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第16話 新たな関係性
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オズワルドがオーレルム領にやって来て二月と少し、17歳だったオズワルドが遂に18歳を迎えた。
王族の誕生日だと言う事もあり、この日はオーレルム領全体で祝われる事になった。
既にオズワルドが将来オーレルム領で暮らすのではないかと、領民達の間では噂が広がっている。
それもエストリアの婿として、移住してくれるのではないかと期待もされている。
そんな状況であった為に、今朝からあちこちでお祭りモードであった。
オーレルム領では目出度い事は皆で祝うものであり、気さくな人々が多い事から1日中明るいムードが続いている。
オズワルドは王族の一員として、要塞都市マルカの中を満遍なく周り感謝で返した。
そう言ったパフォーマンスも時には必要である事を彼は良く理解している。
良い話題を提供する事で、国民のモチベーションを維持させるのも重要な仕事だ。そしてそんなオズワルドをエストリアが労う。
「お疲れ様でした、オズワルド様」
「なに、王都を周るのと比べれば楽なものさ」
「王都ですか……もうどれぐらいの広さか、私は覚えていないです」
レアル王国の貴族は、5歳を迎える年に王城でお披露目会が行われる。
子供は幼い間に死んでしまう事もあり、大体5歳ぐらいがその節目だと言われているからだ。
それ以降の死亡率は大きく低下している。つまり21歳まで生きているエストリアも、当然5歳の時に王城でお披露目会に出席している。
それ以降は一度も王都に行っておらず、古い記憶しかないので王都の今を知らない。物凄く広かった、という抽象的な記憶しかエストリアにはない。
もし自分が次に王都を訪れる日が来るとしたら、国王が亡くなって国葬を行う時ぐらいだろう。エストリアはそう思って暮らして来た。
「ならば次は俺が王都を案内しよう。ここを貴女に案内して貰った様に」
「ふふ。ではもし行く事があれば、その時はお願いしますね」
「あ~~いや、その……連れて行く予定と言うか」
要塞都市マルカの中にある、小高い丘の上。都市内全域を見渡せる監視塔の上で、夕日に照らされているエストリアとオズワルド。
夕日のせいなのか別の要因によるものか、心なしかオズワルドの顔が赤くなっている様に見える。
エストリアはそんな彼の言葉の意味が分からない。王都に行く予定など全くないのに、何故オズワルドがそんな事を言い始めたのだろうかと。
そうエストリアが悩んでいる内に、オズワルドは護衛達に目配せをした。それに気が付いた隊長のトールが、他の護衛達を連れて塔の上から降りていく。
「エストリアには本当に世話になった」
「? 急にどうしたのですか?」
「まあ聞いてくれ。貴女のお陰で、色んな事を知った。領民達や、辺境の暮らしを体験出来た」
オズワルドが知らなかった様々な事を、エストリアが見せてくれた。作物の収穫や、保管に関する豆知識。
オーレルム領特有の調理法は、オズワルドの良い刺激となった。領内の子供達との触れ合いは、彼が目指す王族の在り方を再認識させてくれた。
魔物の脅威に晒されながらも、強く生きる人々の逞しさを知った。そのどれもが、オズワルドには尊いモノに思えた。
王都にだってもちろん重要な価値もあるし、そこでも人々は懸命に生きている。
そこに違いは無いけれど、それでもオズワルドは骨を埋めるならこの地が良いと思った。
この美しい辺境の地で、目の前の魅力的な女性と共に。
「俺は強く惹かれた、この地に。そして貴女に」
「…………えっ?」
「エストリア、俺の妻になって欲しい」
オズワルドはエストリアの目の前で跪き、彼女の右手を左手で取る。
そしてポケットから取り出した金色の髪留めを彼女の掌に載せた。
レアル王国では、自身を示す色を反映させた髪飾りを贈るのが婚約の証だとされている。
オズワルドが用意して来たのは、自身の髪色を示す純金で出来た髪留めだ。
それだけではなくオズワルドの瞳と同じ色をした紺碧の宝石、ブルーサファイアがその中心に嵌められている。
どこからどう見ても高級品であり、冗談でこんな物は用意出来ない。それぐらいエストリアにも分かる。
この行為が、婚約を求める行動であるという事も。
「ど、どう……して……」
「俺も貴女の様に、民と共に生きる王族でありたい。貴女と一緒なら、実現出来ると思ったから」
「……本気、なのですか?」
「貴女が言ったじゃないか、俺達は家族みたいなものなんだろう? だったら本当の家族になろう」
オズワルドは疲弊していた、王座を巡る争いで。兄弟で殺し合う関係に嫌気がしていた。
そんな彼の命も、心も救ってみせたのはエストリアだ。傷ついたオズワルドを癒し、ここに居れば良いとまで言われた。
そのお陰で楽しい時間を送れたし、王族の責任についても再確認する事が出来た。
この地の重要さを理解し、守らねばならないと強く思えた。自分がここに居る事で、その手伝いが出来るのならば喜んでしようと心から思えた。
そして同時に、守りたいと思える特別な人も出来た。だから成人したその日に、こうして婚約を申し込もうと決めていた。
「あの夜の答えを教える。鼓動が早くなるのは、好意が原因だ」
「え?」
「俺も同じだ。貴女と居るから、鼓動は高鳴っている」
「こ、これが、好意なのですか!?」
オズワルドに指摘された事で、エストリアにもやっと理解出来た。他の男性とは違う、オズワルドが相手の時だけ発生する症状。
そしてエストリアの心臓もまた、今も激しく動いている。その原因が、自分に生まれた感情の正体が、好意だという事を知った。
今まで経験が無かったから分からなかっただけなのだ。恋をするという事の意味と、心の動きが。
オズワルドを見ていると、沸き上がる不思議な感情、これが恋心なのだと。
自分達は同じ思いを、お互いに感じているのだと理解した。
弟の様なものと感じていたのは、それだけ心理的に親しみのある人間だという証だったのだ。
それにエストリアは見て来たから知っている、この人であれば自分と同じ生き方をしてくれると。
民と共に生きたい、その願いを一緒に求めてくれる人だと。それならばもう、エストリアの答えは1つしかない。
「どうだろうエストリア、俺と婚約してくれないか?」
「オズワルド様、その……謹んでお受けいたします」
「そ、そうか! これからも宜しく頼む」
この日エストリアとオズワルドの婚約は正式に結ばれる事になった。オズワルドの誕生日が、エストリアの婚約が決まった日にもなった。
その事はすぐに領内に知れ渡り、数日間は盛り上がったという。ただ1人涙を流した1人の兄を除いて。
王族の誕生日だと言う事もあり、この日はオーレルム領全体で祝われる事になった。
既にオズワルドが将来オーレルム領で暮らすのではないかと、領民達の間では噂が広がっている。
それもエストリアの婿として、移住してくれるのではないかと期待もされている。
そんな状況であった為に、今朝からあちこちでお祭りモードであった。
オーレルム領では目出度い事は皆で祝うものであり、気さくな人々が多い事から1日中明るいムードが続いている。
オズワルドは王族の一員として、要塞都市マルカの中を満遍なく周り感謝で返した。
そう言ったパフォーマンスも時には必要である事を彼は良く理解している。
良い話題を提供する事で、国民のモチベーションを維持させるのも重要な仕事だ。そしてそんなオズワルドをエストリアが労う。
「お疲れ様でした、オズワルド様」
「なに、王都を周るのと比べれば楽なものさ」
「王都ですか……もうどれぐらいの広さか、私は覚えていないです」
レアル王国の貴族は、5歳を迎える年に王城でお披露目会が行われる。
子供は幼い間に死んでしまう事もあり、大体5歳ぐらいがその節目だと言われているからだ。
それ以降の死亡率は大きく低下している。つまり21歳まで生きているエストリアも、当然5歳の時に王城でお披露目会に出席している。
それ以降は一度も王都に行っておらず、古い記憶しかないので王都の今を知らない。物凄く広かった、という抽象的な記憶しかエストリアにはない。
もし自分が次に王都を訪れる日が来るとしたら、国王が亡くなって国葬を行う時ぐらいだろう。エストリアはそう思って暮らして来た。
「ならば次は俺が王都を案内しよう。ここを貴女に案内して貰った様に」
「ふふ。ではもし行く事があれば、その時はお願いしますね」
「あ~~いや、その……連れて行く予定と言うか」
要塞都市マルカの中にある、小高い丘の上。都市内全域を見渡せる監視塔の上で、夕日に照らされているエストリアとオズワルド。
夕日のせいなのか別の要因によるものか、心なしかオズワルドの顔が赤くなっている様に見える。
エストリアはそんな彼の言葉の意味が分からない。王都に行く予定など全くないのに、何故オズワルドがそんな事を言い始めたのだろうかと。
そうエストリアが悩んでいる内に、オズワルドは護衛達に目配せをした。それに気が付いた隊長のトールが、他の護衛達を連れて塔の上から降りていく。
「エストリアには本当に世話になった」
「? 急にどうしたのですか?」
「まあ聞いてくれ。貴女のお陰で、色んな事を知った。領民達や、辺境の暮らしを体験出来た」
オズワルドが知らなかった様々な事を、エストリアが見せてくれた。作物の収穫や、保管に関する豆知識。
オーレルム領特有の調理法は、オズワルドの良い刺激となった。領内の子供達との触れ合いは、彼が目指す王族の在り方を再認識させてくれた。
魔物の脅威に晒されながらも、強く生きる人々の逞しさを知った。そのどれもが、オズワルドには尊いモノに思えた。
王都にだってもちろん重要な価値もあるし、そこでも人々は懸命に生きている。
そこに違いは無いけれど、それでもオズワルドは骨を埋めるならこの地が良いと思った。
この美しい辺境の地で、目の前の魅力的な女性と共に。
「俺は強く惹かれた、この地に。そして貴女に」
「…………えっ?」
「エストリア、俺の妻になって欲しい」
オズワルドはエストリアの目の前で跪き、彼女の右手を左手で取る。
そしてポケットから取り出した金色の髪留めを彼女の掌に載せた。
レアル王国では、自身を示す色を反映させた髪飾りを贈るのが婚約の証だとされている。
オズワルドが用意して来たのは、自身の髪色を示す純金で出来た髪留めだ。
それだけではなくオズワルドの瞳と同じ色をした紺碧の宝石、ブルーサファイアがその中心に嵌められている。
どこからどう見ても高級品であり、冗談でこんな物は用意出来ない。それぐらいエストリアにも分かる。
この行為が、婚約を求める行動であるという事も。
「ど、どう……して……」
「俺も貴女の様に、民と共に生きる王族でありたい。貴女と一緒なら、実現出来ると思ったから」
「……本気、なのですか?」
「貴女が言ったじゃないか、俺達は家族みたいなものなんだろう? だったら本当の家族になろう」
オズワルドは疲弊していた、王座を巡る争いで。兄弟で殺し合う関係に嫌気がしていた。
そんな彼の命も、心も救ってみせたのはエストリアだ。傷ついたオズワルドを癒し、ここに居れば良いとまで言われた。
そのお陰で楽しい時間を送れたし、王族の責任についても再確認する事が出来た。
この地の重要さを理解し、守らねばならないと強く思えた。自分がここに居る事で、その手伝いが出来るのならば喜んでしようと心から思えた。
そして同時に、守りたいと思える特別な人も出来た。だから成人したその日に、こうして婚約を申し込もうと決めていた。
「あの夜の答えを教える。鼓動が早くなるのは、好意が原因だ」
「え?」
「俺も同じだ。貴女と居るから、鼓動は高鳴っている」
「こ、これが、好意なのですか!?」
オズワルドに指摘された事で、エストリアにもやっと理解出来た。他の男性とは違う、オズワルドが相手の時だけ発生する症状。
そしてエストリアの心臓もまた、今も激しく動いている。その原因が、自分に生まれた感情の正体が、好意だという事を知った。
今まで経験が無かったから分からなかっただけなのだ。恋をするという事の意味と、心の動きが。
オズワルドを見ていると、沸き上がる不思議な感情、これが恋心なのだと。
自分達は同じ思いを、お互いに感じているのだと理解した。
弟の様なものと感じていたのは、それだけ心理的に親しみのある人間だという証だったのだ。
それにエストリアは見て来たから知っている、この人であれば自分と同じ生き方をしてくれると。
民と共に生きたい、その願いを一緒に求めてくれる人だと。それならばもう、エストリアの答えは1つしかない。
「どうだろうエストリア、俺と婚約してくれないか?」
「オズワルド様、その……謹んでお受けいたします」
「そ、そうか! これからも宜しく頼む」
この日エストリアとオズワルドの婚約は正式に結ばれる事になった。オズワルドの誕生日が、エストリアの婚約が決まった日にもなった。
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