如月さん、拾いましたっ!

霜月@如月さん改稿中&バース準備中

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29話(7)#ドアの向こうはいちゃいちゃ?!お土産は隠しておいたラブアイテム?!なぜここに?!

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『ぁっ…きさらぎっ…んっ…あっ…ゃっ…ぁあっだめっ』
『……睦月さんもう少し声落として』


 私は病室のドアの前にいる。一瞬ドアを開けたが、静かに閉めた。いや、だってさぁ。ちょっと売店行って、カフェラテ飲みながらスマホいじって、帰ってきたらこれだよ?


 どんだけいちゃいちゃするの!!! ここ病院ですけど!!! 中、入りづらいわ!!! ていうか入れん!!! 個室だし、外には聞こえにくいかもしれないけど、そういう問題違うだろ!!!


 入るべきか、待つべきか。
 選択肢は3つ!!!


 ①入る。これはもうアレだな、気まずさを通り越して、すました顔で2人を眺めれる気がする。

 ②待つ。既に待ちくたびれている。ないな。

 ③覗く。覗くならむしろ入れば良くね? 喘いでいる兄の姿は見てみたい気もする。


 ぉお!!! ①と③はイコールでしかない!!! つまり①だな!!! 入るか?! 入っちゃうか?! どうする?!?! 突入しちゃう?!?! 喘いでるお兄ちゃんは最高に可愛いぞっ!!!(?)


 とはいえ、一般常識が降りかかり、ドアの手すりを握り、再び悩む。


「何やってんのー?」後ろから声をかけられ、振り返る。旭だ。
「あー……ちょっとお取り込み中で中に入れなくて。待ち」結局②を選択。

「お取り込み中って? 折角お見舞いにきたのにー大丈夫でしょー」旭が手すりに手をかけた。
「ダメだ!!! この扉は開けてはならない!!! 童貞の旭さんには刺激が強すぎる!!!」旭の手首を掴み、開けるのを止める。

「俺、卯月ちゃんに童貞なんて言ったっけ」旭の目が濁った。
「お兄ちゃんと如月が話してた(盗み聞き)」

「私には日頃からの積み重ねで耐性があるけど旭さんには無理だ!! 刺激が強すぎる!!」力が強くて押さえきれない。

「どんなんー。強い刺激って何さー、ちょっと覗いて確認するだけだからー」③に切り替わった!!!


 旭は少しドアを開け、中を覗いた。


『だめっ…ぁっ…んっ…はぁ…んっ…ぁっあっ…きもち…』
『ここ? ねぇ、ここ?』ぐちゅぐちゅ。


「……(やばっ!! むっちゃん、えろっ!!!)」見たことない睦月の姿に旭は頬を赤らめた。
「……(だめだって!! もう、ほら、閉めて!!!)」と言いつつ見てしまう。


 如月と目が合った。


『ぁああ~~~~っ』
『…………(にこ。早く出て行け)』
『きさらぎっんっ…なに…はぁっ…笑って…ぁあっ』
『別に? 睦月さんは気にしなくて良いですよ』


 如月から感じる圧。見てないで帰れと笑顔の後ろに黒いオーラが醸しでている。ここまで来たら、もうみるっしょ。お兄ちゃんが気づいてなければオーケーです。


「……はぁ…やば…むっちゃん…かわい…立っちゃう……」何言ってんだこいつ。
「ちょ……中入るのはNGだって」前に進もうとする旭を掴む。
「もっとよく見たい!!!」どんだけ!!


 がらららら。


「あっ…やっ……ん……え……なに……?」兄が振り返る。目はトロンとして、だらしなく口が開き、なんとえっち!!!

「あぁ~~挿れたかったぁ……消化不良そして萎え……ちょっと外の空気吸ってくる……」如月は膝から兄を下ろし、ベッドから降りて、病室から出て行った。

「あっ…待っ……きさらぎ……ちょっ…えっ? えっ? えっ!!!! 如月待って!!! 俺を置いて行かないで!!!」状況を理解したらしく、顔を真っ赤に染め、騒いでいる。

「むっちゃん、今度俺とシよう」旭は睦月の手を掴んで、真顔で見つめた。
「するか!!!!」
「お兄ちゃん、旭さんとは程々にしておきなよー、如月に見られたら死ぬよ」もう帰ろうかな。

「俺が旭と何かあるみたいに言わないで!!!」


 いや、あるだろ。一線は越えていないが、私には友達以上恋人未満のような関係性に見える。友達の域は超えてると思うけどなぁ。少し冷めた目で兄を見つめた。


 *


「何? なんかあるの?」病室に入るなり、目を細め、睨まれる。
「いや……別になんもないし」隣に腰かける如月のシャツを握った。なんもないもん。信じて。


 旭が一泊していることもあり、なんだか少し不信な目で見られている気がする。変なことしてないし。多分。


「旭さんとシたら怒るよ」耳元で囁かれる。少し声が冷たい。
「如月以外とするわけないじゃん!!!!」声を荒げた俺に対して、なだめるように頭を撫でられた。

「はいはい、ごめんね」むー。


 抱きつきたい!!! 旭がいるとか、卯月がいるとか病室とか関係ないっ!!! 抱きついてしまえ!!!


 ぎゅ。


 如月に抱きつく。


「睦月さん、みんな居ますよ」猫に触れるみたいに指先でちょいちょいっと頭を触られた。
「いい、べつに」ぎゅぅ。

「元気そうでなにより。邪魔者みたいなんで、俺、帰るわー」
「私も帰るー退院できそうなら連絡して~~」
「卯月さん待って、私も帰ります~~」


 え、みんな帰るの? さびし!!!


「睦月さん、また明日ね。良い子にしてるんですよ」


 ちゅ。


 額にキスされ、腕から如月がすり抜ける。


「じゃ、またね~~~~」
「う、うん……」


 3人が手を振りながら、楽しそうに出ていく姿を眺める。もぉ!! 早く退院したい!!! こんなに元気なのに!!!


 人の居なくなった病室はとても静かで、久しぶりにはしゃいだせいか、ベッドへ横になると、すぐに眠りが訪れた。


 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー



 検査も終わり、結果は良好。明日で退院できる。今日で最後の入院生活。昼寝しすぎた体は、消灯時間になっても、目が冴えた。


 ポン。


 如月からメールだ。嬉しい。


【お土産、病室にあるからね♡】既読。


 なにこのメール。絵文字も顔文字も普段使わないくせに、ハートとか付けちゃって。お土産って何?


 身体を起こし、周囲を見渡す。ベッドの隅に不自然に置かれた紙袋。全然気づかなかった。なんだろう。ガサガサ。こ、これは……!!! なんでこれがここに!!!!


『初心者でも扱える! 快感アップ! 性感帯全てを制覇!』はわわわわわ!!! なんで如月が?!?! 買ったのがバレてる!!! どうして!!! 隠しておいたのに!!!


 ポン。


【買ったら使わなきゃダメだよ、睦月さん】既読。


 なにこのメール!!! 使わなきゃダメって……ここで使えと?!?! 誰も居ないけど!!! 目も冴えてるけど!!! 少し気にはなる。いやでも……。うーーーーん。


 箱を見つめながら悩む。


 ポン。


【だいじょーぶだよ。シてごらん?】既読。


 1通も返信していないのにメールだけが来る。なんか見られてるみたい。もう一度周囲を確認する。誰もいない。むー。


「1回だけ……そう、1回だけ……ちょっとだけ……」箱から中身を取り出す。んーー。やっぱり恥ずかしい。やめようかな。


 むらむら。
 中途半端に触られて、少しシたい気持ちはある。大丈夫、誰もいないし、こわくない。大丈夫、大丈夫。


 ご丁寧に紙袋の中にローションも入っている。


 ポン。


【おやすみ、睦月さん。良い夢を】既読。
【お土産ありがと】送信。


 ありがとうって送ったらもう使うしかあるまい。ベッドに仰向けに寝転がり、ローションを付ける。いやーーっ。やっぱりやめようかな~~。腹決まらず。


「……………」でも惹かれるっっ。


 ハーフパンツと下着を脱ぎ、脚を開く。もうこの格好が恥ずかしい!!! この辺? ここ?? どこ??? 自分で挿れるとか難しい!! ただでさえ、騎乗位の時自分で挿れるの上手に出来ないのに!!!(?)


 下手脱却、練習だと思おう!!!


 ぐちゅ。


 あっ……先が入ったぁ。
 このまま、挿れて……。横向きになって……。


「んっ……はぁ……ぁっ……はぁ…」


 ぐちゅ。ぐちゅ。
 

 少しずつ、少しずつ押し込んでいく。音が室内に響き、恥ずかしくて頬が赤く染まる。誰も居なくて良かった。あ……奥まで入った。


「ぁっ……はぁ…んっ…あっ…はぁ…」


 はぁ。きもちいい。どうしよう。


 脳裏に過ぎる如月。自分が攻めてる時ではなく、攻められてる時の様子が浮かび、気持ち良さが増し、身体がビクビク反応する。恥ずかしい。


「…はぁ…んっ……ん…あっ…如月……ぁっ…」


 もうそろそろやめようかな。いつも1人でする時と違い、満たされる。なんでこんな身体に……。如月のばか。


「……あっ…はぁ……んっ……ぁっ…はぁ…」
「可愛い……本当に1人でシてる」


 突如聞こえた声。え、だれ? 振り返り、気持ち良さで半開きになった目で、声の聞こえた方を見る。


 如月。


「夜は毎日付き添ってますからね。今日も来ますよ」如月がベッドに近づいてくる。

「本当に使ってるとは思いませんでしたよ、睦月さん」後ろにある手に如月の手が重なった。

「見ないで……恥ずかし……あっちょっ……何して……やっ…あっ…んっ…はぁ…」見られていることが恥ずかしくて、顔が真っ赤に染まる。なのに、感情は昂る。

「もっと奥挿れないと……」


 ただでさえ、蕩けてしまいそうなくらい、気持ち良いのに、これ以上挿れられたらイッちゃう……。


「だ…だめぇ…はぁ…んっ…やっぁっ…あっ…あっ……んっ」下半身を中心に身体が少しずつ熱くなる。

「睦月さん、目がとろとろ。だめって…私、手添えてるだけだよ? 自分でやってるのに。えっちだねぇ」如月の言葉に羞恥で更に高揚する。もう、おかしくなりそう。

「はぁ…あっ……言わないでっ…んっ…はぁ…ぁあっ……ん…はぁ…」


 身体全身に熱情が巡り、気持ち良さで今にもイキそうなのに、中々イケない。物理的ではなくて、しなやかに動き、あたたかみがある、そして、気持ちいいところを的確に攻めてくる如月の指先がやっぱり良い。


「……如月がいい」小さく呟く。
「なぁに?」如月の顔が近づいた。
「…………」なんだか恥ずかしくて言葉が出ない。頬だけが赤くなる。
「言わなくても分かるけど」クスッと笑われ、後ろからものが抜かれた。



「はぁ…俺を……気持ち良くして?」



 おねだりした瞬間、
 先程とは比べ物にならない程の快感が体に走る。



「ぁあっ~~~~っっ!!」ぐちゅぐちゅ。



 どうしよ、気持ち良すぎてもうイキそう……。

 

「睦月さん、声出しすぎ。そんなに気持ち良いの? しかも急に立っちゃって。可愛いね」



 ぎゅっと持ち上がった幹が、
 手のひらに包み込まれ擦られる。



「あっだめぇ~~っやっ出ちゃ…んっはぁっきもちぃ…あっゃあっ~~っ」
 


 感じるところばかり、突いてくる指先。



 擦り上がるたびに溢れる蜜で、
 にちゃにちゃといやらしい音をたてる手。

 

 如月……。
 


 俺、もう出ちゃうし、イッちゃう~~っ。




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