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沈没
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松下梅(旧姓竹田梅)。
1947年2月20日、茨城県水戸市で生まれる。
この時代、戦後間もない頃だったので当然家庭は裕福なはずもなく、むしろ失業者で溢れかえっていた。
梅の父もまた、まともな仕事に就くことができず、母と二人で日銭を稼ぐ日々を送っていた。
母も父も農業を生業として毎日朝早くから夜遅くまで必死に働きながら、まだ赤ん坊であったワタシの育児をしていた。
ただ、生前の母にこの時の話を聞いたことがあるが、仕事は苦しくても家族3人で一緒に過ごす事ができたのが母も父も幸せであったそう。娘のワタシが2人にとっての生き甲斐と言っていた。
しかし、この幸せも長続きはしなかった。
1953年、ワタシが小学校に入学する年のこと。父が亡くなった。半年程前から体調を崩しており、最近は仕事ができずに寝たきりの状態が続いていた。父は良くなるどころか悪化する一方だったが、貧しかった為医者には行かなかった。
ただ流石にこの時期は高度経済成長期であった為、日本の情勢はかなり良かった。
更に今までは男性が勤労、女性が家庭のイメージが強かったが、女性の勤労者も増えていた。
母もまだまだ幼かったワタシを養うために例に漏れず働いた。
小学生時代、ワタシは周りの同級生と比べて、服装等がみすぼらしい姿だった為、友人と呼べる同級生はいなかった。
勇気を持って話しかけた事もあったが、結局いじめの対象にされるだけだったので一人で過ごす事にした。
そんな少女時代を過ごした為、ワタシはかなり内気な性格になり、母以外の人とは話さないような生活を送っていた為、周りから見れば内気で無口な少女に見えた事だろう。
それは中学時代も似たような感じであった。
(別に話すのが嫌いな訳じゃない。)
実際、まだ幼かった頃のワタシはかなりお転婆であり、よく喋る子どもであった。
それが父が亡くなり、苦しかった生活が更に苦しかった。
それが原因で周りの同級生との間に軋轢ができてしまった。
ワタシの暮していた地域は田舎であり、小学校と中学校はほぼ同級生の顔ぶれが変わる事が無い為、今思い返すとよく自分は9年間あの学校を耐え抜けたと思う。
※
高校には進学せず、そのまま就職しようと思っていた。
しかし、それは母が許さなかった。
「死んだお父さんや私は大した学も無ければお金になりそうな技術も無い。結果、常に貧乏な生活を送ることになった。今までの生活に私は不満があった訳ではないけど裕福な生活を送れるに越したことはない。」
そう言って母は私にせめて高校までは出とけと私を諭した。
正直、気乗りはしなかった。
中学までを考えればワタシにとってせっかく刑期を終えたのに懲役が更に3年伸びた様な感覚であった。
幸いな事に高校は志望校が受かり、地元から離れた場所なので知り合いはいない。
流石に地元から片道2時間かかる高校に行く物好きは他にいない。
高校の入学式の日、重い足取りでワタシは母と2時間かけて高校へと向かう。
「せっかくこれから新しい生活が始まるんだからそんな陰気臭い顔しないの!もしかしたら楽しい事が始まるかもしれないんだから!」
母はワタシをそう言って励ましてくれた。
高校に着き、すぐに入学式が始まる。
新入生は壇上からすぐの位置、保護者は出入り口がある後側の位置である。
当たり前だが、周りを見る限り知り合いは全くいない。
「これから何もなく過ごせれば......」
※
入学式は恙無く終わった。保護者はそのまま体育館に残り、ワタシ達はそれぞれ教室に向かった。
ワタシ達の学年は全部で5クラス。
ワタシのクラスはB組だ。
※
クラスに入ると黒板に席の位置が書かれた紙が貼ってある。どうやら出席番号順の様である。
ワタシは「た行」なので大体クラスの真ん中の列、一番前であった。
周りを見渡す限り、おそらく近所の中学校から皆この高校に入ったのだろう。既にワタシ以外は雑談をしている様子が見られる。
その様子を見ると虚しい気持ちに襲われた。
「まあ、分かっていたことか。」
そんな投げやりな気持ちでいると担任が教室に入って来る。HRだ。
HRも大した内容ではない。1日目なので教科書販売や学校での過ごし方についての説明ばかりであった。
そんなこんなで高校1日目は終了。
ワタシは再び母と2時間かけて高校から自宅に戻っていく。
「あんた、新しいクラスはどうだったん?」
「別に。」
やたらと話しかけてくる母とそれをウザそうにしているワタシ。
帰りの電車は行きよりも長く感じた。
高校2日目、ここで当時のワタシにとって衝撃的な内容が飛び込む。
それは担任のこんな一言であった。
「今日は明後日に行く栃木のオリエンテーション合宿について斑等色々決めてくぞ。」
「がっ......しゅく?」
青天の霹靂とは正にこの事である。
※
結局、2日目は合宿の事についてだけでその日の学校は終わった。
幸か不幸か班決め等は各々でグループを作るものだと思っていたが、まさかの名前順で自動的に班が決まるというものであった。
ほぼ、先生が予め用意した栞を説明を受けながら目を通すだけであった。
クタクタになりながら家に帰ると母は言った。
「明日はオリエンテーション合宿でしょ?準備はある程度してあげたんだから忘れ物無いか確認しなさい。」
「え?合宿の事知ってたの?」
「入学式の日に保護者にも説明があったのよ。」
完全に逃げ場を失ったワタシは結局諦めて合宿へ行くこととなった。
※
そして当日、暗い面持ちで高校へと向かう。
合宿へは高校からバスを使い、移動する。
だけどワタシにとってそこは問題じゃない。
「バス内は2人1組、必ず誰かの隣に座る事になる。」
非常に気まずいの一言に尽きる。
高校に到着し、いよいよ全員バスに乗り込む。
乗ったばかりにも関わらず、特に男子は談笑の声が聞こえてくる。
栃木までの約4時間、無言を貫き通すのは苦行の他ない。
ワタシの隣の子は当たり前だが、ワタシに話しかけてくる事なく、前後の席の子と器用に話している。
人が近くにいるのに特に何もせず過ごすというのは想像以上にキツイ。
何か話しかけた方がいいのかな?
いきなり話しかけて変な奴と思われても......
そういった感情が常に頭をグルグルと回る。
本当に気まずい。
※
結局、ワタシは何をするでもなく栃木に着くまでただ気まずい思いを味わっただけであった。
栃木ではまず、泊まる予定の合宿所?みたいな所に荷物を置いてロビーに集合する。
「予め事前に決めていた班毎に集合して下さい。」
これから行うのは班毎でのグループとなって山林を散歩するというものらしい。
「それで?」と思うかもしれないけど本当にそれだけである。
「何が面白いのやら......」
山林をただ散歩するだけの行事。
怠いだけだと思っていたけど周りは案外楽しんでいる様である。
「楽しくないのは誰とも会話しないワタシだけか。」
不貞腐れながらワタシはただひたすら周りに合わせて歩く。
結局ワタシは誰とも会話せずにレクリエーションを終えた。
時刻は16時過ぎ。この後は各部屋に戻り、夕食や風呂である。
「嫌だなぁ~」
誰かと喋りもしないのに常に誰かといなければいけない。
一人になろうにもそんな場所どこにあるというのだろうか。
※
夕食までのおよそ2時間は、各自部屋にて待機である。
この間は部屋のテレビを見るなり、トランプで遊ぶなり各々の時間を過ごす。
まあ、ワタシには関係ないけど。
部屋に戻ってみると案の定である。
部屋は共同で6人ずつに分けられている。
しかし誰もワタシを気にする者はいなく、2人はテレビを付けてただ眺めている。後の3人は元々入学した時から知り合いなのだろう、トランプで盛り上がっていた。
ワタシも別にやる事も無いし、部屋を出ても合宿所を出ては行けない為、他の2人が付けたテレビを遠目で眺めていた。
だが暫くするとトランプで遊んでた3人がテレビを観てた2人に話しかけた。
「一緒にトランプやらない?流石にこの面子だけだと飽きてきたわ。」
※次回更新は11/30(土)になります。
1947年2月20日、茨城県水戸市で生まれる。
この時代、戦後間もない頃だったので当然家庭は裕福なはずもなく、むしろ失業者で溢れかえっていた。
梅の父もまた、まともな仕事に就くことができず、母と二人で日銭を稼ぐ日々を送っていた。
母も父も農業を生業として毎日朝早くから夜遅くまで必死に働きながら、まだ赤ん坊であったワタシの育児をしていた。
ただ、生前の母にこの時の話を聞いたことがあるが、仕事は苦しくても家族3人で一緒に過ごす事ができたのが母も父も幸せであったそう。娘のワタシが2人にとっての生き甲斐と言っていた。
しかし、この幸せも長続きはしなかった。
1953年、ワタシが小学校に入学する年のこと。父が亡くなった。半年程前から体調を崩しており、最近は仕事ができずに寝たきりの状態が続いていた。父は良くなるどころか悪化する一方だったが、貧しかった為医者には行かなかった。
ただ流石にこの時期は高度経済成長期であった為、日本の情勢はかなり良かった。
更に今までは男性が勤労、女性が家庭のイメージが強かったが、女性の勤労者も増えていた。
母もまだまだ幼かったワタシを養うために例に漏れず働いた。
小学生時代、ワタシは周りの同級生と比べて、服装等がみすぼらしい姿だった為、友人と呼べる同級生はいなかった。
勇気を持って話しかけた事もあったが、結局いじめの対象にされるだけだったので一人で過ごす事にした。
そんな少女時代を過ごした為、ワタシはかなり内気な性格になり、母以外の人とは話さないような生活を送っていた為、周りから見れば内気で無口な少女に見えた事だろう。
それは中学時代も似たような感じであった。
(別に話すのが嫌いな訳じゃない。)
実際、まだ幼かった頃のワタシはかなりお転婆であり、よく喋る子どもであった。
それが父が亡くなり、苦しかった生活が更に苦しかった。
それが原因で周りの同級生との間に軋轢ができてしまった。
ワタシの暮していた地域は田舎であり、小学校と中学校はほぼ同級生の顔ぶれが変わる事が無い為、今思い返すとよく自分は9年間あの学校を耐え抜けたと思う。
※
高校には進学せず、そのまま就職しようと思っていた。
しかし、それは母が許さなかった。
「死んだお父さんや私は大した学も無ければお金になりそうな技術も無い。結果、常に貧乏な生活を送ることになった。今までの生活に私は不満があった訳ではないけど裕福な生活を送れるに越したことはない。」
そう言って母は私にせめて高校までは出とけと私を諭した。
正直、気乗りはしなかった。
中学までを考えればワタシにとってせっかく刑期を終えたのに懲役が更に3年伸びた様な感覚であった。
幸いな事に高校は志望校が受かり、地元から離れた場所なので知り合いはいない。
流石に地元から片道2時間かかる高校に行く物好きは他にいない。
高校の入学式の日、重い足取りでワタシは母と2時間かけて高校へと向かう。
「せっかくこれから新しい生活が始まるんだからそんな陰気臭い顔しないの!もしかしたら楽しい事が始まるかもしれないんだから!」
母はワタシをそう言って励ましてくれた。
高校に着き、すぐに入学式が始まる。
新入生は壇上からすぐの位置、保護者は出入り口がある後側の位置である。
当たり前だが、周りを見る限り知り合いは全くいない。
「これから何もなく過ごせれば......」
※
入学式は恙無く終わった。保護者はそのまま体育館に残り、ワタシ達はそれぞれ教室に向かった。
ワタシ達の学年は全部で5クラス。
ワタシのクラスはB組だ。
※
クラスに入ると黒板に席の位置が書かれた紙が貼ってある。どうやら出席番号順の様である。
ワタシは「た行」なので大体クラスの真ん中の列、一番前であった。
周りを見渡す限り、おそらく近所の中学校から皆この高校に入ったのだろう。既にワタシ以外は雑談をしている様子が見られる。
その様子を見ると虚しい気持ちに襲われた。
「まあ、分かっていたことか。」
そんな投げやりな気持ちでいると担任が教室に入って来る。HRだ。
HRも大した内容ではない。1日目なので教科書販売や学校での過ごし方についての説明ばかりであった。
そんなこんなで高校1日目は終了。
ワタシは再び母と2時間かけて高校から自宅に戻っていく。
「あんた、新しいクラスはどうだったん?」
「別に。」
やたらと話しかけてくる母とそれをウザそうにしているワタシ。
帰りの電車は行きよりも長く感じた。
高校2日目、ここで当時のワタシにとって衝撃的な内容が飛び込む。
それは担任のこんな一言であった。
「今日は明後日に行く栃木のオリエンテーション合宿について斑等色々決めてくぞ。」
「がっ......しゅく?」
青天の霹靂とは正にこの事である。
※
結局、2日目は合宿の事についてだけでその日の学校は終わった。
幸か不幸か班決め等は各々でグループを作るものだと思っていたが、まさかの名前順で自動的に班が決まるというものであった。
ほぼ、先生が予め用意した栞を説明を受けながら目を通すだけであった。
クタクタになりながら家に帰ると母は言った。
「明日はオリエンテーション合宿でしょ?準備はある程度してあげたんだから忘れ物無いか確認しなさい。」
「え?合宿の事知ってたの?」
「入学式の日に保護者にも説明があったのよ。」
完全に逃げ場を失ったワタシは結局諦めて合宿へ行くこととなった。
※
そして当日、暗い面持ちで高校へと向かう。
合宿へは高校からバスを使い、移動する。
だけどワタシにとってそこは問題じゃない。
「バス内は2人1組、必ず誰かの隣に座る事になる。」
非常に気まずいの一言に尽きる。
高校に到着し、いよいよ全員バスに乗り込む。
乗ったばかりにも関わらず、特に男子は談笑の声が聞こえてくる。
栃木までの約4時間、無言を貫き通すのは苦行の他ない。
ワタシの隣の子は当たり前だが、ワタシに話しかけてくる事なく、前後の席の子と器用に話している。
人が近くにいるのに特に何もせず過ごすというのは想像以上にキツイ。
何か話しかけた方がいいのかな?
いきなり話しかけて変な奴と思われても......
そういった感情が常に頭をグルグルと回る。
本当に気まずい。
※
結局、ワタシは何をするでもなく栃木に着くまでただ気まずい思いを味わっただけであった。
栃木ではまず、泊まる予定の合宿所?みたいな所に荷物を置いてロビーに集合する。
「予め事前に決めていた班毎に集合して下さい。」
これから行うのは班毎でのグループとなって山林を散歩するというものらしい。
「それで?」と思うかもしれないけど本当にそれだけである。
「何が面白いのやら......」
山林をただ散歩するだけの行事。
怠いだけだと思っていたけど周りは案外楽しんでいる様である。
「楽しくないのは誰とも会話しないワタシだけか。」
不貞腐れながらワタシはただひたすら周りに合わせて歩く。
結局ワタシは誰とも会話せずにレクリエーションを終えた。
時刻は16時過ぎ。この後は各部屋に戻り、夕食や風呂である。
「嫌だなぁ~」
誰かと喋りもしないのに常に誰かといなければいけない。
一人になろうにもそんな場所どこにあるというのだろうか。
※
夕食までのおよそ2時間は、各自部屋にて待機である。
この間は部屋のテレビを見るなり、トランプで遊ぶなり各々の時間を過ごす。
まあ、ワタシには関係ないけど。
部屋に戻ってみると案の定である。
部屋は共同で6人ずつに分けられている。
しかし誰もワタシを気にする者はいなく、2人はテレビを付けてただ眺めている。後の3人は元々入学した時から知り合いなのだろう、トランプで盛り上がっていた。
ワタシも別にやる事も無いし、部屋を出ても合宿所を出ては行けない為、他の2人が付けたテレビを遠目で眺めていた。
だが暫くするとトランプで遊んでた3人がテレビを観てた2人に話しかけた。
「一緒にトランプやらない?流石にこの面子だけだと飽きてきたわ。」
※次回更新は11/30(土)になります。
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