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第壱章:下克上国王親娘とロートル魔道士
4.魔道士ウェルズビル(1)
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そのページの救世主は全身を極彩色で覆われているように描かれていたが、違和感があった。顔に目鼻口がなかったのだ。それでどうやって物を見、匂いを嗅ぎ、話が出来たというのだろうか? そう疑問に感じてしまった。この世界では数多くの救世主が語られているというのに、そのような姿の者がいたとは聞いたことがなかった。
「それは?」
ガイル三世はエルザ=ナオミが指さした、そのページにある救世主の説明を読んだ。それによれば、いまから380年前に魔道士ウェルズビルが召喚したものであるとされていたが、なぜか召喚の理由と活躍についての記述が欠落していた。ほかのページには詳細にあるものがないのだ。その理由は分からないが、もしかするとウェルズビルが過失もしくは故意に召喚したのかもしれなかった。
「なんか素敵に思わない? このゼンタイという装備をした女戦士に」
その救世主の装備の説明によれば、その彼女が纏っているゼンタイというものは邪悪な呪文を跳ね返し、驚異的な身体能力があり、防御力と攻撃力を兼ね備えていたという。そして身体に弱点となる穴が存在せず、弱点はなかったという。
「どうしてそれが良いというんだ、お前は? そんな獣とも機械とも付かぬ姿に」
「それは父上、元々は普通の娘だったのが、その皮のようなものを着用した事で救世主になったとあるじゃないの。それって凄いことじゃないの?」
娘は、そういったが一体全体何のことか分からなかった。説明ではそれは衣装のみ召喚され、氏名不詳の娘が纏った事で役に立ったとあった。すると、そのゼンタイというのが一種の魔道具のひとつなのかもしれなかった。
「それって、救世主を召喚したのではなく魔道具を召喚したというのだろ! もしそれが今の世界に存在するとしてもお前が着こなせるわけないだろ!」
「それもそうねえ、でもなんかすごくない? そのゼンタイっていうもは? 普通の娘が救世主になれたというんだから」
「そういっても救世主じゃないかもしれんぞ、その後はどうなったのかを書いていないしな」
挿絵の情報によれば、そのゼンタイというのは処女が全裸になって着用することで、身体に融合した皮鎧と化したとあった。でも、肝心のその娘の運命の事が分からなかった。そしかするとウェルズビルは知っているかもしれなかったが、昔の事なので覚えていない可能性もあった。
それに、もう一つの可能性をガイル三世を思いついた。虚構ではないかと。
「それは?」
ガイル三世はエルザ=ナオミが指さした、そのページにある救世主の説明を読んだ。それによれば、いまから380年前に魔道士ウェルズビルが召喚したものであるとされていたが、なぜか召喚の理由と活躍についての記述が欠落していた。ほかのページには詳細にあるものがないのだ。その理由は分からないが、もしかするとウェルズビルが過失もしくは故意に召喚したのかもしれなかった。
「なんか素敵に思わない? このゼンタイという装備をした女戦士に」
その救世主の装備の説明によれば、その彼女が纏っているゼンタイというものは邪悪な呪文を跳ね返し、驚異的な身体能力があり、防御力と攻撃力を兼ね備えていたという。そして身体に弱点となる穴が存在せず、弱点はなかったという。
「どうしてそれが良いというんだ、お前は? そんな獣とも機械とも付かぬ姿に」
「それは父上、元々は普通の娘だったのが、その皮のようなものを着用した事で救世主になったとあるじゃないの。それって凄いことじゃないの?」
娘は、そういったが一体全体何のことか分からなかった。説明ではそれは衣装のみ召喚され、氏名不詳の娘が纏った事で役に立ったとあった。すると、そのゼンタイというのが一種の魔道具のひとつなのかもしれなかった。
「それって、救世主を召喚したのではなく魔道具を召喚したというのだろ! もしそれが今の世界に存在するとしてもお前が着こなせるわけないだろ!」
「それもそうねえ、でもなんかすごくない? そのゼンタイっていうもは? 普通の娘が救世主になれたというんだから」
「そういっても救世主じゃないかもしれんぞ、その後はどうなったのかを書いていないしな」
挿絵の情報によれば、そのゼンタイというのは処女が全裸になって着用することで、身体に融合した皮鎧と化したとあった。でも、肝心のその娘の運命の事が分からなかった。そしかするとウェルズビルは知っているかもしれなかったが、昔の事なので覚えていない可能性もあった。
それに、もう一つの可能性をガイル三世を思いついた。虚構ではないかと。
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