ホスト狂いのホスト

那月

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第16章

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 だから女性のままオーナーの彼女になって、何かがあって、別れた。でも秋鷹さんはオーナーを諦めることができなくて。同時にオーナーは女性を愛することができなくなった。


 男で遊ぶようになったオーナーを追いかけ、気づけば秋鷹さんは男性になっていた。男性になれば、オーナーがまた振り向いてくれると思ったから。


 でも違ったオーナーは秋鷹さんから逃げた。秋鷹さんを嫌った。逃げた先でホストクラブに就職。


 ホストになったオーナーを追いかけて秋鷹さんもホストになって、ナンバーワンを奪い合った。女性を愛せないオーナーはトップに居座り続けるようになった。


 オーナーがトップ、秋鷹さんが2位。それが何年も続いたある日、オーナーは「飽きた」と言って突然の退職。


 私利私欲のためにオーナーが新しいホストクラブを作ろうとしているという情報を手に入れた秋鷹さんはオーナーを追いかけ、そしてハスキーさんを見つけた。


「秋鷹は、今回の事件が起こったのは自分のせいでもあるって言っていた。オーナーを諦められなくて、しつこく追い回したから憂さ晴らしにハルトに手を出したんだと」


「それはっ……その、話を聞いた限りでは断言できないけど。でも、否定もできない気がします」


 秋鷹さんは自分に責任があるからと、オーナーを引き取った。これからのことも、今度こそちゃんとオーナーと向き合って話をしたいって。


「秋鷹さんとまだ1度しか会ったことがないけど、すごく苦しそう。俺、何か力になれないかな……」


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