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4 : 成績が良いのは王子妃教育の賜物ですわ。
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「ティリー?」
「ん?なぁに?お兄様?」
「フフフ、ちょっと暇だから、呼んでみただけだよ?」
「もうっ!私は真剣に悩んでますのよ?」
「可愛いなぁ、ティリーは。」
「.....イチャイチャしないでください。
なんか、周りの目線が怖いから!」
「「気にするだけ無駄だよ?」ですわ?」
「はぁー。」
バカップルの如くお兄様とじゃれておりましたら、マリオさんが何故か疲れきっていらっしゃいますわね。
あぁ、私達の周りの方々から向けられる、生暖かーい眼差しに辟易されてますのね?
大丈夫ですわ!こういうのは、気にしないのが一番ですもの。
きっぱりまるっと無視いたしましょう。
「...無理です。」
「マリオさんって、スリゼルと気が合いそうなのに結構繊細なのね...意外だわ。
もしかして、姉君も繊細な方なの?」
「姉は、周りの目線など少しも気にしないで、自分の気持ちを優先する人ですよ。
...産まれてからずっと、殆どの時間をベッドの上で過ごしているからか、
『人間って、いつ死ぬか分からないのよ?』
とか、
『やりたいときに、出来るときにやらないと...出来なくなってからじゃあ遅いのよ!』
というのが口癖です。」
マリオさんって、周囲の目線を気にしすぎではないかしら?
スリゼルやおおらかなお姉さんを見習って、賢く図太くならなければ、いつか、色々と騙されそうにも感じますわね。
「まぁ!マリオさんの姉君は、ちゃんと分かっておられますのね。
マリオさん、姉君の仰られる通りですのよ?
蘇りの妙薬など存在しませんし、皆様死ねば終わりですのよ。
私達の人生は誰しも一度切りでしょう?
その一度しかない人生を、どれだけ楽しく充実したものとするのかについては、自分自身がどう選択するかにかかってますのよ?」
「このまま、王都で衛兵として生活するという選択もあるし、家族で我が領地に来てのんびり生活するという選択もある。
あぁ、君の姉君だけを療養の為に我が領地にお連れすることも出来るんだよ?
我が領地で静養されて、姉君のお身体が良くなってから、君達の誰かが迎えに来れば良いじゃないか。
このことは、それぞれの人生を左右することなのだから、家族皆が納得のいくまで徹底的に悩みなさい。
君達の選択を、我が家の者が怒ることも非難することもないのだから。
ま、僕としては...来てくれたら嬉しいけどね?」
「...はい、その...姉は、旅行などには行ったことが無いので、とても楽しみにしています。
本当に、姉だけでも受け入れて頂けるのですか?」
「うふふっ、診療所には、まだまだ空きがございますもの...大丈夫ですわ。
我が領地では、お身体の弱い方やお身体を病まれている方の治療に関して、他の領地よりも優れている自信がありますの。
滞在費や治療の為の費用は多少かかりますが、優秀な治癒師も、優秀な薬師も、綺麗な空気も、領地の皆で懸命に育みましたの!
きっと、気に入っていただけますわ!」
「ありがとうございます。」
私達にとっては、マリオさんご家族の皆様に来ていただけるのが一番ですけれど、皆様の選択にケチをつける気はありませんわ。
他人様の事情に首を突っこみ過ぎないのは、当然でしょう?
お節介が過ぎますもの...だから、ご安心なさってくださいませ。
眉をハの字に下げられたお姿は、飼い主さんの外出に置いていかれた柴犬に見えますわね。
あの娼婦に容赦なく猿ぐつわを噛ませていたけれど...マリオさんって、案外ヘタレなのかしら?
*
「ん?なぁに?お兄様?」
「フフフ、ちょっと暇だから、呼んでみただけだよ?」
「もうっ!私は真剣に悩んでますのよ?」
「可愛いなぁ、ティリーは。」
「.....イチャイチャしないでください。
なんか、周りの目線が怖いから!」
「「気にするだけ無駄だよ?」ですわ?」
「はぁー。」
バカップルの如くお兄様とじゃれておりましたら、マリオさんが何故か疲れきっていらっしゃいますわね。
あぁ、私達の周りの方々から向けられる、生暖かーい眼差しに辟易されてますのね?
大丈夫ですわ!こういうのは、気にしないのが一番ですもの。
きっぱりまるっと無視いたしましょう。
「...無理です。」
「マリオさんって、スリゼルと気が合いそうなのに結構繊細なのね...意外だわ。
もしかして、姉君も繊細な方なの?」
「姉は、周りの目線など少しも気にしないで、自分の気持ちを優先する人ですよ。
...産まれてからずっと、殆どの時間をベッドの上で過ごしているからか、
『人間って、いつ死ぬか分からないのよ?』
とか、
『やりたいときに、出来るときにやらないと...出来なくなってからじゃあ遅いのよ!』
というのが口癖です。」
マリオさんって、周囲の目線を気にしすぎではないかしら?
スリゼルやおおらかなお姉さんを見習って、賢く図太くならなければ、いつか、色々と騙されそうにも感じますわね。
「まぁ!マリオさんの姉君は、ちゃんと分かっておられますのね。
マリオさん、姉君の仰られる通りですのよ?
蘇りの妙薬など存在しませんし、皆様死ねば終わりですのよ。
私達の人生は誰しも一度切りでしょう?
その一度しかない人生を、どれだけ楽しく充実したものとするのかについては、自分自身がどう選択するかにかかってますのよ?」
「このまま、王都で衛兵として生活するという選択もあるし、家族で我が領地に来てのんびり生活するという選択もある。
あぁ、君の姉君だけを療養の為に我が領地にお連れすることも出来るんだよ?
我が領地で静養されて、姉君のお身体が良くなってから、君達の誰かが迎えに来れば良いじゃないか。
このことは、それぞれの人生を左右することなのだから、家族皆が納得のいくまで徹底的に悩みなさい。
君達の選択を、我が家の者が怒ることも非難することもないのだから。
ま、僕としては...来てくれたら嬉しいけどね?」
「...はい、その...姉は、旅行などには行ったことが無いので、とても楽しみにしています。
本当に、姉だけでも受け入れて頂けるのですか?」
「うふふっ、診療所には、まだまだ空きがございますもの...大丈夫ですわ。
我が領地では、お身体の弱い方やお身体を病まれている方の治療に関して、他の領地よりも優れている自信がありますの。
滞在費や治療の為の費用は多少かかりますが、優秀な治癒師も、優秀な薬師も、綺麗な空気も、領地の皆で懸命に育みましたの!
きっと、気に入っていただけますわ!」
「ありがとうございます。」
私達にとっては、マリオさんご家族の皆様に来ていただけるのが一番ですけれど、皆様の選択にケチをつける気はありませんわ。
他人様の事情に首を突っこみ過ぎないのは、当然でしょう?
お節介が過ぎますもの...だから、ご安心なさってくださいませ。
眉をハの字に下げられたお姿は、飼い主さんの外出に置いていかれた柴犬に見えますわね。
あの娼婦に容赦なく猿ぐつわを噛ませていたけれど...マリオさんって、案外ヘタレなのかしら?
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