3 / 29
過去2
しおりを挟む
真っ白な部屋で大の字で寝転がりながら、大きな瞳から涙をこぼす柊の顔を思い出す。
(守れたけど、泣かせちゃったな~)
「なぁなぁ、柊ってあのあと怪我とかしてないかな~?」
『気になるなら自分の目で確かめたらいい』
「そっか~ そうだよな~ うんありがとじいちゃん、自分で確かめるよ」
◇ ◇ ◇
身体が1ミリも動かない
目のまわりに全集中してなんとか薄目をあける
「朔!!朔!」
母さんの声が聞こえて、ゆっくり口を動かすけど、声がうまく出せないや。
「しゅ…だじょ…ぶ?」
「柊くんは大丈夫よ、あっ、先生、先生呼ばなきゃ」
ワタワタと動く母さんの気配を感じながら、オレは目を閉じた。
(柊無事だったんだよかった)
その後、また意識を手放したオレが目を覚ましたのは、桜が散って、柊の入学式が終わったあとだった。
色んな人がお見舞いに来てくれて、泣かれたりした。
目覚めて一番、オレが「柊は?」って聞いたから、すぐに連絡してくれて、泣きながら面会に来てくれた。
入り口で「ごべんなさーぃ」って謝る柊の顔がよく視えなくて、近くに寄ってもらってその手をギュッと握ると、
「柊が無事でよかった」
って笑顔で伝えて。
ちょっと痩せた柊に
また一緒にバスケしたいからいっぱい食べていっぱい練習しろよー
とか色々言った気がする。
周りの大人たちがすすり泣く声が聞こえたけど、その表情はわからなかった。
◇ ◇ ◇
結果的に、オレは事故で、視力がものすごーく悪くなって、脚もあまり動かなくなっていた。
前みたいにバスケ、出来ないんだってさ。
でも、オレ、柊を助けて事故ったこと後悔してない。
なんか、オレ、約5ヶ月間眠ってる間も、「しゅう、しゅう」ってうわ言が煩かったらしい。はっずかし~。まぁオレの柊への溺愛はみんな知ってることだけど。
目覚めてから
「もうあんなむちゃしないで」
って母さんに泣かれたけど、
「同じことがあっても、何度でも柊を助ける」
って言っちゃって、まぁさらに母さんにさらに泣かれたり。
オレがそんなんだから、オレの怪我の原因になった(って言っても悪いのはトラックだけど)柊ともそれからも会うことに誰も何も言わなかったし。「申し訳ない」って謝罪続ける佐藤家と我が家の繋がりも切れなかったし。去年の夏に付き合いはじめた兄ちゃんと柊の姉ちゃんも破局しなかった。
ただ、柊だけはいつまでもオレを見るたび泣くし、車いす押しながら泣くし、で、こりゃ、オレが歩けるようになればいいんじゃねって、小学校3年生ながら考えて、リハビリめちゃ頑張った。
途中で、リハビリで有名な隣の県の病院に転院して、事故から1年経つ頃には杖を使えば歩けるようにまで回復したんだ。
その間に、その病院のある市内に、脚が悪いオレでも過ごしやすい新しい家を建ててくれてて、その市ってのが福祉が充実してて、ユニバーサルデザインの学校なんかも多くて、多分、父さんも母さんもそれ見越してこの病院に転院させてくれたのかな?
んで退院と同時にオレは柊のお隣さんじゃなくなった。
柊もいつの間にかオレの前で泣かなくって、
「さくちゃんの夢だった、バスケットボールでオリンピックを僕がかなえる」
とか、かっこいいこと言うようになってさ。
お隣さんじゃなくなって、昔より会う時間も減ったけど、お互いが大事なのは変わらなくて。オレのリハビリに柊が付き合ってくれたり、柊の試合を俺が観に行ったり。
2人乗せ自転車を両家が買ったみたいに、両家が車を車いす乗せられるようにオレ仕様にしてくれたんで、長い休みは一緒に遊びにいったりもした。
今は杖が必要だけど、これ杖なく歩けるようになったら、もっと周りハッピーじゃね?なんて単純に考えてさらに頑張って。
周りはオレに無理して欲しくなくてハラハラしてたのにも気づかず。
小学校6年生になったとき、自分の部屋で杖無しで少し歩けるようになったオレは、今度試合観に行った時に柊を驚かしてやろう!ってシシシってベッドの上で一人、驚く柊の顔を思い浮かべて、笑うのであったりもした。ちょうど柊の誕生日だし、すごい誕生日プレゼントできるじゃんって、大興奮。
柊は思った通り、すっごくびっくりして、大きな目をさらに大きくして、(大成功!)なんて心の中で拍手したんだけど、その場でよろけたオレを助けようとして無理な体勢になった柊が足首ひねって、試合に出られなくて、エース不在でチームが負けて。
柊が病院行ってる間に、柊のチームメイトにめちゃ責められた。
オレが悪いのはわかってるから、それを静かに聞いてたんだけど、
今までも、オレが観に来て立ち上がったりするたびに、柊の気が散って迷惑かけてたとか、知らなかったこと色々言われて。
そこで、自分が頑張ればみんな喜ぶわけじゃないんだ、って、無理することがいいことじゃないって思って。
無理に歩こうとするより、杖を使ってきちんと歩く練習をしたり、疲れた日は車いす使ったり。
オレが住む市内のバスケ強豪校に進学しようかなって柊が言うから、オレも2年先にその学校行こうと思ってたけど、親がすすめる支援が手厚い学校に進学することに決めた。
柊の試合も、バリアフリーじゃない会場の時には無理に観に行かず、オレが観に行ったらチームメイトがイライラしてるの気づいてからは、なんやかや理由をつけてほとんど観に行かなくなった。
そのことを柊が、どう思ってたかわからないけど、オレの中学校入学祝いに、今まで貯めてたお年玉使って、好きなバスケチームの模様が入った杖をプレゼントしてくれてた。
その後もオレの成長とともに杖をプレゼントしてくれて、それらは使えなくなっても宝物としてクローゼットに入っているんだ。
そう、あの時落とした杖も凄く大事で、あれ、どうなったんだろうな。
(守れたけど、泣かせちゃったな~)
「なぁなぁ、柊ってあのあと怪我とかしてないかな~?」
『気になるなら自分の目で確かめたらいい』
「そっか~ そうだよな~ うんありがとじいちゃん、自分で確かめるよ」
◇ ◇ ◇
身体が1ミリも動かない
目のまわりに全集中してなんとか薄目をあける
「朔!!朔!」
母さんの声が聞こえて、ゆっくり口を動かすけど、声がうまく出せないや。
「しゅ…だじょ…ぶ?」
「柊くんは大丈夫よ、あっ、先生、先生呼ばなきゃ」
ワタワタと動く母さんの気配を感じながら、オレは目を閉じた。
(柊無事だったんだよかった)
その後、また意識を手放したオレが目を覚ましたのは、桜が散って、柊の入学式が終わったあとだった。
色んな人がお見舞いに来てくれて、泣かれたりした。
目覚めて一番、オレが「柊は?」って聞いたから、すぐに連絡してくれて、泣きながら面会に来てくれた。
入り口で「ごべんなさーぃ」って謝る柊の顔がよく視えなくて、近くに寄ってもらってその手をギュッと握ると、
「柊が無事でよかった」
って笑顔で伝えて。
ちょっと痩せた柊に
また一緒にバスケしたいからいっぱい食べていっぱい練習しろよー
とか色々言った気がする。
周りの大人たちがすすり泣く声が聞こえたけど、その表情はわからなかった。
◇ ◇ ◇
結果的に、オレは事故で、視力がものすごーく悪くなって、脚もあまり動かなくなっていた。
前みたいにバスケ、出来ないんだってさ。
でも、オレ、柊を助けて事故ったこと後悔してない。
なんか、オレ、約5ヶ月間眠ってる間も、「しゅう、しゅう」ってうわ言が煩かったらしい。はっずかし~。まぁオレの柊への溺愛はみんな知ってることだけど。
目覚めてから
「もうあんなむちゃしないで」
って母さんに泣かれたけど、
「同じことがあっても、何度でも柊を助ける」
って言っちゃって、まぁさらに母さんにさらに泣かれたり。
オレがそんなんだから、オレの怪我の原因になった(って言っても悪いのはトラックだけど)柊ともそれからも会うことに誰も何も言わなかったし。「申し訳ない」って謝罪続ける佐藤家と我が家の繋がりも切れなかったし。去年の夏に付き合いはじめた兄ちゃんと柊の姉ちゃんも破局しなかった。
ただ、柊だけはいつまでもオレを見るたび泣くし、車いす押しながら泣くし、で、こりゃ、オレが歩けるようになればいいんじゃねって、小学校3年生ながら考えて、リハビリめちゃ頑張った。
途中で、リハビリで有名な隣の県の病院に転院して、事故から1年経つ頃には杖を使えば歩けるようにまで回復したんだ。
その間に、その病院のある市内に、脚が悪いオレでも過ごしやすい新しい家を建ててくれてて、その市ってのが福祉が充実してて、ユニバーサルデザインの学校なんかも多くて、多分、父さんも母さんもそれ見越してこの病院に転院させてくれたのかな?
んで退院と同時にオレは柊のお隣さんじゃなくなった。
柊もいつの間にかオレの前で泣かなくって、
「さくちゃんの夢だった、バスケットボールでオリンピックを僕がかなえる」
とか、かっこいいこと言うようになってさ。
お隣さんじゃなくなって、昔より会う時間も減ったけど、お互いが大事なのは変わらなくて。オレのリハビリに柊が付き合ってくれたり、柊の試合を俺が観に行ったり。
2人乗せ自転車を両家が買ったみたいに、両家が車を車いす乗せられるようにオレ仕様にしてくれたんで、長い休みは一緒に遊びにいったりもした。
今は杖が必要だけど、これ杖なく歩けるようになったら、もっと周りハッピーじゃね?なんて単純に考えてさらに頑張って。
周りはオレに無理して欲しくなくてハラハラしてたのにも気づかず。
小学校6年生になったとき、自分の部屋で杖無しで少し歩けるようになったオレは、今度試合観に行った時に柊を驚かしてやろう!ってシシシってベッドの上で一人、驚く柊の顔を思い浮かべて、笑うのであったりもした。ちょうど柊の誕生日だし、すごい誕生日プレゼントできるじゃんって、大興奮。
柊は思った通り、すっごくびっくりして、大きな目をさらに大きくして、(大成功!)なんて心の中で拍手したんだけど、その場でよろけたオレを助けようとして無理な体勢になった柊が足首ひねって、試合に出られなくて、エース不在でチームが負けて。
柊が病院行ってる間に、柊のチームメイトにめちゃ責められた。
オレが悪いのはわかってるから、それを静かに聞いてたんだけど、
今までも、オレが観に来て立ち上がったりするたびに、柊の気が散って迷惑かけてたとか、知らなかったこと色々言われて。
そこで、自分が頑張ればみんな喜ぶわけじゃないんだ、って、無理することがいいことじゃないって思って。
無理に歩こうとするより、杖を使ってきちんと歩く練習をしたり、疲れた日は車いす使ったり。
オレが住む市内のバスケ強豪校に進学しようかなって柊が言うから、オレも2年先にその学校行こうと思ってたけど、親がすすめる支援が手厚い学校に進学することに決めた。
柊の試合も、バリアフリーじゃない会場の時には無理に観に行かず、オレが観に行ったらチームメイトがイライラしてるの気づいてからは、なんやかや理由をつけてほとんど観に行かなくなった。
そのことを柊が、どう思ってたかわからないけど、オレの中学校入学祝いに、今まで貯めてたお年玉使って、好きなバスケチームの模様が入った杖をプレゼントしてくれてた。
その後もオレの成長とともに杖をプレゼントしてくれて、それらは使えなくなっても宝物としてクローゼットに入っているんだ。
そう、あの時落とした杖も凄く大事で、あれ、どうなったんだろうな。
40
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
姉の婚約者の心を読んだら俺への愛で溢れてました
天埜鳩愛
BL
魔法学校の卒業を控えたユーディアは、親友で姉の婚約者であるエドゥアルドとの関係がある日を境に疎遠になったことに悩んでいた。
そんな折、我儘な姉から、魔法を使ってそっけないエドゥアルドの心を読み、卒業の舞踏会に自分を誘うように仕向けろと命令される。
はじめは気が進まなかったユーディアだが、エドゥアルドの心を読めばなぜ距離をとられたのか理由がわかると思いなおして……。
優秀だけど不器用な、両片思いの二人と魔法が織りなすモダキュン物語。
「許されざる恋BLアンソロジー 」収録作品。
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
噂の冷血公爵様は感情が全て顔に出るタイプでした。
春色悠
BL
多くの実力者を輩出したと云われる名門校【カナド学園】。
新入生としてその門を潜ったダンツ辺境伯家次男、ユーリスは転生者だった。
___まあ、残っている記憶など塵にも等しい程だったが。
ユーリスは兄と姉がいる為後継者として期待されていなかったが、二度目の人生の本人は冒険者にでもなろうかと気軽に考えていた。
しかし、ユーリスの運命は『冷血公爵』と名高いデンベル・フランネルとの出会いで全く思ってもいなかった方へと進みだす。
常に冷静沈着、実の父すら自身が公爵になる為に追い出したという冷酷非道、常に無表情で何を考えているのやらわからないデンベル___
「いやいやいやいや、全部顔に出てるんですけど…!!?」
ユーリスは思い出す。この世界は表情から全く感情を読み取ってくれないことを。いくら苦々しい表情をしていても誰も気づかなかったことを。
寡黙なだけで表情に全て感情の出ているデンベルは怖がられる度にこちらが悲しくなるほど落ち込み、ユーリスはついつい話しかけに行くことになる。
髪の毛の美しさで美醜が決まるというちょっと不思議な美醜観が加わる感情表現の複雑な世界で少し勘違いされながらの二人の行く末は!?
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる