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4: アプリとエロの宝庫と不穏。
しおりを挟むと、その前に、軽く社畜君について判った事でも説明するかな。
社畜君の本名は焔村有慶。
身長は170届かない感じで、一見なよなよなんだけど、どうやらそのコンプレックスを何とかしようと筋トレに励んでるらしく、脱げばそこそこ引き締まってる。
だが、育てた胸囲のせいでワンサイズ大きい服を選ぶ事になり、結果、ブカブカの服を着た猫背のガリガリ君に見える。胸ばっかり鍛えちゃダメだよって良い見本だよねー。
クセの強いごわっとした黒髪は、忙しさで美容院なんか行けず、なんかワカメで作ったボブヘアみたい。もさもさしている。
コミュ障、童貞。童顔。エッチな漫画大好き♡
さて、そんな社畜焔村君が今回ターゲットに選んだのは、向かいのマンション最上階。
帰宅時にエントランス横非常階段から人出てきて、ふらっと誘われる様に時を止めて入っていきました♡
そんでもって最上階から一部屋ずつ鍵が空いてないかチェックして、偶々鍵空いてるお部屋にスルリ♪っと。
もう、立派な犯罪者です♡アプリさんは感慨深いよ♪
いやぁヤッパ時間停止アプリの魅力に抗える人間なんていないよね♪少しずつ、少しずーつタガを外して行こうね♡
なんて御機嫌で俺は見守り、社畜焔村君も御機嫌で本棚を漁っていた。
「スッゲーー!めっちゃエロ漫画ある!!何で?何でこんなに沢山あるの??すげーーこの人!」
そこそこ広い一室、PCに齧り付いてる男の周囲と壁全体を使った本棚に、まぁ、見事な数のエロ漫画エロ同人が並んでおり、エロDVD も充実!焔村有慶大興奮!である。
「凄い!エロもBLも読み放題だ!この作家知ってる!めっっちゃエロいの書く人!!」
「うわ!箱の中にいっぱい大人のオモチャが!何これ……ひぇっ!動いたぁ!ひぇぇ……♪」
ウィンウィンウィンウィン……ヴーーー
「ぁ…え!すごぉい♪え、吸盤…ほへー……エッチな…。」
焔村君楽しそう。この部屋の住人だろう男の横にスマホを置いて小躍りせんばかりに貪り読んでらっしゃる。
「すっごぉい♪この人、スッゴイ変態で極太先生の滅茶苦茶ファンなんだなぁ。こっからここまで全部極太先生♪でもワカルー♪俺も極太先生エロいから好き♡」
いや、多分この人がその極太先生とやらなんだと思うよ……。
焔村君も俺が置かれているテーブル、鬼気迫る顔で何やら画面にペンを構えてる男を見れば判ると思うんだけどな。
テーブルサイドに並べられた数々のエナジードリンクに鬼気迫る表情。先生、〆切マヂカだったのやもしれぬ……。
「ぅゎぁ~ナニコレ…!変態だぁ♡ぁ、こぉんなにいっぱい♡」
「ふへへへ………ナニコレ…えっちぃ♡……ン……やべ。トイレ借りよう。」
なんて、片っ端から読み漁り、時々トイレ借りたり、鞄からお菓子とジュース取り出してゴロゴロしながら読んだり……。
どれくらい時間が経っただろう?いや、時は止まってるんだけどさ…。
「わぁ♡この箱なぁに?……あ!凄い!これオナホだぁ♪えー…女の子のナカってこんな?ふへっ触っちゃった!ヤベェ…何かツブツブいっぱい付いてるけど、人体ってこんなん??」
(ンなわけねーだろ、この腐れ童貞のクソガキが!人の資料やら何やら荒らしやがって……!)
退屈で疲れたアラサー女の事を考えていた俺の耳に、何か不穏な声が響く。
(何なんだよコレ、クソが。時間無いのに。ペン入れの途中だったのに。丁度良い感じで顎のライン引けたとこだったのに。こんな途中で止められて…ノッてたのに!!ペン入れはノリが全てなんだよ!!)
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