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第20章
①
しおりを挟む「ねぇ銀次さん。初めては、俺に抱かれてくれますよね?」
寝室に移動して、腰に巻いたバスタオルをひらひらさせながら俺をベッドに押し倒してきたから。伸びてきた手首をつかんで、すかさず引き倒した。
俺よりも体の大きな銀次さんに、馬乗りになる。へぇ、上から見下ろすのもいいかも。
複雑そうな顔。悔しがってる。本当はタチだから俺を抱きたいだろうに、銀次さんは優しいから「蛍樹が俺を抱きたいなら」って苦笑してくれるんだ。
「ただ、その……ネコは初めてだから、いきなりがっつかれるのはな。優しくしてくれ」
頬を赤く染めて、フイッと目をそらされるとか。いやいや、そんなことを言われたら当然、余計に我慢が効かないですって。
本能の、欲望のままにめっちゃくっちゃにブチ犯したくなるのを我慢我慢。銀次さんは俺に最初を譲ってくれたんだから、とびきり優しくしよう。……っ、頑張れ俺!!
グッと覆いかぶさって、銀次さんの顔が近くなる。い、イケメンすぎる。うわぁ、カッコイイ。好き。超好き。
「ん、どうした?」
「ふぇっ!や、その……銀次さんがあまりにも素敵すぎて見惚れちゃって。すみません。ちゃんと、触っていきますね」
だめだめ、気を引き締めて集中しないと。銀次さんを気持ちよくさせるんだから。気を使ってなのか、銀次さんが俺の頬を撫でたり背中に触れたりしてくれている。
大丈夫。今まで散々ドールで練習してきたんだから、上手くできるって。そう自分に言い聞かせて、そっと唇を重ねる。
チュッチュッとついばむように、キスしながら耳の下、首筋に触れ。肩から胸へと手を這わせる。
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