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549発表
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拓は姿を消してひな壇から会場を見てみると、全席埋まっていて立ち見までいる。
緊張してきたが話をするハックの手前、何でもない様に振舞っていた。
神官長の挨拶の後 拓が紹介され大きな拍手で迎えられた。
発表が始まると、多くの治癒魔導士達から質問が出てきた。
拓が重箱の隅を楊枝でほじくる様なと思っていた内容までしっかりと聞いて来る。
時々拓に振られるが、殆どが事前に確認していた内容で問題無く応えられていた。
そしていよいよハックの発表の番。
様子を見ていた拓は、ハック以上に緊張してしまう。
しかし、拓の緊張を他所に、ハックはしっかりとした感じで話をし、会場から大きな拍手を貰っていた。
質問に対しては、拓もフォローしたが大成功と言える。
拓は今回のハックの話で、初めてハックが自分の治療についてどの様な視点で見ていたのかと知ることが出来た。
ハッキリ言って、全く気に留めても無かった点が多い。
意思疎通が出来ていそうで、全く出来ていなかったと反省するしかなかった。
予定の時間を大幅に超えて学会は無事に終了。
「ハック、凄く良かったよ。」
拓が褒めると、ハックは本当に嬉しそうにする。
ルーカスもやって来て自分の事の様に喜んでいた。
誰も居なくなった発表者の待機室で、拓とルーカスはハックの成功を祝っていた。
「所でピース神官とトリス神官が何処に居るか知ってる?渡しておきたい物が有るんだけど。」
拓に聞かれてルーカスに連れて行かれたのは懇親会場。
2人は忙しそうに治癒魔導士達の相手をしていた。
「忙しそうだから、今度にしようかな。俺はそろそろ帰るけど2人が懇親会にでるのなら終わったころに迎えに来るよ。」
拓が帰ろうとするのを、ルーカスとハックがしっかりと捕まえる。
「何を言っているんですか。拓さんが出席しないでどうするんです。行きますよ。」
ハックがそう言って拓の腕を引っ張ると、ルーカスも拓を連れて会場の中へ入っていく。
拓が姿を表すと会場がざわつき、全員が拓へと視線を向ける。
その中をハックとルーカスは自慢気に歩いているが、拓は『何で俺はここに居るのだろうか』と思いながら2人の後を付いて行く。
「拓殿。呼びに行こうかと思っていた所でした。」
「学会の成功、おめでとうございます。皆さんの努力が報われて何よりです。」
「今回の成功は拓殿のお力が有っての事です。本当にありがとうございました。」
拓としては妙に注目をされていて居心地が悪い。
拓がピース神官とトリス神官に話が有るので、場所を移動できないかと言うと
2人は頷き、側に居た神官に「少し席を外す」と言って拓達と一緒に個室へ移動する。
「話というのは何でしょうか?」
席に着くとトリス神官が話しかける。
「2人にこれを渡しておこうと思いまして。2人でしたらもっと多くの人を救えると思います。」
拓はアイテムボックスから魔力を貯める腕輪を取り出して2人に渡す。
「力になれるよう、今後とも精進を続けていきます。」
「ここまで気を使って頂き、誠に感謝致します。」
2人はそれを見て、深々と頭を下げた。
「こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。」
拓が頭を下げると、ハックとルーカスも慌てて頭を下げる。
ピース神官とトリス神官はさっそく腕輪をはめて魔力を流してみるが、なかなか溜まらない。
自分達が受け取ったのが想像以上の魔道具だと知り、改めて気を引き締めていた。
拓としてはこれで用事も全て終わったので帰ろうと考えていたが、
今度はハックとルーカスだけでなくピース神官とトリス神官も加わり連行される様に懇親会へ連れて行かれた。
多くの治癒魔導士に挨拶をされ、拓は今度行われる魔獣討伐で怪我人が出た時の対応をお願いしていた。
ただ、どの治癒魔導士も今回教わった知識を試してみたそうで、まるで怪我人が大勢出る事を望んでいるかのように見える。
拓には周囲の人間がマッドサイエンティストに思えて怖い。
懇親会は真夜中まで続き、拓、ハック、ルーカスは神殿に用意してもらった部屋で休む事にした。
途中、通信の魔道具でガラ、レオに連絡を取ると、2人は初めからそうなると思っていた様で、明日エチゴ屋で合流することになった。
緊張してきたが話をするハックの手前、何でもない様に振舞っていた。
神官長の挨拶の後 拓が紹介され大きな拍手で迎えられた。
発表が始まると、多くの治癒魔導士達から質問が出てきた。
拓が重箱の隅を楊枝でほじくる様なと思っていた内容までしっかりと聞いて来る。
時々拓に振られるが、殆どが事前に確認していた内容で問題無く応えられていた。
そしていよいよハックの発表の番。
様子を見ていた拓は、ハック以上に緊張してしまう。
しかし、拓の緊張を他所に、ハックはしっかりとした感じで話をし、会場から大きな拍手を貰っていた。
質問に対しては、拓もフォローしたが大成功と言える。
拓は今回のハックの話で、初めてハックが自分の治療についてどの様な視点で見ていたのかと知ることが出来た。
ハッキリ言って、全く気に留めても無かった点が多い。
意思疎通が出来ていそうで、全く出来ていなかったと反省するしかなかった。
予定の時間を大幅に超えて学会は無事に終了。
「ハック、凄く良かったよ。」
拓が褒めると、ハックは本当に嬉しそうにする。
ルーカスもやって来て自分の事の様に喜んでいた。
誰も居なくなった発表者の待機室で、拓とルーカスはハックの成功を祝っていた。
「所でピース神官とトリス神官が何処に居るか知ってる?渡しておきたい物が有るんだけど。」
拓に聞かれてルーカスに連れて行かれたのは懇親会場。
2人は忙しそうに治癒魔導士達の相手をしていた。
「忙しそうだから、今度にしようかな。俺はそろそろ帰るけど2人が懇親会にでるのなら終わったころに迎えに来るよ。」
拓が帰ろうとするのを、ルーカスとハックがしっかりと捕まえる。
「何を言っているんですか。拓さんが出席しないでどうするんです。行きますよ。」
ハックがそう言って拓の腕を引っ張ると、ルーカスも拓を連れて会場の中へ入っていく。
拓が姿を表すと会場がざわつき、全員が拓へと視線を向ける。
その中をハックとルーカスは自慢気に歩いているが、拓は『何で俺はここに居るのだろうか』と思いながら2人の後を付いて行く。
「拓殿。呼びに行こうかと思っていた所でした。」
「学会の成功、おめでとうございます。皆さんの努力が報われて何よりです。」
「今回の成功は拓殿のお力が有っての事です。本当にありがとうございました。」
拓としては妙に注目をされていて居心地が悪い。
拓がピース神官とトリス神官に話が有るので、場所を移動できないかと言うと
2人は頷き、側に居た神官に「少し席を外す」と言って拓達と一緒に個室へ移動する。
「話というのは何でしょうか?」
席に着くとトリス神官が話しかける。
「2人にこれを渡しておこうと思いまして。2人でしたらもっと多くの人を救えると思います。」
拓はアイテムボックスから魔力を貯める腕輪を取り出して2人に渡す。
「力になれるよう、今後とも精進を続けていきます。」
「ここまで気を使って頂き、誠に感謝致します。」
2人はそれを見て、深々と頭を下げた。
「こちらこそ、今後とも宜しくお願い致します。」
拓が頭を下げると、ハックとルーカスも慌てて頭を下げる。
ピース神官とトリス神官はさっそく腕輪をはめて魔力を流してみるが、なかなか溜まらない。
自分達が受け取ったのが想像以上の魔道具だと知り、改めて気を引き締めていた。
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今度はハックとルーカスだけでなくピース神官とトリス神官も加わり連行される様に懇親会へ連れて行かれた。
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ただ、どの治癒魔導士も今回教わった知識を試してみたそうで、まるで怪我人が大勢出る事を望んでいるかのように見える。
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