新人くんとやさしい隊長

suima

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番外編

隊長とかわいい新人2 ☆

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 何も知らないチイは本番の特別なマッサージをとても楽しみにしていると言った。「練習」ですらほとんど性行為と同じなのに何の疑問も抱かないのだろうか。
 彼の無知と素直さを利用しているのは私の方なのに、その純粋さに身勝手な焦立ちすら覚えた。


 
 初めて参加させた実戦でチイはなかなかの活躍ぶりだった。作戦通りに動けない時もあったが、他の隊員と連携を取り急な事にも臨機応変に対応出来ていた。初任務の成果としては十分だった。
 

 仕事を終えて部屋へ戻りようやく落ち着いたところに、約束よりも早くチイがやってきた。
 何かと思えば、戦闘後の興奮で勃起が治らないことに慌てて相談に来たという。
 
 私の胸に喜びが湧き上がった。こんなにプライベートなことを真っ先に相談するような相手は私なのだ。訓練で仲良くやっている同輩や作戦で一緒に行動した仲間ではなく。
 彼から全幅の信頼を受けていることに満足した。

 すぐにでも抱いてしまいたかったが、確認しなければならない事があった。

「以前から約束していた特別なマッサージをしようと思う。これは、その……『セックス』というものなのだが、知っていたか?」

「いえ、初めて聞いた言葉です。意味も知りません」

 予想通りだった。
 憧れていた相手に騙され酷いことをされたと怒るだろうか。信頼を失っても仕方のない事をした自覚はあるが、全て説明し今までの事を謝罪した。
 そしてチイに心を動かされ、身体だけの関係ではなく恋人として結ばれたいと思うようになったことを告白した。

 素直な彼は少しも嫌悪する事なく、全てを受け入れてくれた。
 欲しくてたまらなかったチイをようやく本当に私のものにすることが出来たのだ。


 
 
  *  *  *


 
 
 柔らかな赤い髪を乱し、透明感のある白い肌をほんのりと薄桃色に染めながら、身を捩らせて甘い声をあげている。
 私のものを呑み込む慎ましやかな蜜口は淫らな水音を立て、その奥にある膨らみを捏ねてやるとキュッと締め付けた。

「たい、ちょ……あぁっあっ、すごい……っ」

 蜂蜜色の瞳に涙を浮かべて縋るように私を見つめ、唇を戦慄かせる姿の愛らしさに眩暈がしそうだ。

 胸も一緒に触ってやると中で達した。押し寄せた快楽に混乱して震えている身体をやさしく包むと、すぐに落ち着いた。
 快感を受け止められるようになると彼らしい素直さを発揮して欲望のまま私を求めた。さらに、無理をしてでも私のものを全て欲しいとまで言った。
 
 チイの小さな身体ではすぐに私の大きさを受け入れるのは難しいだろう。道具で慣れさせるやり方もあるが、私のものより先にそんなものを覚えさせたくはなかった。だから初めのうちは無理をさせないつもりだったのだが。

「僕、少しくらい無理してでも隊長の全部と繋がりたい……僕の中を隊長のものでいっぱいにして欲しいんです。お願いです……」

 私に向けられる予想以上の好意に心を震わせながら、望み通り全てを呑み込ませた。
 身体は苦しいはずなのに、至福の表情を浮かべながら何度も私を呼び縋り付く様に我を忘れてしまいそうだった。

 この子と少しだって離れたくない。溶け合ってひとつになってしまいたい。こんな気持ちになるのは初めてだった。


 

  *  *  *
 

 

 すっかり朝になった頃、チイは気絶するように眠りに落ちた。
 
 この姿も表情も声も反応も、何もかもが愛らしい。触れると吸い付くようなきめ細かい肌、私の望む通りに鍛えた胸を飾る初々しい小さな実、健気に震えるすんなりとしたピンク色の性器、私のものを貪欲に受け入れる秘所……練習の時よりも何倍も魅力的な媚態に夢中になって無理をさせてしまった。
 
 清掃スタッフがベッドメイクをしている間にシャワールームへ連れて行き、身体をきれいにして私がたっぷりと注いだものを掻き出した。
 ぽってりと赤く腫れたそこは指を挿し入れると自ら呑み込むかのように蠢く。
 その艶かしさに誘われて愛撫しそうになるが、思いとどまった。駐屯地に戻るまではまだ時間がある。今は休ませて、起きてからまたじっくり楽しめば良いではないか。
 
 身体のケアをしてから整えられたベッドに寝かせたが起きる様子はない。
 今のうちに食事を調達しておこうと思い立ち、食堂へ向かった。


 
「隊長、珍しく遅い朝ですね」

 ニヤニヤしながらリッキーが声をかけてきた。隊員の中で1番背が高く筋肉の塊のような見かけに反して陽気な彼は隊のムードメーカーだ。同様に背の高いバルテと小柄なヨルトと共に任務で主力を担う3人はいつもつるんでいて、今も揃ってランチに来たところのようだ。
 私とチイが何をして過ごしていたのかは隊員の誰もが察していることだろう。

「ずいぶんとお楽しみのようで」

「まあな。チイは名実ともに私のものになったから絶対に手を出すなよ」

 私がチイに執心なのは皆が知っていることだが、念のため釘を刺しておく。
 しかつめらしい顔で言うと3人は「ヒュ~ッ!」と歓声を上げ、口々に囃し立てた。
 
「やりましたね! やっぱりあいつOKしたんですね!」

「おめでとうございます! あいつ隊長のこと大好きだから、こうなると思ってましたよ!」

「でも珍しいですね、隊長に決まった相手がいたの見たことないですよ」

 その通りだ。今まで誰か1人に深入りしたことなどなかったのに、まさか新人隊員にこれほど心を囚われるとは思ってもみなかった。

「あいつ、かわいい反応しそうですよねー、ちょっとくらい味見出来ないですかね?」
 
「で、あっちの具合はどうだったんです?……あの小さい身体に隊長のアレ、入ったんですか?」

 くだらない事を言い出したのを適当にあしらって持ち帰り用の食事を抱え込むと、愛しい恋人の待つ部屋へ急いで戻った。

 

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