ホスト狂いのホスト

那月

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第1章

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 23歳になって初めて恋をした。


 本気の恋。相手は9歳も年上。顔は当然イケメン……まぁ、見る人によってはこわ……強面。体が大きくて警察官か自衛隊にも見える。それに声が渋い。


 黙っていれば怒っているようにも見えるから怖がられるけれど、口調は優しいしたまに笑うと目尻のシワがクシャってなって可愛い。すごく可愛い。


 その人と初めて出会った場所は、夜のホストクラブ。


 源氏名は“シルバーハスキー”だ。格好いいオールバックの銀髪、優しめのハスキーボイス、強面。だから“シルバーハスキー”なんだって。


 彼はそのホストクラブ“ペットショップ”では最年長、店ができた時からいるらしい。上司からも同僚からも慕われていて、でも天狗にはならなくて。


 もっとたくさん、彼のことを全部知りたくてずっと見てた。あ、いや、ずっとは怪しまれるから時々で我慢我慢……


「ハルト、お姉様が呼んでるからすぐ行って!」


 今日も時間があれば彼を探して、目で追いかけて。照明がもう少し明るかったらなぁ。ホスクラだからしょうがないけど。


 呼ばれちゃった。仕事しなきゃ。


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