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一太の夢は
一太の夢は
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「いいかお前ら、こっちがウー先生で、そっちにいるのがフー先生だ。時間が来るまで遊んでもらえ」
始めこそ怖がって近付こうともしなかった子どもたち。でも、1人また1人と……
怖いもの知らずの男の子たちが集まってきた。
「ねぇ遥琉さん、そんな時間ないよ」
「分かってるよ。びびりまくって、ギャン泣きされるよりはましだろう?」
「それはそうだけど………」
「二人とも顔に似合わず子どもが好きだから、まぁ大丈夫だろう」
彼の言う通り、さっきまで無表情だった二人は、自然な笑顔で子どもたちに接していた。
言葉が通じなくても、笑顔は万国共通。
一太も二人に交互に高い高いをしてもらい歓声をあげていた。
厳粛な雰囲気の中、卒園式は式次第にそって粛々と執り行われた。
緊張しながらも無駄話を一切せず、まっすぐに前を見据える一太。
その凛々しい横顔は彼にそっくりで。
立派に成長した息子の晴れ姿に感動して思わず涙が零れた。
「たく、泣き虫なんだから」彼がハンカチで涙を拭ってくれた。
「そういう遥琉さんだって、目が真っ赤だよ」
「しゃあないだろう」
小声でそんなことを話していたら、卒園証書授与がはじまった。
担任の先生がピアノの隣に立ち、一人ずつ名前を呼びはじめた。
呼ばれた園児は着物姿の園長先生が待っているステージへと向かい、その間、先生が将来の夢を読み上げてくれた。
男の子はユーチュバーやスポーツ選手・警察官・TVアニメのキャラクター、女の子はケーキ屋さんやパティシエ・アイスクリーム屋さん・看護師さんや幼稚園の先生が多い中、一太の夢は全く違っていた。
ーー卯月一太くんの夢は弁護士になることです。弱い人を助け、パパみたく誰からも慕われる格好いい大人になりたいですーー
始めこそ怖がって近付こうともしなかった子どもたち。でも、1人また1人と……
怖いもの知らずの男の子たちが集まってきた。
「ねぇ遥琉さん、そんな時間ないよ」
「分かってるよ。びびりまくって、ギャン泣きされるよりはましだろう?」
「それはそうだけど………」
「二人とも顔に似合わず子どもが好きだから、まぁ大丈夫だろう」
彼の言う通り、さっきまで無表情だった二人は、自然な笑顔で子どもたちに接していた。
言葉が通じなくても、笑顔は万国共通。
一太も二人に交互に高い高いをしてもらい歓声をあげていた。
厳粛な雰囲気の中、卒園式は式次第にそって粛々と執り行われた。
緊張しながらも無駄話を一切せず、まっすぐに前を見据える一太。
その凛々しい横顔は彼にそっくりで。
立派に成長した息子の晴れ姿に感動して思わず涙が零れた。
「たく、泣き虫なんだから」彼がハンカチで涙を拭ってくれた。
「そういう遥琉さんだって、目が真っ赤だよ」
「しゃあないだろう」
小声でそんなことを話していたら、卒園証書授与がはじまった。
担任の先生がピアノの隣に立ち、一人ずつ名前を呼びはじめた。
呼ばれた園児は着物姿の園長先生が待っているステージへと向かい、その間、先生が将来の夢を読み上げてくれた。
男の子はユーチュバーやスポーツ選手・警察官・TVアニメのキャラクター、女の子はケーキ屋さんやパティシエ・アイスクリーム屋さん・看護師さんや幼稚園の先生が多い中、一太の夢は全く違っていた。
ーー卯月一太くんの夢は弁護士になることです。弱い人を助け、パパみたく誰からも慕われる格好いい大人になりたいですーー
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