11 / 11
第壱章:下克上国王親娘とロートル魔道士
10.召喚の魔法陣発動!
しおりを挟む
ルドルフが宰相代理という重責を負う羽目になったのは、骸骨騎士団の略奪で支配階層の多数が犠牲になり、生き延びた者も隣国に避難したので、宰相府の役人の中で一番地位が高かったからだ。もっとも、逃げ遅れたので逃げる事の出来ない国民から懇願されたので仕方なくやっているのが実情なのかもしれない。
だから最初にやった仕事は空席になっていた国王と王太子をさっさと決めて、後は任せるつもりだった。そうすればよく深い人物なら魔道士への召喚のための謝礼銀貨を持って逃げてくれるとふんでいた。取りあえず銀貨を隠していた金庫は三人同時に操作しないと開かない構造だった。それですぐ逃げ出しそうなのを選んだつもりだったのに・・・
でも、選んだ二人は真面目に魔道士に召喚の依頼にやって来た! だから付き合う羽目になった! そこがルドルフも驚いた点だった。この二人に下克上で得た地位の自覚が芽生えているようだった。
「魔道士様、準備はできておりますか?」
ルドルフはここまで来たんだからやるしかないと思っていた。どっちにしろ骸骨騎士団が次に活動再開したら、少なくもない国民が犠牲になるのは間違いなかった。過去の伝承によれば骸骨騎士団に侵略された国の住民は殺されるか何処かに連れ去られ、目ぼしい資源も全て略奪されたとあった。だから国に残るというのは死を意味していた。でも国王と王太子の親子はなんとかできるのかもしれないと思い始めていた。
「おお、後もう少しだ! 召喚に必要な魔法陣じゃが、こんなことも有るかもしれないと思って準備だけはしていたんだ! 後必要なのは・・・国王と王太子だ、こっちに来てくれ!」
呼び寄せられた二人は、ウェルズビルから小さな木像を渡された、それはどこかで見た事あるものだった。
「これって・・・うちにあった木で作ったんじゃないか?」
ガイル三世は思い出した。それは成長するのが遅く、実をつけるようになるのに80年かかるドリス女神の果樹の木から作られしものだった。たしか近隣であるのは自分の果樹園だけのはずだった。
「そうだ! たしか120年前に譲ってもらったんだ、おぬしの祖父だったかな? まさか召喚の術を依頼しに来ることになるとは思わなかったが。
それはともかく、簡単に説明するぞ! 召喚には魔法陣の中に五人いないとならないんじゃ。取りあえず馬車の御車が二人いるから・・・って、馬車が一台いないぞ! まあいいか、銀貨は全て下しているようだし!」
その時、二台いたはずの馬車が一台いなくなっていた。いつの間にか逃亡したようだ。
だから最初にやった仕事は空席になっていた国王と王太子をさっさと決めて、後は任せるつもりだった。そうすればよく深い人物なら魔道士への召喚のための謝礼銀貨を持って逃げてくれるとふんでいた。取りあえず銀貨を隠していた金庫は三人同時に操作しないと開かない構造だった。それですぐ逃げ出しそうなのを選んだつもりだったのに・・・
でも、選んだ二人は真面目に魔道士に召喚の依頼にやって来た! だから付き合う羽目になった! そこがルドルフも驚いた点だった。この二人に下克上で得た地位の自覚が芽生えているようだった。
「魔道士様、準備はできておりますか?」
ルドルフはここまで来たんだからやるしかないと思っていた。どっちにしろ骸骨騎士団が次に活動再開したら、少なくもない国民が犠牲になるのは間違いなかった。過去の伝承によれば骸骨騎士団に侵略された国の住民は殺されるか何処かに連れ去られ、目ぼしい資源も全て略奪されたとあった。だから国に残るというのは死を意味していた。でも国王と王太子の親子はなんとかできるのかもしれないと思い始めていた。
「おお、後もう少しだ! 召喚に必要な魔法陣じゃが、こんなことも有るかもしれないと思って準備だけはしていたんだ! 後必要なのは・・・国王と王太子だ、こっちに来てくれ!」
呼び寄せられた二人は、ウェルズビルから小さな木像を渡された、それはどこかで見た事あるものだった。
「これって・・・うちにあった木で作ったんじゃないか?」
ガイル三世は思い出した。それは成長するのが遅く、実をつけるようになるのに80年かかるドリス女神の果樹の木から作られしものだった。たしか近隣であるのは自分の果樹園だけのはずだった。
「そうだ! たしか120年前に譲ってもらったんだ、おぬしの祖父だったかな? まさか召喚の術を依頼しに来ることになるとは思わなかったが。
それはともかく、簡単に説明するぞ! 召喚には魔法陣の中に五人いないとならないんじゃ。取りあえず馬車の御車が二人いるから・・・って、馬車が一台いないぞ! まあいいか、銀貨は全て下しているようだし!」
その時、二台いたはずの馬車が一台いなくなっていた。いつの間にか逃亡したようだ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる