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23話(9)#ばきばきは、ばきばきです?!その手のひら返し、嫌いじゃないです?!
しおりを挟む「お兄ちゃんは?」
「激しくお取り込み中」
リビングに戻るなり、千早さんがすごくつまらなさそうな顔をしている。1人で戻ってきたということは、そういうことなのだろう。
「お兄ちゃんの喘ぎ声聞きに行こうかな」
ソファから立ち上がり、部屋に向かおうとすると、千早に手を掴まれ、引き止められた。
「多分、喘いでるのはそっちじゃないと思う」
「え?」
如月が? そんなことある? そんなシチュ見たことあったっけ? いや、ないな。(※卯月が知らないだけ)これは、いわゆる、リバってやつか?!?!
致し方なく、ソファに座ると、私の隣に千早が腰掛けた。
「君のお兄ちゃんって、独占欲強いし、嫉妬深いよね」
「え? どうだろ……今まで彼女とかもあんまり居なかったから……よく分からないけど……尽くすタイプだとは思う……」
お兄ちゃんが如月のこと、めちゃくちゃ好きなのは知ってる。私にヤキモチ妬くくらいだから、嫉妬深いのかな? よくわからんけど!
「あんなに愛をぶつけられたら、如月くんは睦月くんからもう離れられないだろうなぁ……」
千早は寂しそうに微笑んだ。
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ーーーー
こちらの話など、まるで訊く耳を持たない。何を言っても、伝わっている感じはない。ただ、怒りに身を任せ、情事が進んでいるとしか思えない。
絶対に良くない。
良くはないのに、いつも優しくて、求めてばかりいる普段の睦月さんとは違い、私への独占欲と嫉妬にまみれながら、情熱的な顔を見せる睦月の姿に性欲が湧く。
ねこは好みではないが、気遣いのない荒々しい攻めように少しだけ、感情が昂る。
「睦月さ……はぁ…あっ…もうやめて…んぁ…んっ……」
脚が開かれ、感じるところをいやらしく、何度も指先で押し上げてくる。声はあまり出したくなくて、口元を手で押さえた。指先の動きに合わせ、肩がビクビクと震える。
「だって、分かってなさそうだし。俺の気持ちを考えるところから始めてよ。今からさぁっ!!」
指がより奥へ入り、性器のように突いてくる。う~~ん。やっぱりそろそろ勘弁してほしい。
「っんぁっ…睦月さん…ぁっ…はぁ…んっ…もうやめましょ…はぁ…っん」
快感で瞼が落ちてくる。半開きの状態で睦月を見つめた。楽しんでいる、というよりは怒っている。怒りに満ちた瞳だ。
今から気持ちを考えるって? この状態で? 気持ち良さで頭はぼうっとし、何も浮かばない。あと少しでイキそうだ。
睦月さんだって、色々よそ見してこなかったっけ。旭さんと千早の何が違うの? ポイントはそこじゃないってこと? 私だけダメみたいな?
その価値観、イライラする。あぁ、全然分からない。
深く考えても、よくないことしか思い浮かばず、思考を止める。深く考えるな、単純に、分かりやすいことに違いない。
閉じそうになる瞼をしっかり開けて、快感に抗いながら、答えた。
「…はぁ…『好き過ぎて、他の人を見てるのかと考えるだけでおかしくなりそう』…っはぁ…『俺以外絶対見るな。関わるな』でオーケー?」
「…っん…でも…もちろん、睦月さんもだよ? 私だって、睦月さんには私以外見て欲しくないし、関わって欲しくないから…はぁ…大好きですから。本当に…ぁっ……」
窄みから指先が引き抜かれ、少しホッとする。
「うん……」
あ……目つきが穏やかになった。良かった。顔が近づき、自然に唇が重なり合う。
「はぁ…はぁ……落ち着いた? お互い約束ってことで…私……少し休みたいのですが……」
「うん。落ち着いた。でも俺……その……下が……ばきばきで……」
「ばきばきってなんですか」
「ばきばきは、ばきばきだよ!! だからその……もう少しシたいんだけど……いいかな? 弥生さん?」
大きな目が細くなり、妖しい笑みで私を誘ってくる。ずるいよ、そんな顔して。しかもこんな時だけ下の名前で呼ぶなんて。呼ばれ慣れない名前に恥ずかしくて、頬が赤く染まる。
もう少しだけなら……。
聞こえるか、聞こえないかの声で「うん」とだけ、発した。
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