本邸にいるバカ息子達はいらないんだけど、別邸を本邸にした方が良いかもよ?

神谷 絵馬

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本編

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「さあ!!この晴れ間は、鍛練日和だぞ!
共に汗を.........ローザ?何をしているんだい?」

あら、3日ぶりにお父様がいらっしゃいましたわ!
相変わらず、逞しくて大きいですわね。
あの可愛らしい甥っ子達も、いずれはこんな風になるのかしら?

書物にてストレッチなるものを見付けまして、一先ず私自身で試そうと屈伸をしておりましたら、お父様は首を傾げて思案顔をなさりました。

「あら?おとうさま、みっかぶりですわね。
わたくし、うんどうのまえのストレッチを、しておりますの。
うんどうのたびにけがをしては、おかあさまが、しんぱいなさるのですもの...。
さ、おとうさまもなさいませ。」

ウフフ、さ、折角ですから、お父様も一緒にいたしましょう?

「えっと...?私の可愛いローザ?
先週末までは、
『おとうたま!』
なんて舌っ足らずに可愛らしく話していた筈なのに、急に大人のような話し方をして、どうしたのかな?」

「わたくしも、せいちょういたしましたのよ?
さ、ストレッチを、いたしましょう!
おかあさまたちに、しんぱいをかけますわよ?」

舌っ足らずは、特訓の成果がやっと出まして、2日前から卒業しましたのよ。
ほら、お父様もストレッチをしましょう?

「あのね?ストレッチなんて聞いたこともないし、お父様、したこともないよ?
なんと!!ローザはそんなに足を開けるの??!
えー、お父様にも出来るかな??
うん、お母様に余計な心配をかけないようにしないといけないね...分かったよ。
でも、ローザと同じことは出来ないかもなぁ。」

「さいしょはできなくともよいのだとかかれておりましたわ。
"こじんさがあります。"
と、あのしょもつにもかかれておりましたもの。
けいぞくしておこなうことが、たいせつなのだそうですわ。」

「うん、それで、最初は何をするのかな?」

困り眉のお父様なんて、初めて見ましたけれども、なんだか可愛いですわね!
ではでは、書物に書かれていた通りに始めましょう!

「先ずは、くっしんという、ひざのまげのばしですわ!
さ、あしをそろえてたってくださいませ。
このとき、あしさきはすこしひらきますの!
こぶしをひとつおけるくらいが良いのだと、かかれておりましたわ。
では、ひざにてをおいて、1・2・3・4、5・6・7・8、2・2・3・4、5・6・7・8!
これが1セットですわ!
まいにち、うんどうのまえとうんどうのあとに、2セットおこなうとよいのだそうですわ。」

「じゃあ、もう1セットだね。
1・2・3・4、5・6・7・8、2・2・3・4、5・6・7・8!」

初めてのお父様も私の指示通りにきちんとしてくださいますから、きちんと教えることが出来れば、甥っ子達も出来るかもしれないわね。

「こうして、きちんとストレッチをすると、からだをあたためてからうんどうをすることになるので、けがをしないそうなのですわ!
それと、まいにちおこなうことで、きんにくがやわらかくなるので、けががかるくすむのだそうですわ。」

「そうか...このすとれっちなるものが書かれた書物は、まだ持っているかい?
もしも可能ならば、騎士や警備兵達の訓練に取り入れたいのだが...お父様に貸してくれるかな?」

「うーんと.........はい!
こちらが、おばあさまよりおくられてまいりました、おばあさまのこきょうである、ゆうこうこくのしょもつにかいてありましたのよ!
わたくしはもうおぼえておりますから、おとうさまにおわたししますわね。」

書物ならばまだ本棚にありますし、鍛練を怪我無く行うためにも、皆様にしていただくことは大切だと思いますわ!

「...それにしても、いつの間に友好国の文字を習ったんだい?
なんて賢いんだ!!ローザー!」

「キャー!!おとうさま!ローザはえらいですか?」

「おお!偉いぞ!!とっても偉い!!」

ウフフ、お父様に褒められてしまいましたわ!
私を高く抱き上げてから、抱き締めるようにしてくるくると回るお父様。
いつも私の側にいるじぃやが微笑んでおりますし、タオルを用意して待ってくれている侍女のイリージャも嬉しそうに笑っておりますし、幸せですわ!





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