思い付き短編集

神谷 絵馬

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生産職はのんびりのほのほ。2

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コカトリスの肉団子入りスープと焼き立て白パンというなんとも贅沢な朝ご飯が終わってから、クランマスターに迷子防止にと手を繋がれて歩いてきました。ギルドに着くと筋骨粒々の冒険者達がわらわらといまして、あぁ、ここはギルドだなぁと感じます。いつも通りに開け放たれている3メートルはありそうな扉を潜り受付に目を向けると、笑顔で受付の男性が迎えてくれました。

「...あぁ!!クラン・コーラルリーフの方々ですね?皆様、おはようございます。」

「あぁ、スリーブさんおはようございます。」

「おはよぉーございますぅ。」

「おはよー!」

「スリーブさん、おはようございます!」

「珍しいですね、黒猫ちゃんも来てたんですねぇ。」

「...黒猫じゃなくって、ノアールです。」

「うふふ、剥れた顔も可愛らしいですねぇ。」

私達のクラン"コーラルリーフ"の専属の受付であるスリーブさんは、薄い紫の髪をかっちりとオールバックにしていて、垂れた優しげに細められた瞳は鮮やかな緑色という、エルフのように端正なお顔立ちの男性なのです。ただ、皆と一緒に挨拶をするんだけど、この人にはいつも黒猫ちゃんと呼ばれるのです。そろそろ私の名前を覚えてよね!優しく撫でられたからって、まぁ、許しちゃうんだけど...ズルいです。

「うふふ、説明を聞きに来られたのですよね?さ、応接室にご案内いたしますね?」

「「「応接室??」」」

「...応接室??に行くの??」

「えぇ、説明に少々お時間がかかりますので。ギルドマスターも応接室にてお待ちしておりますよ?」

目の前に聳える2階へと続く階段が...私には高いのですが?あぁ、そうか...冒険者は身体が大きい人ばかりですもんね。私みたいに小柄なのは殆どいません。まぁ、私は冒険者ではないんですけど...。

「ほら、行くぞ。」

「にゃ!?あ、マスターありがとうございます。階段の段差が高いなぁと思ってまして...ありがたいです。」

「にゃんこちゃんは気にしなくても良いんだよ?君は、僕らの可愛いにゃんこちゃんなんだから。」

「...私はペット枠ですか?」

「んーん?ペット枠ではなくってぇ、妹枠かなぁ?なんかねぇ?猫っ可愛がりしたくなっちゃうんだよねぇー。」

「妹!それなら納得します!わーい!お兄ちゃんが一杯だぁ!!」

「「「「「...!!」」」」」

階段どうしようかな?と悩んでいたら、クランマスターにおんぶしていただきました!!ありがたやーありがたやー!ん?マスターお顔赤くないです?あれ?他の人達も...??どうしたんでしょ??

「さて、こちらです。どうぞ?」

「「失礼します。」」

「失礼しまぁす。」

「失礼しまーす。」

階段を登り終えると直ぐにある応接室に着いたので、クランマスターに降ろしてもらって...スリーブさんが開けてくださった扉を潜ります。あ、ギルドマスターだ!クランマスターよりも大柄なギルドマスターは、真っ赤なツンツンの髪をしてまして、目は少し黒っぽい臙脂色?がキラキラと輝いてます。ソファに深く腰掛けていて、いつも通りにニッコリと笑ってますね...。





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