如月さん、拾いましたっ!

霜月@如月さん改稿中&バース準備中

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63話(2)今日初夜を迎えます?!どうせ脱がされるのだから何穿いても一緒です?!

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 夕食を食べ終わり、リビングに寝転がって、ぼんやりとお風呂のことを考える。睦月さんと入るべきか、1人で入るべきか。


「や、弥生さぁあぁん!!!」


 ぎゅむ。


 背中に何かが乗った。すりすり。頬が背中に擦られている。


「一緒にお風呂はいろ~~」
「ん~~今日は別々で入りません?」
「ぇえ!!!」
「初夜ですし」


 睦月さんは禁欲生活を送って敏感になっているはず。そんな素敵なお楽しみ、絶対とっておきたい。一緒に入ったら、睦月さんの裸を見て、きっと私はえっちな気持ちになり、手を出してしまうだろう。


「う~~ん。分かったぁ……じゃあ如月から入って」
「うん……」


 如月になってるし。まぁいいけど。背中からごろんと睦月が落ちた。気持ちが萎えたようにしょんぼりしている。身体を起こし、睦月の頭を両手でわしゃわしゃと撫でた。


「よーしよしよしよし!!! よーしよーし!!!」
「わぁあ!!! あはっなにっ!!! 犬か!!!」
「笑った」
「へ?」
「べつに? あとでいっぱい可愛がってあげるからね」


 両手で睦月の頭を挟み、頭に口付けして、浴室へ向かった。



 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー
 *


 如月が風呂に入った。俺は今からこのリビングを結婚初夜モード(?)に改装する!!!!


「まずは、アレだな!! テーブルは不要!!!」


 ローテーブルを持ち上げ、洋室へ運ぶ。よし。次は布団!!! リビングに2枚敷いて、新婚初夜のいやらしさ(?)を醸し出す!!!


「初夜~~初夜~~」


 和室から如月と自分の布団を持ち、リビングに2枚並べて敷く。わぉ。えっちぃ。なんかせっかくなら、ランプ的な光るものとか置きたい。洋室の押し入れから、如月がクリスマスに買ったスノードームを取り出す。


「これ、枕元に置こう!!!」


 ふむふむ。良い感じ。


 あとは俺!!!(?) やっぱり初夜ならやっぱりちょっとえっちな下着をつけるべきか?!?! それとも正統派で攻めるべき?!?! 悩む!!!


「む~~っ…どうしよう……卯月に聞く? 妹に聞くってどうよ……」


 と、思いつつも襖を開け、布団の上でスマホをいじる卯月のそばで正座する。卯月がスマホから目を離し、俺を見つめた。


「何?」
「初夜はどっちがいいと思う?」


 背中に隠していた2枚の下着を布団の上に並べる。卯月の目が白く濁った。そんな目で俺を見るな。俺は真剣なんだ。


「きも」
「きもいとか言うな!!!」
「どうせ脱がされるんだから、なに穿いても一緒だって」
「そういう問題違う!!! 俺は如月を誘惑したいの!!!」
「それはぱんつの問題じゃなくて部屋着の問題では」
「えっ?!?! 部屋着?!?!」


 まだ部屋着には着替えていない。自分の部屋着は三本線が入った上下ジャージ。それに何か問題が?!?!


「部屋着ださい」
「ださくない!!!」
「如月を誘うなら、やっぱ彼シャツとか萌え袖みたいな可愛い要素は必須。その上でこの紐ぱんつ穿いとけ」
「彼シャツ?! 萌え袖?! えっ? 何?!?!」


 卯月が起き上がり、俺の衣装ケースをごそごそ漁り出し始めた。任せても大丈夫なのだろうか? 彼シャツって何?


「お兄ちゃん~~! 彼シャツの代わりになりそうな良いものあったよ!!」


 サイズが大きくて封印してあった長袖Tシャツを片手に、卯月が和室へ戻ってきた。布団の上に並べられたぱんつに、コーディネートするような形でTシャツが置かれた。


「良いんじゃない? これ!!! 萌え袖に少し彼シャツ要素ある!!!」
「これってズボン穿かないの?」
「穿いたら彼シャツの意味なくね?」
「こっ、こんなの着れるかぁあぁあ!!!」かぁあ。


 布団の上に並べられた下着と長袖のTシャツを抱きしめ、和室から出る。こんなの…こんなの恥ずかしすぎる!!! 如月はこういうの好きなの?!?!


「はぁあ~~……」


 でも、折角の初夜。如月をドキドキさせたいし、俺もドキドキしたい。着るべきか、着ないべきか。腕の中のTシャツと下着をじっと見つめた。



 *



 風呂から上がると、ローテーブルが片付けられ、リビングには2枚の布団が敷かれていた。いかにも新婚初夜みたいな、えっちな雰囲気が醸し出されている。


 睦月さんは私がリビングに来ると、恥ずかしそうに脱衣所へ入ってしまった。なんだか、緊張する。この空気感に。


「とりあえず睦月さんが出るまでに部屋の電気は豆電球に切り替えておこう」


 布団の周りをきょろきょろ確認する。アレとアレがない。自分がねこちゃんでも、そういうところの準備はきちんとして欲しいところ。


「これがないとえっち出来ないよ~~」


 スノードームの横に0.01と書かれた箱と潤滑剤を並べる。よし!!! これで準備は万端だ!!! 電気を消し、布団の上に座り、睦月を待つ。


 いつものリビングがすごくえっちに感じる。


 がら。


 脱衣所の扉が開き、睦月さんが出てきた。睦月の姿を見て、思わず固まる。ぶかぶかの大きめの長袖Tシャツから出た二本の脚。少ししか出ていない指先。Tシャツが大きいのか襟元がズレ、肩が見えている。


 な、なにその格好!!! えっちすぎでしょ!!! ばかなの??? 可愛い!!! ぁああぁあ!!!! はぁっ…チラ見せのエロスに燃える!!! 馬鹿は私だぁあぁあぁあ!!!


 手のひらで赤面した顔を隠す。はぁ、彼シャツ萌え袖最高。こんなに良いものだったのか。知らなかった。もう見ていられない。見ているとすぐにでも押し倒したくなる。一旦、落ち着こう。


 そんな私の気も知らず、睦月が隣に座り、私の腿に手を添えた。


「やっ…弥生さん……?」
「あっちいけ」
「なに、あっちいけってぇ~~初夜なのにぃ」
「早く行かないと襲うよ」
「……今日はそういう日でしょ?」


 襟元の隙間から見える桃色の尖りにドキッとする。肌着、着てないし。睦月の頬に手を触れ、優しく口付けする。


 ちゅ。


「無理って言ってもやめないよ」
「そんなに激しくするつもり……?」
「さぁ、どうでしょう」


 そっと布団に押し倒し、覆い被さる。お風呂の良い匂いが私の鼻腔を擽る。美味しい香りにいざなわれ、首筋を甘噛みした。


「んっ……」
「痕つけていい?」
「明日休みだからいっぱいつけてっ……」


 歯型の痕が付いた首筋を首元から舐め上げる。舌を這わせた喉元がびくりと震えた。首筋だけじゃ足りない。Tシャツを捲ると、ぷっくりと立ち上がった、桃色の先端が目に入った。


「立ってる。可愛い」
「こっ…これは……弥生さんが俺をそういう身体にしたのであって……」
「もうその身体も、一生私のものだね」


 頬を赤く染め、うっとりと私を見つめる睦月を見て、私はもう一度、唇を重ねにいった。


 



 
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