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再会はエスプレッソの香り(1)
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「えっと……これで砂糖とミルクはここに置いて、トレーは……えっと……」
星野宙はカウンターの裏でおぼつかない手つきでコーヒーカップを並べていた。初めてのバイト初日、美術館内のカフェは平日にもかかわらず、ほのかに賑わっている。
「宙くん、そんなに緊張しなくていいって。カフェって言っても美術館だから、変な客は滅多に来ないしさ。」
店長の中川淳太が、気楽そうにウインクしてくる。年上の雇われ店長らしいが、エプロン姿で髪を無造作にまとめた様子は妙に人懐っこい。
「は、はい……すみません……。」
「謝るの禁止ー! ここは芸術の殿堂! お客さんもカフェの空気も、アートだと思えば大体なんとかなる!」
「なんとかなるんですか……?」
「なんとかするのが店長ってもんだ!」
中川が親指を立てた瞬間、店のドアのベルが軽やかに鳴った。
「――いらっしゃいませ!」
思わず反射で声が裏返る宙。
ドアの向こうから現れたのは、落ち着いたスーツ姿の男性だった。
(……!)
宙の心臓が、小さく悲鳴を上げる。
柔らかい髪を無造作に撫でつけ、落ち着いた笑みを浮かべるその人は、紛れもなく――
「お、鈴谷じゃん。コーヒー買いに来た? 今日はブラック? 砂糖多め?」
「いや、今日はブラックで。中川さん、こんにちは。」
鈴谷遼は、学芸員の名札を胸に、穏やかに笑った。その視線がカウンター奥の宙に気づく。
「……あれ? 宙くん?」
「……!!」
(やっぱり、鈴谷さんだ……!)
宙は思わず両手で胸を押さえそうになるのを必死で堪えた。高校まで家庭教師をしてもらっていた人。初恋の相手。忘れようとして忘れられなかった人。
「お久しぶりだね。星野宙くん。」
「……あっ……は、はい……久しぶりです……!」
声が裏返った。顔が熱い。ダメだ、働いてるのに。
「お、知り合い? ていうか家庭教師してたんだっけ、鈴谷。」
「はい、大学の時にね。まさかここで会えるなんて。」
鈴谷はふっと目を細めて笑う。その笑顔は、宙が何度も夢で見た、やさしい微笑みのままだった。
「宙くん、ここでバイトしてるんだ? なんだか嬉しいな。」
「……っ……あの……ありがとうございます……。」
「はは、緊張してる? 可愛いなぁ。」
「か、可愛いとか……!!」
中川が横でくすくす笑いながら、鈴谷にコーヒーを手渡した。
「鈴谷~、今度は宙にだけ奢ってってやってよ。先輩特権ってことで。」
「えっ、中川さんそれズルくない?」
「じゃあ今度な。」
「え……えええ……っ!?」
宙の耳まで真っ赤になるのを見て、鈴谷は楽しそうに笑った。
美術館のアートな空気に、ほろ苦いエスプレッソの香りと、甘くて苦い初恋が、再び混ざり合おうとしていた――。
---
「じゃあ、俺はそろそろ戻るよ。午後から展示の準備もあるし。」
鈴谷がブラックコーヒーを片手に、カップのふちに口をつける。その仕草すら宙にはスローモーションで映る。
「は、はい……お仕事……頑張ってください……!」
「あはは、ありがとう。宙くんも、バイト頑張ってね。」
ニコッと笑って、鈴谷は軽く手を振って店を出て行った。
カラン、とドアベルの音が去っていく。
「……」
「……宙くん?」
「……はっ、はぃっ!?」
宙は中川の声に、夢から叩き起こされたみたいにビクッと背筋を伸ばした。
「いやぁ~宙くん、鈴谷に教わってたって言うからさ、てっきり塾講師とかかと思ったんだけど、家庭教師だったの? 個人で?」
「……あ、はい……高校受験の時に……」
中川は興味津々にニヤニヤしている。
これは絶対、余計なことを言ってくる顔だ。
「へぇー、家庭教師ってさ、家に来るんだよね? 宙くん家、誰か他に家族いるの?」
「あ……妹が一人……います……。」
「へぇ! 妹ちゃん! どんな子? 可愛い?」
「か、可愛いっていうか……普通です……普通の専門学生で……あんまり……」
言いながら、(あー陽里、今度来たら絶対この店長にいじられる……!)と内心で頭を抱えた。
「そっかぁ、いつか顔出さないかな~。お兄ちゃんバイトしてるとこ、見たいだろうし?」
「……か、顔は……出すかもです……時々、心配して来るから……」
「妹ちゃん公認で見守られてる兄! いいじゃん、青春だねぇ!」
(青春って……なんだ……。)
宙は思わずカウンターの端をギュッと掴んだ。
それよりも――今の問題はそこじゃない。
(……鈴谷さん……覚えてるかな……。)
思い出しただけで耳まで熱くなる。
あの頃。
まだ中学の制服を着て、必死に机に向かっていた自分。
(……ノートに挟んでた、鈴谷さんの落書き……。)
ただの勉強ノートの間に、こっそり挟んでたルーズリーフ。
「先生、寝癖ひどいな」とか「笑うと優しそうだな」とか、全部、思ったまま線にして描いて、ついでにハートとかまでつけて。
あれを、鈴谷が気づかずにパラパラめくって、「これ何?」って無邪気に聞かれたときの、あの地獄。
(……覚えてないよね……覚えてたら死ぬ……!!)
「……宙くん、顔真っ赤だけど大丈夫? 熱?」
「ちがっ……ちがいますっ!」
「おおこわいこわい、若者の恋は火力が違うな~」
「……こ、恋って……! なに言ってるんですか店長……!」
「いやぁ~恋以外でそんな赤くなれるの逆にすごいって。」
中川がにやにやとカップを拭きながら、ちらりと入り口の方を見る。
「でも宙くん、鈴谷ってさ……ああ見えてけっこう面倒見いいからさ~。職員からも人気だし。」
「……はい……。」
「もしかして……まだ好きとか思ってんじゃないの?」
「~~~~~~っ!!」
中川の口を両手で塞ぎたい衝動を必死で堪えながら、宙は顔を真っ赤にしたまま、カウンターの奥に隠れた。
――こんな初日で、宙の心臓はもう限界寸前だった。
星野宙はカウンターの裏でおぼつかない手つきでコーヒーカップを並べていた。初めてのバイト初日、美術館内のカフェは平日にもかかわらず、ほのかに賑わっている。
「宙くん、そんなに緊張しなくていいって。カフェって言っても美術館だから、変な客は滅多に来ないしさ。」
店長の中川淳太が、気楽そうにウインクしてくる。年上の雇われ店長らしいが、エプロン姿で髪を無造作にまとめた様子は妙に人懐っこい。
「は、はい……すみません……。」
「謝るの禁止ー! ここは芸術の殿堂! お客さんもカフェの空気も、アートだと思えば大体なんとかなる!」
「なんとかなるんですか……?」
「なんとかするのが店長ってもんだ!」
中川が親指を立てた瞬間、店のドアのベルが軽やかに鳴った。
「――いらっしゃいませ!」
思わず反射で声が裏返る宙。
ドアの向こうから現れたのは、落ち着いたスーツ姿の男性だった。
(……!)
宙の心臓が、小さく悲鳴を上げる。
柔らかい髪を無造作に撫でつけ、落ち着いた笑みを浮かべるその人は、紛れもなく――
「お、鈴谷じゃん。コーヒー買いに来た? 今日はブラック? 砂糖多め?」
「いや、今日はブラックで。中川さん、こんにちは。」
鈴谷遼は、学芸員の名札を胸に、穏やかに笑った。その視線がカウンター奥の宙に気づく。
「……あれ? 宙くん?」
「……!!」
(やっぱり、鈴谷さんだ……!)
宙は思わず両手で胸を押さえそうになるのを必死で堪えた。高校まで家庭教師をしてもらっていた人。初恋の相手。忘れようとして忘れられなかった人。
「お久しぶりだね。星野宙くん。」
「……あっ……は、はい……久しぶりです……!」
声が裏返った。顔が熱い。ダメだ、働いてるのに。
「お、知り合い? ていうか家庭教師してたんだっけ、鈴谷。」
「はい、大学の時にね。まさかここで会えるなんて。」
鈴谷はふっと目を細めて笑う。その笑顔は、宙が何度も夢で見た、やさしい微笑みのままだった。
「宙くん、ここでバイトしてるんだ? なんだか嬉しいな。」
「……っ……あの……ありがとうございます……。」
「はは、緊張してる? 可愛いなぁ。」
「か、可愛いとか……!!」
中川が横でくすくす笑いながら、鈴谷にコーヒーを手渡した。
「鈴谷~、今度は宙にだけ奢ってってやってよ。先輩特権ってことで。」
「えっ、中川さんそれズルくない?」
「じゃあ今度な。」
「え……えええ……っ!?」
宙の耳まで真っ赤になるのを見て、鈴谷は楽しそうに笑った。
美術館のアートな空気に、ほろ苦いエスプレッソの香りと、甘くて苦い初恋が、再び混ざり合おうとしていた――。
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「じゃあ、俺はそろそろ戻るよ。午後から展示の準備もあるし。」
鈴谷がブラックコーヒーを片手に、カップのふちに口をつける。その仕草すら宙にはスローモーションで映る。
「は、はい……お仕事……頑張ってください……!」
「あはは、ありがとう。宙くんも、バイト頑張ってね。」
ニコッと笑って、鈴谷は軽く手を振って店を出て行った。
カラン、とドアベルの音が去っていく。
「……」
「……宙くん?」
「……はっ、はぃっ!?」
宙は中川の声に、夢から叩き起こされたみたいにビクッと背筋を伸ばした。
「いやぁ~宙くん、鈴谷に教わってたって言うからさ、てっきり塾講師とかかと思ったんだけど、家庭教師だったの? 個人で?」
「……あ、はい……高校受験の時に……」
中川は興味津々にニヤニヤしている。
これは絶対、余計なことを言ってくる顔だ。
「へぇー、家庭教師ってさ、家に来るんだよね? 宙くん家、誰か他に家族いるの?」
「あ……妹が一人……います……。」
「へぇ! 妹ちゃん! どんな子? 可愛い?」
「か、可愛いっていうか……普通です……普通の専門学生で……あんまり……」
言いながら、(あー陽里、今度来たら絶対この店長にいじられる……!)と内心で頭を抱えた。
「そっかぁ、いつか顔出さないかな~。お兄ちゃんバイトしてるとこ、見たいだろうし?」
「……か、顔は……出すかもです……時々、心配して来るから……」
「妹ちゃん公認で見守られてる兄! いいじゃん、青春だねぇ!」
(青春って……なんだ……。)
宙は思わずカウンターの端をギュッと掴んだ。
それよりも――今の問題はそこじゃない。
(……鈴谷さん……覚えてるかな……。)
思い出しただけで耳まで熱くなる。
あの頃。
まだ中学の制服を着て、必死に机に向かっていた自分。
(……ノートに挟んでた、鈴谷さんの落書き……。)
ただの勉強ノートの間に、こっそり挟んでたルーズリーフ。
「先生、寝癖ひどいな」とか「笑うと優しそうだな」とか、全部、思ったまま線にして描いて、ついでにハートとかまでつけて。
あれを、鈴谷が気づかずにパラパラめくって、「これ何?」って無邪気に聞かれたときの、あの地獄。
(……覚えてないよね……覚えてたら死ぬ……!!)
「……宙くん、顔真っ赤だけど大丈夫? 熱?」
「ちがっ……ちがいますっ!」
「おおこわいこわい、若者の恋は火力が違うな~」
「……こ、恋って……! なに言ってるんですか店長……!」
「いやぁ~恋以外でそんな赤くなれるの逆にすごいって。」
中川がにやにやとカップを拭きながら、ちらりと入り口の方を見る。
「でも宙くん、鈴谷ってさ……ああ見えてけっこう面倒見いいからさ~。職員からも人気だし。」
「……はい……。」
「もしかして……まだ好きとか思ってんじゃないの?」
「~~~~~~っ!!」
中川の口を両手で塞ぎたい衝動を必死で堪えながら、宙は顔を真っ赤にしたまま、カウンターの奥に隠れた。
――こんな初日で、宙の心臓はもう限界寸前だった。
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