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4 第四話
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とまあそんな訳でギルド専属になるとは言ったが……。
「デカすぎんだろ……」
ギルドの保有する小屋。いや、もう小屋と言うには大きく立派過ぎる。
そんなとんでもない物を貰ってしまった。
「こちらの小屋はアルバート様が自由に使ってしまって大丈夫ですので」
「その、本当に良いんですか……?」
「はい。専属契約の条件なので」
はあ……まあ、貰えると言うのなら貰っておくとするか。
一応内装は貰う前に少し確認したが、まあ一人で済むのには十分過ぎるだろう。
と言うより逆に広すぎて不便かもしれない。
「それでは私はギルドに戻りますので、何か聞きたいことがあったら窺ってください」
そう言って担当の女性はギルドへと戻って行った。
「ふぅ……ひとまず生活用品を揃えるか」
とにもかくにもここで生きて行くのなら生活用品は必要だろう。
飯は外で食べるから良いとしても、日用雑貨などは無いと不便だ。
とそんな訳で雑貨屋に来たわけなのだが……。
「おん? この銅貨、見たことねえもんだな……」
どうやら俺の持っていたお金はここでは使えないようだった。
となると俺は今無一文と言うことになる。いや元々お金はそんな持ってはいなかったが……。
それでも数日分の宿代と食費はあった。それが無いとなると不味い。不味すぎる。
こうなったら依頼を受けるしかない。
「早速依頼を受けていただけるのですね。危険度はどういたしましょうか」
「えっと、その……一番下から二番目……いや三番目で良いのは無いですか?」
出来れば一番下の物を受けたい。だが仮にも高ランクの冒険者として専属契約をしているのだ。
あまり低難易度ばかり受けていては怪しまれる。最悪契約破棄もありえるだろう。
「そうですか? アルバート様ならばもっと上を目指せそうですが……」
「その、今日はちょっと調子が……」
「わかりました。それでは少しお待ちください」
どうやら乗り切れたようだ。
受付嬢は受付奥にある掲示板の中から数枚の紙を持ってきた。
「こちらが危険度Dのアイアンアントの討伐です。そしてこちらが危険度は下がりますが数が多いレッドウルフの討伐ですね」
アイアンアントもレッドウルフも聞いたことはある。
しかし知識として知っているのと実際に戦ったことがあるのは全く別物だ。
どちらともまず俺たちのパーティでは勝てなかった。
だが、やるしかない……。
「アイアンアントの討伐を受けます」
アイアンアントはレッドウルフよりも危険度は高い。
だが明確に炎が弱点と言う点があり、こちらの方がまだ勝機はある。
逆にレッドウルフは数が多い上に単独で挑むのは危険すぎる。
「承りました。それではこちらにサインを」
依頼書にサインをし、ギルドを出た。
日が暮れる前に倒せると良いが……いやそもそも生きて帰れると良いが……。
幸いアイアンアントが目撃された場所はこの街からそう遠くない森だったため、徒歩一時間程でたどり着けた。
「ふぅ……」
気を引き締める。森に一歩でも入ればもうどこから襲われてもおかしくは無い。
視界は悪く、背の高い木によって日の光も少ない。
耳を、目を、鼻を……五感を最大限に使って危険を探す。
「……そこか!」
前方に何かが這いずるような音がした。
とその瞬間、蛇型の魔物であるポイズンボアが飛び掛かって来た。
「ふんっ……!」
存在に気付いていたおかげで避けることに成功した。
だがコイツも毒を含めればかなり危険度が高い。
肉も鱗もそう硬くは無いが、毒は別だ。かなり大型の魔物であっても昏倒させられる程の毒を持っている。
「キシャァァァァ!!」
「させるか!」
毒液を避け、ポイズンボアに肉薄する。そして短刀で肉を斬り裂いた。
「……何か変だ」
その時自身の体に違和感を覚えた。
体が妙に軽いのだ。力も入りやすい。
とは言えその原因を考えるだけの余裕は無い。森の中で長考すれば死あるのみだろう。
ひとまず今はアイアンアントを討伐して無事街へ戻る。それだけ考えよう。
「デカすぎんだろ……」
ギルドの保有する小屋。いや、もう小屋と言うには大きく立派過ぎる。
そんなとんでもない物を貰ってしまった。
「こちらの小屋はアルバート様が自由に使ってしまって大丈夫ですので」
「その、本当に良いんですか……?」
「はい。専属契約の条件なので」
はあ……まあ、貰えると言うのなら貰っておくとするか。
一応内装は貰う前に少し確認したが、まあ一人で済むのには十分過ぎるだろう。
と言うより逆に広すぎて不便かもしれない。
「それでは私はギルドに戻りますので、何か聞きたいことがあったら窺ってください」
そう言って担当の女性はギルドへと戻って行った。
「ふぅ……ひとまず生活用品を揃えるか」
とにもかくにもここで生きて行くのなら生活用品は必要だろう。
飯は外で食べるから良いとしても、日用雑貨などは無いと不便だ。
とそんな訳で雑貨屋に来たわけなのだが……。
「おん? この銅貨、見たことねえもんだな……」
どうやら俺の持っていたお金はここでは使えないようだった。
となると俺は今無一文と言うことになる。いや元々お金はそんな持ってはいなかったが……。
それでも数日分の宿代と食費はあった。それが無いとなると不味い。不味すぎる。
こうなったら依頼を受けるしかない。
「早速依頼を受けていただけるのですね。危険度はどういたしましょうか」
「えっと、その……一番下から二番目……いや三番目で良いのは無いですか?」
出来れば一番下の物を受けたい。だが仮にも高ランクの冒険者として専属契約をしているのだ。
あまり低難易度ばかり受けていては怪しまれる。最悪契約破棄もありえるだろう。
「そうですか? アルバート様ならばもっと上を目指せそうですが……」
「その、今日はちょっと調子が……」
「わかりました。それでは少しお待ちください」
どうやら乗り切れたようだ。
受付嬢は受付奥にある掲示板の中から数枚の紙を持ってきた。
「こちらが危険度Dのアイアンアントの討伐です。そしてこちらが危険度は下がりますが数が多いレッドウルフの討伐ですね」
アイアンアントもレッドウルフも聞いたことはある。
しかし知識として知っているのと実際に戦ったことがあるのは全く別物だ。
どちらともまず俺たちのパーティでは勝てなかった。
だが、やるしかない……。
「アイアンアントの討伐を受けます」
アイアンアントはレッドウルフよりも危険度は高い。
だが明確に炎が弱点と言う点があり、こちらの方がまだ勝機はある。
逆にレッドウルフは数が多い上に単独で挑むのは危険すぎる。
「承りました。それではこちらにサインを」
依頼書にサインをし、ギルドを出た。
日が暮れる前に倒せると良いが……いやそもそも生きて帰れると良いが……。
幸いアイアンアントが目撃された場所はこの街からそう遠くない森だったため、徒歩一時間程でたどり着けた。
「ふぅ……」
気を引き締める。森に一歩でも入ればもうどこから襲われてもおかしくは無い。
視界は悪く、背の高い木によって日の光も少ない。
耳を、目を、鼻を……五感を最大限に使って危険を探す。
「……そこか!」
前方に何かが這いずるような音がした。
とその瞬間、蛇型の魔物であるポイズンボアが飛び掛かって来た。
「ふんっ……!」
存在に気付いていたおかげで避けることに成功した。
だがコイツも毒を含めればかなり危険度が高い。
肉も鱗もそう硬くは無いが、毒は別だ。かなり大型の魔物であっても昏倒させられる程の毒を持っている。
「キシャァァァァ!!」
「させるか!」
毒液を避け、ポイズンボアに肉薄する。そして短刀で肉を斬り裂いた。
「……何か変だ」
その時自身の体に違和感を覚えた。
体が妙に軽いのだ。力も入りやすい。
とは言えその原因を考えるだけの余裕は無い。森の中で長考すれば死あるのみだろう。
ひとまず今はアイアンアントを討伐して無事街へ戻る。それだけ考えよう。
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