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32話(5)遮られた視界と行動制限はマンネリ化防止です?!
しおりを挟む邪魔だったのか、卯月にすぐ家から追い出された。言われるがまま、如月の家へ来てしまった。まぁ、卯月が出て行けって言ったのだから、良いはず……。
今更だけど、自分の言った奥突いて発言も、めちゃくちゃにしてもいいってことも、色々恥ずかしい!!!! めちゃくちゃって何?!?! そんな激しくは無理!!! 最近ただでさえ感じやすいのに!!!
何して良いかも分からず、とりあえずソファに腰掛ける。夕飯も食べたし、風呂も入っちゃったし、もうやることひとつしかないんですけど!!!
「なんかこの家久しぶりですね」
俺の隣に如月が座る。目が合うと、色んなことを考えてしまい、余計にドキドキする。
「え? あ……うん」
どうしよう!!! 頭の中えっちなことしか思い浮かばない!!! このままソファでするとか?!?! えっえっ!!! ふぁあ!!! 如月の俺を見る目がえっち!!! 狙ってる!!! 押し倒されるかも!!!
「たまにはこういうところでゆっくりするっていうのもいいかもですね」
「えっ?! えっ?!?!」
こういうところでゆっくりするとは?!?! スローでえっちするってこと?! ちょっとまだ心の準備が!!! 今から?! 心臓がバクバク言いすぎて無理!!!
「俺っ……スローとかまだシたことないし……」
「はい? ゆっくりしますか?(スローって何?)」
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「如月……俺……」如月のシャツの端を掴み少し引く。
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「き、如月が言い出したことでしょ……」
「ん~~? そうだったかな。まぁでもベッド行こっか」
膝の裏に腕が回り、身体が持ち上げられた。
「あっちょっ……俺歩ける!!」
下ろす気配なし。寝室へ向かっている。
「いいの。私がしたいんだから」
ベッドへ着くと、そっとベッドの中央へ下ろされた。恥ずかしい。顔を赤らめていると、如月がクスッと笑い、頭に触れた。
「少し待ってて、すぐ戻るから。スローに相応しそうなもの持ってくる」
如月はそう耳元で囁き、寝室を出て行った。
なんか変なプレイとかするつもりじゃないでしょうね?
疑いの眼差しで扉の向こう側を見つめる。
ガチャ
戻ってきた。
「お待たせ、睦月さん」
「…………」
ネクタイを手に持っている。裸ネクタイとか? 色々応用出来そうな代物ですね、それ。なんとなく、両手を背中に隠す。
「アレ? 何? 睦月さんくせに察しが良いんじゃない? あっ、でもこういうのは察しがいいかぁ」
ニヤっと笑う如月がこわい。
「俺そういうのはちょっと……」
腕が掴まれ、前へ手が引きずり出される。
「睦月さん……」
「ん……はぁ…っん……はぁ…んん…ふ…はぁ…ん」
急に顔が近づき、如月の口唇と触れ合う。唇が触れたらすぐ離し、啄むように何度も繰り返す。甘い吐息の熱に頭がぼーっとしてくる。
きゅっ。
両手がネクタイで縛られた。
「…ん……っておぃいいぃいいぃい!!!! 何しれっと縛ってんの!!! やだあ!!! 絶対やだぁ!!!」
両手が頭の上へ置かれた。
「んーー目隠しもする? その方がこわくないかも」
「は?!?! 目隠し?!?! また?!?! しないっての!!!」
「おっけー、しよっか」
「何故そうなる!!!!!」
ポケットから取り出されたアイマスクが目に付けられた。何も見えない。
「睦月さんのいやだはイイですもん~~」
「…………なわけっっ」
完全には否定出来ない!!! 遮られた視覚と抵抗出来ないこの行動制限に羞恥心が煽られ、ドキドキする。何かを期待してしまう自分は感覚が麻痺しているとしか思えない!!!
「ふふ、ちょっとドキドキしない?」
「するけど!!! あぁっもぉっ!!」
Tシャツが指先で捲られているのを感じる。うぅ。こそばゆい。上半身に触れるか、触れないかの指先は性的な気持ちをくすぐる。
「な、なんでこういうことするの……?」
体感、変なプレイが増えている気がする。
「え? マンネリ化防止」
マンネリ化防止って……。別にマンネリだと思ったことないし。アレ? こういうことやってるから充実感がないなぁとか思ったことがないってこと?! ってことはこれは必要なこと?!
「……愛情はあるんだよね? これに……」
アイマスクのせいで如月の顔が見ることが出来ず、不安になる。愛情を持ってやっていることなら受け入れたいし、一緒に楽しみたい。
「手首痛い?」
「え?」
訊いたことと全然違う質問が返ってきて、戸惑う。手首は全く痛くない。縛られてはいるけど、すごく緩い。取ろうと思えば自分で取れる気がする。
「痛くないよ」
「分からない? 睦月さんのこと大切だから、痛みの出るような縛り方はしてないよ。これは貴方への愛情です」
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「如月……も、もう少し強く縛っても大丈夫だよ……」
自分の言っていることが恥ずかしくて顔が熱くなる。
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「睦月さんのえっちぃ~~」
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「脚動かしづらいんだけど……」
「脚は開いて欲しいから、もう少し下げようかな」
足首辺りで止まるズボン。そこまで下げるなら、脱がせて欲しい。
「はぁ……可愛い……貴方の全てが愛しい」
「……っん…はぁ……」
如月の手が上半身をなぞる。優しく撫でる手はもどかしい快感を与えていく。腹筋の割れ目を指先が辿り、胸筋へ。首筋から熱を感じるように、鎖骨を指先がなぞっていく。
「……あっ……」
鎖骨をなぞった指先が胸元へ下りてくる。塞がれた目は真っ暗闇。時間が経てば経つほど、鋭くなっていく感覚神経。
「どこかなぁ?」
「……はぁっ……ぁ……っん……」
指先が上半身を滑らかに這う。胸の先端を指先が通り、ゆるい気持ち良さだけが身体に残る。もっと触ってほしい。
「ここかなぁ?」
「違っ……」
微妙にずらして触ってくる指先はいやらしい。
「分からないから手で触って教えてくれる?」
はぁ?!?! 何言って!!! で、でもまだ上半身だし……。指差すくらいなら。恥ずかしい。すごく恥ずかしい。遮られた視界が余計に羞恥心を増す。頭上にある縛られた手をおろし、指先で胸の尖りを指差した。
「ここね。舐めちゃおうかな」
「っあっ~~っ」
生暖かい舌の感触がする。胸の突起の周囲を舌先が円を描くように這っていく。
「いきなり大きな声出し過ぎ。でも今日はいっぱい鳴いても大丈夫だよ、睦月さん」
「っっ……ぁあっ…はぁ…ぁあっ」
指先が胸の先端を弾き遊ばれ、身体がビクッと反応する。弾かれる指先は焦ったい快感しか与えてくれない。
「ふふ、ビクビクしちゃって可愛い。どうして欲しい? お願いしてごらん?」
服従させられている感に恥ずかしさが堪らない。それがまた感情を昂らせ、身体の中を熱くする。
「~~~~っっ……胸……ああ~~っむりっっ!!! 恥ずかしいぃ!!! 言えないっっ!!」
顔が熱い。扇ぎたいのに手が拘束されて扇げない。
「言えるってば。ほら言ってごらん? 恥ずかしくないよ? 私と睦月さんしか居ないんだからね」
そういう問題違う……。
「むり……はずぁあっ…はぁ…」胸の先端がまた弾かれた。
「無理じゃないでしょ。言わないと進まないよ? ん~~?」
「……っっ…胸の……尖ってるとこ……つまんでください……」
もう、恥ずかしくて顔が爆発しそう。アイマスクの向こう側で如月が妖しい笑みを浮かべている姿が脳裏に咲く。
「ふふ。良くできました」
如月は満足気に微笑み、睦月の頭を撫でた。
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