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第壱章:下克上国王親娘とロートル魔道士
7.魔道士ウェルズビル(4)
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「王太子殿下! やめてくださいませ! この魔道士様に召喚してもらわないと、私たちは破滅なのですよ!」
ルドルフは止めようとしたが、おかしなことに気付いた。エルザ=ナオミの方がどう見ても圧倒していたからだ。それにしても娘に圧倒される魔道士というのもいかがなものなんだ!
「そうだけど、言わせてもらえない? その魔道士はねえ!」
エルザ=ナオミはウェルズビルとのいきさつを話し始めた。それによると三か月前のこと、果樹園で呪詛バチに取りつかれた泉陽桃の木の対処に苦慮していた時のこと、通りすがりの今にも生き斃れそうな老人がいて介抱したんだという。
その時、あの呪詛バチをどうにかできないかしらと口にしたところ、ウェルズビルがなんとかして魔法でどうにかしてやろうと言ったのだという。それで任せたところ・・・
「そしたら呪詛バチの方が元気になってから、せっかく育てた泉陽桃を平らげたのよ! 全部! あれらって王室主催の品評会に出そうと思ったのに・・・できなかったわよ! おかげで王室に対して申し訳ないことをしたわ!
で、おまけに文句言おうとしたら、その魔導士はね、行き倒れそうになっていたのがウソみたいなスピードで逃げていったのよ! 本当に泥棒みたいだったわ! 申し訳ないのなら銀貨二枚を返して頂戴!」
そういってエルザ=ナオミはウェルズビルに掌を突き出した。その様子は姫君というよりも銭に厳しい女そのものであった。
「おまえ・・・あの時はそんな事いっていなかったじゃないか? それに、銀貨二枚ぐらいいいだろう!」
ガイル三世はなだめようとしたところ、言い返して来た。
「じゃあ銀貨はいいわよ! どうしてくれるのよ王室の人たちに恥をかいたのよ、あたいわ!」
そう凄んでいたところルドルフが割りこんできた。
「お言葉ですが、王太子殿下! いいじゃありませんか、今やあなたが王室の一員なのですよ! しかも責任ある!」
いわれてみれば、そうだったと舌を出す彼女であった。果樹園農家の娘は今は王太子なのだから。
ルドルフは止めようとしたが、おかしなことに気付いた。エルザ=ナオミの方がどう見ても圧倒していたからだ。それにしても娘に圧倒される魔道士というのもいかがなものなんだ!
「そうだけど、言わせてもらえない? その魔道士はねえ!」
エルザ=ナオミはウェルズビルとのいきさつを話し始めた。それによると三か月前のこと、果樹園で呪詛バチに取りつかれた泉陽桃の木の対処に苦慮していた時のこと、通りすがりの今にも生き斃れそうな老人がいて介抱したんだという。
その時、あの呪詛バチをどうにかできないかしらと口にしたところ、ウェルズビルがなんとかして魔法でどうにかしてやろうと言ったのだという。それで任せたところ・・・
「そしたら呪詛バチの方が元気になってから、せっかく育てた泉陽桃を平らげたのよ! 全部! あれらって王室主催の品評会に出そうと思ったのに・・・できなかったわよ! おかげで王室に対して申し訳ないことをしたわ!
で、おまけに文句言おうとしたら、その魔導士はね、行き倒れそうになっていたのがウソみたいなスピードで逃げていったのよ! 本当に泥棒みたいだったわ! 申し訳ないのなら銀貨二枚を返して頂戴!」
そういってエルザ=ナオミはウェルズビルに掌を突き出した。その様子は姫君というよりも銭に厳しい女そのものであった。
「おまえ・・・あの時はそんな事いっていなかったじゃないか? それに、銀貨二枚ぐらいいいだろう!」
ガイル三世はなだめようとしたところ、言い返して来た。
「じゃあ銀貨はいいわよ! どうしてくれるのよ王室の人たちに恥をかいたのよ、あたいわ!」
そう凄んでいたところルドルフが割りこんできた。
「お言葉ですが、王太子殿下! いいじゃありませんか、今やあなたが王室の一員なのですよ! しかも責任ある!」
いわれてみれば、そうだったと舌を出す彼女であった。果樹園農家の娘は今は王太子なのだから。
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