何でも掴めばいいってものじゃないのよッ)
王太子様じゃなかったら、殴っていたわ。きっと。
「本心だ」
「そのようにお気遣いしていただかなくとも」
「どうすれば、君に近づける?」
グイッと腕を引かれ、アシュレイが真剣な眼差しを向けてくる。
(何をそんなに焦っているの?)
馬車の中でもそうだったけど、アシュレイは何かを焦っている。しかも早急に相手が欲しいような素振り。
そして私は盛大な勘違いをした。
「好きでもない方とご結婚でもなさるのですか?」
適当な相手が欲しいというのなら、それしか考えられず、うっかり口にすれば、アシュレイは一瞬驚いた表情をしたが、すぐに両手で私の手を包んできた。
その顔はとても明るく、どこか吹っ切れたような姿だった。
「そうだ。俺は無理やり結婚させられそうなんだ」
「王太子様に選択の余地はないのでしょうか?」
「ない。父上が勝手に取り決めてしまい、俺は好きでもない女性と生涯をともにせねばならない」
だから力を貸してほしいと、なぜか物凄く元気になったアシュレイの瞳がキラキラと輝いていた。まるで水を得た魚。
「そんなに嫌なら、お断りすればいいではありませんか」
次期国王でもある王太子殿下にはその権利はあるでしょうと、目を細めれば、アシュレイは縋るような視線を向けてくる。
「両親を丸め込み、卑怯な手で俺との結婚を結んだ女だ」
さすがに国王からの命令には逆らえないと、アシュレイは助けて欲しいと求めてくる。このままでは猫を被った悪女と結婚させられてしまうのだと、アリアを婚約者に見立て、この結婚を破棄するとさえ言い出す。
「別に私じゃなくても……」
「俺に惚れてしまうような女性には頼めない」
変な勘違いをされたら困ると、アシュレイは私の手を強く強く握る。地位も金も、ましてやアシュレイにさえ興味のないアリアならば、全く問題ないと言い張る。
確かに、アシュレイに興味が持てなかった。あと腐れなく別れることが出来るということなら、適任? そこまで考えた私の脳裏に、素敵なスローライフのビジョンが描かれる。
(もしかしてこれって、ビジネスチャンス?!)
アシュレイに協力して、大金を貰えれば、隠居生活のための家が手に入りそう。小さくてもいいとはいえ、家を建てるとなれば、それなりの資金は必要で、引きこもり生活を送りたいなら、お金も必要で。
(おまけに土地ももらえたら、もう言うことなしじゃない)
夢にまで見た隠居生活目前?!
私の瞳は輝きに満ちて、王太子殿下だということなんかすっかり飛んじゃって、アシュレイの手をガシッと握り返す。
「つまり、私が偽の恋人になればよいのですね」
「ああ、仮の婚約者になってくれないか?」
「報酬は高いですよ」
「いくらでも構わないが、引き受けてくれるのか?」
「王太子様のためですもの、一肌脱ぎましょう」
夢の隠居生活のため、私はアシュレイに協力することを選び、アシュレイは高額報酬とアラステア国の土地を譲ってくれることを約束してくれた。
(これで隠居生活に、大きく進んだわ)
ぱぁぁ~と目の前が明るくなったような気がして、私はアシュレイの手をとってめちゃくちゃ浮かれる。
その様子は、今まで見てきた令嬢にはない浮かれようで、無邪気にはしゃぐアリアの姿は、素直に可愛いとさえ見えた。子供のようにはしゃぐ女性は、こんなにも可愛らしいのかと、アシュレイは戸惑いながらアリアを見るが、同時に罪悪感も生まれる。
アラステア国に縛り付けるために、偽装結婚を申し出てしまった。アリアが聖女であると決めつけた自分の身勝手な判断だと知りながらも、国を守るためにはこれしかないのだと、アシュレイはそっと奥歯を噛み締める。
自分の命を救ってくれたアリアを騙すようなことをして、本当に良かったのか? 勘違いしてくれたおかげで当初の計画通りにはなったが、このまま結婚まで持っていけるのか、互いの気持ちが添わないままでいいのか、アシュレイは締め付けられる心を抱えたまま、ふと、奇妙なものが視界に入り、まじまじと見つめてしまう。
「ローレンは、なぜあのような恰好で寝ている?」
甲冑を着たまま、上半身だけベッドに乗り、足は床すれすれで浮いている状態。どんなに疲れていたとしても、ローレンがあのような姿で寝るなどありえないと、アシュレイは驚きとともになぜ? と、疑問が浮かぶ。
「あ、……あれは、魔物討伐でかなりお疲れだったみたいで、いきなり倒れ込んだと思ったら、そのまま眠ってしまったみたいなの」
「寝ているのか?」
「え、ええ……、少し寝るとおっしゃっていたわ」
師団長ともあろうお方があんな姿で寝ていたら、当然不自然よね。と、私の口元は引き攣る。どうしよう、魔法をかけたなんて言い出せないし、そもそも魔法を使いすぎているのだから、さすがにもう魔力は残っていないと思わせないといけない。
朝になってしまったので、魔力は全回復してるけど。
村を救うための水魔法に、アシュレイを助けた治癒魔法、おまけに結界魔法まで……。もう空っぽだと思ってほしいから、これ以上の魔法使用は絶対に言えない。
「……生きているのか?」
どうしようかと、大量の汗をかいていたら、唐突にアシュレイが生死の確認をしてきた。騎士ともあろう人が、あんな状態で眠っていたら、確かに不安になる。しかも、アシュレイはローレンたちに何があったのか知らないわけで、あの魔物と対峙しただろうと推測しかできないわけで、確実に討伐できたかどうかも知らない状態だ。
変な汗まで出てきて、私は「大丈夫、生きてはいます」と返事を返す。すると、アシュレイは突然辺りを見回し始める。
「アレフはどうした?」
ローレンの姿しか見えないことに不信感を持ったアシュレイは、まさか魔物にと、顔色を青くする。
「医者を呼びに行っています」
「医者?」
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アリアの魔法のおかげで今はすっかり元気になったが、確かに負傷していたことを思い出し、アレフの行動は正当だろうと、アシュレイはホッとした。
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