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第三章
アイラは結構忙しい
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「セラ様。どうか私のこの想いをお許し下さい」
「・・・・そう言われましても、私には立派な婚約者がおりますので、その想いに応える事は出来ません」
・・・・・皆様御機嫌よう?何故か宮廷で政務官のオトコに言い寄られているセラ様を見つけてしまった私、アイラでございます。あの方は何度か私の家にも来た事がある方ですわ。確か宰相様の若い部下ではなくて?こんな所でコソコソ婚約者がいる女性を口説くとは、躾がなってなくてよ?宰相様?
「あのような野蛮な男との婚約など、すぐに解消出来るはず。セラ様程の方ならば・・・」
「ハッキリ口にしないと分からないのですか?私が求めているのは貴方ではないと言っているのです。これ以上お話する事はございません」
あら?セラ様ってオドオドしている様に見えるけれど、そうでもないのね?流石宰相様のご息女。素晴らしいですわ。
「・・・セラ様はああいう野蛮な男が好みなんですね?貴方がお望みなら私も貴方の好みに合わせて差し上げましょうか?」
「痛!!な、何を!」
「何をなさっているのです?こんな所で」
「え?あ、いえ、これは・・・・」
後でギャド様に、この事を報告しなければなりませんわ。
エルハド様とデズロ様がいらした時は、こんな事起こりませんでしたのに。最近は宮廷内も安心出来ませんわね?
「セラ様は婚約者の居る身。軽々しく婚約者以外の方と二人っきりになるなど関心致しませんわね?以後お気を付け下さい」
「失礼致しました。では、私はこれで・・・」
サッサと去りなさい。
セラ様の顔色が優れないわ。大丈夫かしら?
「・・・アイラ様、助けて頂きありがとうございます」
「手首、大丈夫ですの?大変、赤くなってますわ。医務室に行きましょう」
「い、いえ。そんな大袈裟な・・・」
「私も付き添いますわ。手当したら、もう今日はお帰り下さいませ」
エルハド様が退いてから、明らかに内部分裂が起こってますわね。以前から貴族制度廃止計画については反発の声が大きかったですし、それをお二人が強引に抑えておりましたから、当然ですけれど。
「お?セラとアイラ嬢じゃねぇか。どうした?怪我か?」
「ギャド様?何故医務室に?」
「ベロニカを待ってんだよ。今日はフィクス付き添えなかったからな。それで?どっちが怪我したんだ?」
あら?わたくしお邪魔かしら?ではお任せ致しますわね?
「あ、アイラ様!有難うございました!」
「構わなくってよ?ギャド様、宮廷も充分危険ですのでセラ様にも護衛が必要ですわよ?」
「なに?一体何があった?」
「ちょっ!!アイラ様!!」
さて、私は大事な用がありますから、失礼致しますわ。
セラ様ファイト!!
「アイラ様、お待ちしておりました」
「リンディ様はもう?」
「はい、先程。大丈夫、時間通りですので。お気になさらず」
以前はそれ程お声がけかからなかったですのに。
最近は多いですわね。エルハド様、早く帰って来て下さいませ。リンディ様の寂しん坊ゲージがMAXですわ。
「遅れて申し訳ありません。本日はお招き頂き有難う御座います」
「時間通りです。どうぞそちらにお掛けになって?」
あら、他のご令嬢の方々はまだ来ていないわね?
もしかして私が一番乗りですの?おかしいですわ。
私やリディ様より遅れてくるなんて・・・・・。
「今日はアイラとゆっくりお話ししたいと思い、ここへ招いたのですよ?」
え?つまりリンディ様と二人だけですの?それはキツイですわね?私一人でこの方の相手務まるでしょうか?
「それは光栄で御座います」
「今日は貴方の好きな紅茶を用意したのですよ。お菓子も召し上がれ」
いい香りですわ。
お菓子も沢山ありますけれど・・・・やはりティファの作ったお菓子が最高なのですわよね。アレを食べたらここにある物など、ただの砂糖の塊になってしまいますわ。残念。
「そういえば、アイラはヨシュアとこのまま婚姻するつもりなのですか?」
やっぱり、そこですか。
そうですわよね。私とヨシュア様が結婚すれば我が家もヨシュア様の家も結託して反旗をひるがえすかも知れませんものね?
でも、リンディ様はそんな話、したい訳ではないですわよね?
「はい。私はそのつもりでおります」
「意外だったわ。アイラ、ヨシュアみたいな子が好みでしたのね?」
「好みというか・・・好きになった方がヨシュア様だっただけですわ。見た目は関係ありません」
嘘ですわ。見た目も好みです。私、あまり男臭い方は好みではありませんもの。ヨシュア様凄く気にしているみたいなので敢えて隠していましたが、あの可愛らしい位の見た目が丁度いいですわ!!ムフ!
「またまたぁ?今までアレ程ハイスペックで将来性もあってハンサムな男性に囲まれながら、一度も食指を動かさなかった貴方が、ヨシュアからの申し出を時間も開けず即日返答するなんて、余程ヨシュアが好きなのだと、私は安心しましたのよ?貴方それまでフィクスの後を追い回してブラコン真っしぐらだったじゃないの」
うぐぅ。何も言い返せませんわ。事実故に。
「あ、あの。リンディ様。私とお話したい事とは?」
「アイラはいつからヨシュアが好きだったのです?私暇で暇で仕方無いのですわ!!息子達も益々忙しくて構ってくれませんし!!私も一人くらい娘が欲しかった!!」
あ、やっぱり。
今日もそれですの?つまり暇だから人の恋話でも聞いて若い頃のトキメキを思い出したいと?ハッキリ申し上げて迷惑ですわ!!
「早くお帰りになるといいですわね?お二人共」
「手紙の一つも寄こさず、さぞかし外で羽目を外しているでしょうよ!帝位を息子に譲ったら私とのんびり旅行に行くって言ったのに!!」
・・・そうですわね。それには私も責任を感じておりますので、お話ぐらいお聞きしますわ。
「デズロめ、帰って来たら覚えておきなさい。いつもいつも私のエルハドを独り占めしてぇ~」
内部分裂の原因、この方の仕業ではないわよね?
例えそうでも私。驚きませんわ。
「・・・・そう言われましても、私には立派な婚約者がおりますので、その想いに応える事は出来ません」
・・・・・皆様御機嫌よう?何故か宮廷で政務官のオトコに言い寄られているセラ様を見つけてしまった私、アイラでございます。あの方は何度か私の家にも来た事がある方ですわ。確か宰相様の若い部下ではなくて?こんな所でコソコソ婚約者がいる女性を口説くとは、躾がなってなくてよ?宰相様?
「あのような野蛮な男との婚約など、すぐに解消出来るはず。セラ様程の方ならば・・・」
「ハッキリ口にしないと分からないのですか?私が求めているのは貴方ではないと言っているのです。これ以上お話する事はございません」
あら?セラ様ってオドオドしている様に見えるけれど、そうでもないのね?流石宰相様のご息女。素晴らしいですわ。
「・・・セラ様はああいう野蛮な男が好みなんですね?貴方がお望みなら私も貴方の好みに合わせて差し上げましょうか?」
「痛!!な、何を!」
「何をなさっているのです?こんな所で」
「え?あ、いえ、これは・・・・」
後でギャド様に、この事を報告しなければなりませんわ。
エルハド様とデズロ様がいらした時は、こんな事起こりませんでしたのに。最近は宮廷内も安心出来ませんわね?
「セラ様は婚約者の居る身。軽々しく婚約者以外の方と二人っきりになるなど関心致しませんわね?以後お気を付け下さい」
「失礼致しました。では、私はこれで・・・」
サッサと去りなさい。
セラ様の顔色が優れないわ。大丈夫かしら?
「・・・アイラ様、助けて頂きありがとうございます」
「手首、大丈夫ですの?大変、赤くなってますわ。医務室に行きましょう」
「い、いえ。そんな大袈裟な・・・」
「私も付き添いますわ。手当したら、もう今日はお帰り下さいませ」
エルハド様が退いてから、明らかに内部分裂が起こってますわね。以前から貴族制度廃止計画については反発の声が大きかったですし、それをお二人が強引に抑えておりましたから、当然ですけれど。
「お?セラとアイラ嬢じゃねぇか。どうした?怪我か?」
「ギャド様?何故医務室に?」
「ベロニカを待ってんだよ。今日はフィクス付き添えなかったからな。それで?どっちが怪我したんだ?」
あら?わたくしお邪魔かしら?ではお任せ致しますわね?
「あ、アイラ様!有難うございました!」
「構わなくってよ?ギャド様、宮廷も充分危険ですのでセラ様にも護衛が必要ですわよ?」
「なに?一体何があった?」
「ちょっ!!アイラ様!!」
さて、私は大事な用がありますから、失礼致しますわ。
セラ様ファイト!!
「アイラ様、お待ちしておりました」
「リンディ様はもう?」
「はい、先程。大丈夫、時間通りですので。お気になさらず」
以前はそれ程お声がけかからなかったですのに。
最近は多いですわね。エルハド様、早く帰って来て下さいませ。リンディ様の寂しん坊ゲージがMAXですわ。
「遅れて申し訳ありません。本日はお招き頂き有難う御座います」
「時間通りです。どうぞそちらにお掛けになって?」
あら、他のご令嬢の方々はまだ来ていないわね?
もしかして私が一番乗りですの?おかしいですわ。
私やリディ様より遅れてくるなんて・・・・・。
「今日はアイラとゆっくりお話ししたいと思い、ここへ招いたのですよ?」
え?つまりリンディ様と二人だけですの?それはキツイですわね?私一人でこの方の相手務まるでしょうか?
「それは光栄で御座います」
「今日は貴方の好きな紅茶を用意したのですよ。お菓子も召し上がれ」
いい香りですわ。
お菓子も沢山ありますけれど・・・・やはりティファの作ったお菓子が最高なのですわよね。アレを食べたらここにある物など、ただの砂糖の塊になってしまいますわ。残念。
「そういえば、アイラはヨシュアとこのまま婚姻するつもりなのですか?」
やっぱり、そこですか。
そうですわよね。私とヨシュア様が結婚すれば我が家もヨシュア様の家も結託して反旗をひるがえすかも知れませんものね?
でも、リンディ様はそんな話、したい訳ではないですわよね?
「はい。私はそのつもりでおります」
「意外だったわ。アイラ、ヨシュアみたいな子が好みでしたのね?」
「好みというか・・・好きになった方がヨシュア様だっただけですわ。見た目は関係ありません」
嘘ですわ。見た目も好みです。私、あまり男臭い方は好みではありませんもの。ヨシュア様凄く気にしているみたいなので敢えて隠していましたが、あの可愛らしい位の見た目が丁度いいですわ!!ムフ!
「またまたぁ?今までアレ程ハイスペックで将来性もあってハンサムな男性に囲まれながら、一度も食指を動かさなかった貴方が、ヨシュアからの申し出を時間も開けず即日返答するなんて、余程ヨシュアが好きなのだと、私は安心しましたのよ?貴方それまでフィクスの後を追い回してブラコン真っしぐらだったじゃないの」
うぐぅ。何も言い返せませんわ。事実故に。
「あ、あの。リンディ様。私とお話したい事とは?」
「アイラはいつからヨシュアが好きだったのです?私暇で暇で仕方無いのですわ!!息子達も益々忙しくて構ってくれませんし!!私も一人くらい娘が欲しかった!!」
あ、やっぱり。
今日もそれですの?つまり暇だから人の恋話でも聞いて若い頃のトキメキを思い出したいと?ハッキリ申し上げて迷惑ですわ!!
「早くお帰りになるといいですわね?お二人共」
「手紙の一つも寄こさず、さぞかし外で羽目を外しているでしょうよ!帝位を息子に譲ったら私とのんびり旅行に行くって言ったのに!!」
・・・そうですわね。それには私も責任を感じておりますので、お話ぐらいお聞きしますわ。
「デズロめ、帰って来たら覚えておきなさい。いつもいつも私のエルハドを独り占めしてぇ~」
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※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
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