新人くんとやさしい隊長

suima

文字の大きさ
6 / 19
新人くんとやさしい隊長

6.大事な話 ☆

しおりを挟む
 任務の指導は落ち着いた後にしていただくことになった。
 すぐに対処に取り掛かるのかと思ったら「大事な話がある」と言われ、ソファに並んで座った。
 ペニスをこのまま放っておくのはツラいけど、深刻そうな様子を見てちょっとズボンの中を気にしながらも姿勢を正した。

「まずこの状況だが、極度の興奮状態ではよくある事だ。大型魔物との戦いの後だ、そうなる者も多いだろう。溜まったものを出せば治るから、何も心配しなくていい」

 それを聞いて僕はとても安心した。それに、こうなる事がわかっててマッサージの約束と練習をしてくれていた隊長はさすがだと感心した。

「以前から約束していた特別なマッサージをしようと思う。これは、その……『セックス』というものなのだが、知っていたか?」

「いえ、初めて聞いた言葉です。意味も知りません」

「そうか…………」

 一瞬だけ険しいような困っているみたいな複雑な表情をした隊長は、すぐにニッコリとやさしく微笑んでから言葉の意味を詳しく説明してくれた。

 性欲とか、性行為とか、男女の身体の違いとか、恋人とか……。初めて知る事ばかりだったけど、大抵の人が成人するまでには見聞きしていると聞いて驚いた。地元の軍で同僚がニヤニヤしながら言っていた意味不明な言葉もセックスに関係する内容だったようだ。
 
 今までマッサージの時にしていただいた事の一部もセックスに含まれるので、同意が無いまま進めてしまったと謝罪された。本来なら、同意を得てからする行為だからと。
 そもそも「マッサージ」は人前でセックスという単語を出さないためによく使われている「隠語」というものだった。もちろん元々は手技療法の事だが、軍隊にいた僕がまさか隠語を知らずにお願いしているなんて隊長は思いもしなかったようだ。

「とんでもありません! 嫌だと思ったことはありませんし、隊長と親しくできるのが嬉しかったんです」

 でも、ちょっと気になった事を質問してみた。

「どうして今日、僕とセックスをする約束をしてくださったのですか? 今説明してくださった『性欲解消のため』という目的でしょうか、それとも……」

「すまない‼︎」

 また謝られてしまった。何かをお断りされているようでなぜだか寂しい気持ちになる。

 隊長は僕の目を見ながら言葉を続けた。
 
 初めは単純に性欲を解消するためにした約束だった。今回の任務のように激しい戦闘の後は興奮が冷めにくい。僕の見た目が隊長の好みだったので、少しずつ準備を進めて任務の後にセックスの相手にするつもりでいた。
 
 でも、気持ちが変わったという。

「チイは私が教えた事をものすごく素直に受け止めるだろう?覚えた事を自分のものにしようと努力もしている。それが可愛くて可愛くて……お前を好きになった。だから、身体だけの関係ではなく恋人として結ばれたい」

 可愛いとか好きとか、言われた事のない言葉に驚いて頭の中が混乱する。恋人って、お互いの大切な人になるってこと? 隊長と僕が? そんな夢みたいなことあるのかな?

「あの、僕、やさしくて、尊敬できて、憧れの隊長が大好きです。これって好き同士ですか? 僕が隊長の恋人になれるって、本当ですか……?」

「本当だ。これからずっとお前を愛したい。私のものになってくれ」

 嬉しすぎて声も出せず、頷くのが精一杯だった。

 今まで見たことのないほど甘く微笑んだ隊長があまりにカッコ良すぎて、頭がクラクラする。
 その顔がそのまま近付いて来てお互いの唇がそっと触れ合った。
 見た目よりも柔らかくて熱くて、そこから溶かされてしまいそうだ。一瞬だったのかしばらくそうしていたのかわからないけど、そっと離れたのが残念で、つい呟いてしまった。

「もっと……」

「――――っ、そうだな。もっとたくさんキスをしよう。それから、セックスもしたいのだが、いいか?」

「はい、僕もしたいです」

 言った瞬間、ガブッと噛みつくみたいに隊長の唇が僕の口を覆った。唇や歯で軽く喰むようにされると頭の中に小さな雷が落ちたように痺れた。
 後頭部と背中に回された手で身体ごと隊長に押し付けられ、僕も隊長の逞しい胸にしがみついた。
 口の中に入って来た舌は唇よりももっと熱くてトロトロしていて、舐められた上顎や僕の舌は蕩けてしまいそうだった。
 夢中になって自分からも舌を伸ばし隊長の口の中に差し込んで唾液を舐めた。

 
 ふと下腹部に違和感を感じてそっと意識をそちらへ向けると、ズボンの前が濡れていて、元々硬くなっていたペニスがはち切れそうなほど張り詰めていた。

 僕がモジモジと脚を擦り合わせているのに気付いた隊長は舌をチュッと吸ってから唇を離した。

「ああ、こんなになるまで放っておいてすまなかった。私に任せてくれないか?」

 手を引かれてベッドに移動すると、隊長が僕の服を一枚一枚下着まで脱がせてから寝かせた。
 ガウンを脱ぎ捨てた隊長が覆い被さってきた。おでこ、目蓋、頬、口、耳、首筋……おへその辺りまで順番にキスを落とされて、その場所がポカポカと温かくなった気がした。
 脚の付け根や太腿の内側をくすぐった唇がその後どこへ向かうのかドキドキしながら隊長を見ていると、ペニスの先っぽにやさしくキスをしてからパクリと咥えてググッと奥まで呑み込んだ。

「――――っ! た、隊長、いけません!汚いものです!」

 ものすごく驚いて叫ぶように制止したけど、隊長はそのまま頭を上下させて口の中にペニスを出し入れした。
 吸い込まれるように温かい粘膜に包まれたかと思うとヌルヌルと擦られ、舌で先端の敏感な部分を撫でられる。手で握られるのとは全く違う恐ろしい程の気持ち良さで、一気に射精感が高まる。

「ひゃあぁぁっ! だめ……、せ、精子っ……出ちゃうよぉ……」

 このままじゃ隊長の口の中に出してしまう。必死になって頭を引き剥がそうとするが、全身がブルブル震えて手に力が入らない。

「私にとってチイの汚いところなんてどこにも無い。チイの全てが欲しいんだ。そのまま出してごらん」
 
 顔を上げた隊長はカッコよく微笑んで、ペニスの先端から溢れる透明な雫をベロリと舐めてみせた。
 
 とんでもないことを言われて頭の中が沸騰しそうだ。憧れの人にそこまで求められては受け入れるしかない。消え入りそうな声で「……はい」と答えた。

 仕上げとばかりに全体を咥えて激しく責められると、あっという間に達して隊長の口の中に射精してしまった。
 出ている間も唇で扱くようにして、中に残っているのを一滴も残さないくらい吸い取られた。それをゴクリと飲み干してもらうと、僕の一部が隊長のものになったようで嬉しかった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

過保護な義兄ふたりのお嫁さん

ユーリ
BL
念願だった三人での暮らしをスタートさせた板垣三兄弟。双子の義兄×義弟の歳の差ラブの日常は甘いのです。

追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される

水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。 行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。 「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた! 聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。 「君は俺の宝だ」 冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。 これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

顔しか取り柄のない俺が魔術師に溺愛されるまで

ゆきりんご
BL
顔ばかり褒められることに辟易して貴族界を飛び出したシャル。ギルドで活動を始めるも、顔のせいでたびたびパーティークラッシャーになり追放されることが続いた。ひょんなことから他人の顔の区別がつかないという魔術師とバディを組むことになり……? 他人の顔の区別ができない攻め×美形な自分の顔が嫌な受け ※微グロ注意

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

処理中です...