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3月
3月日記(3/21-3/31)
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【3/21】
なんだか無性に落ち着かない。
ドキドキワクワクと、ハラハラとグルグルと。
とにかく、頑張るしかない。
この日記を書き始めてから、なんとなく気持ちは楽になっていったと思っている。
アウトプットの重要性を学んだ。
別に、ハッキリ嫌なことを書くとか、そうじゃなくて良いんだ。
適当で、簡単で、書きなぐりたいときはその通りにすれば。
日記を日課にするのは良かった。
まだ終わっていないけど、日記はずっと続けていきたいと思う。
そういえば、新人研修担当になったんだっけ。
仕事を増やしたい……というか、引っ越して最初はお金が心もとないから、残業を増やしてもらえるようにお願いしたら研修担当になった。
自分の業務外の事を兼任するから、準備も必要なうえ人との打ち合わせもある。
頑張ろう。
自分で臨んだことだし、これはこの先の自分のためだ。
-----
【3/22】
明日、ついに離婚できるのかと思うと嬉しくて仕方がない。
その反面、終わらなかったらどうしよう……という不安も、思い通りに事が進まなかったらどうしよう……という不安もある。
結果なるようにしかならないとはわかっていても、どうしても期待してしまうし、一番いい結果をつかみ取りたいと思ってしまう。
浮気相手は(もう萌乃さんはいいけど)一網打尽にしたいし、どうぞ自分達で潰し合ってくださいと言う気持ちしかない。
そういえば、萌乃さんにひとつお願いをした。
三人目を問い詰めるにあたって、彼女に確認してほしいことがあったのだ。
急な申し出かつ嫌なことだろうに、彼女は快諾してくれた。
私なら行きたくないから、我ながら鬼畜の所業だと思う。
でも彼女はやると言ってくれた。
それから、砂苗ちゃんにも連絡を入れて、お願い事をした。
みんな優しい、いいよいいよと受け入れてくれるから。
それから、メッセージのやり取りは今日で終わった。
いや、正確には明日で終わるのか。
私は明日、会ったことのない人にも会うことになる。
忙しくて目が回りそうだが、私には味方がいる。
ところで、サトコはなにを買ってきてくれるのだろう?
あのショッピングモールの、美味しそうなデリカエリアのご飯が食べたいな。
主食と飲み物、ちょっとしたおやつは用意した。
量は多い。
残ったら新しい家に持って行ってしまおう。
-----
【3/23】
終わった。
やぁぁぁぁぁっと終わった!!
頑張った私!!
助けてくれたみんなありがとう!!
絶対やりたいと思っていたから、実行に移すことが嬉しい。
あの人の浮気相手に、別の浮気相手をぶつけるということを。
萌乃さんには悪いことをしてしまったが、彼女も砂苗ちゃんの家で何か話したのか、終わって声をかけたころには明るい表情だった。
良くわからないが、今度三人でご飯を食べることになった。
なにより、萌乃さん自身、すべてうまくカタが付きそうで良かった。
離婚と不土家は無事に出せたから、役所から明日連絡が来ないことを祈っている。
連絡が無ければ、私は晴れて独身だ。
明日は休むことにした。
というのも、その結果の確認もしたいし、確認したうえで書類を書いたり免許証や銀行の名義を変更しなければならないからだ。
こういうとき、苗字を変えるというのは不便なんだなと実感する。
結婚したときも同じように、手続きに走り回ったっけ。
サトコが三人目……いや、最初の浮気相手だったのは本当にショックだった。
私は友だちも夫も失ったのだ。
代わりに新しい友人を手に入れたが、やはりサトコを失うと思うと喪失感は大きい。
さすがに、今後も彼女と付き合っていくことはできない。
だって、あんなにグチャグチャな感情を持ち合わせていた彼女に、これから先どんな顔をして接していけばいいと言うのだろう。
知っているなら、誰か教えてほしい。
私の知っているサトコはもういない。
……ちがう、もういなかった、私があの人と付き合ったときから。
今日は疲れた。
簡単にkiccaは送っておいたが、五百蔵さんに連絡を入れておかなくては。
弁護士にも連絡しないといけない。
あぁ、やっぱりやらなきゃいけないことは多い。
会社にも連絡しないといけないのか。
このまま苗字をどうするか悩む。
しまった、旧姓で仕事をしていれば、みんなに弓削さんと呼ばれることはもうなかったのに。
まぁいい。
しれっと旧姓に戻してしまおう。
いっそのこと、名前で呼んでもらう?
私と同じ苗字の人も、知らないだけで同じ会社にいるかもしれない。
-----
【3/24】
改めて五百蔵さんに連絡した。
奈七さんからとくに連絡はないらしい。
この連絡は「子どもに会いたい」というものも含まれている。
あの人を追いかけるのに忙しいのかもしれない。
今できる手続きはすべて一日で終わらせることができた。
今日も頑張った。
朝イチから動いた甲斐あって、夜は祝杯をあげられた。
新しい家で。
ひとりで。
もう、こんなに疲れることは二度とやりたくない。
結婚には懲りたと思う。
それに、しばらくは誰かと使えるのも遠慮したい。
異性と一緒にいること自体、なんだか疲れてしまった。
私には、向いていないのだろうか。
明日は会社に書類を提出しなくては。
周りにいろいろと聞かれそうだ。
-----
【3/25】
面白いくらいに話を聞かれた。
そうなると覚悟して会社へは行ったから、驚きはしなかったが。
でもみんな、あの人が悪いと言ってくれて、私以上に驚いて悲しんで怒ってくれた。
笑い話にもしてくれたし「頑張ったね」と労ってくれた。
私もたくさん喋ったら、なんだかスッキリした。
まだ頑張れそうだ。
-----
【3/26】
一日経ったらなんでもないようにみんな仕事をしている。
普通に旧姓で読んでくれるし、女性陣は気を遣ってくれているのか、呼び方が名前にさん付けになった。
みんなの優しさが身に沁みる。
-----
【3/27】
今のところ、私に対して変な連絡はない。
嫌がらせ電話のひとつでも覚悟していたのに。
いいことだ。
なにもないということは。
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【3/28】
砂苗ちゃんから聞いた話だが、今週は奈七さんとサトコをマンション付近で見かけたらしい。
ウロウロしているんだそうだ。
買い物やカフェ帰り、ゴミ捨てのときでも遭遇する確率が高いらしい。
だが、二人そろって同じ場所にいるのは見ないとのこと。
もしかしたら、あの人に会いに毎日来ているのだろうか?
最後の日のあの状況を見るに、あの人が進んで家にふたりを招くとは思えない。
……あの人はふたりから逃げていて、帰っているのを待っているのか。
そりゃああのふたりから言い寄られたら逃げたくもなる。
どっちも「自分が結婚する」と思っているから、きっと冷静な話はできない。
でもそうさせたのはあの人なのだから、自業自得だ。
いつまで逃げるのかは知らないが、慰謝料請求からは逃げないでほしいと思う。
-----
【3/29】
実家へ帰った。
ほんの少し落ち着いたので、手土産にちょっといいお菓子を持って。
まだ具体的に話せる今後の話はないが、いつもと変わらずに両親は出迎えてくれた。
その、いつもと変わらない感じが良いのだ。
-----
【3/30】
今日は泥のように眠った。
ようやくの、なにも考えなくて良い日だったから。
ダラダラと過ごす。
明日から頑張れば良い。
-----
【3/31】
三月が終わる。
明日から新しい年度か。
新人が入ってきて、私はその講師となる。
今から緊張する。
……年度が変わったら、もう少し明るい気持ちになれるだろうか。
楽しく生活できるだろうか。
時間は地続きだから、そんなに急に変わらないのはわかっている。
それでも、私は願ってしまう。
明日からの私に幸あれ!
まだ、頑張れることはたくさんある。
なんだか無性に落ち着かない。
ドキドキワクワクと、ハラハラとグルグルと。
とにかく、頑張るしかない。
この日記を書き始めてから、なんとなく気持ちは楽になっていったと思っている。
アウトプットの重要性を学んだ。
別に、ハッキリ嫌なことを書くとか、そうじゃなくて良いんだ。
適当で、簡単で、書きなぐりたいときはその通りにすれば。
日記を日課にするのは良かった。
まだ終わっていないけど、日記はずっと続けていきたいと思う。
そういえば、新人研修担当になったんだっけ。
仕事を増やしたい……というか、引っ越して最初はお金が心もとないから、残業を増やしてもらえるようにお願いしたら研修担当になった。
自分の業務外の事を兼任するから、準備も必要なうえ人との打ち合わせもある。
頑張ろう。
自分で臨んだことだし、これはこの先の自分のためだ。
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【3/22】
明日、ついに離婚できるのかと思うと嬉しくて仕方がない。
その反面、終わらなかったらどうしよう……という不安も、思い通りに事が進まなかったらどうしよう……という不安もある。
結果なるようにしかならないとはわかっていても、どうしても期待してしまうし、一番いい結果をつかみ取りたいと思ってしまう。
浮気相手は(もう萌乃さんはいいけど)一網打尽にしたいし、どうぞ自分達で潰し合ってくださいと言う気持ちしかない。
そういえば、萌乃さんにひとつお願いをした。
三人目を問い詰めるにあたって、彼女に確認してほしいことがあったのだ。
急な申し出かつ嫌なことだろうに、彼女は快諾してくれた。
私なら行きたくないから、我ながら鬼畜の所業だと思う。
でも彼女はやると言ってくれた。
それから、砂苗ちゃんにも連絡を入れて、お願い事をした。
みんな優しい、いいよいいよと受け入れてくれるから。
それから、メッセージのやり取りは今日で終わった。
いや、正確には明日で終わるのか。
私は明日、会ったことのない人にも会うことになる。
忙しくて目が回りそうだが、私には味方がいる。
ところで、サトコはなにを買ってきてくれるのだろう?
あのショッピングモールの、美味しそうなデリカエリアのご飯が食べたいな。
主食と飲み物、ちょっとしたおやつは用意した。
量は多い。
残ったら新しい家に持って行ってしまおう。
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【3/23】
終わった。
やぁぁぁぁぁっと終わった!!
頑張った私!!
助けてくれたみんなありがとう!!
絶対やりたいと思っていたから、実行に移すことが嬉しい。
あの人の浮気相手に、別の浮気相手をぶつけるということを。
萌乃さんには悪いことをしてしまったが、彼女も砂苗ちゃんの家で何か話したのか、終わって声をかけたころには明るい表情だった。
良くわからないが、今度三人でご飯を食べることになった。
なにより、萌乃さん自身、すべてうまくカタが付きそうで良かった。
離婚と不土家は無事に出せたから、役所から明日連絡が来ないことを祈っている。
連絡が無ければ、私は晴れて独身だ。
明日は休むことにした。
というのも、その結果の確認もしたいし、確認したうえで書類を書いたり免許証や銀行の名義を変更しなければならないからだ。
こういうとき、苗字を変えるというのは不便なんだなと実感する。
結婚したときも同じように、手続きに走り回ったっけ。
サトコが三人目……いや、最初の浮気相手だったのは本当にショックだった。
私は友だちも夫も失ったのだ。
代わりに新しい友人を手に入れたが、やはりサトコを失うと思うと喪失感は大きい。
さすがに、今後も彼女と付き合っていくことはできない。
だって、あんなにグチャグチャな感情を持ち合わせていた彼女に、これから先どんな顔をして接していけばいいと言うのだろう。
知っているなら、誰か教えてほしい。
私の知っているサトコはもういない。
……ちがう、もういなかった、私があの人と付き合ったときから。
今日は疲れた。
簡単にkiccaは送っておいたが、五百蔵さんに連絡を入れておかなくては。
弁護士にも連絡しないといけない。
あぁ、やっぱりやらなきゃいけないことは多い。
会社にも連絡しないといけないのか。
このまま苗字をどうするか悩む。
しまった、旧姓で仕事をしていれば、みんなに弓削さんと呼ばれることはもうなかったのに。
まぁいい。
しれっと旧姓に戻してしまおう。
いっそのこと、名前で呼んでもらう?
私と同じ苗字の人も、知らないだけで同じ会社にいるかもしれない。
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【3/24】
改めて五百蔵さんに連絡した。
奈七さんからとくに連絡はないらしい。
この連絡は「子どもに会いたい」というものも含まれている。
あの人を追いかけるのに忙しいのかもしれない。
今できる手続きはすべて一日で終わらせることができた。
今日も頑張った。
朝イチから動いた甲斐あって、夜は祝杯をあげられた。
新しい家で。
ひとりで。
もう、こんなに疲れることは二度とやりたくない。
結婚には懲りたと思う。
それに、しばらくは誰かと使えるのも遠慮したい。
異性と一緒にいること自体、なんだか疲れてしまった。
私には、向いていないのだろうか。
明日は会社に書類を提出しなくては。
周りにいろいろと聞かれそうだ。
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【3/25】
面白いくらいに話を聞かれた。
そうなると覚悟して会社へは行ったから、驚きはしなかったが。
でもみんな、あの人が悪いと言ってくれて、私以上に驚いて悲しんで怒ってくれた。
笑い話にもしてくれたし「頑張ったね」と労ってくれた。
私もたくさん喋ったら、なんだかスッキリした。
まだ頑張れそうだ。
-----
【3/26】
一日経ったらなんでもないようにみんな仕事をしている。
普通に旧姓で読んでくれるし、女性陣は気を遣ってくれているのか、呼び方が名前にさん付けになった。
みんなの優しさが身に沁みる。
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【3/27】
今のところ、私に対して変な連絡はない。
嫌がらせ電話のひとつでも覚悟していたのに。
いいことだ。
なにもないということは。
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【3/28】
砂苗ちゃんから聞いた話だが、今週は奈七さんとサトコをマンション付近で見かけたらしい。
ウロウロしているんだそうだ。
買い物やカフェ帰り、ゴミ捨てのときでも遭遇する確率が高いらしい。
だが、二人そろって同じ場所にいるのは見ないとのこと。
もしかしたら、あの人に会いに毎日来ているのだろうか?
最後の日のあの状況を見るに、あの人が進んで家にふたりを招くとは思えない。
……あの人はふたりから逃げていて、帰っているのを待っているのか。
そりゃああのふたりから言い寄られたら逃げたくもなる。
どっちも「自分が結婚する」と思っているから、きっと冷静な話はできない。
でもそうさせたのはあの人なのだから、自業自得だ。
いつまで逃げるのかは知らないが、慰謝料請求からは逃げないでほしいと思う。
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【3/29】
実家へ帰った。
ほんの少し落ち着いたので、手土産にちょっといいお菓子を持って。
まだ具体的に話せる今後の話はないが、いつもと変わらずに両親は出迎えてくれた。
その、いつもと変わらない感じが良いのだ。
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【3/30】
今日は泥のように眠った。
ようやくの、なにも考えなくて良い日だったから。
ダラダラと過ごす。
明日から頑張れば良い。
-----
【3/31】
三月が終わる。
明日から新しい年度か。
新人が入ってきて、私はその講師となる。
今から緊張する。
……年度が変わったら、もう少し明るい気持ちになれるだろうか。
楽しく生活できるだろうか。
時間は地続きだから、そんなに急に変わらないのはわかっている。
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まだ、頑張れることはたくさんある。
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