惚れ薬で手に入れたのは、まさかの恋敵の心?

すいかちゃん

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惚れ薬を無効化するには・・・

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「ピンク色のトカゲに、ピンク色の貝殻、そしてピンク色の花を煮詰めたシロップ」
魔法使いのロムは、出来上がったばかりの液体を小瓶に注いだ。そして、夜空へとゆっくり翳す。年に一度だけ現れるという、ピンククレッセント厶ーン。小瓶の中にその光が注がれた。だが、これではダメだ。まだ完成ではない。
「そして、オレのありったけの魔力」
ロムの全身から光の粒子が放出され、小瓶を包みこんだ。
「できたっ」
小瓶の中の液体が、ピンク色に輝いた。
「これが、惚れ薬」
魔法使いの世界では、惚れ薬の製造と使用は禁止されている。なぜかはわからないが、過去に製造した魔法使いは一人だけだ。製造方法も長年謎とされていたが、つい最近。ロムは、その製造方法を知る事が出来た。ロムには、禁忌を破ってでも惚れ薬が必要だった。
(オレの勝ちだな。マクシード)
恋敵の顔を思い浮かべ、ロムはほくそ笑んだ。
ロムには、好きな女性がいた。聖女・アリアーナ。おしとやかで、優しくて、その美しい微笑みを見るだけで元気が出た。初めて会ったのは、ロムがまだ魔法使いになりたての頃。傷を癒やしてもらったのだ。その日から、ロムはアリアーナに夢中だ。彼女のために魔法石や魔法草を徹夜で探した事もあったし、どんな無理な頼みでも聞いた。だが、ロムは知ってしまった。アリアーナには、想い人がいたのだ。その人物とは、王室騎士のマクシードだ。金色の長い髪に青い瞳、そして逞しい体躯。穏やかな性格とは裏腹に、敵には一切の容赦がない。まさに、騎士の中の騎士という男だ。国内の多くの女性達がマクシードに恋をした。アリアーナも、その1人だった。マクシードが来る度に、アリアーナは頬を染めて嬉しそうにしている。アリアーナの事が好きだから、わかってしまうのだ。
大人っぽくて、何をしてもスマートなマクシード。華奢で子供っぽいロムなど、最初から相手にはされないのだ。
今度の満月の夜には、『月夜祭り』がある。この日に告白したカップルは、永遠に離れないという。きっと、アリアーナはマクシードに告白する気だ。もう、ロムにはチャンスすらなくなるのだ。そこで考えたのが、惚れ薬だ。惚れ薬を使えば、アリアーナはロムのものだ。
(ズルくても、卑怯でも構わない)
アリアーナが他の誰かと結ばれるなんて、ロムには耐えられない。惚れ薬をアリアーナに飲ませるべく、ロムは彼女の家へと向かった。
「こんにちは。アリアーナ」
アリアーナは、ロムの姿にほんの少しだけガッカリした顔をした。だが、ロムは敢えて知らないフリをした。
「あの、新種の紅茶が手に入ったんです。一緒に飲みませんか?」
ロムの言葉に、大の紅茶好きであるアリアーナの瞳がパッと輝く。ロムは、ドキドキしながら惚れ薬入りの紅茶を注いだ。が、ふとロムの心に迷いが生じる。こんなズルい手段を使って、本当にいいのだろうか。
「あの・・・」
やっぱり止めよう。そんな卑怯な手を使っては意味がない。そう思った瞬間。
「美味しそうな紅茶ですね」
ヒョイッと伸ばされた手が、カップを鷲掴みにする。そして、そのまま一気に飲み干してしまった。
「マ、マクシードッ!」
ロムが声を上げた瞬間。青い瞳がロムを見つめた。
「うわっ」
グイッと襟元が引き寄せられ、そのまま深く口付けされる。ロムは、瞬きすらできなかった。
唖然とするアリアーナの前で、ロムはマキシードの肩に担がれ馬に乗せられた。
「違うっ、アリアーナッ。違うんだっ」
揺れる馬の上から必死にロムは叫んだが、アリアーナに届いたかどうかは謎だ。

「離せよっ。マキシードッ」
マキシードの私邸に連れ込まれたロムは、必死に叫び対抗した。が、マキシードの耳には届いていないらしい。乱暴に寝台へと投げられる。フワフワの感触に慌てて起き上がろうとすれば、マキシードの腕に押さえつけられた。
「なぜ、私はこんなに君に対して興奮を?」
マキシードの血走った目に、ロムはヒッと小さな悲鳴を上げた。そして、乱暴に衣服を剥ごうとするマキシードの指をなんとか阻止しようともがいた。
(こんな時に魔法が使えれば・・・っ)
惚れ薬を作るのに、全魔法を使ったロムは数ヶ月は無力だ。マキシードが力づくで事に及べば、おそらく逆らう事はできないだろう。
「や・・・っ」
いよいよ下着も奪われ、ロムは恐怖に身を竦めた。
「き、騎士がこのような振る舞いをしてはいけないっ」
ブルブル震えながら咄嗟に叫べば、マクシードの動きが止まった。恐る恐る目を開ければ、戸惑ったようなマクシードがいた。
「すみません。君を傷つけたかったわけではないんです」
おそらく、マクシード自身も驚いているのだろう。ロムは、グスッと鼻を啜ると周囲に散らばっている衣服をかき集めた。
「だ、大丈夫。ちょっと、驚いただけだから」
マクシードは悪くないのだ。彼は、惚れ薬によって欲望が増幅されているだけだから・・・。
ロムは、惚れ薬の事をマクシードに教えようとした。だが、
「君に嫌われなくて良かった」
そう言って微笑むマクシードの笑顔が、とても優しくて綺麗で見惚れてしまった。もし、ロムが真実を言えばこの笑みは消える。そう思うと、惚れ薬の事は伝えられなかった。
(惚れ薬を解除する方法を調べなきゃ)
ロムは、早くマクシードを元に戻すために家へと急いだ。

(この本だ)
魔法図書館からこっそり持ち出した惚れ薬の製造書。
かつて大魔法使いと言われたロムの祖先・レイドが遺したものだ。そこには、レイドがなぜ惚れ薬を製造したかが書かれていた。レイドは、友人の婚約者であるエマに恋い焦がれていた。
書物にはこう書いてあった。
『私には、愛して止まない女性がいる。
彼女の名は、エマ。花のように美しく、竹のように凛とした女性だ。彼女は親友の婚約者だというのに、私はこの想いを抑えられない。
研究の結果。
ピンクのトカゲとピンクの貝殻。そして、ピンク色の花びらで作ったシロップが効果的だとわかった。だが、それだけでは不特定多数の人物に効いてしまう。そこで、純潔を表すピンククレッセントムーンの光と自らの魔力を注ぐ。これで、エマの心は永遠に私のものだ』
ロムが読んだのはそこまでだった。その先のページを捲ると、レイドがエマと過ごした楽しい日々が綴られている。
最後のページに、惚れ薬を無効化する方法が書いてあった。
『私は、我慢できずに彼女を抱いた。それが、惚れ薬を無効化する方法と知っていながら・・・。そして、彼女の心は離れていった。同じ惚れ薬を飲ませても、二度とあの愛しい日々は帰ってこなかった』
「・・・へ?」
ロムは思わず声を上げた。
つまり、惚れ薬を無効化するには飲ませた相手と性交するしかないという事だ。ロムは、青ざめた表情で本を落とした。
「絶対に嫌だっ」
何が嬉しくて、恋敵と性交しなくてはならないのか。ロムは、とりあえず別の方法を探す事にした。

「ロムッ。どこにいるんですかっ?」
マキシードの声に、ロムはビクビク震えながら岩陰で膝を抱えた。
(まさか、こんなに効果があるなんて・・・)
時間がたてば効果は薄くなる。そんな事を考えていた自分が、いかに甘かったかをこの数日で思い知った。何せ、マクシードは連日のようにロムの家に来ては押し倒してくるのだ。
(真紅のバラを3万本持ってきた時は、さすがに驚いたな)
おかげで、家中がバラだらけになってしまった。
(でも・・・)
マクシードの熱い眼差しや、甘い言葉はロムの心を複雑にさせた。それが、惚れ薬のせいだとしてもドキドキするのだ。
(あいつは恋敵だぞ。ドキドキするのは、自分への裏切り行為だっ)
アリアーナの笑顔よりも、マクシードの微笑みにクラクラしている自分がいる。
(まさか・・・、この気持ちって・・・)
ロムがまさかの考えに思い当たった瞬間。
「見つけましたよ。ロム」
ヒョイッと現れたマクシードによって、ロムは横抱きにされた。そのまま、また馬に乗せられる。
「マ、マクシードッ。何を・・・」
「かくれんぼは終わりです。さぁ、私の家でランチでも食べましょう」
「やだっ。行きたくないっ、行きたくないってば・・・っ」
マクシードも馬へ乗ると、手綱を強く引く。ロムが喚いて抵抗しても、マクシードは笑うばかりだった。結局、ロムはマクシードの家へと連れてこられた。
だが、マクシードは意外にも冷静だった。依然のように強引にキスをしてくる事もなかったし、押し倒してもこなかった。
(これはこれで、なんか寂しいかも・・・)
ロムは広い客室で、出された紅茶を静かに飲んでいた。マクシードは、そんなロムの髪を優しく撫でたりしながら微笑んでいる。
「覚えていますか?初めて会った日を・・・」
マクシードの言葉に、ロムは首を傾げる。マクシードが、ロムの指にキスをする。
「あの頃の私は、いつも荒れていた。そんな私に、あなたはいつも優しかった。はるか昔の物語を教えてくれたり、ハープを聴かせてくれた」
「それって・・・」
昔、アリアーナのために昔の恋物語を語った事がある。ハープを弾きながら、愛の歌も歌った。その時に、マクシードもいたのだ。
マクシードの記憶の中で、アリアーナとロムの思い出が混ざっているのかもしれない。
(・・・バカだな、オレ)
優しく自分を見つめるマクシード。だが、彼の本意ではない。
わかっていたのだ。自分はマクシードに勝てないと。彼は、外見が美しいだけではない。勇敢で、思いやりに溢れている。最初から、わかっていたのだ。
マクシードとアリアーナのために、惚れ薬を解いてあげなければいけない。ロムは、マクシードの首に顔を埋めた。
「ロム?」
「今すぐ、オレを抱いてくれ」
マクシードの腕に力がこもった。ロムは、瞳を閉じて彼の口づけを受け入れた。

(惚れ薬を解くためだ。それだけなんだ)
マクシードの荒い息遣いを聞きながら、ロムは心の中で言い訳をした。
「綺麗だ。どこもかしこも、特にここは美味しそうだ」
大きな掌が、ロムの細身の性器を包み込む。ロムは、甘い声を上げながらのけ反った。マキシードの指が白い蜜で濡れる。
ロムは、自ら足を開いた。マクシードが躊躇う事なく、自身を押し当ててくる。
「愛してる」
狭い蕾を押し広げるように、ググッとマキシードが潜り込んできた。
「あはぁっ、あっ、はぁぁぁっ」
「ロムッ、力を抜いて・・・っ」
互いに楽ではなかったが、二人はしっかり繋がっていた。マクシードの精液が、ロムの体内を満たす。
(さようなら。マクシード)
ロムは、マクシードに自分から口づけた。明日になれば、マクシードは全てを忘れる。ロムに愛していると囁いた事も。情熱的に求めてきた事も・・・。こうして、1つになった事も。

月夜祭りの夜。ロムは、1人で満月を見上げていた。
「こんばんは。ロム」
笑顔のアリアーナが手を振る。手を振り返したロムは、その横で微笑むマクシードに胸を痛めた。そして、足早にその場を去った。
(これで良かったんだ。これで・・・)
マクシードは、惚れ薬を飲んだ後は覚えていない。だから、ロムを見てももう口説いてくる事はないのだ。その事がロムには寂しい。
アリアーナに告白したかはわからないが、2人の恋がうまくいけばいいと思った。
ロムに残っているのは、あの日の激しい情事の名残りだけ。しがみついた背中の逞しさや、汗の匂い。
「これが、恋なのかな・・・」
アリアーナには、こんな感情は抱かなかった。まるで、自分の心の一部が欠けてしまったみたいだ。
ロムは、誰もいない湖のほとりで虚ろな瞳を空に向けた。と、太い腕がロムの身体を抱き締める。ロムは、まさかの思いで振り向いた。
「マクシード・・・」
「泣かないでください」
涙に唇が寄せられる。
「君の泣きそうな顔を見て、思い出したんだ。君は、私の腕の中にいた」
「な、何言ってるんだよ」
慌てて離れようとすれば、がっちりと抱き締められ口づけをされた。
「どうして、何もなかった事に?」
聞かれて、ロムは覚悟を決めた。
「あれは、惚れ薬のせいなんだ」
ロムは、正直に全てを話した。話し終わった後も、マクシードはロムを抱き締めて離さなかった。
「知らないようですから、教えてあげます。私は、ずっとロムが好きだったんです」
マクシードの言葉に、ロムが顔を上げた。その唇に、マキシードが深く口づける。角度を変えて、舌を絡めてくる。
ロムは、ゆっくりとマキシードの背中に指を這わせてその甘さに目を閉じた。マクシードが、草の上にロムを押し倒す。
「今夜。君に告白するつもりでした」
近づいてくるマクシードに、ロムは慌てて目を閉じた。そして、長い口づけに身を委ねた。


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