これがホントの第2の人生。

神谷 絵馬

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1歳!行動範囲が拡がります!

領主館へとぶちこみますの!2

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だから、早く手を出しなさいってば!もう!お腹に乗るよ?良いの?
さっきチラッと見ただけだけど、大きな青アザが出来てたよね?
あれ、かなり痛いよね?
こう見えても、私は推定だけども10キログラムもありますのよ?
フッフッフッ!順調に増えてますからね。
で?乗っても良いのかな?遠慮なんてしないよ?まだ抵抗するのかい?
よし、お腹にダイブさせていただきます。

「てぃっ!」

「オゥッ!!!!!」

だから言ったでしょ?(←言ってない。思ってただけ!)痛いよ?って!もう!

「リーン...。」

「いやしゅの!しゃわるの!」

「うん、そうだね。
レイを助けに行かないとね。
早く治すよ。」

そうそう、早く治して助けに行こうね!
それまでは、お腹から降りて手を握りますからね?
もう!抱き締めないの!降りられないでしょ?!

「癒してくれるんでしょ?
一緒にねんねしようねー。」

ハッ!マグ兄様が私を寝かしにきてる!!
ソファに凭れるマグ兄様のお腹に跨がってたから、今は、私を抱き締めてコロンとソファに仰向けになったマグ兄様のお腹にうつ伏せの状態です。
そんな風に背中をポンポンされると、眠気が襲う...ハッ!睡魔さん、私に手招きしたら駄目なのよ?
マグ兄様に手招きしないと!!
あぁ、ダメ!これは本気だわ!
マグ兄様は、本気で私をお腹の上で寝かすつもりなんだ!どうしよう?マグ兄様のお腹には、特大の青アザが...!
なぁんて考えながら、ぐっすりと寝ました。
えぇ、呆気なく寝ましたよ?
ん?何か問題でもありますか?
あの強烈な睡魔さんに、1歳の幼児が抗えるものではありませんでした。
私が起きたときには、最近お腹のふっくらしてきたお母さんが、青筋を立てながらも笑顔で、青褪めて小刻みに震える見知らぬ男の人をおもてなししてました。
マグ兄様は、身体を起こして眠る私を横抱きにしながら成り行きを見つめていたらしく、ムクリと起きた私を満足そうに頬ずりしつつ抱き締めてますよー。
こんな時にシスコンを出さないでー!

「あらあら、レイを領主館へと招いた...ですって?
世迷い言を申されるのね?
ウフフ...我が家の可愛い可愛いレイを、護衛騎士に浚わせたのでしょう?
兄であるマグに怪我をさせてまで...ね?」

「あの時のレイは、気を失っておりましたわ。
あれの何処をどう見たら招いたこととなりますの?
騎士様の肩に担がれる、ぐったりとしたレイを...どのような色眼鏡をかければ、招待したなどと言えますの?
あれは立派な犯罪行為、拉致ですわ!」

「さっさと愛しい息子を帰してくださいませんか?
私達の大切な家族を...。
それとも、平民である私達には拒否など出来ないとでも仰られますの?
まぁ!どんな、暴君ですの?
是非とも、今回の命を出された領主様ご本人に、しっかりと詳しく説明していただきたいわ。」

「そうですわよね!
あら、私達の家族のことですのに、詳しい説明すら出来ないとでも仰られますの?
家族を守る為なのならば、領主館とてぶちこみますわよ?
そうね、こんな荒いお招きをなさるのだもの、お父さんとお兄様が暴れることとなるのでしょうけど、別に構いませんのよね?」

「まぁ!では、早速参りましょうか?
早く愛しい息子であるレイを取り返さなくてはなりませんものね。
アナタ、マグ、このように卑怯な手を使われたのですもの、手加減などは無用ですわ。」

「ま、待ってください!!」

「あら、何を待つのかしら?」

微笑みながらも目だけは怒っているという器用なお母さんと、一見たおやかに微笑むフローラ姉様に精神的に詰め寄られているらしい男の人は、目に見える程度には冷汗をダラダラとかいてます。
アハハ、ごめんなさいね?
家の人間って、一見穏やかそうに見えるけどもなんでか怒るとかなり怖いのよー。
アニスさんはリーノお婆さんやルド爺と一緒に、痺れたり意識を刈り取ったりする類いの下級に分類される毒薬を精製してるし、リアンナさんは、無意識に狐火を大量に発生させてました。
リアンナさんが燃やすと決めたものしか燃えないという性質の火らしいんだけど、様々な色に変化しながらリアンナさんの周囲で燃える狐火は、人魂のようにも見えて怖いの...。
そして、お父さんは、自分の身長よりもドデカイ剣を3本程優しく当たるだけで切れる程に集中して研いでたし、マグ兄様は、この前新しい魔法を考え付いたから頭の中で完成させてるらしいのよー、えっと、領主館を爆発させるんだって!





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