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逆恨み
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「はなから騙すつもりで未知に近付いたのに、失ってはじめて愛していたことに気が付いた。今もまだ未知が好きだ」
颯人さんは片手で体を支え、くるっと器用に反転させると、そのまますごい勢いで這いつくばってきた。
「颯人!」彼が止める間も無く、腕を強く引っ張られ颯人さんの胸に抱き寄せられた。バランスを崩し、遥香を膝の上から落としそうになり慌てて抱き抱えた。
「今までのことを謝る。すまなかった。元婚約者の君をどうしても諦めることができなかった」
「颯人、未知からさっと離れろ」
彼が颯人さんを引き剥がそうと、右肩を強く引っ張った。そのとき何かに気が付いて。目を大きく見開き、すぐに手を離した。
「颯人お前・・・」
「3年前、手嶌組に捕まって見せしめに壮絶なリンチを受けた。そのとき、背中から右肩を刀で切られて。ろくに治療もして貰えなかったから、今だ傷が痛むんだ」
「てか、血が出てるだろうが」
彼に言われてはじめて肩口の包帯が赤く染まっていることに気が付いた。
「こんなの掠り傷だ。最後にこうして好きな人を抱き締められて良かった」
颯人さんが手をそっと離してくれた。
「遥琉、未知を幸せにしてやってくれ。一太を頼む」
「お前に言われなくたってそのつもりだ」
橘さんがそっと手を差し出した。
「あなたにまで情けをかけられるほど落ちてない。大丈夫、一人で立てるから」
颯人さんは襖戸まで這っていくと、襖戸を掴み自分の力でよろよろと立ち上がった。プライドが高かった彼。それは今も全く変わっていなかった。
颯人さんは片手で体を支え、くるっと器用に反転させると、そのまますごい勢いで這いつくばってきた。
「颯人!」彼が止める間も無く、腕を強く引っ張られ颯人さんの胸に抱き寄せられた。バランスを崩し、遥香を膝の上から落としそうになり慌てて抱き抱えた。
「今までのことを謝る。すまなかった。元婚約者の君をどうしても諦めることができなかった」
「颯人、未知からさっと離れろ」
彼が颯人さんを引き剥がそうと、右肩を強く引っ張った。そのとき何かに気が付いて。目を大きく見開き、すぐに手を離した。
「颯人お前・・・」
「3年前、手嶌組に捕まって見せしめに壮絶なリンチを受けた。そのとき、背中から右肩を刀で切られて。ろくに治療もして貰えなかったから、今だ傷が痛むんだ」
「てか、血が出てるだろうが」
彼に言われてはじめて肩口の包帯が赤く染まっていることに気が付いた。
「こんなの掠り傷だ。最後にこうして好きな人を抱き締められて良かった」
颯人さんが手をそっと離してくれた。
「遥琉、未知を幸せにしてやってくれ。一太を頼む」
「お前に言われなくたってそのつもりだ」
橘さんがそっと手を差し出した。
「あなたにまで情けをかけられるほど落ちてない。大丈夫、一人で立てるから」
颯人さんは襖戸まで這っていくと、襖戸を掴み自分の力でよろよろと立ち上がった。プライドが高かった彼。それは今も全く変わっていなかった。
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