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29.永遠を誓うとき
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王宮を辞して向かったのは宿だ。リクハルドを護衛する都合上、粗末な場所に泊まるわけにもいかず、今夜はいい部屋に泊まることになっている。当のリクハルドは今日に限って王宮に泊まることになっているのだが、今日は護衛はいらないと言われていた。
宿に向かう最中、馬車の中の二人は無言である。結婚式自体は昼間に行われたが、朝からずっと結婚式の仕度をし、夕方からの披露宴では貴族との対応やら何やらで息をつく暇もなかった。ようやく一日を終えて疲れていたので、馬車の中で黙って肩を寄せ合っているだけでも気にならない。
とはいえ、疲れで口を閉ざしていたのはアルヤだけだ。
宿の寝室に入るとベッドには花びらが散らされていて、いかにも初夜という雰囲気である。部屋のテーブルにランプを一個置いただけでは薄暗いが、それがかえっていいムードだ。
「まあ。このお部屋はセタ公爵様が手配なさったのかしら。それともドリス? ねえエーギル様」
美しく整えられた部屋を見て目を瞠ったアルヤは、くすくすと笑いながらエーギルを仰ぎ見る。だが、彼の雰囲気は何やら重たい。それは疲れではなく、何か別の憂いを秘めているようだった。
「どうかなさいましたか?」
移動する間、彼が何かを考えているのはうすうすわかっていたが、話し出すのを待っていた。けれども尋ねなければエーギルは口を開かなさそうだ。じっと見つめると、ようやくエーギルは息を吐く。
「……すまない」
唐突な謝罪に、アルヤは目をぱちぱちとしばたいた。思い当たることがなくてそのままエーギルの顔を見ていると、彼は許しを求めるようにその場に跪いてアルヤの両手をとる。
「貴女に断りもなく、あんな……野蛮な、脅しを……」
首を傾げたところで、アルヤは王宮を辞する前のセウラーヴァ王のことを言っているのだと思い至って、かあっと顔を赤くした。それを隠そうにも両手が塞がれていてかなわない。
「……それをおっしゃられると、わたくしだって……はしたない物言いでしたわ。でも我慢できなかったんです。腹が立ってしまって……」
「アルヤが怒るのも無理はない。貴女を貶めるような言葉をあの男が」
「エーギル様を悪く言うからですわ!」
思わず大きな声が出てしまって、アルヤは口をつぐむ。記憶にあるかぎりこんな感情的になることなんて、ほとんどない。でも止まらなかった。
「わたくしのことはいいんです。セウラーヴァを捨てたのも、エーギル様と一緒にいるためだけに都合よくライロの名前を利用しているのも、全て事実ですもの」
セウラーヴァにきて娼婦として暮らし始めたとき、全てをアルヤは切り捨ててきた。婚約者も、名前も。それを結婚のためだとはいえ、今になってライロの名を再び名乗ることに、何も思わないと言えば嘘になる。結局アルヤはセウラーヴァで産まれた公爵家の人間だ。そこで受けた教育があったからこそ、娼婦として身を立てることができ、エーギルのもとに来ても男爵家の帳簿を管理できたし、夜会の準備だって指示できた。捨てたと思っていても、アルヤにいつまでも過去はまとわりつく。
それでもエーギルと添いとげられるなら、ライロの名だってなんだって利用してやろうと思うのだ。だからこそ、祖国を捨てたというそしりだって甘んじて受ける。全て呑みこんでいるからこそ、アルヤは過去のことで傷ついたりはしない。
「でも、エーギル様は……」
言葉に詰まって、アルヤは握られた指先に力がこもる。
戦争で戦果をあげた結果として周囲から孤立したことを、エーギルはあんなにも苦しそうに告白してきた。それを罵られて平気であるはずがない。貴族たちが陰口を叩いているのだって腹立たしかったのに、セウラーヴァ王がエーギルを責めるのだけは我慢ならなかった。
戦争を長引かせ、エーギルが前線で戦い続ける理由となったのはセウラーヴァ王族のせいだ。先の戦争は長年続いていたものの、タッサが劣勢だったうえ、休戦の申し入れも過去には何度もあった。なのにそれを無視して、完全勝利を求めたのはセウラーヴァのほうだったのだから。セウラーヴァ本国に攻め入られたときだって、アルヤの諫める言葉を無視し続けたのは現セウラーヴァ王なのに。停戦してさえいれば、亡き前セウラーヴァ王だって、今も存命していた可能性だってある。全てセウラーヴァの王族が選んだことの結果なのに、逆恨みしてエーギルの傷を抉るのが許せなかった。
もちろん、それはアルヤの勝手な想いだ。戦争なのだから禍根が残るのは当たり前のことだが、エーギルが好きだからこそ、許せない。
「……エーギル様が傷つくのはいやです……」
「アルヤ」
言葉にしたら目頭が熱くなって、じわりと涙が浮かんだ。もっと何かを言わなければと思うのに、激情で胸がつかえてうまく説明することができない。
「俺は傷ついてなんかいない。俺はもう、過去を恥じはしないから。俺が戦争に参加したから、貴女をセウラーヴァから逃げさせることができた。……そう言ってくれたのはアルヤだろう?」
「……」
「だから、もういいんだ。アルヤが俺の傍にいてくれる。そのためなら『英雄』の肩書きくらい受け入れるし、陰口で傷ついたりなんかしない」
「あ……」
エーギルはそう言って、アルヤの両手の指先に柔らかに口づけを落とす。彼が親愛を示すときにいつも優しく触れてくれる、その口づけ。跪いたまままっすぐに見つめてくれるその瞳は、彼が決して嘘をついてなんかいないことがわかる。
「エーギル様」
名前を呼べば、張り詰めていたものが解けて、溜まった激情の粒がこぼれ落ちた。
(エーギル様もわたくしも、同じだったんだわ……)
二人で一緒にいられるから、アルヤたちは過去を乗り越えていける。そう思った彼女の手が、やんわりと引き寄せられた。その手に逆らわず、アルヤは身体を寄せてエーギルに抱き着く。跪いた彼を包むように抱きこむのは、初めてだった。
「……わたくし、エーギル様のそばにいられて嬉しいです」
「ああ、俺もだ」
抱き締めたまま囁けば、すぐに答えが返ってくるおかげでまた涙が溢れる。けれど彼はいつまでも抱き締めさせてはくれなかった。
「そうだ。アルヤ、もう一度手を貸してくれ」
促されて差し出した手の、グローブをするりと外された。彼は胸から小箱を取り出すと、その箱から指輪を出した。
「それは……」
「セウラーヴァでは、結婚したら夫婦で指輪をはめるのだと聞いた。今日渡そうと思っていたが……つけてくれるか?」
「もちろんです」
アルヤが頷くのと同時に、エーギルは指輪を指に嵌めてくれる。対になった指輪を小箱からアルヤは取り上げ、口元を緩めた。自分の指よりも、随分と輪の大きい指輪だ。それを今度はエーギルの指に嵌めこむ。本来ならば結婚式の誓いの場で取り交わすものだが、アルヤたちにはきっとこの場での交換が相応しい。誰にも邪魔されないふたりきりの結婚式だ。
「アルヤ、改めて聞きたい。一生、俺のそばにいてくれるか?」
「もちろんです、エーギル様。わたくしの一生をエーギル様に捧げます」
「ああ」
嬉しそうに目を細めたエーギルの額に口づけを落として、それからすぐに唇を重ねる。
宿に向かう最中、馬車の中の二人は無言である。結婚式自体は昼間に行われたが、朝からずっと結婚式の仕度をし、夕方からの披露宴では貴族との対応やら何やらで息をつく暇もなかった。ようやく一日を終えて疲れていたので、馬車の中で黙って肩を寄せ合っているだけでも気にならない。
とはいえ、疲れで口を閉ざしていたのはアルヤだけだ。
宿の寝室に入るとベッドには花びらが散らされていて、いかにも初夜という雰囲気である。部屋のテーブルにランプを一個置いただけでは薄暗いが、それがかえっていいムードだ。
「まあ。このお部屋はセタ公爵様が手配なさったのかしら。それともドリス? ねえエーギル様」
美しく整えられた部屋を見て目を瞠ったアルヤは、くすくすと笑いながらエーギルを仰ぎ見る。だが、彼の雰囲気は何やら重たい。それは疲れではなく、何か別の憂いを秘めているようだった。
「どうかなさいましたか?」
移動する間、彼が何かを考えているのはうすうすわかっていたが、話し出すのを待っていた。けれども尋ねなければエーギルは口を開かなさそうだ。じっと見つめると、ようやくエーギルは息を吐く。
「……すまない」
唐突な謝罪に、アルヤは目をぱちぱちとしばたいた。思い当たることがなくてそのままエーギルの顔を見ていると、彼は許しを求めるようにその場に跪いてアルヤの両手をとる。
「貴女に断りもなく、あんな……野蛮な、脅しを……」
首を傾げたところで、アルヤは王宮を辞する前のセウラーヴァ王のことを言っているのだと思い至って、かあっと顔を赤くした。それを隠そうにも両手が塞がれていてかなわない。
「……それをおっしゃられると、わたくしだって……はしたない物言いでしたわ。でも我慢できなかったんです。腹が立ってしまって……」
「アルヤが怒るのも無理はない。貴女を貶めるような言葉をあの男が」
「エーギル様を悪く言うからですわ!」
思わず大きな声が出てしまって、アルヤは口をつぐむ。記憶にあるかぎりこんな感情的になることなんて、ほとんどない。でも止まらなかった。
「わたくしのことはいいんです。セウラーヴァを捨てたのも、エーギル様と一緒にいるためだけに都合よくライロの名前を利用しているのも、全て事実ですもの」
セウラーヴァにきて娼婦として暮らし始めたとき、全てをアルヤは切り捨ててきた。婚約者も、名前も。それを結婚のためだとはいえ、今になってライロの名を再び名乗ることに、何も思わないと言えば嘘になる。結局アルヤはセウラーヴァで産まれた公爵家の人間だ。そこで受けた教育があったからこそ、娼婦として身を立てることができ、エーギルのもとに来ても男爵家の帳簿を管理できたし、夜会の準備だって指示できた。捨てたと思っていても、アルヤにいつまでも過去はまとわりつく。
それでもエーギルと添いとげられるなら、ライロの名だってなんだって利用してやろうと思うのだ。だからこそ、祖国を捨てたというそしりだって甘んじて受ける。全て呑みこんでいるからこそ、アルヤは過去のことで傷ついたりはしない。
「でも、エーギル様は……」
言葉に詰まって、アルヤは握られた指先に力がこもる。
戦争で戦果をあげた結果として周囲から孤立したことを、エーギルはあんなにも苦しそうに告白してきた。それを罵られて平気であるはずがない。貴族たちが陰口を叩いているのだって腹立たしかったのに、セウラーヴァ王がエーギルを責めるのだけは我慢ならなかった。
戦争を長引かせ、エーギルが前線で戦い続ける理由となったのはセウラーヴァ王族のせいだ。先の戦争は長年続いていたものの、タッサが劣勢だったうえ、休戦の申し入れも過去には何度もあった。なのにそれを無視して、完全勝利を求めたのはセウラーヴァのほうだったのだから。セウラーヴァ本国に攻め入られたときだって、アルヤの諫める言葉を無視し続けたのは現セウラーヴァ王なのに。停戦してさえいれば、亡き前セウラーヴァ王だって、今も存命していた可能性だってある。全てセウラーヴァの王族が選んだことの結果なのに、逆恨みしてエーギルの傷を抉るのが許せなかった。
もちろん、それはアルヤの勝手な想いだ。戦争なのだから禍根が残るのは当たり前のことだが、エーギルが好きだからこそ、許せない。
「……エーギル様が傷つくのはいやです……」
「アルヤ」
言葉にしたら目頭が熱くなって、じわりと涙が浮かんだ。もっと何かを言わなければと思うのに、激情で胸がつかえてうまく説明することができない。
「俺は傷ついてなんかいない。俺はもう、過去を恥じはしないから。俺が戦争に参加したから、貴女をセウラーヴァから逃げさせることができた。……そう言ってくれたのはアルヤだろう?」
「……」
「だから、もういいんだ。アルヤが俺の傍にいてくれる。そのためなら『英雄』の肩書きくらい受け入れるし、陰口で傷ついたりなんかしない」
「あ……」
エーギルはそう言って、アルヤの両手の指先に柔らかに口づけを落とす。彼が親愛を示すときにいつも優しく触れてくれる、その口づけ。跪いたまままっすぐに見つめてくれるその瞳は、彼が決して嘘をついてなんかいないことがわかる。
「エーギル様」
名前を呼べば、張り詰めていたものが解けて、溜まった激情の粒がこぼれ落ちた。
(エーギル様もわたくしも、同じだったんだわ……)
二人で一緒にいられるから、アルヤたちは過去を乗り越えていける。そう思った彼女の手が、やんわりと引き寄せられた。その手に逆らわず、アルヤは身体を寄せてエーギルに抱き着く。跪いた彼を包むように抱きこむのは、初めてだった。
「……わたくし、エーギル様のそばにいられて嬉しいです」
「ああ、俺もだ」
抱き締めたまま囁けば、すぐに答えが返ってくるおかげでまた涙が溢れる。けれど彼はいつまでも抱き締めさせてはくれなかった。
「そうだ。アルヤ、もう一度手を貸してくれ」
促されて差し出した手の、グローブをするりと外された。彼は胸から小箱を取り出すと、その箱から指輪を出した。
「それは……」
「セウラーヴァでは、結婚したら夫婦で指輪をはめるのだと聞いた。今日渡そうと思っていたが……つけてくれるか?」
「もちろんです」
アルヤが頷くのと同時に、エーギルは指輪を指に嵌めてくれる。対になった指輪を小箱からアルヤは取り上げ、口元を緩めた。自分の指よりも、随分と輪の大きい指輪だ。それを今度はエーギルの指に嵌めこむ。本来ならば結婚式の誓いの場で取り交わすものだが、アルヤたちにはきっとこの場での交換が相応しい。誰にも邪魔されないふたりきりの結婚式だ。
「アルヤ、改めて聞きたい。一生、俺のそばにいてくれるか?」
「もちろんです、エーギル様。わたくしの一生をエーギル様に捧げます」
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