如月さん、拾いましたっ!

霜月@如月さん改稿中&バース準備中

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番外編 覚えてもらえてないほど辛いことはないっ?! きさにゃぎさん、ハロウィンの絵など!

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「佐野卯月と今からデート?!」


 思わず、友達の水城みずしろの言葉に耳を疑う。僕は金森純かなもりじゅん。中学3年生。果たして、僕のことを覚えている方はいるだろうか?(※4話参照)


 いや、居ないな。


 僕は卯月ちゃんに三年間片想いしている。


 中学最後のクラス替えでは卯月ちゃんとは違うクラスになってしまった。その代わり、憎き友人、水城が卯月ちゃんと同じクラスに。あぁ、なんて悔しい。


 もうすぐ文化祭。その準備の買い出しを水城と卯月ちゃんが行くなんて、僕からしたら言語道断!!!


「あはははは!!! 俺は手に入れたのだ!!!! 買い出しという、卯月ちゃんと2人きりになれる座を!!!!」
「お前が一緒に行く必要はない!!!!」


 そうは言ってもクラスの違う僕に、こいつを止める術はない。終礼も終え、もう下校時刻。階段を下りながら、下駄箱へ向かう。


「残念だったな、金森。俺は卯月ちゃんと付き合うぜ!!!」
「前見て階段下りろ」


 でれでれしながら、こちらばかりみて階段を下りる水城に、呆れる。付き合えるものなら卯月ちゃんと付き合ってみろ。


 今まで何人の卯月様を愛する会の同志が告白してきたと思っているんだ。皆、『お前と付き合うくらいなら、如月と付き合う』で一蹴されて帰ってきている。


 如月って誰だよ。


「はぁ~~愛しの卯づーーぎゃあぁぁぁあぁあ!!!!」
「おいっ!!!! あぁ~~……」


 水城が足を踏み外し、手すりを掴むことなく、下まで転げ落ちた。手を伸ばし、掴もうとしたが、間に合わず。まぁ、自業自得だな。僕は注意した。


「前見て歩けって言ったじゃん」
「いや、そんな……落ちるなんて……」


 階段の下で座り込む水城のそばにしゃがみ、頭を見る。血がどこからか垂れ、とても、買い出しどころではない。これは間違いなく、病院行きだ。


「これじゃあデートに行けないね。代わりに僕が行ってあげるよ」
「血で色づいた今の俺は最高にイケメンな男!!! このセクシーさは卯月ちゃんも惚れる!!! 俺は行くぜ!!!」
「無理だと思うなー」


 卯月ちゃんはどこか冷めている。血まみれのやつなんか目の前にしたら、門前払いだろう。


 それに噂によるとお兄さんは相当なイケメンだとか。僕たちの顔面レベルじゃ良くて、友達。あとは粗大ゴミだ。相手にされない。


「早く卯月ちゃんの元へ行かねば!!!」


 立ち上がり、足早に下駄箱へ向かう水城の背中を追う。どうやら、校門で待ち合わせをしているらしい。スニーカーに履き替え、水城が校門へ駆け出した。


 校門を見ると、卯月ちゃんがつまらなさそうに、スマホをタップしながら立っていた。本当に約束していたんだな。


 水城が卯月ちゃんのそばに寄った。少し距離を置いて、2人の様子を観察する。どうか水城が振られますように。


「好きだ!!!! 買い出しへ行こう!!!」


 どういう告白……。


「いやもう、帰れよ」


 白く濁った目で水城を見つめる卯月ちゃんにはナイスとしか言いようがない。でもこれはチャンス?! 今行けば卯月ちゃんと話せるかも?!


 中1の時同じクラスになって以来、一度も話していない!!! 水城には悪いが、僕も卯月ちゃんと仲良くなるキッカケが欲しい!!!


 卯月に振られ(?)固まる水城の元へ行き、声をかける。


「こいつの代わりに僕が一緒に行っちゃだめ?」
「誰?」
「……なるほど、そこからか」


 眉を中央に寄せ、首を傾ける卯月を見て、涙が出る。


 結局、如月と約束があるとか言われ、デートはしてもらえなかった。だから如月って誰だよ!!!
 




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 ーーーーーーーー
 ーーーー

 



 ーー如月視点。紅葉。



 夏もさかりを過ぎ、木々は赤や黄色、橙色に葉が変わりゆく。


 私は睦月さんと初めての秋を迎えていた。


 涼やかな風が吹く中、黄金色の絨毯のような落ち葉の上を睦月と歩く。繋がれていない手が寂しくて、睦月の指先に触れる。


「あ……」


 絡め合う指先に、睦月の頬が色付くのが見え、口元に笑みが溢れた。



 ーーーーーーーーーーーー
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 ーーーー




 ーー旭視点。紅葉。



 年々遅れゆく木々の紅葉。


 今年、久し振りにお前と再会した。時も季節も変わって会ったお前は、性的指向も恋人も変わっていた。


 嬉しく思う反面、もう二度と届かなくなってしまった。お前のことを想うと目線が下がる。


 誰にも気づかれないように赤く染まる、草の葉が目についた。


「俺みたいだな……」




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 ーーーーーーーー
 ーーーー




 ーー如月視点。日常ひとこま。



「自分の布団で寝れば?」
「やだ」


 私の布団から動こうとしない睦月を後ろから抱きしめ、首筋に鼻先を埋める。甘い香りが私の情欲を掻き立てた。布団の中で絡み合う脚に感情が昂る。


 Tシャツの下に手を這わせ、素肌へ触れた。


「あっ…待っ……」


 私の布団に来ておいて、待ったはナシですよ。ふふ。


 
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 ↓誰得かも分からない私の絵なので、イメージ削がれる方はスクロールして飛ばしてください(笑)




 きさにゃぎさん。
 ジャスタウェイは、ジャスタウェイです(何)




 ハッピーハロウィン。
 3人ともエピと同じコスです!(頭のみ)






 あとがき。


 こんにちわ!! いつも『如月さん、拾いましたっ!』をご愛読頂き、ありがとうございます!!!


 たくさんのイイネ、ブクマ、ラッパ、本当に嬉しくて……創作活動の励みになります!!! よかったら、推してくださると、頑張れます(泣)


 今回はXで階段から転げ落ちる(?)を題材にコメディで書くみたいな……(?)そういうお話があり、Xで推敲なしでアップしたんですね。


 でもね、うん。たとえ金森とかいう、一瞬のモブの話でも、佐野卯月って名前出したからには推敲したくなった。


 ってことで、ほぼリライトにも思えるが、推敲して、こちらに持ってきました。推敲前の方が頭悪そうで、笑いが強いかなぁって感じも……。(悪くなってるのか?)


 推敲前のものはXの佐野睦月のハイライトで見れます。(無駄に課金したorzそのうちやめる)


 下3つは前回同様、Xの140文字企画のものになります。Xには万人向けに投稿してますが、ただの如月さんなので、編集し直してます。


 上2つは紅葉お題です。如月視点は街路樹紅葉デートだと、イチョウが一般的かなぁ? と思いまして。紅葉と聞くと赤をイメージしがちですが、黄色で書いてみました。


 旭視点、紅葉。紅葉は足下から、なんて言いますよね。なので、それをちょっと書いてみたくて。思いの外、寂しい感じになってしまいました。


 ひどいことしたけど、旭の立場は切ないもんな。私は旭の味方だぞ。(?)


 最後はお布団がお題でした。霜月の書く布団なんて、えっちになるに決まってます。140字でもえっちな雰囲気に書けた自分に驚きました。(何に驚いてるの)


 そして、予告!!!(?)


 ハッピーニューイヤー=1月=睦月の暦=睦月バースデー!!!(?)


 ぉおぉおおぉお!!!! イラスト依頼するしかねぇ!!! ってことで、依頼しました。(どんだけ)


 お楽しみに!!!


 睦月の誕生日は1月11日です!
 イラスト公開は間に合えば、1月1日にしたいなぁと思います。

 
 という謎報告でした。


 あとがきばかり長くなり申し訳ない。


 Xは佐野睦月で検索すれば出ると思います。(いけめんが出ます)


 ではそろそろこの辺で!!!


 ここまで読んでくださり、ありがとうございます!!


 イイネ、ブクマ、あと今は投票! 本当に創作の励みになります!! 執筆が頑張れるので、良かったらお願いします!!


 睦月のバースデーがやりたいがために1月までやろうとしてる、ぽんこつ作者ですが、(如月さんだってお祝いしたい/黙れよ)


 如月と睦月と卯月をよろしくお願いします!!!


 ではまた明日お会いしましょう!!
 
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