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第二章 マレビト
024-1
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ナインさんが前世、クロウリーさんだったと告白してから一ヶ月ぐらい姿を見ていない。
でも、ノエルさんに頼まれて食事だけは作っていたし、器は返って来ていたから、何て言うか……。
「今日もキレイに食ったな。生存確認完了だ」
満足気なラズロさん。
言い方はちょっと、って思うけど、その通りで、ナインさんが食べてくれているようでその点は安心してる。
ナインさんは何をしているかと言うと、トキア様、ノエルさん、ティール様、レンレンさん? 様? による検査を受けているらしい。
大丈夫かなぁ、ナインさん……。
『マレビトはやはり訪れたようだな』
振り返ると、マグロがいた。
二股のしっぽをゆらりと振っている。
「猫が喋った?!」
驚きすぎてラズロさんの声がちょっと裏返ってるけど、聞かなかった事にしよう。
「パフィ」
マグロを通して魔女のパシュパフィッツェが話しかけてきた。使い魔を通しての会話。面倒だって言ってあんまりやりたがらなかったのに。
それだけ気になってるって事なのかな。
「ラズロさん、使い魔のマグロを通して魔女が話しかけてきているんです」
説明すると、お、おぉ……とラズロさんはマグロを見て頷いた。大丈夫かな。僕は何度もこの状態で話をした事があるから慣れてるけど、普通の人はびっくりするよね。
猫が喋るんだから。
『おまえは?』
マグロがラズロさんを見る。
「僕を色々と助けてくれているラズロさんです」
「……ラズロです」
マグロはじっとラズロさんを見つめてる。
前に魔女に教えてもらったけど、マグロの感覚の全てと共有、と言う事が出来るんだって。だから、マグロの目を通してラズロさんを見てるんだと思う。
『アシュリーが世話になっているようだな』
「あ、いえ、こちらこそお世話になってます」
ラズロさんの口調がおかしくなってる。緊張してるのかな。
マグロは僕の方を向いた。
ラズロさんがほっと息を吐く。
『マレビト殿とは上手くやれそうか?』
魔女の言うマレビトが誰の事かははっきりと分からないけど、なんとなくナインさんの事じゃないかな、と思った。
「パフィ、前世の記憶のある人に知り合いはいますか?」
マグロは軽々とジャンプして台の上にのると、おすわりをする。
『魂の見極めが出来んと思ったら、記憶持ちか』
頷く。
「クロウリーという、魔術師の人の記憶があるようです」
『クロウリー? クロウリー・フォン・アルティミシアンか?』
「家名までは分からないです、ごめんなさい」
「確か、そんな名前をティールが言ってたな……」
ラズロさんがぼそりと答えると、マグロは目を閉じた。
中が魔女になっているから、なんだかすごく人間っぽく見える。
『面倒な奴の記憶を引き継いだものだ』
稀代の魔術師として有名だった、ってノエルさんも言ってたし、魔女も知ってるんだね。
『記憶の影響を受けていそうか?』
「それを調べているみたいです」
なるほどな、と答えると、マグロはその場にゴロ寝した。これ、魔女が横になったからマグロもこうなるんだよね。
「パフィ……」
『堅苦しい事を言うな。誰も見ておらんし、おまえ達には愛くるしい猫が横になっているだけにしか見えまい』
そうなんだけど……。
でも、ノエルさんに頼まれて食事だけは作っていたし、器は返って来ていたから、何て言うか……。
「今日もキレイに食ったな。生存確認完了だ」
満足気なラズロさん。
言い方はちょっと、って思うけど、その通りで、ナインさんが食べてくれているようでその点は安心してる。
ナインさんは何をしているかと言うと、トキア様、ノエルさん、ティール様、レンレンさん? 様? による検査を受けているらしい。
大丈夫かなぁ、ナインさん……。
『マレビトはやはり訪れたようだな』
振り返ると、マグロがいた。
二股のしっぽをゆらりと振っている。
「猫が喋った?!」
驚きすぎてラズロさんの声がちょっと裏返ってるけど、聞かなかった事にしよう。
「パフィ」
マグロを通して魔女のパシュパフィッツェが話しかけてきた。使い魔を通しての会話。面倒だって言ってあんまりやりたがらなかったのに。
それだけ気になってるって事なのかな。
「ラズロさん、使い魔のマグロを通して魔女が話しかけてきているんです」
説明すると、お、おぉ……とラズロさんはマグロを見て頷いた。大丈夫かな。僕は何度もこの状態で話をした事があるから慣れてるけど、普通の人はびっくりするよね。
猫が喋るんだから。
『おまえは?』
マグロがラズロさんを見る。
「僕を色々と助けてくれているラズロさんです」
「……ラズロです」
マグロはじっとラズロさんを見つめてる。
前に魔女に教えてもらったけど、マグロの感覚の全てと共有、と言う事が出来るんだって。だから、マグロの目を通してラズロさんを見てるんだと思う。
『アシュリーが世話になっているようだな』
「あ、いえ、こちらこそお世話になってます」
ラズロさんの口調がおかしくなってる。緊張してるのかな。
マグロは僕の方を向いた。
ラズロさんがほっと息を吐く。
『マレビト殿とは上手くやれそうか?』
魔女の言うマレビトが誰の事かははっきりと分からないけど、なんとなくナインさんの事じゃないかな、と思った。
「パフィ、前世の記憶のある人に知り合いはいますか?」
マグロは軽々とジャンプして台の上にのると、おすわりをする。
『魂の見極めが出来んと思ったら、記憶持ちか』
頷く。
「クロウリーという、魔術師の人の記憶があるようです」
『クロウリー? クロウリー・フォン・アルティミシアンか?』
「家名までは分からないです、ごめんなさい」
「確か、そんな名前をティールが言ってたな……」
ラズロさんがぼそりと答えると、マグロは目を閉じた。
中が魔女になっているから、なんだかすごく人間っぽく見える。
『面倒な奴の記憶を引き継いだものだ』
稀代の魔術師として有名だった、ってノエルさんも言ってたし、魔女も知ってるんだね。
『記憶の影響を受けていそうか?』
「それを調べているみたいです」
なるほどな、と答えると、マグロはその場にゴロ寝した。これ、魔女が横になったからマグロもこうなるんだよね。
「パフィ……」
『堅苦しい事を言うな。誰も見ておらんし、おまえ達には愛くるしい猫が横になっているだけにしか見えまい』
そうなんだけど……。
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