如月さん、拾いましたっ!

霜月@如月さん改稿中&バース準備中

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25話(7)俺の可愛い朝ごはん?!でもねこみみだけはごめんなさい?!

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「ん~~~~っ」


 目が覚めた。昨日の記憶は風呂場で止まっている。多分、そこで果てて寝ちゃったのだと思う。ちゃんと服を着ているのは、如月がやってくれたのだろうか。


 隣を見る。くぅくぅ。如月が寝てる。大変だっただろうなぁ。勝手にキッチン使ってもいいかな? まぁ、今更だよね。これだけこき使われて料理しているのだから、俺のテリトリーみたいなもの。


 何か如月のために作ろうかな? 身体を起こし、ベッドから降りる。首元が苦しい。Tシャツを見た。


「前と後ろ反対だし!!」


 Tシャツを脱ぎ、ふと身体を見る。胸元が紅い痕だらけ。何これ!!! えっ?!?! いつ付けたの?!?! 俺が果てた後?!?!


「もぉ~~っ! やめてよね~~っ!」
 

 私のものって言われている気がして、嬉しくはある。


 まぁいっか。愛されてる証みたいなものだし。誰にも見せられないけど。Tシャツを着直して、一階に降り、キッチンへ向かう。


 何作ろうかなぁ? リビングを通り、キッチンに着くと、冷蔵庫を開けた。


「あんまいいものない……」
 

 キッチンカウンターに置かれたイングリッシュマフィンが目につく。これにしよ。イングリッシュマフィンを上に向け、4枚オーブンへ入れた。


「2分くらい焼いとけばいっか!!」


 冷蔵庫を開け、バター、ケチャップ、マヨネーズを取り出す。如月のために作ると思うと楽しい。


 チーン。


「パン焼けた!!」


 イングリッシュマフィンを取り出し、バター、ケチャップ、マヨネーズを塗っていく。ふんふんふ~~ん。


「耐熱性のお皿ないかな……」


 ごそごそ。


「あっ!! これいいじゃ~~ん!!」


 ココット皿に卵を割り入れる。黄身を軽く混ぜ、電子レンジへ入れた。少しずつ様子を見ながら温める。


「卵、固まった!!!」


 卵を取り出し、粗挽き胡椒を振る。あともう1個作らなきゃ。ついでにベーコンも冷蔵庫から出~~そっ、と。冷蔵庫を開く。


 ぎゅ。


 腰回りに腕が絡まり、後ろを振り向くと、如月がいた。


「う?」
「それ誰の朝ごはん?」
「如月と俺~~っ! 一緒に食べよ?」
「うん、食べる」


 如月の顔が近づき、優しく唇が触れ合う。にっこりと笑うと、如月が嬉しそうに微笑んだ。


「一緒につくる?」
「作ろうかな?」


 フライパンにベーコンを置き、焼き色がつくまで焼く。あ、チーズ乗せちゃおうかな?!


「如月とろけるチーズ取って?」
「はぁい」
「ベーコンの上乗せて~~」
「こう?」


 IHコンロの火を消して、チーズをベーコンの上に乗せる。熱でチーズがとろっと溶けた。いい感じ。


「そうそう」
「イングリッシュマフィンに挟も~~」


 先ほどの卵を乗せると、如月がフライ返しでベーコンを重ねた。


「ベーコン乗せますね」
「もう片方のパンで挟んで~~っと」
「完成ですね!!」
「うん!!」


 パッと如月と顔を見合わせる。お互い笑顔になった。完成したイングリッシュマフィンサンドを皿に乗せ、リビングへ運ぶ。


「早く食べよ!!」
「私の部屋で食べませんか? 姉さんたちに見つかったら面倒くさそう」
「いいよ、どっちでも」


 コップにレモンティーを注ぎ、リビングから、如月の部屋へ行き先を変える。部屋に着くと、如月は折り畳み式のローテーブルを広げた。


 ローテーブルにイングリッシュマフィンサンドを並べる。お皿の隣にレモンティーの入ったコップを如月が置いた。


 なんか、変な感じ。今まで何も思わなかったけど、部屋に2人で朝ごはんとかカップルみたい!!! なんか今更だけど照れる!!!


 恥ずかしくて、如月と距離を置いて座る。


「なんで離れて座るんですかぁ~~」
「な、なんとなく」
「どうしたの? 顔赤いよ?」


 恥ずかしくて、目線を下げていると、如月に肩を抱かれ、引き寄せられた。


「なんでもないってばぁ~~! 早く食べよ!! ほら!! 如月食べて!!!」


 イングリッシュマフィンサンドを手に取り、如月の口に押し付ける。


「んふっ…いきなりやめて」


 如月に手首を掴まれ、そのままイングリッシュマフィンサンドに如月がかぶりついた。


「美味し。睦月さんもどーぞ」
「どーぞって食べかけじゃん。まぁいいけど」


 如月と手が重なり、口元にイングリッシュマフィンが運ばれる。如月のかじった上から、かぶりつくと、如月がクスッと笑った。


「間接キスだね」
「いつもキスしまくりでしょうがぁ~~」
「そうでした~~」


 朝の日差しが窓から差し込む中、笑い合いながら、一緒に作った朝食を食べた。


 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー



 朝食を済ませ、キッチンで使った調理器具を如月と片付ける。俺が洗い物をして、隣で如月が洗ったものを受け取り、布巾で拭く。


 ベルトコンベアー作戦だ。


「あのさ、長いことお邪魔したし、明日にはそろそろ帰ろうかと思うんだけど……」
「そうですね。私もそろそろ睦月さんと気兼ねなくまったりしたいです」


 洗った皿を如月に渡すと、如月は皿を拭きあげた。


「うん、そうだね~~帰ったら何する?」
「え? 執筆ですかね……」
「最近書いてないもんね。でも、そうじゃないでしょ~~そうじゃあ~~」
「あ!!」


 如月が何か思い出したように俺を見た。


「え?」
「にゃんにゃんねこみみプレイ」
「いや、え? は?」
「私が勝ったし、おうち帰ったらしましょう」
「はぁあぁあぁあぁあぁあ?!?!」


 え? 無理!!! またやるの?! アレ?! え? やだ!! まだ諦めてなかったの?! てか本気だったの?! もはや趣味?! へき?!


「や、やだ!!!」


 洗ったフライパンを強引に押し付ける。


「ちょっ……はぁ…『挿れてにゃあっ…』『なかに出してにゃあっ…』でよろしく……あぁ、『おかしくなっちゃうにゃあ』もありですね…はぁあ……」
「何を言ってるの?!?!」
「はぁ…『ぁあっ…きさらぎっきもちいにゃあっ…』みたいな…はぁはぁ」


 真顔で話しておる。ヘンタイか!!!


「いやいやいやいや~~俺、燃えないし!!」


 如月がハッとした表情をして、俺を見つめた。


「なるほど!!」
「そうだよ!! 俺が燃えないからだめ!!」


 良かった!!! よく分からないけど、理解してらもらえた!!(?)これでねこみみプレイは却下だな!!!


「萌えればいいんですよね?」
「え? まぁ?」
「検討しておきます!!」
「何を?!?!」


 洗い物が終わり、如月とリビングのソファに腰掛ける。明日帰るなら、最後は如月家の皆さんと何かしたいなぁ。


「あ」
「どうしたんですか?」
「今から花火買いに行かない? デートも兼ねて」
「ふふ。デート嬉しいです。行きましょう」


 如月が立ち上がり、う~~んと、伸びをした。


「あれ? ちゅーは?」


 如月のシャツの裾を握り、引っ張る。


「もう~~~~っ」


 如月は少し屈むと、俺の頬に触れ、優しく口付けた。


 ちゅ。



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