10 / 19
番外編
隊長とかわいい新人2 ☆
しおりを挟む何も知らないチイは本番の特別なマッサージをとても楽しみにしていると言った。「練習」ですらほとんど性行為と同じなのに何の疑問も抱かないのだろうか。
彼の無知と素直さを利用しているのは私の方なのに、その純粋さに身勝手な焦立ちすら覚えた。
初めて参加させた実戦でチイはなかなかの活躍ぶりだった。作戦通りに動けない時もあったが、他の隊員と連携を取り急な事にも臨機応変に対応出来ていた。初任務の成果としては十分だった。
仕事を終えて部屋へ戻りようやく落ち着いたところに、約束よりも早くチイがやってきた。
何かと思えば、戦闘後の興奮で勃起が治らないことに慌てて相談に来たという。
私の胸に喜びが湧き上がった。こんなにプライベートなことを真っ先に相談するような相手は私なのだ。訓練で仲良くやっている同輩や作戦で一緒に行動した仲間ではなく。
彼から全幅の信頼を受けていることに満足した。
すぐにでも抱いてしまいたかったが、確認しなければならない事があった。
「以前から約束していた特別なマッサージをしようと思う。これは、その……『セックス』というものなのだが、知っていたか?」
「いえ、初めて聞いた言葉です。意味も知りません」
予想通りだった。
憧れていた相手に騙され酷いことをされたと怒るだろうか。信頼を失っても仕方のない事をした自覚はあるが、全て説明し今までの事を謝罪した。
そしてチイに心を動かされ、身体だけの関係ではなく恋人として結ばれたいと思うようになったことを告白した。
素直な彼は少しも嫌悪する事なく、全てを受け入れてくれた。
欲しくてたまらなかったチイをようやく本当に私のものにすることが出来たのだ。
* * *
柔らかな赤い髪を乱し、透明感のある白い肌をほんのりと薄桃色に染めながら、身を捩らせて甘い声をあげている。
私のものを呑み込む慎ましやかな蜜口は淫らな水音を立て、その奥にある膨らみを捏ねてやるとキュッと締め付けた。
「たい、ちょ……あぁっあっ、すごい……っ」
蜂蜜色の瞳に涙を浮かべて縋るように私を見つめ、唇を戦慄かせる姿の愛らしさに眩暈がしそうだ。
胸も一緒に触ってやると中で達した。押し寄せた快楽に混乱して震えている身体をやさしく包むと、すぐに落ち着いた。
快感を受け止められるようになると彼らしい素直さを発揮して欲望のまま私を求めた。さらに、無理をしてでも私のものを全て欲しいとまで言った。
チイの小さな身体ではすぐに私の大きさを受け入れるのは難しいだろう。道具で慣れさせるやり方もあるが、私のものより先にそんなものを覚えさせたくはなかった。だから初めのうちは無理をさせないつもりだったのだが。
「僕、少しくらい無理してでも隊長の全部と繋がりたい……僕の中を隊長のものでいっぱいにして欲しいんです。お願いです……」
私に向けられる予想以上の好意に心を震わせながら、望み通り全てを呑み込ませた。
身体は苦しいはずなのに、至福の表情を浮かべながら何度も私を呼び縋り付く様に我を忘れてしまいそうだった。
この子と少しだって離れたくない。溶け合ってひとつになってしまいたい。こんな気持ちになるのは初めてだった。
* * *
すっかり朝になった頃、チイは気絶するように眠りに落ちた。
この姿も表情も声も反応も、何もかもが愛らしい。触れると吸い付くようなきめ細かい肌、私の望む通りに鍛えた胸を飾る初々しい小さな実、健気に震えるすんなりとしたピンク色の性器、私のものを貪欲に受け入れる秘所……練習の時よりも何倍も魅力的な媚態に夢中になって無理をさせてしまった。
清掃スタッフがベッドメイクをしている間にシャワールームへ連れて行き、身体をきれいにして私がたっぷりと注いだものを掻き出した。
ぽってりと赤く腫れたそこは指を挿し入れると自ら呑み込むかのように蠢く。
その艶かしさに誘われて愛撫しそうになるが、思いとどまった。駐屯地に戻るまではまだ時間がある。今は休ませて、起きてからまたじっくり楽しめば良いではないか。
身体のケアをしてから整えられたベッドに寝かせたが起きる様子はない。
今のうちに食事を調達しておこうと思い立ち、食堂へ向かった。
「隊長、珍しく遅い朝ですね」
ニヤニヤしながらリッキーが声をかけてきた。隊員の中で1番背が高く筋肉の塊のような見かけに反して陽気な彼は隊のムードメーカーだ。同様に背の高いバルテと小柄なヨルトと共に任務で主力を担う3人はいつもつるんでいて、今も揃ってランチに来たところのようだ。
私とチイが何をして過ごしていたのかは隊員の誰もが察していることだろう。
「ずいぶんとお楽しみのようで」
「まあな。チイは名実ともに私のものになったから絶対に手を出すなよ」
私がチイに執心なのは皆が知っていることだが、念のため釘を刺しておく。
しかつめらしい顔で言うと3人は「ヒュ~ッ!」と歓声を上げ、口々に囃し立てた。
「やりましたね! やっぱりあいつOKしたんですね!」
「おめでとうございます! あいつ隊長のこと大好きだから、こうなると思ってましたよ!」
「でも珍しいですね、隊長に決まった相手がいたの見たことないですよ」
その通りだ。今まで誰か1人に深入りしたことなどなかったのに、まさか新人隊員にこれほど心を囚われるとは思ってもみなかった。
「あいつ、かわいい反応しそうですよねー、ちょっとくらい味見出来ないですかね?」
「で、あっちの具合はどうだったんです?……あの小さい身体に隊長のアレ、入ったんですか?」
くだらない事を言い出したのを適当にあしらって持ち帰り用の食事を抱え込むと、愛しい恋人の待つ部屋へ急いで戻った。
157
あなたにおすすめの小説
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。
顔しか取り柄のない俺が魔術師に溺愛されるまで
ゆきりんご
BL
顔ばかり褒められることに辟易して貴族界を飛び出したシャル。ギルドで活動を始めるも、顔のせいでたびたびパーティークラッシャーになり追放されることが続いた。ひょんなことから他人の顔の区別がつかないという魔術師とバディを組むことになり……?
他人の顔の区別ができない攻め×美形な自分の顔が嫌な受け
※微グロ注意
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる