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第2部
第2部 35話 昼食会とエディットの謎 中編
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「ナルシス伯爵令息からの手紙に、何か問題があるのですか?」
脳裏に改心して真面目になった、しかし色々と困ったところのある騎士様の顔を浮かべます。
元婚約者のエディット様に不義理を重ね様々な問題を起こしたナルシス様ですが、今は深く反省しています。
問題を起こすとは考えづらいです。
しかし、エディット様のお顔は青ざめるばかり。
「その、実際に読んでいただいた方が早いかと……。こちらが一通目です」
震える手で差し出された手紙を、私とイザベルさんは読みました。
それは手紙というより懺悔でした。
切々と、誠実に、真面目に、己の行いを謝罪し、エディット様の過去の献身に感謝し、その能力を讃えています。
そして、ミゼール領辺境騎士団に来てからの出来事を書き、これからも今までの償いをしたいと書かれています。
それはいいのですが……。
「これは……」
「ちょっと……」
私とイザベル様の顔も青ざめていきます。
何故ならこんな内容が書かれていたのです!
【以上のように、私は辺境騎士団に来てからも愚行を重ねました。
お詫びにこの命を、慈悲深く寛容なルルティーナ・プランティエ伯爵閣下と、厳しく導いて下さるアドリアン・ベルダール辺境伯に捧げました。
しかし、私の命はお二人に拒絶されました。
ではどうするべきか。私は考え、気づきました。
多くのご迷惑と心痛をおかけした貴女にこそ、この命を使って頂くべきだと。
私の命など、閣下たちや貴女に比べれば塵芥も同然。
貴女が死ねと言えばいつでも死にます。政略の駒にするでも、気晴らしに嬲り殺しにするでも、どうぞお気軽にお申し付けください】
「いやいや!お気軽にお申し付けれるわけないでしょう!」
「怖い怖い!なんなのこの人!?」
「ですよね!おかしいですよねええ!」
わっと泣き出すエディット様。無理もありません。こんな手紙が元婚約者から届いたら怖いでしょう。
「昔から……お、思い込みが激しくて……うぅ……頑固で……ひっく……困った方ではありましたが……ここまででは無かったはずなんです……」
「こ、これが一通目なんですよね?ちなみにお返事は送りましたか?」
「は、はい。当たり障りのない表現で『すでに慰謝料を頂いております。これ以上の償いは必要ありません。むしろ償いと称しておかしなことをしないでください。もうご縁も無くなっているのでお手紙も結構です』と、お返事いたしました」
あ、あら。割と厳しい内容。イザベルさんが苦笑いします。
「エディットさんって、いざという時はお強い方なのよ。それに、ナルシス伯爵令息に未練は無いみたいですし」
「はい。未練はありません。
長く婚約していたので情はありましたが、ナルシス伯爵令息は例の方に心酔してしまいました。
諌める私や周囲を拒絶し、あまつさえ侮辱したのです。婚約破棄する頃には、未練も情も無くなっていました」
うっ。例の方とは、私の血縁上の姉である元アンブローズ侯爵令嬢のことでしょう。
治癒魔法を違法に使ってお金を稼ぎ、美貌で多くの方を惑わせていたそうです。
ただし治癒魔法は拙く素行が悪かったため、大半の貴族が白眼視するか、逆に利用していたそうです。
ですが、ごく稀に心から崇拝してしまう方もいました。ナルシス様もその一人です。
彼らは元アンブローズ侯爵令嬢の言いなりでした。側に侍り金銭を貢ぎ、元アンブローズ侯爵令嬢にとって都合の悪い方を攻撃したのです。
中でもナルシス様は爵位も財力も高く、近衛騎士になるだけの実力もあるので、沢山問題を起こしました。
その一番の被害者が、言うまでもなく元婚約者のエディット様です。
……縁は切っていますが、元アンブローズ侯爵令嬢は肉親なので罪悪感を感じます……。
「エディット様、肉親が申し訳ありま……」
凛とした声が遮りました。
「ルルティーナ様、それ以上は仰らないで下さい。あの方はルルティーナ様のお身内でもなんでもありません。
もしお身内だとしても、ルルティーナ様のせいではありません。ご本人と、諌めなかった元アンブローズ侯爵夫妻のせいです」
「エディット様……」
真っ直ぐなお言葉と眼差しに目頭が熱くなります。
「まあ、あの方の事はきっかけでしかありません。私とナルシス伯爵令息の相性は、もともと良くありませんでしたから」
「え?とても仲の良い婚約者だったとお聞きしましたが?」
フッと自嘲されます。
「悪い関係ではありませんでしたが、心を寄せ合うことは出来ませんでした。これは私にも原因があります。
魔石や魔道具の開発作成や、魔法に秀でた両親や兄と違って、私には突出した才能はありません。魔力量と魔法の才能も平均より少し上程度。凡庸な自分が情け無くて大嫌いでした」
「そんな!エディット様は素晴らしいお方です!18歳という若さですでに領地経営に携われている才媛ではありませんか!」
「同意するわ。その優秀さを見込まれだからこそ、領主としては足りないナルシス伯爵令息の婚約者に選ばれたのでしょう?」
エディット様は、はにかんだ笑みを浮かべました。
「ふふ。ありがとうございます。家族にも言われました。
『エディットは突出した才能は無いかもしれかいが、何事も平均以上に出来る。人事の采配も上手いし数字にも強い』
『人望も決断力ある。私より社交も上手いし、家族のなかで一番領主に向いていると思うわ。だからこの縁談を受けたのよ』
『もっと沢山褒めて伝えるべきだった。私たちはエディットにいつも助けられているし、優秀さを誇りに思っている』
だからもう気にしていません。突出した才能が無くても、私に出来ることは沢山あります」
ご家族はエディット様を認めていらしているのね。ホッとしました。
「ただ、それを伝えられる前の私は自信がなく、騎士としての才にあふれたナルシス伯爵令息に対して過剰に従順になっていました。
私は自分の意見を伝えられず盲目的に献身し、ナルシス伯爵令息の独善的で強引で人の話を聞かない幼稚なところを助長してしまったのです」
エディット様、先程からなかなか辛辣です。シアンを思い出しました。
「ともかく、私はナルシス伯爵令息に未練はありません。今生の別れのつもりでお返事を出しました。
なのに二通目が届いたのです」
エディット様の顔が再び青ざめていきます。私とイザベルさんは二通目を読みました。
ナルシス様は、エディット様のお返事に感動したご様子でした。
エディット様の高潔さを大いに讃え、過去から近年に至るまでの善行や美点を並べ立てます。
【エディット様は素晴らしい。私は、エディット様のお力になりたい。
ミゼール領の魔境浄化後は、私のような戦うしか能がない愚か者は不要になります。
どうか、魔境浄化後は貴女様にお仕えさせて頂けないでしょうか?
もちろん報酬も要りません。私の命などお使い潰し下さい。
不要でしたら、二度と貴女様のお目を汚さなくてすむよう自害します】
「下僕にしてくれなきゃ自害しますってこと!?」
「これは酷い。ある意味でエディット様への脅迫では?」
「そうなんです。恐らく本人には自覚は無いのですが、自覚が無いところも最悪で……。
こんな手紙が両親の目に触れたら、今度こそナルシス伯爵家とその一族を社会的に潰してしまいます」
「あら?別にそれで良いのでは?」
サラッと冷たく言うイザベルさん。
「ここまで自分勝手な贖罪をエディットさんに押し付けるなんて、ナルシス伯爵令息を更に見損なったわ。ナルシス伯爵夫妻も元嫡男への教育と更生が不十分すぎます。
結果、こうしてエディットさんに心労をかけるなんて相応の罰が必要……」
「そ、それは駄目です!ナルシス伯爵家と一族に何かあっては困ります!」
エディット様の叫びに当惑します。
「困る?どういう事でしょうか?」
「政略か何かがあるとか?」
「あ……その……」
エディット様の眼差しが、ご自分が着けている黄色い花のブローチに向けられます。
イザベルさんが目を瞬かせました。
「あら?エディットさん、もしかして良いご縁があったのかしら?」
「っ!」
ビシッと音がする勢いで固まるエディット様。イザベルさんは悪い笑みを浮かべて畳み掛けます。
脳裏に改心して真面目になった、しかし色々と困ったところのある騎士様の顔を浮かべます。
元婚約者のエディット様に不義理を重ね様々な問題を起こしたナルシス様ですが、今は深く反省しています。
問題を起こすとは考えづらいです。
しかし、エディット様のお顔は青ざめるばかり。
「その、実際に読んでいただいた方が早いかと……。こちらが一通目です」
震える手で差し出された手紙を、私とイザベルさんは読みました。
それは手紙というより懺悔でした。
切々と、誠実に、真面目に、己の行いを謝罪し、エディット様の過去の献身に感謝し、その能力を讃えています。
そして、ミゼール領辺境騎士団に来てからの出来事を書き、これからも今までの償いをしたいと書かれています。
それはいいのですが……。
「これは……」
「ちょっと……」
私とイザベル様の顔も青ざめていきます。
何故ならこんな内容が書かれていたのです!
【以上のように、私は辺境騎士団に来てからも愚行を重ねました。
お詫びにこの命を、慈悲深く寛容なルルティーナ・プランティエ伯爵閣下と、厳しく導いて下さるアドリアン・ベルダール辺境伯に捧げました。
しかし、私の命はお二人に拒絶されました。
ではどうするべきか。私は考え、気づきました。
多くのご迷惑と心痛をおかけした貴女にこそ、この命を使って頂くべきだと。
私の命など、閣下たちや貴女に比べれば塵芥も同然。
貴女が死ねと言えばいつでも死にます。政略の駒にするでも、気晴らしに嬲り殺しにするでも、どうぞお気軽にお申し付けください】
「いやいや!お気軽にお申し付けれるわけないでしょう!」
「怖い怖い!なんなのこの人!?」
「ですよね!おかしいですよねええ!」
わっと泣き出すエディット様。無理もありません。こんな手紙が元婚約者から届いたら怖いでしょう。
「昔から……お、思い込みが激しくて……うぅ……頑固で……ひっく……困った方ではありましたが……ここまででは無かったはずなんです……」
「こ、これが一通目なんですよね?ちなみにお返事は送りましたか?」
「は、はい。当たり障りのない表現で『すでに慰謝料を頂いております。これ以上の償いは必要ありません。むしろ償いと称しておかしなことをしないでください。もうご縁も無くなっているのでお手紙も結構です』と、お返事いたしました」
あ、あら。割と厳しい内容。イザベルさんが苦笑いします。
「エディットさんって、いざという時はお強い方なのよ。それに、ナルシス伯爵令息に未練は無いみたいですし」
「はい。未練はありません。
長く婚約していたので情はありましたが、ナルシス伯爵令息は例の方に心酔してしまいました。
諌める私や周囲を拒絶し、あまつさえ侮辱したのです。婚約破棄する頃には、未練も情も無くなっていました」
うっ。例の方とは、私の血縁上の姉である元アンブローズ侯爵令嬢のことでしょう。
治癒魔法を違法に使ってお金を稼ぎ、美貌で多くの方を惑わせていたそうです。
ただし治癒魔法は拙く素行が悪かったため、大半の貴族が白眼視するか、逆に利用していたそうです。
ですが、ごく稀に心から崇拝してしまう方もいました。ナルシス様もその一人です。
彼らは元アンブローズ侯爵令嬢の言いなりでした。側に侍り金銭を貢ぎ、元アンブローズ侯爵令嬢にとって都合の悪い方を攻撃したのです。
中でもナルシス様は爵位も財力も高く、近衛騎士になるだけの実力もあるので、沢山問題を起こしました。
その一番の被害者が、言うまでもなく元婚約者のエディット様です。
……縁は切っていますが、元アンブローズ侯爵令嬢は肉親なので罪悪感を感じます……。
「エディット様、肉親が申し訳ありま……」
凛とした声が遮りました。
「ルルティーナ様、それ以上は仰らないで下さい。あの方はルルティーナ様のお身内でもなんでもありません。
もしお身内だとしても、ルルティーナ様のせいではありません。ご本人と、諌めなかった元アンブローズ侯爵夫妻のせいです」
「エディット様……」
真っ直ぐなお言葉と眼差しに目頭が熱くなります。
「まあ、あの方の事はきっかけでしかありません。私とナルシス伯爵令息の相性は、もともと良くありませんでしたから」
「え?とても仲の良い婚約者だったとお聞きしましたが?」
フッと自嘲されます。
「悪い関係ではありませんでしたが、心を寄せ合うことは出来ませんでした。これは私にも原因があります。
魔石や魔道具の開発作成や、魔法に秀でた両親や兄と違って、私には突出した才能はありません。魔力量と魔法の才能も平均より少し上程度。凡庸な自分が情け無くて大嫌いでした」
「そんな!エディット様は素晴らしいお方です!18歳という若さですでに領地経営に携われている才媛ではありませんか!」
「同意するわ。その優秀さを見込まれだからこそ、領主としては足りないナルシス伯爵令息の婚約者に選ばれたのでしょう?」
エディット様は、はにかんだ笑みを浮かべました。
「ふふ。ありがとうございます。家族にも言われました。
『エディットは突出した才能は無いかもしれかいが、何事も平均以上に出来る。人事の采配も上手いし数字にも強い』
『人望も決断力ある。私より社交も上手いし、家族のなかで一番領主に向いていると思うわ。だからこの縁談を受けたのよ』
『もっと沢山褒めて伝えるべきだった。私たちはエディットにいつも助けられているし、優秀さを誇りに思っている』
だからもう気にしていません。突出した才能が無くても、私に出来ることは沢山あります」
ご家族はエディット様を認めていらしているのね。ホッとしました。
「ただ、それを伝えられる前の私は自信がなく、騎士としての才にあふれたナルシス伯爵令息に対して過剰に従順になっていました。
私は自分の意見を伝えられず盲目的に献身し、ナルシス伯爵令息の独善的で強引で人の話を聞かない幼稚なところを助長してしまったのです」
エディット様、先程からなかなか辛辣です。シアンを思い出しました。
「ともかく、私はナルシス伯爵令息に未練はありません。今生の別れのつもりでお返事を出しました。
なのに二通目が届いたのです」
エディット様の顔が再び青ざめていきます。私とイザベルさんは二通目を読みました。
ナルシス様は、エディット様のお返事に感動したご様子でした。
エディット様の高潔さを大いに讃え、過去から近年に至るまでの善行や美点を並べ立てます。
【エディット様は素晴らしい。私は、エディット様のお力になりたい。
ミゼール領の魔境浄化後は、私のような戦うしか能がない愚か者は不要になります。
どうか、魔境浄化後は貴女様にお仕えさせて頂けないでしょうか?
もちろん報酬も要りません。私の命などお使い潰し下さい。
不要でしたら、二度と貴女様のお目を汚さなくてすむよう自害します】
「下僕にしてくれなきゃ自害しますってこと!?」
「これは酷い。ある意味でエディット様への脅迫では?」
「そうなんです。恐らく本人には自覚は無いのですが、自覚が無いところも最悪で……。
こんな手紙が両親の目に触れたら、今度こそナルシス伯爵家とその一族を社会的に潰してしまいます」
「あら?別にそれで良いのでは?」
サラッと冷たく言うイザベルさん。
「ここまで自分勝手な贖罪をエディットさんに押し付けるなんて、ナルシス伯爵令息を更に見損なったわ。ナルシス伯爵夫妻も元嫡男への教育と更生が不十分すぎます。
結果、こうしてエディットさんに心労をかけるなんて相応の罰が必要……」
「そ、それは駄目です!ナルシス伯爵家と一族に何かあっては困ります!」
エディット様の叫びに当惑します。
「困る?どういう事でしょうか?」
「政略か何かがあるとか?」
「あ……その……」
エディット様の眼差しが、ご自分が着けている黄色い花のブローチに向けられます。
イザベルさんが目を瞬かせました。
「あら?エディットさん、もしかして良いご縁があったのかしら?」
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