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23話(4)泣いて懇願するまで、私は絶対にいたシません?!
しおりを挟むシないと言いつつホテルに入る睦月さんって、本当に可愛い。言ってることと、体の欲求が矛盾してるんじゃないの?
手を繋いで歩いていた体感、えっちな目で見られた感じはあった。しかし、ホテルに入ってしまえばこっちのもの。もう、私から逃げられないよ、睦月さん。
脱衣所で浴衣を脱ぎ、浴室に入る。汗だくになった体をシャワーで洗い流した。頭も洗ってしまおう。身体も頭も綺麗に洗っていく。
「ふ~~っ」
すっきり。シャワーを終え、浴室から出て、バスタオルで身体の水滴を拭く。着付けは出来るんだなぁ~~。良家(?)のぽんこつナメんな。浴衣を着て、睦月の居る布団へ向かう。
ホテルのテイストは和室。浴衣にぴったりだ。さぁ、睦月さんを絶対に落とす!!!
「睦月さんもシャワー浴びたら? 汗かいたでしょ? 私、着付けますよ」
「う、う~~ん。まぁ確かに…入ってくる」
私を警戒しながら、脱衣所へ向かう睦月の背中を見つめる。
よしよし。あとは戻って来てから、シたい気分にさせれば私の勝ち。テレビでも観て待っていよう。ソファに座り、リモコンでテレビを付けた。
ーー如月は基本、空いた時間は本を読んで過ごしていたから、ホテルでテレビを付けたことがなかった!!
『あっあ~~んっ』
なにこれ。テレビとは? まぁ、そういう場所だし、これは仕方ないのか。女性とはしばらくシてないなぁ。別にシたいとは思わないけど。
『あんあんあん』
結構激しいな。でも興奮しないなぁ。顔の好みの問題かな。あっ、視点を変えよう。男の方を見てみよう。つい、女性ばかり見ていた。
なるほど。そういうプレイもアリだな。ふむふむ。睦月さんも挿れる側になったらあんな表情するのかなぁ……はぁっ……。考えるとむらむらする。もう観るのやめよ……。
リモコンに手を伸ばすと、浴衣を羽織った睦月が隣に座った。
「何観てんの?」
「いや、別に……付けたらアレだったというか……睦月さん立って。着付けます」
ソファから立ち上がり、睦月に着付けを始める。睦月が嫉妬に満ちた目で私を見てくる。観なきゃ良かった!!!
「あーいうの、観るの?」
「いや、見ないけど……」
なるべく目を合わせないように、着付けに集中する。
「頬赤くなってた」
「気のせいですよ」
「俺以外にも欲情するの?」
着付けをする手が止まる。睦月さん以外に欲情……? 風呂での千早を思い出す。アレは欲情? むらっとはした。いや、でも、しかし。
う~~ん? 相手がどんなセクシュアルマイノリティ持ってるとか、性別も関係ないし、千早にむらむらしてもおかしくはないなぁ。私は千早に欲情したのか?
悩みながら、再び着付けを始める。
「…………」
「なんで黙るの?」
「……性的魅力を感じれば欲情することもあるのかもしれません」
としか言いようがないし、風呂の件は口外できない。
「睦月さんが私を満たし続ければ、他の誰かに欲情することなんてないと思います。はい着付け終わり」
ちゅ。頬に口付けして、布団へ向かう。
「……俺……今日は…シないから」
「はいはい」
(それもいつまで言ってられるかな?)
「おいで」
布団に座り、伏目がちになっている睦月の手を引っ張った。
「うん……休憩だよね? 何もナシだよ?」
「休憩ですよ? シないシない」
股の間に睦月を座らせて、後ろから抱きしめ、肩に顎を乗せる。腕の中で感じる睦月が、少し熱い。私のことを意識している。
「休憩って何分?」
「満足するまで? まぁ折角だから、少し遊びません? シないんで」
睦月の帯を握り、解いていく。
「なっ、何してるの?! やめてっ?! 遊ぶって何?!」
「ん~~? こうやるの」
解いた帯で睦月の視界を遮り、頭の後ろで縛ると、びっくりしたのか、睦月が目隠しした帯に手で触れた。そっと、帯から睦月の手を外す。
「え? ちょっと!! 見えないんだけど!! 如月どこ?! 俺シないよ?!」
「うん、シないよ? いちゃいちゃはオーケーなんでしょ? 違うの? 私と遊ぼう、睦月さん」
そっと睦月を抱きかかえ、布団へ仰向けに寝かせる。手を伸ばし、ばたばたと、何かを探している。可愛い。
「ぇえっ!! 待って!! 何するの!! 怖いんだけど!! 外していい?! これ!!」
「だーめ。変なことしないからだいじょーぶ。よしよし」
何かを探す睦月の手の中に入るように、覆い被さる。不安になる睦月の頭を撫で、安心させる。なでなで。
「ん~~っ……またそれ! もぉ!」
私の背中に腕が回り、抱き締められた。その、私を求めて抱きしめる腕、好き。手の甲で、睦月の頬を撫でる。
「睦月さんの嫌がることはしないよ。どうする? やめる?」
「す……少しだけなら……」
「ふふ、そう来なくっちゃ」
「なんか乗せられてる気がする……」
今気づいても、もう遅いよ、睦月さん。
「あ、私、睦月さんがドロドロに乱れて『…弥生…シたいにゃぁっ……』って涙を流しながら懇願するまで絶対にシませんから」
「貴方は何を言ってるの?」
触れていた手の甲で、睦月の顔を横に向け、指先で首筋をなぞる。睦月の身体がピクッと反応した。目隠し効果か、感度が良い。
「別に? 睦月さんがシたくないって言うから、万が一のシたくなった時のえっちする方法を教えただけです」
浴衣を広げ、筋肉の動きを確かめるように、割れた腹部に口付け、そのまま、へそ周りを舌先でぺろりと舐めた。
「あっ……えっちする方法? それ…っん…ぁっ」
視界が塞がれているせいか、キスだけでも敏感に身体が震える。可愛いなぁ。これは全身愛撫して、ビクビク震えさせたい。
「お願いされるまでシないから安心して?」
普段、愛撫しないところもしてみたい。脇腹に顔を近づけ、キスを繰り返す。
「ぁっ…ちょっ…安心って? んっ…これが遊び……? ぁっ…」
たまには会話をしながらもいいかも。睦月の下腹が膨れているのを見て、口元に笑みが溢れる。
「信頼した恋人同士しか出来ない遊びです」
脚を持ち広げ、腿の付け根に顔を寄せ、舌先で舐め上げた。
「あぁっ……あんまり下は…んっ…その…だめっ……」
「なんでダメ?」
睦月の頬が少し染まっている。まぁ、聞かなくても分かるけど、貴方の口から聞きたい。お腹周りを指先で軽く押す。
「…んっ……きさらぎっ…そこ押さないで……あと…それはその…アレですよ…うん…」
「アレって何?」
もう一度、腿の付け根に顔を寄せ、舌先を這わせる。睦月が浴衣の袂をぎゅっと掴み、口を開いた。
「っん……反応しちゃうからっ!!!」
もう反応してるくせに。そんな反応させておいて、だめって言われたら、もっとシたくなっちゃうよ。
さぁ、いつまでシないなんて言い張れるかな? 帯を外した時、その大きな瞳がどんな風になっているか、想像すると、楽しみだよ。
「反応しちゃうの~~そっかぁ~~じゃあもっと、反応してもらわないとね」
「へ? 何言って…ぁっーーんんっ」
目隠しされ、頬を赤らめる睦月に思わず、身震いして、むさぼるように唇を重ねた。
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