568 / 931
千思万考
千思万考
しおりを挟む
冷酷無比で、自分の欲望のためなら人を簡単に殺める。女、子供にも一切容赦がない。
実の弟でさえ道具としてしか見なかった。
卯月真沙哉として関わった事件と、李浩然として関わった事件で、国際指名手配されていることをすべて。
真沙哉さんの今の姿を見た鞠家さんと伊澤さんは茫然自失となった。
『俺が何をしてきたか、包み隠さず正直に話して欲しい』
驚いて声も出せない二人に真沙哉さんは頭を深く下げ頼み込んだ。
鞠家さんと伊澤さんは、迷った末すべてを真沙哉さんと、彼に寄り添うように付き添っていたマーナオさんに話した。
「伊澤から聞いた話しでは、真沙哉は黙って最後まで聞いていたそうだ。俺は大切にしなければいけない人達を大勢傷付けた。本当は弟や、琥珀という子を守ってやらなければいけなかったのに、取り返しのつかないことをしてしまった。と時折涙ぐみながら謝罪の言葉を口にしていたそうだ」
お義父さんに続き、お祖父ちゃんが言葉を継いだ。
「記憶がないことを言い訳にはしたくない。ちゃんと罪を償って、自分が傷付けた人達に謝りたいと真沙哉はそうはっきりと言ったそうだ。それでな、未知。折り入って頼みがあるんだが・・・・焼きもち妬きの亭主にはこれから話しをする」
お祖父ちゃんが言いたいのは、恐らくマーナオさんの事だ。
彼は今まで辛い想いをして生きてきた。まさに生き地獄のような人生だったってそう言ってた。
だから彼にも紗智さんみたく幸せになって欲しいもの。
最初は間違いなく紗智さんと喧嘩ばかりだけど、一緒に暮らすうち仲直りして、気が合う一番の親友に絶対になれると思う。
「お祖父ちゃん、お義父さん、マーナオさんの面倒は僕がみるから、だからお願い。真沙哉さんの帰りを待ちながら、このまま日本で暮らせるようにしてあげてください。どうか、お願いします」
鼻を啜りながら二人に頭を下げた。
実の弟でさえ道具としてしか見なかった。
卯月真沙哉として関わった事件と、李浩然として関わった事件で、国際指名手配されていることをすべて。
真沙哉さんの今の姿を見た鞠家さんと伊澤さんは茫然自失となった。
『俺が何をしてきたか、包み隠さず正直に話して欲しい』
驚いて声も出せない二人に真沙哉さんは頭を深く下げ頼み込んだ。
鞠家さんと伊澤さんは、迷った末すべてを真沙哉さんと、彼に寄り添うように付き添っていたマーナオさんに話した。
「伊澤から聞いた話しでは、真沙哉は黙って最後まで聞いていたそうだ。俺は大切にしなければいけない人達を大勢傷付けた。本当は弟や、琥珀という子を守ってやらなければいけなかったのに、取り返しのつかないことをしてしまった。と時折涙ぐみながら謝罪の言葉を口にしていたそうだ」
お義父さんに続き、お祖父ちゃんが言葉を継いだ。
「記憶がないことを言い訳にはしたくない。ちゃんと罪を償って、自分が傷付けた人達に謝りたいと真沙哉はそうはっきりと言ったそうだ。それでな、未知。折り入って頼みがあるんだが・・・・焼きもち妬きの亭主にはこれから話しをする」
お祖父ちゃんが言いたいのは、恐らくマーナオさんの事だ。
彼は今まで辛い想いをして生きてきた。まさに生き地獄のような人生だったってそう言ってた。
だから彼にも紗智さんみたく幸せになって欲しいもの。
最初は間違いなく紗智さんと喧嘩ばかりだけど、一緒に暮らすうち仲直りして、気が合う一番の親友に絶対になれると思う。
「お祖父ちゃん、お義父さん、マーナオさんの面倒は僕がみるから、だからお願い。真沙哉さんの帰りを待ちながら、このまま日本で暮らせるようにしてあげてください。どうか、お願いします」
鼻を啜りながら二人に頭を下げた。
45
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
冬は寒いから
青埜澄
BL
誰かの一番になれなくても、そばにいたいと思ってしまう。
片想いのまま時間だけが過ぎていく冬。
そんな僕の前に現れたのは、誰よりも強引で、優しい人だった。
「二番目でもいいから、好きになって」
忘れたふりをしていた気持ちが、少しずつ溶けていく。
冬のラブストーリー。
『主な登場人物』
橋平司
九条冬馬
浜本浩二
※すみません、最初アップしていたものをもう一度加筆修正しアップしなおしました。大まかなストーリー、登場人物は変更ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる