いじめられっ娘を救う青春物語 改造版

クロエ マトエ

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黒川学園編

君がいるから

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父親のそんな姿に、俺は覚悟を感じられた。
そして、父親の涙ながらの訴えば、俺の胸に
響いた。

__

__

楽しい時間も終わり、私達は家に帰った、
でも、私は何故か寂しかったと言うよりは
怖かった、これで終わってしまうんだ
って思いで胸が痛い。

「次郎…… 何処にも行かないよね? 」

あぁ……行かないさ、お前が安心して
生きていけるまでは、俺が明日香お前の
側にいてやるからな。

「何処に行くんだよ 」

次郎は笑いながら語りかけてくれる。
でも、私は寂しい。

「ねぇ…… 次郎!! 本当に行かないでよ
ねぇ!! 」

泣きたいよ。私、辛いよ。
助けてお願い。
次郎。

次郎は明日香の眼前に立ち、頭を撫で
ニッコリと笑い。

「大丈夫だよ……!! 俺はお前を絶対に
守ってやるから 」

抱き締めた大胆かも知れないが、明日香は
安心させる為。  

「ねぇ?今夜ウチに泊まってよ 」

大胆すぎる行動が故の現象。
でも、あの白い封筒を俺の前で開けられる
のは流石にやばいな。

「明日香…… 次郎君困ってるだろ、
彼なら大丈夫だよ 」

そう言うと、渋々と父親は明日香と
一緒に帰っていった。二人の影が見えなく
なる頃。

眼前にはナイフを持って、フードと
怪しいマスクをしている奴が現れた。
そいつを俺は、知っている。


「はぁ、また腕試しか……好きだね
闇カラス君も 」

颯爽とナイフを向け、一直線に突進して
くる闇カラスの部下を俺は一撃で沈めた。
踵落とし、それは見事に命中させた。

「イッテェ、久しぶりにしたもんだから
足がやばい 」

そして沈めた奴の上に座っているのが
闇カラス、カラス部隊特攻隊長でもある
表の情報から裏の情報まで全部を把握して
いるのはこの「闇カラス」だけだ。

「お疲れさんカオス、あれが今のお前の
気に入ってる娘?? 」

「あのな、俺はな恋愛目的で助けて
ねぇぞ、お前みたいに見返りは要求しない
からな 」

「ふーん、だってさぁ~ 見返りが
無いと食っていけないからさ俺らは
カオスみたいに金は無いし、勿論演技力
だってない、お前さっきウチの部下が
聞いたみたいだけどお前本当はお腹空いて
無かったろ? 」

闇カラスがそう言うと、次郎はニヤッと。


「おいおい、俺の演技力もまだまだって
事か……闇カラスお前嫌味言いにきたのか?
違うよな ? 」

部下に演技力だってバレてる時点で
終わりが見えるわ普通に。


「あー! そうだ、お前が言ってた
情報の件、全部書き出しといたから、後
一つだけ言っておく、あの学園の裏には
暴走連合って言う組織が隠れてる
注意しとけ 」

「お前何?俺の事心配してんの?
ツンデレカラス君 」

そう、俺が揶揄うと。

「はぁ…… もう知らね! じゃあな 」

「おーい!ここで沈んでる部下、置き去り
にすんのか? 」

そう言うと闇カラスは、気絶してる
部下を背負い、俺の帰る道の逆方向を
行った。

分かってるよ、明日香を心配しろ
って事だろ、大丈夫、そんな名も売れて
ない、半グレ組織、ついでに俺が壊滅まで
追い込んでやるわ。

「さてと、問題は明日からか 」

__

__

翌日。

鬱になりながらも明日香は学園へと
一歩踏み出す。

でも、確かに一つだけ変わった事がある
それは、次郎と言う誰以上にも頼れる
存在だ。

「あ、また来たよ 標的 」

3階校舎窓から見つめる上級生
でも、私は負けない、君がいるから。

「さて、今日も楽しく標的ちゃん
痛めつけますか!! 」

標的は標的だけど、私には防弾チョッキ
が装着された。

学園を歩くとそこは戦場、私を殺そう
とする兵士が沢山いる、でも私にも
防具はある。でも、まだ必ず勝てる武器が
貰えて無いんだ。

その瞬間。

「明日香 おはよう! 」

__武器ならそこにある

__ 気づかなかった?

見つけたよ、ちゃんとした、私だけを
抱き締めてくれる綺麗な武器を。

「おはよう…… 次郎君 」

明日香は次郎の手を握った、でも、その瞬間
私の頭に地雷の音が鳴った。

駄目だ……。
駄目なんだ……。
巻き込んだら、次郎が死んじゃう。

手を握った温かさ、私は失いたく無い。
だって、大好きだもん。
涙を流したら、次郎は分かってしまう
私が次郎を巻き込んだら駄目だって事を。

明日香は勢いのままに、逃げ去って
しまった。その間に誰かとぶつかって
しまった、でも私は、足を止める事が
出来なかった。

「貴也 今のは?? 」

「あー標的だろ?違うっけ? 」

「ぶつかったけどいいの?」

「良い訳ねぇだろ、あの標的も
俺でendだ 」

口についたピアス、頭は坊主。
恐ろしさが口に出る、だがそれを知らない
明日香は。

「兄さん、今夜いいっすよ 」
スマホで兄さんと言う人物に電話する
貴也。不気味にスマホが光る。

__

__

暗い夜道、歩きながら。

イジメに、イジメに合って
泣いている私。次郎は巻き込んだら駄目
と決心したのに、何故だか涙が止まらない
イジメで疲れたからじゃない?それ以上に
次郎に頼れない心の痛さ。苦しい。

そして。
一台の中型バイクが、明日香を襲う。
明日香はバイクに乗ってる人に蹴られ。

「おい、大丈夫か? 」

金色の髪で伸ばしている、あれ次郎じゃない。

「大丈夫です 」

「そっか、あいつさ、この辺りで暴れてる
草井って奴なんだけど俺も一回蹴られて
てさ迷惑してんだよ 」

そっか。この人も同じ被害者なんだ。

「だからよ、家まで送ってくよ 」

優しい人だな……。

「はい。ありがとうございます 」
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